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2022.07.28
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​川本直「ジュリアン・バトラーの真実の生涯」(河出書房新社)​
​ ​なんだか、ヘンテコな小説を読みました。 川本直「ジュリアン・バトラーの真実の生涯」(河出書房新社) です。単行本で一段組ではありますが、ほぼ400ページの長編です。​

​​  川本直 という作家は、批評家としての仕事はあるようですが、小説に関しては、いわゆる新人作家で、この作品がデビューらしいのですが、いきなり、 読売文学賞 を受賞するという快挙(怪挙?)です。​​
知られざる作家  日本語版序文
 ジュリアン・バトラーの名前を知ったのは1995年、15歳の時だ。トルーマン・カポーティとゴア・ヴィダルを単独していたぼくは、二人と並び称されるジュリアン・バトラーという作家を発見した。戦後アメリカ文学をだ評する小説家だが、邦訳はすべて絶版になっている。日本ではいまだ知られざる作家といっていい。
 現在でも英語圏ではバトラーのすべての長編小説はペンギン・モダン・クラシックスから再版され、作家自身も著名人としての華麗な遍歴で知られているが、作品論やテクスト論はあっても作家論や評伝はない。バトラーの生涯はその名声に反し、長きにわたって夥しい伝説的なゴシップの靄に包まれていた。
 2017年に出版されたアンソニー・アンダーソンの回想録「ジュリアン・バトラーの真実の生涯」によって、謎めいたバトラーの実像は明らかになった。アンダーソンは覆面作家だったが、この回想録で自らの正体も公にしている。
 本書はAnthonyAnderson.TheRealLifeofJulian Butler:AMemoir.(RandomHouse,2017)の全訳である。
                                    川本直
​  ​​単行本の冒頭には、後半は省略しましたが、こんな 「日本語版序文」 掲げられています。巻末には10ページに渡って参考文献がリストアップされています。 ジュリアン・バトラー の邦訳書や、ペンギンブックス等に所収されているという原書の作品リスト、その作品に言及した批評だけでも20項目を超えるのですが、その中にこんなリストを見つけて、ようやくはてなと思いました。​​
吉田健一「米国の文学の横道」(垂水書房)1967年
三島由紀夫「不道徳教育講座」(角川文庫)1967年
​  ​​ 三島由紀夫 に該当の書籍はあります。しかし、 吉田健一 には 「英国の文学の横道」(講談社文芸文庫・垂水書房) という書籍はありますが、 「米国の文学の横道」(垂水書房) という書籍はありません。架空の書籍なのですね。ありそうな書名ではありますが、 吉田健一 に興味を持った経験がある方であれば、彼が 「米国の文学」 を批評の対象にして言及するということはちょっと考えにくい気がします。​​
​ で、ようやく、この作品、及び 「ジュリアン・バトラーの真実の生涯」(河出書房新社) という書籍そのものの正体の輪郭が浮かび上がってきました。​
 世の中には巨大なジオラマとか鉄道模型に熱中する、いわゆる 「オタク」 と呼ばれる、趣味の世界に生きている人が、けっこうたくさん生息していると聞きますが、本書は 米国戦後文学 というジオラマの舞台に、同性愛、異性装の異端作家 ​ジュリアン・バトラー​ という実に念入りに作った人形模型、フィギュアを配置し、動かして見せるという クィア小説 なのですね。
米文学のもっともスキャンダラスな時代、
一際スキャンダラスに生きた恋人たちの生涯を、
川本直は微塵の妥協もなく正攻法で描き切る。
佐藤亜紀


クィア文学の嚆矢、ジュリアン・バトラーに魅了された。
その秘められた真実に打ち震えた!
伏見憲明
​​​ 新刊本の​腰巻に載せられた、まあ、販売促進のためのキャッチ・コピーではあるのですが、 「絶賛」 の言葉です。ネット上のレビューでも好評です。が、所詮、模型は模型、インチキはインチキ、 「微塵の妥協」 もしないのは ジオラマ・オタクの本領 と感じてしまう読み方もありそうです。オタク的精巧さがこの作品、あるいは書籍の特徴で、そのあたりには感心しながら楽しんで読みましたが、 読売文学賞 で称えるのは、ちょっと?というのが正直な読後感でした。​​​
​​​​ フェイクが囃し立てられる時代の風潮の薄っぺらさに対する 「不安」 を実感するには格好の書籍、本だと思いました。そういえば 三島由紀夫 「不道徳教育講座」 には 「大いにウソをつくべし」 とかいう項目もあったように思います。まあ、一度、読んでみてください。​​​​
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最終更新日  2022.07.28 22:57:55
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