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ジョン・カサベテス「グロリア」シネマ神戸 2024年、だから、今年の8月14日にジーナ・ローランズというアメリカの女優さんが亡くなりました。94歳だったそうです。 夫がジョン・カサベテスという人で、映画監督です。奥さんは長生きでしたが、この人は1989年に肝硬変だかで、60歳にもならないで亡くなってしまっています。 もっとも、映画監督としてはなかなかの方で、残された作品はとても評判がいいんです。奥さんのローランズも、繰り返し映画で撮っていらっしゃるのです。1960年代から80年代のことですが、その頃、映画にはまっていた筈なのに、当時、ぼくが見たのは1本だけでした。でもね、その1本で忘れられない人になったんですね。 まあ、この顔も思い出、というつもりだったんですが、コロナ騒ぎの影響もあったのでしょうね、一昨年くらいからこの監督の特集とかいうことで、初期の「フェイシズ」をはじめ、「こわれゆく女」とか、「ラブ・ストリームス」とか、次々と再上映されて、「あの顔が出ているんだから、1本のこらず!」 の気合で見続けて、まあ、納得したのですが、あの顔の1本の再上映はなかったのですね。トホホホ! で、今回、シネマ神戸でやった、まあ、二度目のカサベテス特集で、遂に上映されたんです。ふふふふ。 はい、ジョン・カサベテス監督、ジーナ・ローランズ主演、「グロリア」です。 もちろん、駆け付けました。もちろん、納得です! 40年ぶりに見直したのですが、「よしっ!」と掛け声をかけたいほどの爽快な記憶として残っていたジーナ・ローランズ、再確認です。 成り行きに腹を立ててはいるのですが、筋だけは通そうという七転八倒しながらの粋なセリフ、小生意気な少年の憎まれ口、オバはんとガキの絶妙なカップル! いいですねえ(笑)。 いきなり、ぶっ放すグロリアの強気一点張りの姿、最後まで生き延びる結末、ちょっとやりすぎかもの展開には、彼女が「親分の女だ」という理由があったんですね。ある意味、なーんだ、なのですが、ボクの結論はこれでいいのだ! でしたね。 監督のカサベテス自身は「あれはファンタジーだ」と、あんまり評価しなかったらしいのですが、オバはんとガキの夢物語、二人に、もう一度、40年ぶりの拍手!でした。監督・脚本 ジョン・カサベテス撮影 フレッド・シュラー編集 ジョージ・C・ヴィラセニョール音楽 ビル・コンティキャストジーナ・ローランズ(グロリア)ジョン・アダムス(フィル少年)ジュリー・カーメン(ジェリ・ドーン母)バック・ヘンリー(ジャック・ドーン父)1980年・121分・アメリカ原題「Gloria」2024・09・017・no122・シネマ神戸no15追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)(
2024.09.20
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ゲイソン・サバット「ドライビング・バニー」神戸シネマ 久しぶりのシネマ神戸でした。2本立ての1本は、実に元気のいい刑事さんが大活躍の韓国映画「犯罪都市 NO WAY OUT」でしたが、2本目はムショ帰りのおばちゃんと姪っ子のニュージ-ランド製ロードムービー「ドライビング・バニー」でした。見ていて、これは、きっと、女性の監督だな・・・ と思いましたが、監督はゲイソン・サバットという、タイ出身の女性で、ニュージーランドで仕事をしている方だそうです。 で、映画ですが、納得でした(笑)。 原題は「The Justice of Bunny King」ですから、「バーニー・キングの正義」ですよね。邦題のドライビング・バーニーのバーニーが、本名バーニー・キングさんです。 年齢は40歳くらいで、故殺か過失かは定かでありませんが、夫殺し、服役して出所してきたものの、交差点に停車する自動車の窓拭きをして小銭をせびるのが、一応、「仕事」です。住所は、最近、再婚したらしい妹の家に居候です。子供が、ルーベンという小学生くらいのしっかりした男の子と、シャインという足が不自由らしい、幼稚園くらいのかわいらしい女の子と、二人いますが、ムショ帰り、住所不定、無職というわけで親権を停止され、子供たちと会うこともままならない女性です。 彼女の夢は子供たちと暮らすことですが、子供を保護(?)している行政の要求は「まっとうな暮らし」 です。 で、彼女はまっとうな暮らしのために、結構、懸命なのですが、ここぞっていうところで邪魔が入っちゃうんですよね。邪魔するのが「The Justice」です。 見ちゃうんですよ。妹の夫のビーバンが、義理の娘トーニャに言い寄るところを。そういえば、娘のシャインに対する夫の虐待の話も、ちらっと出てきますね。そこは、許せないんですよね。彼女の中で「The Justice」がムクムク頭をもたげてきて、もうどうにもならないんです。 で、結局、トーニャと二人で、子供探しの旅です。 とどのつまりは、人質騒ぎになって、撃たれちゃうのですけど、何とか、命だけは失わずにすんでホッとしたのですが、この映画の中で、バーニーは、なんか悪いことをしたんですかね? 彼女は、人として最低限、これだけはっていうThe Justiceを生きているだけ なのじゃないですかね。 もう1本の韓国の映画では、そこまでやるか!? と笑いながら、みんなが拍手するところまで暴れまわるマ・ソクト刑事を支えていたものと、最後はよってたかって銃で撃たれちゃうバーニー・キングの中にあるものはどこが違うんですかね。 後先考えず頑張っているバーニーにも、それって変でしょに気づいてThe Justiceのイバラの道を選びつつあるトーニャにも拍手!でしたね。監督・原案 ゲイソン・サバット原案・脚本 グレゴリー・デビッド・キング ソフィー・ヘンダーソン撮影 ジニー・ローン編集 クシュラ・ディロン音楽 カール・スティーブンキャストエシー・デイビス(バニー・キング)トーマシン・マッケンジー(トーニャ)エロール・シャンド(ビーバン)トニ・ポッター(グレース)シャナ・タン(アイリン)2021年・100分・G・ニュージーランド原題「The Justice of Bunny King」2024・09・04・no115・神戸シネマno13追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)(
2024.09.11
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イ・サンヨン「犯罪都市 NO WAY OUT」CinemaKOBEシネマ神戸 今日は、久しぶりに新開地のCinemaKOBEです。神戸で、所謂「名画座」、だから2本立てとかで少し古い映画をやってくれる映画館は、まあ、ボクが知る限りですが、このCinemaKOBEとパルシネマ、それからポルノ専門らしい福原国際の3館だけです。CinemaKOBEとパルシネマは新開地商店街の南の端と北の端にあります。福原国際は、同じく新開地ですが、ピンクゾーンの端です。福原国際は4本立てとかで、日活のロマンポルノが全盛で、若き日の桃井かおりとか秋吉久美子とかかかっていたり、仁義なき戦いとかやっていた50年前にはよく通いましたが、それ以来、時々前を通ることはありますが、入ったことはありません。ポルノ映画を見るのも、まあ、メンドクサイですしねえ・・・(笑)。 CinemaKOBEは、その頃は新劇シネマと呼んでいたと思いますが、今は「CinemaKOBEシネマ神戸」です。2本立てのCinema1と数本のプログラムで1本立てのCinema2の2館セットで、今日はCinema1の2本立てです。この映画館、何といっても嬉しいのは喫煙室があるんですよね。 ボクは、ここに来ると、ここで一服して、お茶を飲んで、おにぎりかパンをかじります。 今回はこっち側の壁にアラン・ドロンがおおぜいいました。なつかしいですね。 で、休憩して、1本目が韓国映画「犯罪都市 NO WAY OUT」、2本目がニュージ-ランドの映画らしい「ドライビング・バニー」でした。 というわけで、ようやく、イ・サンヨン監督の「犯罪都市 NO WAY OUT」です。監督は1作ごとに代わるようですが、主役のマ・ソクト刑事を演じるマ・ドンソクさんのあたり狂言らしく、「犯罪都市」というシリーズの第3作めのようです。 面白かったですね。いわゆる刑事もの、警察もので、いかついマ・ドンソクさんが演じる広域捜査隊とかのマ・ソクト刑事の独り舞台!です。チラシで見ると「なんじゃこれ?」 というイカツさですが、映画の中ではなかなか愛嬌があって、ボカスカ殴りまわるのですが、笑いながら「もっと、ヤレ!ヤレ!」「ガンバレ!負けるな!」 という気分にしてくれます。韓国で大人気のシリーズだそうですが納得の痛快さでしたね。 敵役がイケメンの麻薬捜査官と日本刀を振り回す日本のヤーさんというのも笑えます。 いやー、マ・ドンソク馬 東錫さん、顔覚えちゃいましたね。拍手!(笑) シリーズの第4作が2024年の秋公開されるらしいですが、見ないとしょうがないですね(笑)。監督・脚本 イ・サンヨン脚本 キム・ミンソン マ・ドンソク イェ・ドンウ撮影 イ・ヒョン美術 パン・ギルソン編集 キム・ソンミン音楽 モク・ヨンジン武術 ホ・ミョンヘン ユン・ソンミンキャストマ・ドンソク馬 東錫(マ・ソクト:広域捜査隊)イ・ボムス(チャン・テス:広域捜査隊)キム・ミンジェ(キム・マンジェ:広域捜査隊)イ・ジフン(ヤン・ジョンス:広域捜査隊)キム・ドゴン(チョン・デビッド:広域捜査隊)イ・ジュニョク(チュ・ソンチョル:九龍署麻薬捜査官)チェ・ウジュン(イ・ガンホ:九龍署麻薬捜査官)ハン・ギュウォン(キム・ヨングク:九龍署麻薬捜査官)青木崇高(リキ:一条組)國村隼(一条親分)チョロンコ・ギュピル(チョロン:白ザメ組)チョン・ソクホ(キム・ヤンホ:一条組韓国支部)アン・セホ(トモ:一条組韓国支部)2023年・105分・PG12・韓国原題「범죄도시3」英題「The Roundup: No Way Out」2024・09・04・no114・シネマ神戸no12 追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)(
2024.09.08
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スチュアート・ローゼンバーグ「暴力脱獄」シネマ神戸 2023年の1月24日(火)の夜から25日(水)にかけて、いわゆる寒波襲来で、神戸にも雪が降りました。25日は市バスもJRも止まってしまって、まあ、寒さも本格的ということもあってどこにも出かけませんでしたが、26日は久しぶりに新開地のシネマ神戸にやってきました。お目当ては「名優ポール・ニューマン特集」です。 2022年の秋に、三宮のシネリーブル・神戸でやっていたのですが、なんとなく見損ねたまま終わってしまったので、あきらめていました。ところが、年明けからシネマ神戸で再上映していました。これは見ないわけにはいかないと意気込んだのですが、サンデー毎日の暮らしのシマクマ君に、思いがけない知らせが舞い込んだりして、あれこれと落ち着かないうちに、こちらも最終回で、なんとか「暴力脱獄」の最終回に駆け付けました。 観たのは、監督がスチュアート・ローゼンバーグという人の「暴力脱獄」です。1965年ですから、半世紀前の作品です。 お目当てのポール・ニューマンが、青い目で謎のほほえみを浮かべながら、自らを抑圧するあらゆるものに、徹底的に反抗する映画でした。 夜の街角でパーキングメータに取りついて、太い鉄柱をねじ切っている男がいます。なんだかわからない、まあ、「やってやったぜ!」という(?)笑顔ですが、この男が、お目当てのポール・ニューマンでした。どっちかというと「賢い人」のイメージなのですが、この映画では最初から「おバカな男」のようです。 当然のことながらK察がやってきて公共物破損で捕まり、2年の懲役です。そこから刑務所暮らしが始まりますが、結局「暴力脱獄」という題名の意味が分かりませんでした。原題は「Cool Hand Luke」で、こっちは何となくわかります。もちろん、脱獄の話ですから「暴力脱獄」の「脱獄」の方はわかりますよ。でも、暴力的にふるまうのは看守とか所長(ストローザー・マーティン)のほうなわけで、脱獄を繰り返すルーク・ジャクソン(ポール・ニューマン)は暴力を振るうのではなくて知恵と根性で頑張るわけですからね。ほんと、日本の配給会社って、思い切ったというか、センスがないというか、すごい題で興行しますね(笑)。 印象に残ったのは、脱獄に失敗して帰ってきたルークに所長が言う言葉です。「我々には意思の疎通が欠けていたようだ」(What we've got here is failure to communicate) いや、ホント!権力者が口にする「我々we」だけには、ルークじゃないですが、なんとか抵抗したいものですね。お前と一緒にして一人称で語るな!ウザい! まあ、年甲斐もなく、そういう感想でした。 ああ、それからジョージ・ケネディという俳優さん、いい味出してましたね。当時のアカデミー賞で助演男優賞だったそうですが、こういう役柄の彼は初めて見ました。 もっとも、初めてとか言ってますが、今回、観ていて思い出しましたが、実は、40年ほど前に一度は観ていますね。もっと迂闊なことを言えば、ポール・ニューマンもジョージ・ケネディも、もうこの世の人ではないことを亡失していたことですね。 映画はポール・ニューマンとジョージ・ケネディに拍手!でした。 二十代に、同時代の作品として思入れしていた映画の出演者も監督も、みんな過去の人になっているのを確認するのは、やはり寂しいですね。マア、ボクも、そういう年齢になっているということなのですが(笑)。監督 スチュアート・ローゼンバーグ脚本 ドン・ピアース フランク・ピアソン撮影 コンラッド・ホール編集 サム・オースティン音楽 ラロ・シフリンキャストポール・ニューマン(ルーク・ジャクソン)ジョージ・ケネディ(ドラッグ)J・D・キャノン(レッド)ルー・アントニオ(ココ)ストローザー・マーティン(刑務所所長 )1967年・127分・G・アメリカ原題「Cool Hand Luke」日本初公開1968年8月3日2023・01・26-no011・シネマ神戸
2023.02.07
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中島みゆき「劇場版 ライヴ・ヒストリー 2007-2016 歌旅~縁会~一会」シネマ・神戸 中島みゆきという歌い手がヤマハのポプコンで優勝して世に出てきたのを、まあ、なんとなくではあるのですが覚えています。 「ババ臭い歌を歌いやがって!」 そう思いましたが、同じころ荒井由実という歌い手が、なんというか、異様に都会風というか、シャレた歌で登場しました。「ひこうき雲」なんてすぐ忘れられると思っていましたが、いまだに歌えるわけで、どうなっているんでしょうね。浪人していたころだったか大学に入学したばかりだったかのころで、中島みゆきは2歳年上、荒井由実は同い年でした。サザン・オールスターズが「勝手にシンドバッド」で登場するちょっと前だったと思います。「ニュー・ミュージック」で一括りされていたと思いますが井上陽水の「傘がない」とか「夢の中で」も流行っていました。 中島みゆきの最初のLPが「私の声が聞こえますか」で、荒井由実のLPが「ひこうき雲」でした。荒井由実のほうが少し早かったと思いますが、両方とも買った覚えがあります。バイト代の時給に350円貰えればうれしかった時代に、LPは2000円を越えていました。それを買ったのですから、何を考えていたのかなあと思います。 あれから50年近い年月が流れました。お二人とも「ビッグ」になられましたが、時々聞くことはあっても新しいCDを買うなんてことは考えられなくなって30年は経ちます。 先日、元町映画館で「中島みゆき 劇場版 ライヴ・ヒストリー」の予告編がながれてきて、彼女の「ぼくは」、「きみが」という声を聴いてどきどきしました。「ああ、これは、泣くかもしれない!」 そう思ってやって来たのがシネマ神戸のモーニング・ショー、朝10時30分にはじまる「中島みゆき 劇場版 ライヴ・ヒストリー 2007-2016 歌旅~縁会~一会」です。 ザンネンながら泣きませんでした。 曲目は「糸」「宙船(そらふね)」「ファイト!」「誕生」「地上の星」、「空と君のあいだに」「時代」「倒木者の敗者復活戦」「世情」「ヘッドライト・テールライト」、「旅人のうた」「命の別名」「浅い眠り」「麦の唄」「ジョークにしないか」の15曲でした。 一応、知っている歌ばかりでした。ナショナル・シアター・ライブの中継と同じで、舞台上の中島みゆきが大写しされるので、見ていて飽きることはありませんが、「地上の星」はそんなふうに歌うのかという、ちょっとした驚きは感じましたが、後は冷静でした。どうしてでしょうね。 正直な実感でいえば、泣くはずだった「ファイト」あたりまでの、出だしの数曲の映像を見ながら「老けたなあ」と思ってしまったことが原因のような気がします。彼女が異様に高いピン・ヒールで歌っていたことと、笑わない目でにこやかに頭を下げていたことが印象に残りました。 考えてみれば、あれから50年経って、彼女は70歳になったはずです。まわりまわった時代のコッチ側に来て、大勢の観客をうならせる「芸」の人になったようなのですが、どんなに歌い方が上手になろうが、歌っている人を小賢しく見せてしまう「歌」は変わらないのですよね。 なんか、そのことがとても恐ろしいことのように感じました。しかし、面白く不思議な経験でした。がんばって、声を張り上げていた中島みゆきに拍手!です。2022年・85分・G・日本2022・03・30・シネマ神戸no6
2022.04.01
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