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2024.07.09
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​​ 宗左近「長編詩 炎える母」(日本図書センター)
​​​​  中村稔 という詩人の 「現代詩人論」 という上下巻の大作評論を読みました。その中で、取り上げられた。いわゆる戦後史人たちの作品に、出会い直す、あるいは、新しく出会うという体験をしたのですが、それは、ボク自身が、1970年代、今から50年前にそれらの詩や詩人たちの発言に触れることで、今のボクの考え方や、感じ方を基礎づけたと思われる、まあ、種のようなものを、再発見する体験でもあったのですが、その中で、
​​ 「ああ!」 ​​
​  と思わず声を上げたくなるような再会もあったわけで、その一つが、この詩集です。​​​
 宗左近「炎える母」 です。
 ボクが、どの出版社の詩集で読んだのか、実は何も覚えていません。年譜によれば ​1967年彌生書房​ から出版された長編詩集で、今回、読んだのは 日本図書センター から、 2006年 「愛蔵版詩集シリーズ」 として再刊された本で、市民図書館で借りたものです。
 戦後詩、という範疇があって、幾多の詩人が、数えきれない詩を残していますが、
​​ 「ああ、これが、戦後詩だよな。」 ​​
 ​ と、1970年代に20代だったボクが、そう思った記憶だけがあって、70歳を迎えて、偶然読み直しました。で、今、20代の人たちに読んでほしいと素直に思いました。この詩集の、最大のクライマックス、東京大空襲の最中、燃え盛る火のなかを母の手を引いて逃げていた詩人自身が体験した悲劇の場面を描いた詩です。
 詩集そのものが100篇近くの詩で構成されていて、全体で300ページを越える長大なものですが、この詩も8ページを越える長編詩ですが、読み始めれば、最後まで読み続けるほかには、どうにもなすすべがないことが読めば、わかります。題名は 「走っている その夜14」 です。​

 ​ 走っている
       その夜 14
走っている
火の海のなかに炎の一本道が
突堤のようにのめりでて
走っている
その一本道の炎のうえを
赤い釘みたいなわたしが
走っている
走っている
一本道の炎が
走っているから走っている
走りやまないから走っている
わたしが
走っているから走りやまないでいる
走っている
とまっていられないから走っている
わたしの走るしたを
わたしの走るさきを
焼きながら
燃やしながら
走っているものが走っている
走っているものを追いぬいて
走っているものを突きぬけて
走っているものが走っている
走っている
走って

いないものは
いない
走っていないものは
走っていない
走っているものは
走って

走って
走って
いるものが
走っていない
いない
走って
いたものが
いない
いるものが

いない

母よ

いない
母がいない
走っている走っていた走っている
母がいない

母よ

走っている
わたし

母よ

走っている
わたしは
走っている
走っていないで
いることができない

ずるずるずるずる
ずるずるずる
すりぬけてずるおちてすべりさって
いったものは
あれは
あれは
すりぬけることからすりぬけて
ずりおちることからずりおちて
すべりさることからすべりさって
いったあの熱いものは
ぬるぬるとぬるぬるとひたすらにぬるぬるとしていた
あれは
わたしの掌のなかの母の掌なのか
母の掌のなかのわたしの掌なのか

走っている

あれは
なにものなのか
なにものの掌のなかのなにものなのか

走っている
ふりむいている
走っている
ふりむいている
走っている
たたらをふんでいる
赤い鉄板の上で跳ねている
跳ねながらうしろをふりかえっている

  母よ
  あなたは
  炎の一本道の上
  つっぷして倒れている
  夏蜜柑のような顔を
  もちあげてくる
  枯れた夏蜜柑の枝のような右手を
  かざしてくる
  その右手をわたしにむかって
  押しだしてくる
  突きだしてくる

わたしよ
わたしは赤い鉄板の上で跳ねている
一本の赤い釘となって跳ねている
跳ねながらすでに
走っている
跳ねている走っている
走っている跳ねている

一本道の炎の上

母よ
あなたは
つっぷして倒れている
夏蜜柑のような顔を
炎えている
枯れた夏蜜柑の枝のような右手を
炎えている
もはや
炎えている

炎の一本道

走っている
とまっていられないから走っている
跳ねている走っている跳ねている
わたしの走るしたを
わたしの走るさきを
燃やしながら
焼きながら
走っているものが走っている
走っている跳ねている
走っているものが突きぬけて
走っているものが追いぬいて
走っているものが走っている
走っている
母よ
走っている
母よ
炎えている一本道
母よ​​​​​​​

 ​いかがでしたか?
 作品の文学性がどうのとか、技法がどうのとか、まあ、いろいろ言う人はいるのかもしれませんが、​​​​​​戦争が終わって、20年、戦後を生きて、この詩を書いた詩人がいたことをおろそかに考えてはいけないんじゃないかというのが、ボクの率直な感想です。



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 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で 楽天ID をお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)​​​​

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最終更新日  2024.07.10 00:07:03
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