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「ランパンパン」(評論社)
「でておいで、ねずみくん」
の絵を描いていた ホセ・アルエゴ
の描いた絵本です。原作はインドの民話(みんわ)らしいのですが、 「女房(にょうぼう)」
を 王様
にさらわれた 「くろどり」くん
が、王様から女房を取り返すお話しです。
表紙をご覧いただくとおわかりでしょうが、鳥かごに入れられているのが 「くろどり」くん
の 「にょうぼう」
です。
王様
相手に、たたかう 「くろどり」くん
の装束(しょうぞく)はこんな感じです。
抱えているのが、 進軍の太鼓
で、 「ランパンパン」
は 太鼓の音
です。頭にかぶっているのが胡桃の殻で出来た 兜(かぶと)
です。 ホセ・アルエゴ
という人の絵です。
この絵本の面白さは、彼の絵の面白さですね。 「くろどり」くん
の、この眼付とか、 王様の兵隊
とか ニワトリ
とか ゾウ
とか、いろいろ、たくさん出てくるシーンですね。
ああ、そうだ、もう一つは、闘う 「くろどり」くん
の仲間のユニークさですね。ここの所 「ねこ」
の絵本に偶然出会っていますが、今回の猫はこんな感じです。
中々な顔をしていますでしょ。ぼくは気に入っているのですが、いかがでしょうか。
もっとも、このシーン、実は一匹の猫なのですが、なぜ、こんな絵になっているのでしょうね。
絵だけの 「仕掛け絵本」
というおもむきですが、興味のある方は図書館にでも行って探してみてください。
1989
年
に出版された絵本で、新しく購入することはできないようですね。ご覧になるとしたら、やはり図書館でしょうね。
追記2022・07・04
考えてみれば40年以上も昔に出版された絵本です。わけのわからなさがおおらかで楽しい絵本です。大人の感想ですが、とても優れた編集者がいたことを感じさせてくれる本です。最近の絵本についてよく知っているわけではありませんからいい加減な発言ですが、子どもたちが 「なんだこれ?」
と思って出会う世界も少しづつ変わってきているのでしょうね。なんだか、すぐにわかったり、何かの役に立ちそうな本がふえたような気もします。
子供の世界を大人の尺度でわかったつもりになりたがる時代、子どもを大人の世界の物差しに従わせたい時代、そんな雰囲気を感じます。それって、正しいのでしょうか?
そう言えば 「質の悪い子ども」
とかいう言葉がネット上に踊っていますが、ものすごいことをいう人が現われましたね。国政選挙の演説の発言だそうです。アゼンとして、言葉をうしないましたが、口にした人は子どものことなんて、ホントは興味ないんでしょうね。何とも言えない時代になったことを実感しました。
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