全35件 (35件中 1-35件目)
1
梦华录 A Dream of Splendor第31話「意外な救世主」東京(トウケイ)は嵐に見舞われ、大きな被害を受けた。池蟠(チハン)は率先して船着場の復旧に尽力していたが、横暴な官吏たちから理不尽な仕打ちを受ける。そんな池蟠を援護したのは偶然、通りかかった趙盼児(チョウパンアール)だった。「皆が立ち直ろうとしているって時に何なの?!卑しいのは人ではなく、人を見下す心よ!」「その通り!」パンRの言葉は群衆の心を打ち、皆がさかんに囃し立てた。すると焦った提点(テイテン)は汴河(ベンガ)に帽妖(ボウヨウ)が出た時2人の女が逃げたと話し、あろうことかパンRと孫三娘(ソンサンニャン)がその2人だと因縁をつける。群衆は帽妖と聞いて及び腰になったが、その時、突然、琵琶の音が響き渡った。船着場に沈如琢(シンジョタク)の元から逃げ出した宋引章(ソウインショウ)が現われた。引章はパンRと三娘が賊なら、共に茶坊を開き、同じ屋敷で暮らす自分も責めを負うべきかと迫る。「ならば私に″風骨″の揮毫(キゴウ)を下さった柯(カ)老相公も、その場にいた蕭(ショウ)宰相も同様ですね」提点は帽妖事件に重臣が関わっているはずないとあしらったが、池蟠は帽妖事件なら皇城司(コウジョウシ)の担当だと揚げ足を取った。「いつから開封(カイホウ)府の提点が担当することになった?」その頃、参内した高鵠(コウコク)は門で驚くべき男と出くわした。「欧陽旭(オウヨウキョク)?!なぜお前がここに?!」「無事に抱一(ホウイツ)仙師にお会いできて昨日、帰京しました」池蟠はパンRが生き閻魔こと顧千帆(コチェンファン)の許嫁だと明かした。驚いた提点は態度を一変、酒を飲み過ぎて人間違いしたと謝罪したが、パンRはお互いに権勢を盾にした者同士だと笑う。「私たちは確かに卑しい商人です、書生の高潔さや官吏の武勇はない でも私たちが酒や茶を売らなければ、都や大宋の繁栄はなかったはず 都に抃河が必要なように、大宋にも商人が必要ではないでしょうか?」パンRは民と心を合わせることができれば提点の名も轟くだろうと諭した。高鵠が屋敷に戻ると高慧(コウケイ)が涙にくれていた。実は都に戻った欧陽旭から文が届き、以前、西京(セイキョウ)に送った腹当ての半分を返してきたという。婚約解消のため用心棒を送った時、恋文を取り戻すよう命じたが腹当てのことはすっかり忘れていた。「残りの半分には私が刺繍した″慧″の文字が…」パンRと三娘は引章が逃げてきた理由を知った。引章は顧千帆に敵を討って欲しいと頼んだが、パンRは自分と顧千帆も終わったと明かす。実はあれから顧千帆が姿を消してしまい、酒楼は買い取れず、茶坊も嵐で壊れていた。パンRは危うく引章の姉との約束を破るところだったと反省したが、引章は自分の虚栄心や嫉妬心が原因だという。「私は悟ったわ、風骨の2文字は士大夫だけでなく、女子の立身の礎でもあるとね 茶坊であれ酒楼であれ、己の力を頼りに盗まず、奪わず、媚びず… 稼いだ銭に貴賎の区別はないはずよ!」引章はすっかり大人になって帰ってきたが、パンRはもはや商いをする気力を失っていた。「銭塘(セントウ)に帰るわ」しかし三娘は反対、パンRを叱咤する。「東京に残ったのは顧千帆のためではなく、意地を見せるためだったはずよ?! どうして男に執着し、初心を忘れるの?!」パンRはようやく目を覚まし、自分にも意地があると奮起した。池蟠はパンRたちに追いつき、和解を申し出た。パンRは無視したが、池蟠は自分の話を聞いて欲しいと訴え、しつこく追いかけ回す。その時、偶然、杜長風(トチョウフウ)が通りかかった。三娘の危機だと誤解した杜長風は棒を振り回し、運悪く池蟠の頭に当たってしまう。一方、皇城司では未だ顧千帆が昏睡していた。知らせを受けた陳廉(チンレン)が慌てて戻ったが、予断を許さない状態だという。蕭欽言(ショウキンゲン)が連れ帰ろうとしたが、孔午(コウゴ)が司使の命に従って断っていた。しかし何度も訪ねてきたパンRまで追い返したと聞き、陳廉はパンRが顧千帆の許嫁だと明かす。「茶坊の見張り役を呼べ、それからパンR姐に近頃、会ったか、私の母に聞いてこい!」パンRたちは医館で治療を受ける池蟠に付き添った。すると池蟠は船着場でのパンRの説諭に感銘を受け、本気で手を組みたいという。実は池蟠は東京十二商業組合の会頭でありながら酒楼組合に加われずにいた。永安(エイアン)楼という酒楼を持っていたが客足が少なく、いくら銭を積んでも重鎮から見下され、毎年の竈(カマド)神祭りでも在席さえ許されないという。「3人を永安楼の主として迎えたい、損失は私が負うが、儲けは半分ずつだ」しかしパンRはあの日の屈辱を忘れられず、医館を出て行ってしまう。池蟠は慌てて追いかけ、人目もはばからずひざまずいて叩頭した。「3度、叩頭させたから私は4度だ、これでどうだ?…銭塘には帰らないでくれ!」「銭塘に帰る?!誰が?!」三娘に思いを寄せる杜長風は慌てて口を挟んだ。池蟠の話では3人が銭塘に帰ると話していたという。驚いた杜長風は教坊司に籍がある宋引章は都を離れられず、引章を独りぼっちにするつもりかと反対した。パンRは三娘と引章の意思を確認して条件を出した。「では私が店主で三娘が料理長、引章は宴での音曲を担当 接客を担う招娣(ショウテイ)には給金の支払いを… 切り回しや働き手、長場は取りまとめるけど、配下も含め手を出さないこと 期限は1年、不満が生じたら直ちに退かせてもらう、退いても責めは負わず、引き止めも禁じる」すると池蟠は何も書いていない紙に血判を押し、パンRが自分で文面を書けばいいと言った。「池蟠、なぜ急に私たちを信用し始めたの?」「そっちこそ、なぜ私に助け舟を?」池蟠は確かに時折、愚行に走り、偉そうな態度を取ったりするが、同志と共に永安楼を天下の名店にしたいと考えていたという。「酒楼組合の重鎮が憤るくらいにな!」パンRは池蟠にも意地があるのだと共感し、申し出を受けることにした。池蟠はパンRたちを永安楼に案内した。永安楼は豪華なたたずまいだったが閑散としており、客がいないため使用人も賭場で遊んでいる始末だという。一方、高鵠は娘を欧陽旭に嫁がせることにした。思えばこれも高慧の自業自得、忠告を聞き入れて早く目を覚ましていれば、こんなことにはならなかっただろう。高慧は欧陽旭に掛け合うと言ったが、高鵠は止めた。欧陽旭は今や翰林(カンリン)学士、何より恐ろしいのは欧陽旭の後ろ盾だという。永安楼はもともと見せ物小屋で、池蟠が安値で買い取り、酒楼に改造していた。永安楼には今もその名残が残っていたが、放置されたまま荒屋のようになっている。池蟠はパンRを上階に案内、幼い頃、父とここから相撲を見たり、人形芝居を楽しんだりしたと懐かしんだ。「ここに座って顧千帆…いや、隣に住んでいた奴と一晩中、磨喝楽(モホロ)人形と遊んだものだ」池蟠は当時、自分にとって楽園だった見せ物小屋を壊せず、今もこうして残しているという。するといつの間にかパンRが階下の演舞台に立っていた。つづく( ̄▽ ̄;)何だかパンRが1番の問題児のような気がしてきたわw
2023.05.31
コメント(1)
梦华录 A Dream of Splendor第30話「女の底力」池蟠(チハン)は趙盼児(チョウパンアール)の弱みに付け込み、自分の女になれと戯言を吐いた。屈辱に耐えかねたパンRは池蟠を引っ叩き、結局、酒楼の資金を工面できずに帰ってしまう。悔しさと不安に押しつぶされそうになるパンR、しかしひとしきり泣いた後は前を向くしかなかった。パンRは覚悟を決めて望月楼(ボウゲツロウ)に乗り込み、店主の首にかんざしを突き付けた。「騒げば殺す!…取り引きを解消して300貫を返して!嫌なら一緒に死ぬまでよ! あの600貫は私たち姉妹が十数年かけて築いた財産、全て失うくらいなら命など惜しくないわ!」パンRは300貫を取り戻した。孫三娘(ソンサンニャン)と葛招娣(カツショウテイ)には店主に断腸散(ダンチョウサン)だと嘘を付いて丸薬を飲ませ、大人しくしていれば1ヶ月後に解毒薬を送ると脅したと説明する。「どうして独りで行ったの?もし何かあったら大変よ?」「私のせいだし、自分で解決しなくちゃ」パンRは酒楼を断念、茶坊を取り返すつもりだと明かした。そのためには宝飾品や書画を売り、杜長風(トチョウフウ)からも銭を借りるという。「だけど…2人は私と一緒にやり直したいと思う?」「もちろんよ!」三娘は即答、招娣もパンRと三娘について行くと答えた。「皆の忠告を無視した罰だわ…招娣、人には自立を促したのに私は男を頼った 私のようにはならないで」三娘と招娣はパンRから預かった宝飾品を売りに出かけた。しかしパンRが顧千帆からもらった珊瑚のかんざしだけはどうしても手放す気になれない。すると宝飾店の前で杜長風と出くわした。杜長風も仲介人としての責任を感じ、パンRに銭を貸そうと先祖が残した宝飾品を売りに来たという。招娣が店で交渉している間、三娘と杜長風は立ち話していた。その時、偶然、宋引章(ソウインショウ)が乗った馬車が通りかかる。2人の姿を見かけた引章は様子がおかしいことに気づき、酒楼の件で何かあったと分かった。そこで馬車を降りようとしたが、沈如琢(シンジョタク)に止められてしまう。「心配なら見張りをつけよう、だが今は林(リン)府の宴に行かなくては…」林三司は音律など分からない、ただの見栄っ張りの老夫だった。いきなり手を触られた引章は動揺して何度も音を外し、逃げるように下がってしまう。沈如琢はヘソを曲げた引章をなだめながら、林三司に媚を売るのも全ては引章を良民にするためだと説得した。「私の辛い気持ちもわかってくれないか」すると引章は宴に出る前に着替えて来ると言った。引章は控え室で久しぶりに張好好(チョウコウコウ)と会った。実は好好は池蟠と別れた後、ある官吏が正妻同様の待遇で身請けしてくれることになったという。「あなたはまだ若いわ、騙されては駄目よ」引章はいずれ沈如琢と夫婦になる約束だと安心させたが、好好は複雑な顔になった。沈如琢と一緒に酒席に招かれた引章、すると強い酒に酔ったのか、急にめまいに襲われた。引章は帰りたいと言ったが、沈如琢は失礼にならないよう別室で休ませてもらえばいいという。中座した引章は侍女に案内された寝所で横になった。外は次第に風雨が強くなり、その夜、東京は激しい嵐に見舞われる。やがて沈如琢が引章の様子を見に来た。どうやら引章はよく眠っているらしい。「催淫香(サイインコウ)を焚かなければ…」沈如琢が香を焚こうとしたその時、寝たふりをしていた引章がいきなり背後から襲いかかった。好好は池蟠に義理立てする必要もなくなり、引章に全てを明かしていた。実は教坊司では沈如琢の本性は有名で、名家の出というのも昔の話、上役に取り入って閑職を得たという。「狙った若い娘子(ニャンズー)をすごく丁重に扱うけど、ひとたび落とせば数日で飽きてしまう」沈如琢は歓心を買うため女子を上役に献上、慰み者にしていた。中には引章のように騙されたまま、貞操を失ったのは自分が酔ったせいで、沈如琢に申し訳ないという官妓までいたという。引章は沈如琢の頭を殴りつけ、手足を縛って寝台に倒した。「私は新人の楽妓じゃない、何度も宴に出ているのよ?迷魂薬はおろか鴆酒(チンシュ)も匂いで分かる 忘れたの?私の元夫がどんな末路をたどったのか?」引章は用意した誓約書に無理やり押印させ、侍女を襲って沈如琢の隣に寝かせてから逃げ出した。東京は未明からの嵐で街も港も壊滅的な被害を被った。半遮面に駆けつけたパンRと三娘は崩壊した店内に呆然、これでは取り戻しても意味がない。流石のパンRも今回ばかりは弱気になり、立ち直れそうにないとぼやいた。…父上、母上、東京に来たのが間違いだったのでしょうか?…商人たちが店の片付けに追われる中、池蟠は港の復旧に尽力していた。すると船着き場に官吏が現れ、こうなったのも補強しておかなかった池蟠のせいだと折檻する。可四(カシ)は先日の賂(マイナイ)が少なかったせいで官吏が難癖をつけていると分かったが、商人では頭が上がらなかった。その時、ちょうど意気消沈するパンRと三娘が通りかかる。人だかりに気づいて様子を見てみると、池蟠が官吏にひざまずいていた。「悪人が悪人を虐げる…自業自得だわ」パンRは胸がすく思いだったが、横暴な官吏は士農工商で一番卑しいのは商人だと蔑んだ。パンRは官吏の言葉に激怒し、思わず口を挟んだ。「港の組合長は民営の漕運業の領袖に過ぎない 港の復旧や河川の補修の作業は提点であるあなたに責任があるはずよ? 池衙内が支援するのは朝廷の恩義に報いるためなのに、何の粗探しかしら? …不幸続きだし、この際、言わせてもらうわ 商人が卑しいですって?ならば酒も衣も米も商人から買わないでくださいな 皆が立ち直ろうとしているって時に何なの?!卑しいのは人ではなく、人を見下す心よ!」そうだそうだ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ばーか! ←とは言ってないwつづく( ゚ェ゚)女の底力?…イヤイヤイヤ、それ脅迫w
2023.05.30
コメント(0)
梦华录 A Dream of Splendor第29話「屈辱」趙盼児(チョウパンアール)は手付金600貫を何とかかき集め、杜長風(トチョウフウ)を仲介人として無事に契約を済ませた。次は7日後、望月楼(ボウケツロウ)を引き渡す際に残りの600貫を支払えば正式に主となる。一方、重傷を負った顧千帆(コチェンファン)は回復もままならないまま無理をして都に戻っていた。しかし城門を入った途端にこらえ切れなくなり、馬を降りて吐血してしまう。そこへ蕭謂(ショウイ)が現れた。蕭謂は父に頼まれてパンRの過去を調べたと明かした。十数年前、パンRの父・趙謙(チョウケン)は民を救おうと無断で出兵し、朝議で言官に弾劾され重罪に処されている。実はその言官が蕭欽言(ショウキンゲン)だった。趙謙は民を愛し、文武両道に秀でて有能だったという。「大哥(ダーグァ)には同情するよ、未来の岳父が己の父の手で殺されたのだからな~」激怒した顧千帆は蕭謂の胸ぐらをつかんだが、蕭謂はまだ続きがあると言った。「趙謙に関する公文書をお前の卓に置かせたのは誰だと思う?私ではない、父上さ …あの人に心があるとでも?何でも利用し、全て計算ずくだ!ははは~!」蕭謂は父が長子と認める顧千帆に激しく嫉妬し、父の所業を暴いて顧千帆と離間させた。絶望した顧千帆は馬にまたがったが、やがて再び喀血し、そのまま意識を失ってしまう。その夜、パンRは悪夢を見て目が覚めた。夜風に当たりながら何の音沙汰もない顧千帆の身を案じるパンR。…神様、父上、母上、どうかあの人を無事に帰してください…実はその頃、顧千帆は古傷が悪化し、皇城司(コウジョウシ)で昏睡状態となっていた。一方、宋引章(ソウインショウ)は沈(シン)家で錦衣玉食でもてなされ、なに不自由なく暮らしていた。しかし一向に婚姻の話が進まず、いつになったら夫婦になれるのか聞いてしまう。沈如琢(シンジョタク)は正妻として迎えるためには先に賎民から籍を抜き、しかるべき良家の養女となる必要があると言った。「だから君にも協力して欲しい、演奏会などで再び重臣の目に留まり、教坊司に働きかけてもらおう それで楽妓を辞める方が自然だ」「高官の接待をしろと?」引章は困惑したが、沈如琢から将来の幸せのためだと説き伏せられてしまう。欧陽旭(オウヨウキョク)は御史中丞(ギョシチュウジョウ)・斉牧(セイボク)を訪ね、起死回生の一手を打った。「この夜宴図(ヤエンズ)と己の命を託し、犬馬のごとく仕えます」「しかしその″犬″はどんな肉を好むのか?」「東京に戻して頂けるなら肉など欲しません、例え土を食えと言われても動じないでしょう」「ほう?その土はちょうど今日、替えたばかりだ、味見してみるか?」すると欧陽旭は忠誠心を示すため四つ這いで植木鉢に近づき、土を口の中へ押し込んだ。欧陽旭は屈辱と引き換えに斉牧の信頼を得た。すると回廊で待っていた子明(シメイ)が欧陽旭の口元になぜか土が付いていると気づく。「…大丈夫ですか?」「骨を1本、抜かれたがわずかな痛みだ、ワン!ワン!」欧陽旭はまるで気が触れたように急に犬の鳴き真似をした。「東京に帰れる、骨1本が何だ?…はははは!」酒楼の引き渡しが明日に迫り、パンRは仕方なく支払いの延期を頼んだ。しかし望月楼の店主は証文通りに払えないなら契約は破棄するという。パンRは証文通りなら手付金の半分を返して欲しいと迫ったが、店主は1年かけて返済すると言った。「そちらの支払い期限は決まっているが、返金の期限は書いてない」杜長風(トチョウフウ)は立会人として責任を感じ、銭の工面を申し出た。しかし明日までに600貫を集めるなど無理、パンRは借りたとしても返せる目処がつかないという。杜長風はここであきらめれば酒楼も茶坊も失い、東京で築いたものが幻で終わってしまうと嘆いた。「そうね…全て虚しい幻で終わる…」「また質店を回り300貫を借りたらどうだ?茶坊を続けて少しずつ返済すると交渉すればいい」その時、パンRの脳裏にある男が浮かんだ。パンRは池蟠(チハン)を訪ねた。ついにパンRが頼み事に来たと知った池蟠は大喜び、そこで可四(カシ)はパンRを中庭に案内する道すがら、難癖をつけられても我慢すれば願いも通ると助言する。「ありがとう、頭を下げればいいのね」「…その珊瑚、素敵ですね」可四はパンRの珊瑚のかんざしに気づいて褒めた。パンRは質店の返済を待って欲しいと頼んだ。すると池蟠は顧千帆に捨てられたのかと嫌味を言う。「私と顧千帆は不倶戴天の間柄、お前に情があったらここにこさせるはずがない」パンRは怒りをこらえながら、さらに300貫ほど貸して欲しいと頼んだ。そこで池蟠は叩頭するなら貸してもいいという。覚悟ができていたパンRはその場でひざまずき3度ほど叩頭、しかし拍子抜けした池蟠は誠意がないとごねた。「ならどうしろと?」「歌妓だったそうだな?″想夫憐(ソウフレン)″を歌ってみろ、歌えば貸してもいい」「想夫憐?…男への想いをどう表すか知りたいのね?歌の代わりに軟舞(ナンブ)を舞うわ」「いいだろう」パンRの舞は確かに若妻が出征した夫を想う、美しくも切ない舞だった。使用人たちは思わず涙し、池蟠は感激のあまりしばし呆然とする。しかしパンRを懲らしめるため、池蟠はまだ満足できないと言い放った。「踊りも見せたし頭も下げた、まだ出し渋るとは…それでも男なの?!」すると池蟠はようやく300貫の庫券を渡すと決めた。その前にパンRを近くに呼びつけ、担保として珊瑚のかんざしを渡せと迫る。パンRは仕方なく顧千帆からもらったかんざしを抜いて差し出した。「顧千帆が捨てたなら私の女になればいいだろう?」さすがに我慢も限界、堪忍袋の尾が切れたパンRはいきなり池蟠の横面を思い切り引っ叩いた。「池蟠、ブ男のくせにずうずうしい、この趙盼児、いつの日か今日の屈辱を晴らす」つづく(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ ダンダン!<イーフェイに頭を下げさせるなんて10年早いわ!でも欧陽旭とパンRの対比、面白かった
2023.05.29
コメント(0)
梦华录 A Dream of Splendor第28話「すれ違い」趙盼児(チョウパンアール)を困らせるため半遮面(ハンシャメン)に氷を売らないよう命じた池蟠(チハン)。いずれパンRが頭を下げに来ると期待していたが、思いがけず顧千帆(コチェンファン)が皇城司司使に昇格したと知った。実は内廷専用の氷室を司るのが皇城司、半遮面は氷に困っていないという。「何ということだ!」池蟠は激怒したが、その時、屋敷で見慣れぬ女を見つけた。葛招娣(カツショウテイ)の母親は孫三娘(ソンサンニャン)に言われた通り、池蟠にパンRからの文を渡した。「それをお読みになったら私に5貫くださると…」しかし紙には何も書いていない。池蟠はパンRにからかわれ激怒、女を打ち据えて外へ放り出した。その夜、顧千帆が六部から戻ると、陳廉(チンレン)が割れた人形を片手に泣いていた。「どうかしたのか?」「いいえ…銭はパンR姐に渡して来ました あ、確か大理寺から地方での調べを任されていましたね? 私が行きます、今すぐに…離京できるなら何でも良い」陳廉の気持ちが痛いほど分かる顧千帆は何も聞かず、肩を叩いて書斎へ向かった。顧千帆は配下からパンRが門前で何かを探していたようだと聞いた。恐らく黄色の花を探していたのだろう。…君に合わせる顔がない、だが一目だけでも、後ろ姿だけでも良い、君に会いたい…顧千帆はパンRへの想いが募り、深夜にこっそり桂花巷(ケイカコウ)を訪ねた。そっと母屋の窓を開けると、稲光でパンRの寝顔が見える。顧千帆は窓際の棚の上に3千貫の″大相国寺長生庫(ダイショウコクジチョウセイコ)券″を置いて帰ったが、折からの強風にあおられて手形が吹き飛んだ。翌朝、パンRは顧千帆の手形に気づかず店に向かった。三娘は招娣に母屋の片付けと換気をするよう頼み、結局、手形は床に散らばった書類の間に挟まれて棚の上に戻されてしまう。そうとは知らず、顧千帆から3日間、何の音沙汰もないまま、パンRは5日以内に手付金を準備することができなかった。パンRは先に手付金の完済を1日だけ延ばしてもらった。そこで自ら皇城司に顧千帆を訪ねたが、孔午(コウゴ)から顧千帆は遼の使者のお供で狩りに出かけたと知る。陳廉も調査で地方へ出かけて留守、パンRは仕方なく諦めることにした。すると孔午は早馬を飛ばせば一両日中にパンRが来たことが顧千帆に伝わるという。しかし手付金の期限までに到底、間に合わなかった。追い詰められたパンRは茶坊の証文と書画を質入れすることにした。三娘は唯一の財産を手放すことに反対したが、パンRは琵琶もない茶坊では先細るだけだという。「身代をなげうって東京(トウケイ)に残ると決めた時も逃げ道はなかった 質入れは賭けだけど、商いに危機は付き物よ それに私は顧千帆を信じたいの…今回は何かあったに違いないわ 三娘、望月(ボウゲツ)楼の女将になりたくないの?」「なりたい!30貫しかないけど仲間に入れる?!」招娣は若女将になりたいと訴え、三娘を尻目にパンRと一緒に質屋へ出かけてしまう。その頃、狩りに出かけた顧千帆は深手を負い、昏睡して雍丘(ヨウキュウ)城に運び込まれた。…チェンファン!…顧千帆はパンRの声でふと目を覚ましたが、なぜか父・蕭欽言(ショウキンゲン)がいる。「耶律宗盛(ヤリツソウセイ)の身を案じた陛下が私を遣わしたのだ、安心せよ、手配は全て済んでいる 大手柄だったな!」顧千帆は崖から落ちた耶律宗盛を助ける際、岩石が肺腑に直撃していた。2日間も気を失っていたと聞いた顧千帆は慌てて東京へ帰ろうとしたが、蕭欽言に止められてしまう。池蟠は質屋にも手を回した。しかしパンRは権力には権力で対抗、半遮面には柯政(カセイ)から揮毫(キゴウ)を授かった宋引章(ソウインショウ)がいると脅す。「引章がお偉方と会った時、この店の話題を出したら…」一方、顧千帆は寝たふりをして父が部屋を出るのを待ってから、耶律宗盛を訪ねた。「私を兄弟と思うなら頼みを聞いてくれ、私の愛する女が苦境にあると文が届いた 任務を完遂する予定だったが、一刻も早く会いに行きたい 大事でなければ明日の午後には戻れる、蕭宰相を足止めしてくれないか?」耶律宗盛は顧千帆の情の厚さに感銘を受け、もしもの時は自分の妾に息災を知らせに行かせたと嘘をつくと約束した。パンRは夜明けまでに何とか手付金600貫をかき集め、招娣と屋敷に戻った。すると招娣は陳廉が持って来た200貫は大きな箱に入っていたが、質屋の箱がやけに小さいと訝しむ。パンRは陳廉の箱には2文や5文相当の銭で200貫入っていたが、今回は1枚が10文の価値がある祥符元宝(ショウフゲンポウ)だからだと教えた。「そう言えば仲が良かったわよね?」「皇城司の都頭と茶坊の下働き、仲が良いなんて恐れ多いよ みんなが顧司使みたいな人に出会えるわけじゃない」「確かに私は幸運だった…幸せは自分でつかむもの、他人任せではいけないわ」欧陽旭(オウヨウキョク)はついに抱一(ホウイツ)仙師との面会を果たした。しかし隠遁した身だと授爵を断られ、これでは都に戻れない。欧陽旭は恩師にも見放され自暴自棄になった。すると書童の子明(シメイ)から御史中丞(ギョシチュウジョウ)・斉牧(セイボク)が故郷の西京(セイケイ)で療養していると聞く。柯政と同じ清流派の斉中丞が自分を相手にするとは思えなかったが、子明は贈り物でも献上してはどうかと提案した。「柯老相公が返してくれた箱の中に何かあるかも…見て来ます!」実はその箱の中にはかつて叔徳(シュクトク)が勝手に柯政に贈った夜宴図(ヤエンズ)があった。夜宴図は見事な絵だった。すると子明が絵の中に小さな字が書かれていると気づく。欧陽旭は注意深く美女の絵姿を確認すると、確かに札のように名が入っていた。「張師師(チョウシシ)…陳娟(チンケン)…王雲児(オウウンジ)…劉婉(リュウエン)…?!ふっ、都へ帰れるぞ」″劉淵″とは皇后の名だった。三娘はパンRが勝手に引章が置いて行った銭まで使ったことを心配した。しかし実は昨日、パンRは招娣を沈(シン)家に使いに出し、引章からの許可をもらったという。証文にはパンR、三娘、招娣だけでなく引章の名も入っていた。三娘は沈家に行ったことを黙っていた招娣を問い詰めた。焦った招娣はパンRに口止めされたという。「何で?!…で、どんな態度だった?」「パンR姐の文を破り捨て、即答しろとはゆすりも同然だって でも今は必要ないから、華亭(カテイ)での謝礼金だと思うことにすると… それからパンR姐の婚儀には具合が悪いので行かないと言ってた」「引章ったら!頭に来る!」しかし引章が大切にされていると知り、三娘は今度は本当に幸せなのだと分かって安堵した。すると招娣は引章が出て行ったのは失恋ではなく、妬みではないかと指摘する。思えば欧陽旭が進士になった時は周舎(シュウシャ)と駆け落ち、今回もパンRが誥命(コウメイ)夫人になると知った途端、沈如琢(シンジョタク)に身を寄せた。「パンR姐は引章姐の嫉妬心を見抜いている、だから昨日のことも口止めしたんだ」こうしてパンRたちは杜長風(トチョウフウ)を仲介人として正式に契約を結んだ。つづく( ゚ェ゚)ん___これでいいの?w
2023.05.28
コメント(0)
梦华录 A Dream of Splendor第27話「危うい取り引き」皇城司(コウジョウシ)では司使に昇格した顧千帆(コチェンファン)を出迎えるため配下が整列していた。すると趙盼児(チョウパンアール)と一夜を明かした顧千帆(コチェンファン)が遅れて到着する。「欲をかかず、人を欺かず、ごまかさず、命を惜しまず… これは南衙(ナンガ)の掟だが、今後は皇城司全体の掟にする、聞くだけでは駄目だ、行動で示せ」陳廉(チンレン)は司使に吏部の調査依頼を渡して自分の仕事に戻った。そこで顧千帆はざっと目を通したが、思いがけずパンRの父の名を見つける。…景徳元年、寧辺軍将校が命に抗う、罪人は都巡検使・趙謙(チョウケン)を始め配下数十名を流刑とする…驚いた顧千帆は陳廉を呼び、すぐ吏部を訪ねることにした。一方、欧陽旭(オウヨウキョク)は抱一(ホウイツ)仙師の外甥の食客となって食いつないでいた。そんなある日、屋敷の前で懐かしい恩師と再会を果たす。「恩師!」「恩師と呼ぶな!」柯政(カセイ)は新しい任地へ向かう途中で欧陽旭の噂を聞いて立ち寄ったと話し、探花に推挙したことを後悔していると嘆いた。慌てた欧陽旭は激しい雨の中でひざまずき、事情を説明する。「皇后に陥れられたのです、私は賢(ケン)妃の姪と婚約しておりました 賢妃と不仲な皇后は賢妃の使者なる者を寄越し、謁見の際は道家を褒め称えよと知らせたのです そうとは知らず私は宮観官(キュウカンガン)になってしまった… 高(コウ)家は恥だとして私に破談を求めて来ました 西京(セイケイ)では官吏が高家の勢力を恐れ、何度も嫌がらせを受け、貧困にあえぐありさまです やむを得ず古廟に住むと、高家の者が現れ、婚約解消を迫り…」「もう良い」柯政は欧陽旭が自分の窮状を訴えたいだけだと分かっていた。「私の言葉を忘れたか?″命を絶たれても気骨を守れ、士大夫たる者、風骨の2文字を胸に刻め″と…」すると柯政は欧陽旭が贈って来た物を全て返し、これで自分たちの縁は切れたという。「金輪際、人前で私の教え子であったと言ってくれるな」顧千帆は吏部で趙謙の詳しい罪状を読み、パンRの苦労を思うと胸が痛んだ。…茶舗で私が皇城司の者だと知って態度を豹変させたわけだ…一方、陳廉は店じまいの頃を見計らって半遮面(ハンシャメン)を訪ねた。すると裏庭で偶然、杜長風(トチョウフウ)と出くわしたが、驚いたことに眼鏡がなくても見えるようになったという。「良い処方のおかげでね~」パンRたちは証文の内容が吟味できる立会人を探してた。そこで書院で法も教えている杜長風に白羽の矢が立ったという。陳廉は良い酒楼が見つかったと分かったが、なぜか断られたはずの望月(ボウゲツ)楼との証文だった。店主はすぐ銭が必要なため半分だけ売ると決め、パンRたちに貴賓室だった東側を譲り、自分たちは西側で酒を醸造することにしたという。何かと杜長風の世話を焼く孫三娘(ソンサンニャン)、パンRたちはそれとなく場所を移動し、三娘と杜長風を2人だけにした。陳廉はパンRが心配しないよう司使が激務に追われていると報告した。最近はずっと六部にいて屋敷に帰る暇もないという。パンRは仕方なく陳廉に伝言を頼み、酒楼を開く銭を工面して欲しいと言った。「了解!」杜長風は証文に気になる点を見つけた。確かに望月楼が半分の1200貫になるのは良い取り引きだと思うが、″手付金5割を5日以内に完済す″という条件はいささか危険だという。通例では手付金3割を1ヶ月以内に完済、しかしパンRはそれが先方の条件だと話した。すると三娘が心配せずともパンRの未来の夫が出してくれると笑う。「これもあんたのおかげよ、あんたが以前、欧陽旭の妾になれと言って怒らせたでしょう? そのおかげでパンRは誥命(コウメイ)夫人になれる」杜長風はパンRの嫁ぐ相手が五品だと気づいて目を丸くした。三娘は杜長風を見送りがてら菓子を持たせた。すると杜長風は自分に何の称号もないことから、一念発起してまずは身だしなみを整えたいという。「私の衣は古くてしわだらけだろう?早くに母を亡くし妻もいないからどうにもできない 一緒に私の衣を選んでくれないか?」「よく言うわ、使用人がいるでしょう?」「使用人は全部、男だ!雌鶏さえいない!」「…そうね、明日ならいいわ」杜長風は三娘と出かける約束を取り付け、喜んで帰って行った。陳廉は司使にパンRから預かった補血生津(ホケツセイシン)薬を渡し、伝言を伝えた。しかし顧千帆の手持ちは200貫、仕方なく残りは自分で何とかするという。陳廉は暇を見つけてパンRに会いに行くよう勧めたが、顧千帆はパンRも酒楼のことで忙しいはずだと渋った。皇帝は雷敬(ライケイ)と顧千帆を呼んだ。遼(リョウ)からの使いとして常山(ジョウザン)郡王・耶律宗盛(ヤリツソウセイ)が東京(トウケイ)に来たが、遼王の甥である宗盛は血筋の中で一番、王位に近い人物だと聞いたという。そこで雷敬を国信所(コクシンショ)の任に就かせて使者の出迎えを命じ、顧千帆に補佐を任せた。「重要なのは相手の人柄や好みを探ることだ」皇帝は文武両道の顧千帆なら宗盛と気が合うはずだという。実は顧千帆を推薦したのは皇后だった。顧千帆は蕭欽言(ショウキンゲン)が手を回したと分かったが、今の顧千帆にとって都を離れられるなら渡りに船だ。陳廉は桂花巷(ケイカコウ)に200貫だけ届けた。残りは司使が自分で手配すると安心させ、今は使者の随行を命じられて自由が利かないが、暇を見つけて会いに来るはずだという。「じゃあこれで…そうだ、招娣(ショウテイ)は?」「今、灯油を買いに行ってるわ、何か用?」「いえ、何でもないです!」三娘は約束通り杜長風の衣を見立てた。しかも店主に掛け合って衣2枚で1400銭、手巾と靴までつけてもらう。「良い買い物だったわね~ これで次から季節ごとに帳簿を見て衣を仕立てられるの、もう出向く必要はないわ 酒楼を開けばあんたに構う暇はなくなるし…」「待つよ、一緒に出かけられる日まで待つ」杜長風は三娘への想いを告白、本気だと伝えた。実は三娘の事情なら招娣からすでに聞いているという。「何ですって?!」「せかすつもりはないんだ、酒楼の件が落ち着いたら話そう」「誰が話すもんですか?!」すると三娘は怒って帰ってしまう。陳廉は人気の磨喝楽(モホロ)人形を手に入れ、招娣に届けに来た。ちょうど中庭にいた招娣は人形を喜んだが、その時、突然、女が飛び込んでくる。「やっと見つけた!」女は招娣の母だった。そこで陳廉は親なら話し合うべきだと助言したが、招娣は陳廉が母を連れてきたと誤解、激怒する。「余計なお世話だ!」招娣は怒りに任せて人形を投げ捨て、割った。陳廉は深く傷つき、壊れた人形を持って帰ってしまう。三娘は中庭でもめている招娣と母の元へ駆けつけた。パンRから一芝居打つよう指示された三娘は招娣を捕まえ、玉観音を壊して逃げるつもりかと迫る。「あんたは誰?母親?…ちょうどいいわ、弁償してもらう」すると三娘は屋敷で待ち構えていたパンRに母親を突き出し、招娣を裏庭へ逃した。パンRは宋引章(ソウインショウ)の名を語り、娘の代わりに弁償するよう迫った。「貧しそうだから50貫でいいわ」母親は柯政も一目置くあの宋娘子だと知って態度を一変させ、弁償する代わりに娘を売り渡すという。パンRと三娘は酷い母親に呆れたが、これを機に証文を書かせて招娣を自由にした。すると母親は足代を恵んで欲しいという。「5貫でいいです」「いいわ、でも銭は池(チ)衙内からもらって、うちの主で東京十二商業組合の会頭なの」三娘は招娣の母を連れて出かけて行った。母の様子を見ていた招娣はこらえ切れず、回廊の片隅に座り込んで涙に暮れる。パンRは招娣を見つけると、ただ黙ってそばについていた。つづく( ゚ェ゚)え__うちの顧千帆が出しますって__しかも事後報告とか__
2023.05.27
コメント(0)
苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第16話蒼鹽海(ソウエンカイ)の猟師の集落で一夜を明かした小蘭花(シャオランファ)と東方青蒼(ドンファンチンツァン)。小蘭花は集落に男がいないことに気づいていたが、その朝、その理由を知った。実は月尊がいなくなってから幽王たちの戦が続き、召集された男たちは戦死してしまったという。女たちは髪に花を挿していたが、それは霜鹽花(ソウエンカ)と言って男に死なれた女がつける花だった。東方青蒼は宮殿に戻ることにした。すると集落を出ようとした時、月尊に気づいた老婆が呼び止める。「尊上?」女たちは月尊だと知って慌てて平伏したが、老婆は拝礼するどころか、月尊に聞きたいことがあると迫った。驚いた嫁は月尊の怒りを買えば皆殺しになると怯えて止めたが、東方青蒼は続けろという。「尊上、この3万年の間どこにおられたのですか?」月尊さえ戻れば苦しみが終わると信じて待ち続けた老婆たち、しかし月尊が戻ったのは夫や息子が戦死したあとだった。実は東方青蒼は幼い頃、父と狩りでこの村に泊まったことがあるという。老婆の孫は当時、東方青蒼と年も近く、一緒に狩りを楽しんだと話した。「後に軍隊に入ってあなた様と戦に行ったきり、玄虚(ゲンキョ)の境に3万年、封印されたままです あなた様は戻られても、孫は戻って来ません!」老婆は自分が死ぬ代わりに孫を連れ帰って欲しいと訴えた。女たちは一斉に老婆の命乞いを始めたが、東方青蒼は黙って集落を出て行ってしまう。東方青蒼は崖でしばし物思いにふけった。すると遅れて小蘭花がやって来る。「皆を見捨てたわけじゃないって、なぜ言わなかったの?」「…理由などない」「私にも言えないの?」「秘密が必要だと言ったのはお前だ」小蘭花は東方青蒼の変化に気づいていた。蒼鹽海に来た頃、月尊の怒りを買えば誰であろうと命がないと聞いたが、老婆に責められたのに見逃している。「老婆ゆえ殺すのが忍びなかっただけだ…」「忍びない?それは同情や哀れみと同じだわ、七情を失ったはずなのにどうして? はっ!もしかして…」東方青蒼と小蘭花は東方青蒼の心海に入った。すると驚いたことに根を絶たれたはずの木から新芽が出ている。小蘭花は喜んだが、東方青蒼はなぜか顔をこわばらせた。その夜、東方青蒼は父の夢を見た。幼い頃は父も蹴鞠(ケマリ)で一緒に遊んでくれたが、ある日、突然、2度と鞠には触れるなと叱られてしまう。それから父の厳しい修練が始まった。東方青蒼はふと目を覚まし、海市(カイシ)から戻って以来、毎日、夢でうなされていると気づく。…私の七情は本当に急速に回復しているのか?…翌朝、小蘭花は東方青蒼が眠れないと知り、安眠できる香りの蘭の花を届けに来た。しかし東方青蒼は情が復活することへの不安が強くなり、小蘭花にも冷たく当たってしまう。「いらぬ!情がないからこそ月族を率いて敵を殺せる お前が現れるまで苦しみなどなかった、全てはお前が現れたせいだ もう余計なことはやめよ、2度と顔を見せるな」一方、欲深い結黎(ジエリー)は駄目もとで伝説の霊宝(レイホウ)閣に忍び込もうとした。すると予想外にあっさり入ることに成功、お宝を盗み出してしまう。その頃、東方青蒼は食事が気に入らず、2度と同じ料理を出すなと激怒していた。觴闕(ショウケツ)は謝罪し、料理長が交代したせいだと釈明する。「交代した?」「お忘れですか?尊上が先日、使用人たちに休暇を出しました、久しぶりに家族に会って来いと…」すると東方青蒼は何も言えなくなってしまう。「尊上、近頃、何かお悩みが?」「…七情が回復し始めた」頭を抱える東方青蒼、そこへ衛兵が結黎を連行した。「盗人を見つけました、これが盗品です!」觴闕は盗品を受け取り、月尊の横で中を確認する。怯えていた結黎だったが、東方青蒼は小蘭花が喜ぶ物なのか聞いた。「もちろん!女子なら誰でも絹や翡翠が好きです!」東方青蒼は小蘭花が欲しい物なら持ち出して構わないと許した。しかし觴闕が結黎に荷物を返そうとした時、急に東方青蒼が止める。東方青蒼は袋の中から木彫りの人形を発見すると、なぜか表情が一変、結黎を斬れと命じた。驚いた觴闕は自分の管理不行き届きだったとかばったが、東方青蒼に投げ飛ばされてしまう。その時、小蘭花が駆けつけ、結黎をかばった。「結黎を殺さないで!…たった1人の友を絶対に死なせない! 私の顔など見たくないんでしょう?殺すなら私を殺せば良いわ!」そこへ衛兵が飛び込んで来た。何でも収監されている巽風(ソンホウ)が先の月尊にお参りさせろと騒いでいるという。「…木彫りを燃やせ!」東方青蒼は小蘭花を傷つけることなどできず、結局、結黎を見逃した。3日後は先の月尊の命日だった。東方青蒼は父に合わせる顔などないはずだと呆れたが、巽風は父に対して恥ずべきことはないという。「私を殺すことは大したことではない だがお前は海市主と手を組み、月族の仲間を売って同胞の苦しみや恨みを用いて祟気(スイキ)を作った 許されぬことだ、馬鹿なことを…」「海市主は祟気の出どころを言わなかった、お前を恨んでいるが私も父の子だ 仲間を傷つけることなどできるはずない! 元はと言えばお前のせいだ!敵討ちを焦る気持ちにつけ込まれたのだ! 東方青蒼…父上はお前に目をかけ、全てをお前に注ぎ込んだ だがお前は月尊の座のため、その手で父上を殺した…なぜ実の父に手をかけたんだ?!」「あれはお前の父だ、私は父とは思わぬ」すると東方青蒼は3日後の父の命日に巽風を処刑すると決めた。結黎は命懸けで自分を助けてくれた小蘭花に心を開いた。そこで自分をかばって怪我をした小蘭花に薬を塗ってやる。「ありがとう、ジエリー、でもどうして月尊大人は怒ったのかしら? 貴重な宝を盗んでも気にしないのに…」「觴闕によると運悪く月尊大人の怒りに触れちゃったみたい」実はあの彫像は月尊が子供の頃に乳母と彫った物だった。…あれは東方青蒼が父から急に鉄剣を使うよう命じられた時だったまだ幼かった東方青蒼はうまく扱えず、手が傷だらけになってしまうその時、乳母は東方青蒼を元気づけようと一緒に月族の始祖で初代月尊・鹽女(エンニョ)の彫像を作った『始祖を見習って月族の栄光を取り戻してください』『うん!』しかし乳母は父に殺されてしまう…結黎が聞いた話では月尊は海市から戻ってから不機嫌だった。巽風にも寛容だったが、急に雷刑にすると命じたという。驚いた小蘭花は東方青蒼の寝宮を訪ねた。「月尊大人…怒らないで聞いて欲しいの、巽風殿下は海市主と手を組んだって本当?」「奴にだまされたようだ」「それなら死罪は許してあげたら?血を分けた兄弟でしょう?」しかし東方青蒼は父も弟も肉親とは思っていないという。「あの者は巽風を溺愛したが、私が何をしても笑みを見せなかった 私に業火(ギョウカ)を操る天賦の才があると分かっても、喜ぶどころかこう言った ″なぜお前が…″とな、忌まわしい息子が己の地位を奪うと思ったのだろう」「違う、そうとは思えない」「私の七情を絶ったのはあの者だ そのために私が死ぬことも厭わず、あの者は私を何度も痛めつけた だが私に己を殺させ、命の代償を払い、枯らそうとした七情の木が回復しつつある…滑稽だろう?」すると東方青蒼は部屋を出て行ってしまう。小蘭花は先の月尊の言葉の意味を考えていた。「なぜお前が…ってどういう意味なの?」觴闕と結黎は怖いもの知らずにも程があると呆れたが、小蘭花は水雲天で聞いていた話と実際の蒼鹽海や月尊は全然、違うと訝しむ。「先代を殺したという話も何か裏があるのでは?」しかし觴闕は月尊が大勢の前で先代を殺したと話し、裏などないと否定した。「いいえ、何かある!…觴闕、その時のことを詳しく教えて!」つづく( ゚ェ゚)あれ?月尊の化粧が微妙に濃くなってない?w
2023.05.27
コメント(0)
苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第15話長珩(チャンハン)は容昊(ヨウコウ)の協力で封印を破り、小蘭花(シャオランファ)を救うため蒼鹽海(ソウエンカイ)へ向かった。しかし忘川(ボウセン)を下っている途中で雲中君(ウンチュウクン)に見つかってしまう。長珩はついに自分の気持ちを明かし、小蘭花への想いを貫き、愛する人を助けに行くと訴えた。すると激怒した雲中君は長珩を拘束、仙族の掟を破って月族の間者と通じた罪で戦神の名を剥奪し、昊天(コウテン)塔に閉じめてしまう。一方、寂月(セキゲツ)宮では巡回していた觴闕(ショウケツ)が結黎(ジエリー)を見咎めていた。「夜更けというのにこそこそ何をしている?」「昼間、死にかけたから寝付けなくて…」結黎は両親もなく苦労して店を持ったが、小蘭花のせいで潰れてしまったという。「だから小蘭花を頼って来たのに…ここでも命を狙われてばかりよ」「お前も独りか…」觴闕は自分も天涯孤独だと話した。幼い頃は薬材となる霊龍の骨や鱗を狙う者たちに何度も騙されたという。もし東方青蒼(ドンファンチンツァン)が助けてくれなければ骨も残っていなかっただろう。觴闕はこれを教訓に決して自分を虐げた者のような卑劣な真似をしないと決意、この世で最も誠実な男になると誓った。しかし結黎は失笑し、苦労したのに真心で応えるのかと呆れる。「どうせ踏みにじられるだけよ、私は自分で自分を守って来た、誰も信じない」「間違ってる!」「間違っているのはそっちよ!」境遇が似ている2人は意気投合したように見えたが、相容れない価値観だと知る。その頃、結黎を追っていた蝶衣(チョウイ)は寂月(セキゲツ)宮に逃げ込まれたと報告していた。「配下を送りました、宮殿を一歩でも出たら捕まえます」翌朝になっても結黎はふてくされていた。そこで小蘭花は自分の腕輪を貸して結黎を逃すことにする。「これは″骨蘭″って言うの、運命簿を修繕するまで身を守れるようにって月尊がくれたわ 月尊の血で作られ、月尊と同じ力を持つの、これがあれば出て行く時、邪魔されない」喜んだ結黎は早速、逃げようと言ったが、小蘭花は東方青蒼の七情の木を治す約束のため一緒に行けないと断った。結黎は仕方なく九幽まで送って欲しいと頼む。自分には腕輪を使いこなす力がない上、何より衛兵たちは小蘭花に逆らえないと知っていた。「でも…私の心が読まれたら緊張が伝わってバレてしまうわ」すると結黎が巾着から神器のかんざしを出した。「″蔵心(ゾウシン)の簪″よ」かつて月族の始祖・鹽女(エンニョ)と仙族の始祖・重華(チョウカ)は愛し合っていた。しかし月族は仙族に裏切られ、傷ついた鹽女は自分の心を重華に感じさせないようこのかんざしを作ったという。実は三界広しと言えど心を隠せる神器は東方青蒼が持っている指輪・幽玉戒(ユウギョクカイ)とこのかんざしだけだった。このかんざしを挿していれば思いはかんざしの中に隠され、霊力が強い者にも感じることができないという。「言っておくけど貸すだけよ?」(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン小蘭花と結黎は難なく宮殿から出た。しかし暗松林(アンショウリン)で突然、蝶衣が現れ、襲われてしまう。小蘭花は咄嗟に腕輪を結黎に持たせて逃したが、蝶衣の鉄鞭が腕に命中した。その時、宮殿にいた東方青蒼も腕に激痛が走る。袖をまくってみると大きな傷跡が浮かび上がった。すると結黎が衛兵に連行されて来る。「尊上!小蘭花をお助け下さい!」一方、蝶衣に襲われた小蘭花はかんざしを抜いて東方青蒼に知らせようとしていた。しかし鉄鞭で吹き飛ばされ、運命簿を落としてしまう。蝶衣は運命簿を拾おうと鉄鞭を放ったが、突然、鉄鞭が破壊された。その時、長珩が降り立ち、小蘭花を救ってくれる。「長珩仙君…」小蘭花は安心したのか、急に力が抜けて長珩の胸の中に倒れ込んだ。司命殿で目を覚ました小蘭花は長珩仙君の姿に気づいて慌てて拝礼した。すると落とした運命簿を長珩が持っていると分かり、安堵する。そこで小蘭花は東方青蒼が自分をさらって丁重に扱うのはこの運命簿を修復させるためだと明かした。しかし誰の運命簿かは知らず、なぜ東方青蒼と海市が狙うのかまでは分からないという。「確かに傷んでいて読めないな…」「すぐ直します、早く修繕して謎を暴けば私は間者ではないと証明できます」長珩は司命殿を引き上げるふりをして幻鏡を出た。出迎えた蝶衣は長珩に扮する必要があるのか訝しんだが、容昊は小蘭花の想い人に扮してこそ従わせることができたという。すると早速、留芳(リュウホウ)閣に東方青蒼が現れた。蝶衣は首領を逃すことにしたが、容昊は修繕が済むまで何とかだまし続けるという。「配下を連れて奴を止めに行け」しかし蝶衣はあっけなく退けられてしまう。東方青蒼は殿内にある水槽に目をつけた。そこで水に触れてみると、そのまま幻鏡に吸い込まれてしまう。東方青蒼は″千重幻鏡(センチョウゲンキョウ)″に捕らわれた。すると鏡に首領が映る。容昊はその絶大な霊力をもってしても、無数の鏡の中から本物の小蘭花を探し出すのは至難の業だと笑った。容昊は東方青蒼を足止めし、長珩に扮して司命殿に戻った。するとついに小蘭花は運命簿の修復に成功する。「謝惋卿(シャワンケイ)?人族の名だわ」その時、小蘭花はふと机の飾り台が割れていないことに気づいた。あれは東方青蒼と中庭で餅を作った時のこと、水雲天では毎年、大戦の勝利と月尊の封印を祝うと知った大強(ダーチァン)が激怒して器を投げ、台を真っ二つに割っている。小蘭花は長珩が偽物だと気づきいて逃げようとしたが、容昊に捕まった。容昊はまさか小蘭花に見破られるとは意外だった。「ここは私の念が生んだ場所だ、お前は逃げられぬ、大人しく運命簿を渡せ」すると小蘭花は投げ飛ばされ、運命簿が手から落ちてしまう。しかしその時、鏡を粉々に砕いた東方青蒼が幻鏡に現れた。「私のものに誰も触れてはならぬ」「馬鹿な…これほど早く辿り着くとは!」小蘭花は無事に運命簿を取り返し、容昊は東方青蒼の一撃であっけなく倒れてしまう。「お前は何者だ?なぜ運命簿を狙う?…言わぬなら私が確かめよう」東方青蒼は首領の仮面を剥がそうとしたが、蝶衣が現れ、小蘭花に襲いかかる。焦った東方青蒼は咄嗟に蝶衣を退けたが、その隙に容昊は脱出した。小蘭花は東方青蒼のおかげで難を逃れた。しかし幻鏡を出ても東方青蒼は一言も声をかけず、黙々と歩き始めてしまう。小蘭花は慌てて後を追い、化魂墟(カコンキョ)までやって来た。「待って!月尊大人、助けてくれてありが…」その時、突然、東方青蒼が振り返り、小蘭花の両肩を強くつかむ。「なぜ逃げた!私の視界から消えるなと言ったはずだ! あと一歩、遅ければ死んでいたんだぞ?!」「逃げたわけじゃ…だってあなたの七情の木を治すって約束したでしょう? 結黎を助けたかっただけなの」「私の視界から消えてはならぬ!どこへ行くにも私に知らせよ!分かったか?!」「…わ、分かった」すると東方青蒼は我ながら感情的になったと気づき、慌てて手を離した。東方青蒼はこの機会に化魂鼎(カコンテイ)を破壊、悪の根源となる祟気(スイキ)を消した。すると霧が晴れて風雪が止み、海市は急に明るくなる。そこで小蘭花は東方青蒼の機嫌を直すため運命簿を渡すことにした。「修繕できたわ、どうぞ」「…私が修繕を命じても言い逃れするのに、長珩ならばやるんだな?」しかし小蘭花はあの司命殿が偽物だと気づいたきっかけは東方青蒼が壊した木の台が無傷だったからだという。「このことを知っているのは世界中で私たちだけ…ふふ そうだ、千重幻鏡には何万もの私の姿が映し出されていたのでしょう?なぜ本物が分かったの?」「…幾千万本のうり二つの蘭の花の中にいても私はお前を見つけ出せる ゆえに逃げても無駄だ、忘川の源でも天地の果てでも、どこにいようと見つけてみせる」東方青蒼の言葉を聞いた小蘭花は自然と涙があふれ出した。「どうして泣く?」「うれしくて…前に師父も似たような言葉を言ってくれた 師父は私にとって誰よりも身近で大切な人よ?あなたも…」小蘭花は何か言いかけたが、急に倒れてしまう。その頃、蝶衣は深手を負った容昊を息山(ショクサン)の洞窟へ運び込んだ。「凶神のお力で救っていただきたく参りました!」するとどこからともなく邪悪な妖気が現れる。「祟気に守られているのに誰にやられた?」「東方青蒼です!」「東方青蒼?!…ふん、太一(タイイツ)の後、三界に敵はいないと思ったが、どうやら面白くなりそうだ」凶神は容昊を救った。意識が戻った容昊は感謝し、凶神を解き放つ助けとなる息山神女(シンニョ)・息芸(ショクウン)を見つけ出したと報告する。「いずれここに連れて来ます」東方青蒼は小蘭花を連れて蒼鹽海に戻った。すると天幕で休ませていた小蘭花がようやく目を覚ます。「ここはどこ?」「猟師の集落だ」東方青蒼は暖を取りながら魚を焼いていた。「まだ怒ってる?…ごめんなさい、もう勝手に抜け出さない、出かける時はまずあなたに伝えるから」「食べろ…」その時、東方青蒼は小蘭花のかんざしに気づいた。鹽女の神器をなぜ小蘭花が持っているのか分からなかったが、返すよう迫る。しかし小蘭花は結黎に借りたと訴え、借りた物は返す必要があると拒んだ。「持っていても構わぬが髪に挿すな」「イヤ!…だって心の中を知られたくないもの」「心の動きが分かれば、すぐお前を助けに行ける」「なら余計に外せない、私の心の中に勝手に入って来ないで!…秘密は必要よ!」「前は気にしなかっただろう?」「それは昔のことよ!」「今と何が違う?!」すると東方青蒼は怒って天幕に入ってしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)何もう月尊サイコーwww
2023.05.26
コメント(0)
梦华录 A Dream of Splendor第26話「鉄の掟」沈如琢(シンジョタク)の屋敷に身を寄せた宋引章(ソウインショウ)。すると翌朝、桂花巷(ケイカコウ)に引章の文を持った沈家の使いが訪ねて来た。…孤月(コゲツ)を渡して、宋引章…孫三娘(ソンサンニャン)は仕方なく琵琶を渡したが、自分が趙盼児(チョウパンアール)と顧千帆(コチェンファン)の婚約を漏らしたせいだと分かった。事情を聞いた葛招娣(カツショウテイ)は引章が横恋慕と知らず顧千帆に惹かれていたと分かったが、まだパンRには黙っていた方がいいという。「今日は様子が変だったし、皇城司(コウジョウシ)の役人も街中にいる…たぶん顧副使に何かあったんだ」「まさか?!」その頃、パンRは半遮面(ハンシャメン)で顧千帆と一夜を明かしていた。顧千帆の傷の包帯を替えるパンR、実は父が寧辺軍の都巡検使だったため、出征から戻ると母と一緒に手伝ったという。「良く学んだのだな、君の素早い対処がなければ私は死んでいた」すると顧千帆はパンRに口づけしながら涙を拭いた。「帽妖(ボウヨウ)事件は解決した、今後はこんな心配をさせないと約束する あ、そうだ、売りに出ている酒楼を一覧にしておいた、陳廉(チンレン)に持たせるから訪ねるといい」顧千帆が眠りにつくとパンRはそっと部屋を出た。回廊では陳廉が待っている。「目覚めたら皇城司に連れて帰ります…店と家を見張らせていますが、数日、休んでは?」一方、蕭欽言(ショウキンゲン)は顧千帆が助かったと聞いて安堵していた。顧千帆を揺さぶり、斉牧(セイボク)の正体に気づかせようとしたが、こんなことになろうとは…。それにしてもあの趙氏という娘は確かに良き妻の資質を備えていた。「惜しむらくは身分の差が大き過ぎることだ…」片や蕭謂(ショウイ)は栄陽(エイヨウ)県主を娶りたいと願っていた。しかしこのまま閑職にある宗室の娘を娶れば、一生、鳴かず飛ばずなのは目に見えている。すると噂をすれば何とやら、ふいに蕭謂が現れた。「陝西(センセイ)路での探し物はめどが立ちました」桂花巷に戻ったパンRは引章が出て行ったと知った。憤慨したパンRはすぐ迎えに行こうとしたが、三娘と招娣が引き止める。「突然、訪ねても引章は会いたがらない 使いの話では引章は宝のように扱われ、身の回りの品も全部、新調したらしいわ お付きの侍女も4人いた」「挨拶もなしに出て行くなんて…そうね、いいわ、放っておく」パンRは引章と口喧嘩になったと教え、実は顧千帆が大怪我をしたと明かした。そこでしばらく茶坊を休みたいという。すると三娘は氷が買えず、引章の琵琶もないことから、早朝だけ店を開けたらどうかと提案した。パンRはこの機会に本格的に酒楼の開業を目指そうと決意、三娘と招娣も賛成する。「はお、新たな地で新しいことを試しましょう」顧千帆は手負いの身体でパンRに会いに来た。舟で涼を取りながら最近の出来事を報告するパンR。実は氷が手に入らず困っていたが、思いがけず杜長風(トチョウフウ)から氷の差し入れが届いたという。聞けば三娘が勧めてくれた豚の肝のお礼だそうで、パンRははじらって笑う三娘を見て2人の関係に勘づいた。「捨てる神あれば拾う神ありね」「だが宋引章は心配だな」しかしパンRは顧千帆の怪我ほど心配なことはなかったという。思えば引章ももう大人、本人の意思を尊重すべきだろう。すると陳廉が駆けつけ、橋から口笛で合図した。(」゚ロ゚)」 <副使!宮中から召喚で~す!!拝謁を終えた斉牧(セイボク)は偶然、顧千帆と出くわした。そこで人払いしてから叔父の顔をのぞかせたが、もはや顧千帆との関係が修復できないと気づく。顧千帆は帽妖事件の黒幕が斉牧だと知っていた。さらに事件と無関係を装うため、帽妖に自分の屋敷を襲わせたこともばれている。「陛下は中丞をお召しになり休養を許可されたとか…くれぐれもご自愛ください」顧千帆は叔父と決別し、紫辰之殿に向かった。一方、パンRは三娘と望月(ボウゲツ)楼を見に来た。店主は帰郷のため急いで手放さなくてはならず、売値2000貫が底値だという。パンRは交渉の末1800貫で手を打ったが、店主は契約には夫か父親が必要だと言った。実は東京(トウケイ)では女子は酒楼の店主になれないという。朝廷から酒の醸造を許可されている店は″正店″と呼ばれ、72軒のみ、他は″脚店″と呼ばれた。何でも酒造りには陽の気が大事で、陰の気である女子は麹に触れられないという。そのため女子が正店の店主にはなれないという″鉄の掟″ができた。現在の会頭である欣楽(キンガク)楼の店主・任員外(ジンインガイ)は戸部に仕える半役人、もし面倒を起こせば食材を卸してくれなくなるばかりか、料理人まで去ってしまうだろう。パンRは店主が呆れた掟を持ち出して自分たちを体良く追い出したと分かっていた。しかし確かに店主の言うように下手に組合を刺激しない方が良い。「他を当たりましょう、いつか女を馬鹿にする掟を変えてみせる」すると店先で琵琶の音が聞こえた。パンRはふと引章を思い出し、沈家でも楽しく琵琶を弾いていることを願う。一方、引章はまるで掌中の珠のように大事にされていた。その日、沈如琢は引章に首飾りを贈ったが、引章は興味を示さない。「真珠は好きじゃない」「ではこれは?珊瑚だ」引章はふとパンRが挿していた珊瑚のかんざしを思い出し、珊瑚がいいという。そこで沈如琢は屋敷にある珊瑚を全て集めるよう命じた。「君が欲しいと言うなら月だって取ってくるよ…」すると沈如琢はまだ日が高いうちから引章の衣に手をかけた。皇帝は蕭宰相を救った顧千帆の功績を認め、客省使(カクショウシ)に任命した。こうして顧千帆は皇城司司使に昇格、雷敬(ライケイ)は普州(フシュウ)刺史および入内内侍(ニュウナイナイジ)省副都知となる。そこで顧千帆はこの千載一遇の機会に思い切って母の追封を上奏した。「母亡き後、私を育ててくれた叔母に称号を賜りたく…」「叔母の追封?…先例はあるか?」そこですかさず蕭欽言が太宗(タイソウ)の時代に防御使の義姉が育ての恩により郡君に封じられたことがあると進言する。皇帝は感慨深げに″生みの恩より育ての恩か″とつぶやき、特別に顧氏を県君誥命(コウメイ)に封じると命じた。紫辰之殿を出た顧千帆は蕭欽言と回廊を歩いた。「さすがですね、苦肉の策を巡らせて斉牧を排除し、皇城司まで制圧した」「私が皇城司に手を出すと言ったか?」顧千帆は蕭欽言が欲しい物を手に入れるためなら獲物を崖まで追い込み、決して逃さないと嫌みを言った。しかし蕭欽言は親子で助け合い、朝堂で確固たる地位を築きたいだけだという。顧千帆は蕭欽言のような野心はないと断った。これから母の墓を建て直したらパンRを娶り、閑職を得るという。すると蕭欽言は笑って否定した。「残念だが斉牧もお前が私の若い頃にそっくりだと感じているぞ いずれゆっくり話そう、墓を移す時は連絡をくれ、これでもお前の母の夫だ」顧千帆は母の墓参りに出かけた。目標だった従五品となり、母も誥命夫人となれば顧家から外される心配はなくなる。「やり遂げたよ…」その夜、顧千帆はこっそりパンRを訪ね、昇進を果たし、母も追封されたと報告した。「本当は母の墓前で大泣きするはずだった…だが泣くことも笑うこともできなかった 喜びか苦しみかも分からない、全て自分が望んだことなのに…」顧千帆は何と説明したら良いのか分からず失笑してしまう。するとパンRは作り笑いなど見たくないと言った。「一緒にるのよ、喜びも悲しみも分かち合いましょう?」そこで顧千帆はパンRの肩を抱き寄せ、初めて弱音を吐いた。「辛い…」つづく( ๑≧ꇴ≦)沈如琢がキ…自重w
2023.05.24
コメント(0)
苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第14話蔵珠斉(ゾウシュセイ)の店主・結黎(ジエリー)は蒼鹽海(ソウエンカイ)の都・九幽(キュウユウ)にやって来た。途中で巡回の月兵に見とがめられたが昏迷散をまいて切り抜け、侍女に成りすまして宮殿に潜入する。すると小蘭花(シャオランファ)はのんきに司命殿の花壇で水まきしていた。「ちょっと、あんたのせいで危うく死にかけたのよ?!」結黎が面紗を外して顔を見せると、小蘭花は友との突然の再会に目を丸くした。結黎は小蘭花が海市(カイシ)で騒ぎを起こしたせいで店を留芳(リュウホウ)閣に壊され、命を狙われていると訴えた。驚いた小蘭花は自分も巻き込まれただけだと釈明、危ないところを東方青蒼(ドンファンチンツァン)に救われたという。「月尊大人に救われた?…ハハ~ン、どうやら噂は本当のようね」今や九幽では月尊と蘭花仙子の艶聞がまことしやかに語られていた。小蘭花は誤解だと否定したが、結黎は何にせよ責任を取ってここで面倒を見て欲しいという。その時、思いがけず東方青蒼がやって来た。小蘭花は結黎を花壇に隠し、慌てて東方青蒼を出迎えた。「何かご用ですか?」「会いに…いや、お前を見張りに来た」すると東方青蒼は運命簿の修繕を急げと迫った。小蘭花は直せると言ったのは出まかせだったと明かし、東方青蒼が毎日、催促するのも自分と話したい口実だと誤解していたという。「私の勝手な思い込みだったのね…」どちらにしても自分の力では無理だと訴えたが、東方青蒼は小蘭花が水雲天(スイウンテン)を守るために嘘をついていると疑った。「よかろう…」そこで東方青蒼は指を鳴らし、花壇に隠れている結黎を召喚する。「3日のうちに修繕できなければこやつの首をもぎとる、觴闕(ショウケツ)、その者を見張れ」「はっ!」ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ@ジエリー觴闕は結黎を牢へ連行した。何とか助かりたい結黎は自分の命を盾にしても無駄だと訴え、それより仙族をさらって修繕するまで毎日1人、殺した方が効果があると提案する。しかし觴闕は仙族を殺せば蘭花仙子が悲しみ、ひいては月尊が悲しむことになると反対した。結黎は月尊が仙女ごときのために悲しむはずないと呆れたが、觴闕だけは月尊の本当の姿を知っているという。聞けば東方青蒼は小蘭花のために羹(アツモノ)を作ったり、恋心を実らせてやろうと試験を手伝ったり、寂しがらないよう司命殿まで再現していた。結黎は月尊の心に小蘭花がいると確信した。しかし男女の情に疎い觴闕はあくまで義侠心で小蘭花を助けただけに過ぎないという。結黎は月尊の行動は小蘭花を想っているがゆえだと説明、未来の月主の親友である自分に優しくすべきだと訴えた。「確かに…閉じ込めよ!」( ๑≧ꇴ≦)なんでや~!その時、結黎を助けるため小蘭花が駆けつけた。小蘭花は觴闕が東方青蒼の命令しか聞かないと知っていたが、一か八か説得してみるという。(*´・-・).<ねぇ、觴闕…(๑•̀ㅂ•́)و✧<ここに!(; ╹⌓╹)ビクッ!<結黎は私が預かる…(๑•̀ㅂ•́)ノ″<はっ!(*´・ω)(ω・`*)あれ?結黎は小蘭花の司命殿で世話になることになった。そこで月尊と小蘭花の関係を探るべく、3つの質問をする。「手をつないだ?」「うん」「同室で寝たことは?」「確かに同じ部屋で寝たことはあ…」「あ~詳しくは聞かないわ、口づけは?」「うん、何度もしたけどでもそれは…」「小蘭花!やり手なのね!」焦った小蘭花は東方青蒼が同心呪(ドウシンジュ)という術で自分とつながってしまい、嫌々ながら面倒見てくれただけだと釈明した。しかし結黎は東方青蒼の本心を見抜き、体面から小蘭花を好きだと言えないだけだという。「もしや仲違いでもした?運命簿の修復はあなたをなだめる口実よ」結黎は月尊の気持ちを利用すれば女主人になれるとそそのかした。小蘭花も確かに東方青蒼の機嫌を取れば宮殿から逃げられるかもしれないと気づく。「分かった、やってみる、どうすればいいの?」東方青蒼は觴闕から小蘭花が呼んでいると聞いた。そこで小蘭花の本音が分かるよう幽玉戒(ユウギョクカイ)を外すことにする。そうとは知らず、小蘭花は結黎の助言に従って猫なで声で東方青蒼に媚を売った。東方青蒼は無駄足だったと落胆して帰ることにしたが、小蘭花が引き留める。「鮮花(センカ)餅を作ったの、食べない?」東方青蒼は久しぶりに小蘭花の鮮花餅を食べた。しかし水雲天で食べた時と少し味が違う。小蘭花は東方青蒼の憂いが消えるよう忘憂(ボウユウ)草の蜜を入れたと明かした。「巽風(ソンホウ)のことか?…小細工など弄せず、早く運命簿を修繕せよ」不機嫌になった東方青蒼は席を立ってしまう。「待って!大魔頭(ダーモートウ)!まだ話があるの!」「なぜ大魔頭と?」「″月尊大人″だと偉過ぎて怖いから言いたいことも言えない…嫌ならもう言わないわ」「好きに呼べば良い、で話とは?」「司命殿の花を数えたら本当に8452本あった、過去のつまらないことまであなたは覚えていてくれた 親切は見せかけじゃないはずよ」「…お前に対し、何の情も抱いたことはない」「信じない」すると東方青蒼は手の平に小さな業火(ギョウカ)を出して見せた。業火は三界でも最強の術、小蘭花でも月族の始祖・鹽女(エンニョ)と東方青蒼しか操れないと知っていた。しかし業火を会得するには七情を捨てるという大きな代償が必要だという。心にわずかでも情が残れば業火を操ることはできず、そのため太古の秘術で情を断ち、愛を滅すのだ。「ゆえに肉親であってもためらいなく殺せる、誰かを愛することもない」東方青蒼は父から七情を奪い取られた時の壮絶な苦しみを今でも昨日のことのように覚えている。その時、小蘭花は第1話で東方青蒼と元神が入れ替わった時のことを思い出していた。確か入れ替わる直前、目の前に凍りついた大木が現れ、指で触れたはず…。「あれがあなたの心の中の七情の木だったのね… 結黎の言う通り、あなたがしてくれたことを考えれば今度は私がお返しをするべきだわ 入れ替わりも七情の木のせいだったのね」小蘭花は自分に治せない草木はないと自信を見せた。すると東方青蒼は根を絶った七情の木なら蘇らないと言い放ち、呆れて帰ってしまう。「大強(ダーチァン)!私は諦めないわ!」小蘭花は結黎から7種類の感情をわかせる薬をツケで買った。自分がこれを飲み、同心術でつながっている東方青蒼に七情を思い出させるという。一方、東方青蒼は神器を外したまま巽風の処遇について話し合っていた。すると幽王の進言を聞きながら急に笑い出してしまう。東方青蒼は小蘭花のせいだと気づき、必死に感情を抑えようとするが止まらなかった。( ๑≧ꇴ≦)੭ꠥ⁾⁾<わっはははははは~幽王たちは困惑していたが、今度は月尊が急に泣き出してしまう。。・゜・(ノД`)・゜・。うわ~ん!幽王たちはさすがに血を分けた弟を殺すのは忍びないのだと誤解し、生かすも殺すも月尊に任せると進言した。「失せろ!」東方青蒼は激高して臣下たちを追い出すと、泣きながら觴闕に叫んだ。「早く幽玉戒を持って来い!」東方青蒼は小蘭花と結黎を呼びつけた。小蘭花と結黎は平伏したが、恐ろしさのあまり顔をあげられない。すると東方青蒼は術を操って結黎の首を縛り上げ、自分を愚弄すればこうなると脅した。涙ながらに結黎の命乞いをする小蘭花、さすがに觴闕も動揺したが、東方青蒼は危ないところで結黎を解放する。「次はない」その頃、水雲天では容昊(ヨウコウ)が長珩(チャンハン)に協力し、雲中君(ウンチュウクン)の封印を解いていた。「小蘭花を守るため突き放してきたのは間違いだった…私のせいで蒼鹽海に追われたのだ」容昊は長珩が命をかけて小蘭花を助けに行くつもりだと知っていたが、止めなかった。もし師父を救えるなら自分も決して命を惜しまなかっただろう。つづく( ๑≧ꇴ≦)月尊!演じ分けが上手いんです
2023.05.23
コメント(0)
苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第13話蒼鹽海(ソウエンカイ)へ単独で乗り込み、小蘭花(シャオランファ)を見つけた長珩(チャンハン)。「一緒に帰ろう!」まさか小蘭花の中身が東方青蒼(ドンファンチンツァン)だと知る由もなく、長珩は小蘭花の頬にそっと手を伸ばした。すると東方青蒼はいきなり長珩の手に噛みつき、隙を突いて逃げ出してしまう。東方青蒼は別の場所へ飛ばしたはずの小蘭花を発見し、口を押さえて物陰に引きずり込んだ。小蘭花は長珩仙君に会いたいと抵抗したが、東方青蒼に脅され断念する。「その姿で長珩に会えば即座に殺され、私を水雲天(スイウンテン)に連れて帰るだろう そばにいれば私はいつでもやつを殺せるぞ?…分かったらここに隠れていろ」「長珩仙君を傷つけないと約束して!もし破ったら自害して一生、戻れなくするから!」実はその頃、容昊(ヨウコウ)と示し合わせた巽風(ソンホウ)が謀反を起こしていた。小蘭花は大木の影に身を潜め、東方青蒼と長珩の話を聞いていた。すると長珩仙君が自分を間者ではないと信じてくれていると知る。…私を救うためだけに蒼鹽海まで来たの?どうしてそこまで…しかし東方青蒼は蒼鹽海を離れたくないと訴えた。ここは水雲天で虐げられているより何百倍も居心地がいいという。「一緒に戻れば私の潔白を証明してくれますか?雲中君(ウンチュウクン)に逆ってでも私を守れますか?」長珩は即答できなかったが、公明正大な兄なら必ず真相を明らかにしてくれると取り繕った。「ふっ、できないのですね?…でも月尊大人(ダーレン)はそれができる 私を守り、誰にも傷つけさせない、だから私はここに残ります」「月尊大人?」長珩は小蘭花が東方青蒼を″月尊大人″と呼んことに大きな衝撃を受け、何としてでも小蘭花を連れ帰ると決めた。その時、小蘭花がうっかり物音を立ててしまう。「何者だ?!」長珩は小蘭花がいる大木に向かって一撃を放ったが、突如、現れた容昊が助けてくれる。実は容昊は物陰で怯えている東方青蒼の中身が小蘭花だと知っていた。東方青蒼は霊力がないと見抜かれ、容昊に剣を突きつけられた。長珩は自分が術を解くと安心させたが、小蘭花は東方青蒼が霊力を取り戻してしまうと反対する。「長珩仙君が危険を顧みず救いに来てくれただけで十分です、今のうちにお戻りください」「だめだ!(はっ!)そうだ、君の魂だけ抜き取り連れて帰ろう 魔法の土で体を作り直し、魂を入れればいい!」容昊も東方青蒼を抹殺する好機を逃すまいと賛同し、剣を構えた。雲行きが怪しくなり、雷鳴がとどろいた。すると見かねた小蘭花は無意識に駆け出し、東方青蒼に唇を重ねてしまう。その時、ちょうど稲光が2人を直撃、元に戻った東方青蒼は激しい業火(ギョウカ)で長珩と容昊を跳ねよけた。長珩は無謀にも東方青蒼に戦いを挑もうとしたが、あっけなく吹き飛ばされてしまう。「手負いの者を相手にはせぬ…出て行け」「長珩仙君!」小蘭花は咄嗟に飛び出したが、東方青蒼が引き留め、再び口づけして長珩に見せつける。憤慨した長珩は何とか立ち上がったが、容昊が慌てて長珩を連れて姿を消した。(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ <何てことするのよ?!…ついて来ないで!東方青蒼は言い訳しようとしたが、小蘭花はとりつく島もなく行ってしまう。巽風は寂月(セキゲツ)宮を掌握、玉座に座っていた。すると觴闕(ショウケツ)から謀反の報告を聞いて東方青蒼がやって来る。「ふん、まだ成りすましているのか?」しかし灯りに照らされた東方青蒼の顔を見た巽風は愕然となった。「…東方青蒼!」東方青蒼はあっさり巽風を縛り上げると、手を触れることもなく一撃を与えて投げ飛ばしてしまう。一方、丹音(タンイン)は深手を負って戻った長珩の姿に動揺していた。勝手に蒼鹽海へ乗り込んだとばれてしまうため、医者を呼ぶこともできない。何より長珩を救うには薬ではなく、霊力が必要だった。長珩は四水宝珠(シスイホウジュ)の修復で精気を失ったところ祟気(スイキ)にあたり、その上、東方青蒼から攻撃を受け、もはや仙気が消えかかっている。そこで容昊は盟友を救うため、自分の内力の半分を分け与えた。東方青蒼は觴闕にだけ小蘭花と中身が入れ替わっていたと明かした。それにしても海市(カイシ)首領が巽風に協力した狙いが分からない。東方青蒼はひとまず巽風を見張るよう命じたが、ふと気になることがあった。「私に霊力がないと知りながら、なぜ殺さなかった?私を殺せば月尊になれたものを…」「なぜ私が?!誰よりも大切な方を裏切るなんてあり得ません!(๑•̀ㅂ•́)و✧」東方青蒼は小蘭花が言った通り、觴闕の忠誠心が本物だと知った。蝶衣(チョウイ)は長珩のために霊力を失った首領の姿に涙した。冷酷なふりをしても友情のために命を懸ける容昊、蝶衣は自分も同じように助けたいと言いかけたが、容昊に遮られてしまう。「長珩を救うのはまだ使えるからだ、蒼鹽海と戦わせて東方青蒼を葬らせる …で宮殿はどうなった?」「巽風は敗れ、東方青蒼に牢に入れられました、刺客を送りますか?」「要らぬ…東方青蒼なら弟でもためらわず殺すだろう」長珩はようやく目覚めた。丹音の話では容昊が自分の霊力の半分を使って助けてくれたという。そこへちょうど容昊が現れた。容昊の髪は白くなり、さすがに長珩は責任を感じたが、覚悟は決まったという。「…待っていてくれ、この世で一番の美酒を持ち帰る」しかし寝宮を出ると雲中君の使いが待っていた。長珩が召喚された。長珩は雲中君から間者を救うため蒼鹽海へ行ったと責められたが、小蘭花は間者ではないと反発する。しかし容昊と丹音が駆けつけ、咄嗟にこれも敵を倒したいがゆえだったと訴えた。雲中君はこのままでは神仙たちに示しがつかず、激しい雷鳴をとどろかせて牽制する。すると長珩は結局、敵を倒したいあまり無謀なことをしたと罪を認め、罰として霊力を封じられ、禁足処分となった。一方、司命殿に戻った小蘭花は落ち込んでいた。せっかく助けに来てくれた長珩を失望させてしまったに違いない。「まさか私は…あり得ない!東方青蒼は水雲天の敵なのよ!」その様子を密かに觴闕が見ていた。觴闕は月尊に小蘭花の様子を報告、木の下を行ったり来たりしているだけだと伝えた。すると東方青蒼は觴闕が小蘭花を仙子と呼んだことに気づく。「蘭花仙子?いつから敬うようになった?」実は宮殿では入れ替わりの事実など知らず、小蘭花が身を挺して月尊を守ったと噂が広まっていた。今や小蘭花は月族の恩人と敬われ、觴闕もうっかり仙子と呼んでしまったという。「侍女たちは感謝の宴を開きたいと…しかし尊上が禁足を命じていますから」「…禁足を解こう、蒼鹽海ならどこへでも行かせて良い、無礼を働く者は許さぬと伝えよ」「さすが尊上です!それにしてもあれほど逃げたがっていた蘭花仙子が月尊を助けるなんて… 明らかに蘭花仙子は…」「明らかに何だ?」「明らかに…心から服従しています!」東方青蒼は觴闕の次の言葉に期待したが、見当違いだった。「尊上、宴に行かれますか?蒼鹽海の復興と団結の好機になるかと…」「馬鹿者!!娘子の集いになど行けるか?!」「失言しました!」しかし東方青蒼はこっそり暗松林(アンショウリン)で開かれた宴の様子を見に行った。侍女たちは賓客の小蘭花のため、月族の美しい衣装を用意していた。孤独な水雲天とは違い、沢山の侍女たちに囲まれる小蘭花。そこで東方青蒼は方術を放ち、花吹雪で興を添えてやる。小蘭花はふと東方青蒼の気配を感じたが、どうやら気のせいのようだ。大木の後ろに隠れた東方青蒼は背後から聞こえてくる小蘭花の笑い声を聞いていた。そこで久しぶりに幽玉戒(ユウギョクカイ)を外してみる。すると小蘭花の感情と連動し、東方青蒼も思わず笑みがこぼれた。つづく((( *´꒳`* ))) 最後のシーン好き
2023.05.21
コメント(0)
君九龄 Jun Jiu Ling最終話「因果応報の罰」太炎(タイエン)3年、北祁(ホクキ)の人質となった太上皇たちが殺されたのは楚譲(ソジョウ)が身代金を着服したせいだった。しかし楚譲は九齢(ジゥリン)たちの謀反だと訴え、衛兵を呼んで朝堂を包囲してしまう。命が惜しい朝臣たちは皇帝に従うと決めたが、その時、陸雲旗(リクウンキ)が武徳司を率いて乗り込んだ。陸雲旗はかつて九齢公主を守れなかったことを悔やみ、今日は決して同じ間違いを犯せないという。思わぬ腹心の裏切りに呆然となる楚譲、そこで断罪できるものならやってみろと開き直った。「朕は父と兄長の跡を継ぐ正当な皇帝、朕はこの国の天子であるぞ!」「…陛下はその座を得るために何をしたのかしら?」するとこれまで黙って話を聞いていた九齢が楚譲と対峙した。九齢は″太炎3年″と書かれた封じ紙を見せた。「これはあなたの不正の証し… 身代金の着服が発覚するのを恐れ、自ら先帝を手にかけて皇位を簒奪(サンダツ)したのね? 父親を犠牲にし、兄長を殺し、即位後は奸臣を重用、3郡を割譲し、税を増やして民を苦しめた! お前に皇帝の資格などない!」すると九齢は重要な証人となる先帝の侍女・氷児(ヒョウジ)を呼んだ。( ತ _ತ) <びんR!氷児は先帝の侍女で薬係だった。当時、氷児は薬を届けるため先帝の寝殿に向かっていたが、その時、楚譲が寝殿から出てくるところを目撃したという。殿内には倒れた先帝の姿があり、首に絞められた跡があった。「その日の宿直は陸大人です」すると陸雲旗は今まで真実を隠してきたと認め、全てを明かすことにした。「御書房を通りかかると助けを求める声が聞こえた…中に入ると楚譲が先帝の首を絞めていた」動揺した陸雲旗は楚譲に言われるまま、部屋を出て戸を閉めたという。陸雲旗は楚譲が先帝を殺害したと証言した。驚いた衛兵たちは皇帝を見限って剣を下ろし、袁宝(エンホウ)は人知れず逃げ出してしまう。賢(ケン)王は楚譲が本当に父と兄を殺したと知り、憤懣やるかたない。しかし往生際の悪い楚譲は陸雲旗の裏切りに憤った。「この恩知らずめ!なぜこんな女のために朕を裏切るのだ?!」「…なぜなら彼女が九齢だからだ」「そうさ、彼女は楚九齢だ」朱瓚(シュサン)は君九齢の正体を明かした。君九齢は火事で亡くなったと思われていた楚九齢だった。朝堂は呆然、成国公(セイコクコウ)、寧雲釗(ネイウンショウ)、寧炎(ネイエン)も突然の事実に目を丸くする。すると誰よりも動揺した楚譲が思わずつまずき、尻もちをついた。「皇叔、残念でしたね…あの年、父皇の死の真相を知った私は婚儀であなたを殺そうと決めた」実はあの時、楚譲は九齢にだけこっそり先帝を殺したと認めていた。「まさか私まで殺そうとするなんて…君(クン)父娘が私を救ってくれました なぜあんなことを…楚譲、こうして再び姿を現したのは父皇に代わり罰を下すためよ! 父皇に取って代わろうとし、己の権力と私欲のために実直な臣を遠ざけた 敵と戦い、多くの者が犠牲になったわ!成国公がいなければ国はとっくに滅んでいた! 想像してみて、死後に皇陵に入ったら、そこにいる先祖たちに顔向けできるの?! 良心に恥じたことはなかったの?!」楚譲はふいにあの日の夜のことを思い出した。皇兄に呼ばれて寝宮を訪ねた楚譲、実はすでに身代金を着服したことがばれていると知る。楚譲は過ちを認めたが許してもらえず、兄が背を向けた隙に腰紐を解いて首を絞めたのだった。すると抵抗する気力を失った楚譲は泣き崩れ、そのまま床に寝転んでしまう。楚譲が地味に大●洋?w九齢はついに父の敵を討ち、玉座で微笑む父の幻像を見て安堵した。朱瓚と方承宇(ホウショウウ)は九齢と中庭を歩きながら、楚譲をどうするのか尋ねる。すると九齢は極刑にすることを望まなかった。「楚譲の所業の全てを民に知らせて裁きに任せるわ、生きて蔑まれることこそ最大の罰よ」そこへ寧雲釗が玉璽(ギョクジ)を持ってやって来る。 ←( ๑≧ꇴ≦)エーッ!今?!w「皇帝の座を空けてはおけない、懐(カイ)王殿下の擁立を…」寧雲釗は九齢に頼まれ、奸臣を演じながら楚譲を近くで見張っていた。「寧公子、あなたがいなければ父皇の恨みは晴らせなかった、あなたへの恩義を心に刻むわ」しかし九齢はまだ幼い九穃(キュウヨウ)に皇帝の重責は担えないという。「玉座に座れば天下を得られるわけではない、民心を得てこそ天下の統治者と言えるの」朱瓚は九齢が賢王を推挙していると気づき、賛同した。その時、陸雲旗がやって来る。朱瓚は2人で話をさせるため、承宇と寧雲釗を連れて涼亭で待つことにした。陸雲旗はこれが九齢と話せる最後の機会だと分かっていた。「初めて皇宮に入った時の持ち場がここだった、そして思いがけず君と再会した 君が通りかかるのを見るたび夢のようで幸せだったよ 」しかしあの夜、楚譲が自分を先帝付きにしたのはこれが目的だったと気づいたという。「先帝を救おうと思えば救えたのに見逃した…」すると陸雲旗は短剣を差し出し、命を以って償いたいと訴えた。九齢は短剣を抜いて陸雲旗を刺そうとしたが、寸でのところで手を止める。「陸雲旗…これで終わりにしましょう」九齢はうっすら笑みを浮かべ、剣を捨てた。( ;∀;)ルールー…いい人だったのに…←え?w九齢堂に親しい仲間たちが集まった。すでに九齢の正体が公主だと公になったが、それでも皆との関係が変わることはない。すると寧承宇が訪ねて来た。対応に出た錦繍(キンシュウ)は中庭に誘ったが、寧雲釗は話があるので店で待つという。寧雲釗は即位の準備で遅くなったと断った。「また行ってしまうのか?」「…成国公の一家と北方へ行くわ」すると寧雲釗は最後にもう一度だけ九齢と碁を打ちたいと頼む。一方、中庭ではなかなか戻ってこない九齢を皆が心配していた。朱瓚は酔い覚ましの薬を取りに行くとみえみえの口実で席を立ったが、2人の対局を見てそっと引き上げる。「風に当たったらすっきりしたよ」朱瓚は何事もなかったように席に戻った。そこで承宇は明日、都を発つと伝える。「姐夫、九齢をお願いします」「任せてくれ」寧雲釗は九齢との大切な思い出を振り返りながら碁を打った。するとふいに手を止める。「…また私の負けだ」「楽しかったわ」「そうだな」寧雲釗は名残惜しそうに九齢の顔を見つめていたが、潔く帰って行った。北方でかくまわれていた承宇がやっと沢州に帰って来た。曹(ソウ)氏たちは無事な承宇の姿に安堵し、ようやく方家にも平穏が戻る。一方、陳七(チンシチ)は錦繍を娶ると決意していた。錦繍は相変わらず素直になれないが、夫として振る舞う陳七に悪い気はしない。そして賢王は新帝に即位した。含元(ガンゲン)殿では文武百官が新帝を迎える。「面をあげよ」おわり( ;∀;)うわ~ん!終わってしまった~!って、あれ?これで終わり?そうなんです!皆さんもお気づきですね?肝心な男主と女主のキャッキャウフフ~♪のデンディングがカットされてるんです↓それがこちらですいやこれカットする?!( ̄▽ ̄;)もしや触覚が似合わなすぎてNG出たのか?いや〜楽しかったわ〜またポンちゃんのドラマが始まることを祈りつつ…皆様、お付き合いありがとうございました
2023.05.19
コメント(0)
君九龄 Jun Jiu Ling第39話「勝利の後に」北祁(ホクキ)軍が天侑(テンユウ)に侵攻、ついに城楼で両兵が激しくぶつかりあった。城門はかろうじて方錦繍(ホウキンシュウ)と陳七(チンシチ)ら民の協力で死守していたが、いよいよ戦鼓を叩く君九齢(クンジゥリン)の元まで敵兵が迫ってくる。驚いた懐(カイ)王・楚九穃(ソキュウヨウ)は九齢の足にしがみついた。「九穃!恐れないで!」「怖くなんかない!」すると九穃は勇気を振り絞って兵士たちを鼓舞した。しかし懐王に気づいた敵兵が九穃めがけて走ってくる。九穃は目をつぶって覚悟を決めたが、その時、背後から飛んできた鉾(ホコ)が敵兵を退けた。一方、後方にいた北祁太子のもとに急報が舞い込んだ。「陛下が崩御しました!刺客に暗殺され、二皇子はすでに撤退を… 成国公(セイコクコウ)と清河伯(セイカハク)も迫っています!」驚いた郁遅海(イクチカイ)は撤退を決め、合図を聞いた北祁の兵士たちは潮が引くように逃げ出した。九齢と九穃の危機を救ったのは朱瓚(シュサン)だった。九齢は無我夢中で戦鼓を叩き続けていたが、朱瓚が腕をつかんで止める。実はすでに援軍が到着し、朱瓚は北祁皇帝の暗殺に成功していた。城楼にいた敵兵も投降、すると九齢は急に身体の力が抜けて朱瓚の腕の中に倒れてしまう。その夜、楚譲(ソジョウ)は都が無事だと聞いて喜んだ。しかし都を救ったのが成国公父子だと知り、朱山(シュサン)を逆賊扱いした手前、民に顔向けできないという。すると寧雲釗(ネイウンショウ)が謀反の罪を言い出したのは黄誠(コウセイ)であり、誤解した皇帝に罪はないと進言した。都合よく黄誠は逃亡して行方不明、全ての責任を押し付けることができる。しかも陸雲旗(リクウンキ)の報告では驚いたことに九齢と賢(ケン)王が皇帝をかばっていた。九齢たちは皇帝が民に苦難を与えたことを謝罪するため帝陵へ出かけていたが、思いがけず北祁が都を包囲して戻れなくなったと説明したという。「朱瓚に北祁皇帝を暗殺させ、成国公を動員したのは陛下の策だったと…」寧雲釗は即刻、都へ戻るよう嘆願、楚譲もすぐ準備するよう命じた。楚譲は陸雲旗だけを残して人払いした。確かに弟である賢王には自分をかばう理由があるが、九齢の意図が分からない。陸雲旗は成国公を許してもらうためではないかと進言したが、楚譲は九齢の自分への当てこすりだと分かった。「あの女子は団結して都を守るよう民を焚きつけた 今後も誰かを焚き付けて何か企むやもしれぬ…殺せ」「御意!」寧雲釗は楚譲が九齢を狙うと分かっていた。そこで陸雲旗を引き留め、手を組もうと持ちかける。「寧雲釗、気は確かか?」「彼女のためだけではない、私の願いは明君が治める太平の世だ」「なるほど、それで玉璽を隠したのか?」すると陸雲旗は手を下すのが褒賞のあとだと明かした。九齢が目を覚ますと朱瓚がいた。思わず朱瓚に抱きつき号泣する九齢、しかしふと我に返り、楚九黎(ソキュウレイ)と九穃の姿に気づく。すると朱瓚は姉弟で話せるよう外へ出た。九黎は楚氏を代表して都を守ってくれた九齢に感謝した。すると九齢は姉の手を握り締め、家族を守れたことが嬉しいという。「…花皇后、草皇后、石皇后、土皇后、次から次へと皇后は入れ替わる」その詩はまだ幼い九齢が作った詩で、九黎と九齢しか知らないはずだった。「九齢なのね?!」「姐姐…あの時、怒られてから虫皇后とは遊んでいないわ」「でもなぜ顔と声が違うの?」「話せば長くなる…君家の父娘が私を救ってくれた」九齢はついに真実を明かし、姉弟3人は抱き合って再会を喜んだ。「これからはどんなことも一緒に乗り越えるのよ、いいわね?」「そうね、姐姐」九齢は外で待っていた朱瓚と合流した。実は方承宇(ホウショウウ)も都へ入り、雲霄閣(ウンショウカク)がかくまっているという。朱瓚は暗殺の際に深手を負ったことを隠したが、民を守るためなら死んでも悔いはなかったと話した。すると九齢は朱瓚がいかに大切な存在か身に染みたと訴え、再会したら2度と手を離さないと決めていたと明かす。朱瓚も九齢が恋しかったと打ち明けた。「君が隣にいないと何をしても空しい…」2人は互いの想いを確認し合い、しばし熱い抱擁を交わした。天侑に平和が戻った。九齢は朱瓚、成国公、清河伯と共に参内、その功績を認められ山陽(サンヨウ)公主に封じられる。しかし九齢の顔は強張ったまま、拝跪する様子もなかった。袁宝(エンホウ)は早く感謝するよう急かしたが、その時、朱瓚が父の謀反の罪が濡れ衣だったと証明されたはずだと上奏する。そこで楚譲はこれも黄誠の讒言のせいだと話し、黄誠が和議に乗じて姿をくらましたまま見つからないと言い訳した。「すでに行方を追わせておる、捕まえたら必ずや成国公の名誉を回復しよう」すると思いがけず賢王が捕縛した黄誠を連れてやって来た。黄誠は北祁太子の友人だと触れ回っていたが、北祁軍に相手にされず、殺されそうになったところを賢王の配下が救ったという。朱山はこの場で黄誠の尋問を行うよう嘆願した。すると寧炎(ネイエン)や武官たちが賛同、楚譲は渋々、黄誠に成国公を陥れたのか追及する。黄誠は確かに世子に息子を殺され恨みがあったと認め、成国公に謝罪した。そこで楚譲は黄誠を大理寺で裁くよう命じたが、賢王は敵と通じて忠臣を陥れたのなら、慣例通り肉削ぎの極刑にすべきだと訴える。楚譲はついに腹心を見限り、黄誠を刑部に引き渡すよう決めた。「陛下…なんと冷酷な…太炎(タイエン)3年の件をお忘れか!」動揺した黄誠は思わず口を滑らせ、朝堂は騒然となった。黄誠は皇帝を恐れて口ごもった。すると死んだはずの承宇が現れ、方家に残っていた銀子を証拠として差し出す。それは北祁の人質となった太上皇と交換するはずの身代金だった。楚譲は慌てて偽物だと声を荒らげたが、朱山は確かに銀子に″太炎3年内承運庫(ダイショウウンコ)″と彫られていると確認する。「これは太炎3年に朝廷が鋳造した銀子…北祁は身代金をもらえず太上皇を殺めたのだな 銀子は沢(タク)州へ運ばれていなかったのか?!」つづく※訂正とお詫び┏○゛前回、誤りがありました北祁軍を率いているのがてっきり皇太子だと思っていましたが、将軍でした( ̄▽ ̄;)将軍のそばにいるのが皇太子・郁遅海のようですでも…何だかおかしくない?そんなわけで前回のあらすじは直さずこのまま行きます ←直さないのかーいw
2023.05.18
コメント(0)
梦华录 A Dream of Splendor第25話「命の危機」蕭欽言(ショウキンゲン)の船を襲ったのは顧千帆(コチェンファン)が信頼する叔父・斉牧(セイボク)の配下である崔(サイ)指揮だった。船上で繰り広げられる激しい攻防。顧千帆は孤軍奮闘して父を守ったが、最後の最後で崔指揮に胸を刺されてしまう。しかし顧千帆は意識を失ったふりをして相手を油断させ、ちょうど手元にあった折れた木片をつかみ、崔指揮の首に突き刺した。茶湯巷(チャユコウ)では民が火の気が上がった船を見て騒ぎになっていた。その時、偶然、趙盼児(チョウパンアール)が通りかかり、船で蕭欽言が″千帆″と叫ぶ声に気づく。パンRは咄嗟に桟橋に駆けつけ船に縄を投げると、民と協力して船を接岸させた。すると船の中に血まみれで意識のない顧千帆の姿を見つける。パンRは顧千帆が身につけている皇城司の照明弾を上げて助けを呼び、無我夢中で応急処置をした。「やめるんだ!強く押したら死んでしまう!」「血が黒いでしょう?毒よ」照明弾を見た陳廉たちが駆けつけた。陳廉は顧千帆をすぐ運び出させたが、なぜかパンRがいる。「息はまだある、右肩に4寸もの深手が…毒はできるだけ絞り出しておいたわ」「分かりました、この件は…」「安心して、私は何も見ていない でも生死に関わらず、明日、状況を教えて欲しいの、茶坊で待ってる」パンRは瀕死の状態で運ばれて行く顧千帆を桟橋で見送った。皇城司に運び込まれた顧千帆は朦朧とした意識の中で陳廉を呼んだ。「私は目が覚めたと斉中丞に伝えろ…それから…」顧千帆は雷敬(ライケイ)に聞こえないよう陳廉の耳元で囁き、再び意識を失ってしまう。パンRはやっとの思いで桂花巷(ケイカコウ)へ戻った。帰りを待っていた宋引章(ソウインショウ)が声をかけたが、パンRは逃げるように母屋に入ってしまう。すると何も知らない引章が部屋に入ってきた。「寿宴で顧副使に助け船を出してもらったでしょう? お礼に宴席を設けたいけど訪ね先を知らないから…陳廉に聞いてくれない?」パンRは事情を言えず、顧副使は忙しいので時間がないと答えた。「なぜパンR姐が知っているの?」「…知っているからよ!」動揺していたパンRは思わず声を荒らげ、驚いた引章は泣きながら出て行ってしまう。孫三娘(ソンサンニャン)はパンRに何かあったと気づいて様子を見に行った。しかしパンRは泣き顔を見せまいと寝所に入ってしまう。三娘はひとまずそのままそっとしておくことにした。するとほとんど眠れなかったパンRが早朝から出かけて行くのを見つける。三娘は憔悴したパンRを心配して店を休むよう勧めたが、パンRは顧千帆が心配で居ても立っても居られなかった。そこへ葛招娣(カツショウテイ)がやって来る。「引章姐が具合が悪いから休むって…」「そう、ご勝手に…」パンRは話もそこそこに慌てて出かけてしまう。さすがに招娣もパンRの異変に気づいたが、三娘はとにかくすぐ後を追うよう頼んだ。半遮面(ハンシャメン)には今日も引章の琵琶を目当てに満席だった。しかし引章が店に来るかも分からず、その上、この蒸し暑さの中、氷が手に入らなくなってしまう。パンRは製氷店に交渉に行ったが、実は池蟠(チハン)の嫌がらせだと分かった。三娘と招娣は店をパンRに任せて氷を探しに出かけた。三娘は顔が広い招娣に銭を託して氷の仕入れを頼み、引章の様子を見に行くことにする。その時、偶然、学童たちにからかわれている杜長風(トチョウフウ)と遭遇した。すると学童が杜長風めがけて放ったつぶてが運悪く三娘に命中してしまう。杜長風は子供の遊びだと寛大だったが、三娘は額から血を流しながら激高した。「懲らしめなきゃ気が済まない!」三娘は書院に乗り込み、師である杜長風をからかう子供たちを厳しく叱りつけた。「師範をあがめないなんて、一体ここで何を学んでいるの?! どれだけ自分が恵まれているか分かっている?!」三娘は銭塘(セントウ)に残してきた息子を思い出し、当時は半年も働いてようやく都落ちの知識人を師に招くことができたという。すると三娘は杜長風が無官だとしても実力で及第した堂々たる進士だと訴えた。「あんなたちに寛容なのはなぜか分かる?誰よりも度量が大きいからよ! 愛してくれる人を大切にしないで、反対に…ぁぁ〜もういいわ」一方、港で買い物をしていた招娣は運悪く母親に見つかった。「捕まえた!離さないよ!」母親は招娣の足にしがみついて大泣き、周囲の目を気にした招娣は咄嗟に銭をばらまき、母が拾っている間に逃げ出した。杜長風は三娘が書院に起き忘れた籠を持って追いかけた。三娘は悪童に何も言えない杜長風を意気地なしだと蔑んだが、不思議と間抜けなところが憎めない。すると三娘は陳廉から聞いた杜長風の目の話を思い出し、それは病のせいだと教えた。「これちょうだい…」三娘は豚の肝を買って杜長風に渡すと、30日間1切れずつ食べるよう勧めて帰ってしまう。顧千帆は翌朝になっても目覚めなかった。すると蕭欽言が手配した鍼の第一人者が駆けつけ、治療を始める。陳廉は顧千帆に付き添い、悲しみに暮れた。「パンR姐が今も知らせを待っています…助かったのはパンR姐のおかげなんですよ? 素早い対処がなければ今頃は…ゥッ…パンR姐の思いに応えて早く起きてください」「…応えるとも」その時、顧千帆がついに意識を取り戻した。「託したことはやり遂げてくれたか?」「はい」「中丞は何と?」「最初の言葉はこうだったそうです…″崔指揮はいつ死んだ?蕭欽言は生きているか?″」「私のことは?」「36言目に…」顧千帆は叔父に深く失望し、皆が止めるのも聞かず起き上がった。三娘は店を休んだ引章に食事を差し入れた。しかし引章は食べたくないと器を払い落としてしまう。三娘はこれまで我慢していた不満が爆発、確かに蕭府で面目を施したが、だからと言って家族に威張り散らすなと叱った。「″風骨″の揮毫(キゴウ)だけで公主にでもなったつもり?! 不機嫌になるたびパンRがなだめてる、なのにあんたは茶坊で琵琶を弾こうともしない 3人で開いた店でしょう?」「ごめんなさい、でも本当に具合が悪くて…」「パンRは歩くのもおぼつかないのに茶坊に出てる、暑さに弱いあんたに薄味の料理をって… あんたはパンRを気遣ったことがある?…パンRはあんたに借りはないし、母親でもないのよ?」半遮面の裏庭に陳廉に付き添われて顧千帆が現れた。するとパンRは思わず抱きつき、泣いてしまう。「助かると信じていたわ…」「会えて安心した、私なしでは君は喧嘩できないし、散歩や商いもできないだろう?」しかし運悪く店にやって来た引章が2人の抱き合う姿を見てしまう。引章はようやく気づいた。これまで2人が一緒にいたのは偶然ではなく、恋仲だったからだと…。引章は店から飛び出し、桟橋にたどり着いた。すると姿が見えない引章を探していた三娘が現れる。「さっきは言い過ぎたわ…」「平気よ、譜面を探しに好好(コウコウ)姐のところへ行くだけ でも本当に紛失して顧副使の怒りを買ったらパンR姐はとりなしてくれる?」「もちろんよ、婚約の日も近いし、譜面なんて大したことないわ」三娘は引章に鎌をかけられ、うっかり口を滑らせた。引章は自分だけ蚊帳の外だったと知り、深く傷ついた。そこで沈如琢を訪ね、気持ちに変わりはないか確認する。「もちろん…真珠のような君に市井(シセイ)の泥は合わない 今後は私が君の面倒を見て守ってやりたい」つづく|ω・`)、今回ばかりは引章が可哀想だわ~
2023.05.18
コメント(0)
君九龄 Jun Jiu Ling第38話「民を守るために」皇帝や朝臣が逃げ出す中、君九齢(クンジゥリン)と賢(ケン)王が都を守るため立ち上がった。寧炎(ネイエン)も私兵を率いて合流したが、民の不安を払拭して団結させるには先帝の長子である懐(カイ)王・楚九穃(ソキュウヨウ)が先頭に立つ必要があるという。そこで九齢は懐王府に駆けつけ、九穃に事情を説明した。「戦場は危険です…行かれますか?」「もちろんだ、皇族としての務めを果たす」すると陸雲旗(リクウンキ)が残して行った武徳司が九齢と懐王を守ると誓った。朱瓚(シュサン)は北祁(ホクキ)皇帝の暗殺に成功したものの深手を負っていた。しかし張宝塘(チョウホウトウ)と李三氷(リサンヒョウ)が北方に身を潜めていた方承宇(ホウショウウ)を頼り、一命を取り留める。一方、都では北祁の侵攻を知った民たちが避難しようと城門に押しかけていた。賢王は正直に皇帝が逃げたと知らせたが、自分たちが守ると説得する。まだ幼い懐王と九黎(キュウレイ)公主も必死に一緒に戦おうと訴えたが、やはり民の不安は拭えなかった。すると九齢が一歩前に出て、共に城門を守り、故郷を守ろうと決起を促す。「皆さん、痘瘡(トウソウ)は治せない病だと言われていました でも私が治ると鼓舞して皆で打ち勝ったのです 心を1つにすれば城門を守れる、北祁を追い払えます 将兵の命に従い力を合わせれば大丈夫、私たちの家を守ることができるわ! 勝機を作り、援軍の到着を待ちましょう!」九齢に鼓舞された天侑(テンユウ)の民は立ち上がり、一丸となって都を守ることになった。しかし正直なところ九齢も勝算があるとは言い切れない。するとその夜、北祁軍が城門の前で人質を殺して見せしめにした。九齢はその残忍なやり方に憤りながら、九穃に天侑の主としてこの犠牲を決して忘れてはならないと訴える。一方、朱瓚は無事に目を覚ましていた。承宇に助けられたと気づいて安堵したが、ふとすでに9日だと聞いて飛び起きる。「行かねば…都に九齢がいる」朱瓚はふらふらになりながら着替え始めた。すると九齢の危機を知った承宇も同行すると決める。その頃、北方では北祁軍が慌てて撤退していた。成国公(セイコクコウ)・朱山(シュサン)は朱瓚が暗殺に成功したと気づき、直ちに都へ戻ると決める。清河伯(セイカハク)は朱瓚の消息がないことが気がかりだったが、成国公は国のために犠牲になったとしても後悔はないはずだと言った。翌朝、ついに北祁軍が城門に突撃した。陳七(チンシチ)は将兵や民と一緒に城門を死守、方錦繍(ホウキンシュウ)と柳児(リュウジ)は怪我人の手当に奔走し、九黎も自ら配給を手伝う。その頃、行宮に避難した楚譲(ソジョウ)は都がまだ陥落していなことに驚いていた。聞けば九齢が賢王、懐王、寧炎と共に城門を守っているという。「誰が懐王を連れ出した?」「君九齢です」「またあの者か…」すると楚譲は玉璽(ギョクジ)が見つかったか聞いた。袁宝(エンホウ)はまだ見つからないと謝罪したが、その時、陸雲旗が探してもないのなら御書房にあるのだろうと取り繕ってくれる。寧雲釗(ネイウンショウ)は陸雲旗の協力に感謝したが、九齢のためだと分かっていた。錦繍は炊き出しに来ない陳七を心配し、差し入れを届けた。錦繍の手作りだと気づいて喜ぶ陳七、しかし錦繍は照れ隠しに買ってきたと嘘をつく。「沢(タク)州の味が出せる店なんてないさ、ふっ」「…死ぬなら一緒よ」「一緒に?!」「…あ、九齢と一緒にってことよ」錦繍は素直になれなかったが、その時、武器が到着した。「錦繍、城楼に武器を運んだら残って戦うよ…元気で」「陳七…もし死んだら許さないから!」陳七は小さくうなづいて出かけて行った。城楼に突然、九齢を迎えに懐王の師である顧(コ)先生がやってきた。実は陸雲旗から頼まれていたと話し、九齢と両殿下を脱出させる時機を見計らっていたという。「もう脱出していい頃合いです、懐王殿下の名声は十分、広まりました 敵の侵入は防げぬやも…楚家の血を残さねば」しかし九齢は決して逃げないと拒み、名声や王位のためではないと訴えた。北祁軍の攻撃が続いた。ついに敵軍が城楼に到達、激しい攻防戦の中、賢王も剣を抜き応戦する。すると合図の戦鼓を叩いていた兵士が射抜かれ、倒れた。それを見た九齢は九穃を連れて駆けつけ、必死に戦鼓を叩き続ける。「敵を倒せぇぇぇ!全員が戦士だぁぁぁ!」城門に九齢の号令が響いた。後方で見守っていた北祁太子・郁遅海(イクチカイ)はもうすぐ都が手に入ると喜んだ。隣には側近で黄誠(コウセイ)と通じていた皇太子の替え玉がいる。その頃、城楼では寧炎が敵兵に刺されていた。兵士が慌てて寧炎を避難させる中、城門では錦繍が女たちを連れて駆けつけ、陳七たちに加勢する。命懸けで都を守る天侑の民、その頃、朱瓚や援軍も都へ急いでいた。つづく( ๑≧ꇴ≦)結局、美味しいところを全部、持っていく九齢w
2023.05.17
コメント(1)
君九龄 Jun Jiu Ling第37話「敵軍の襲来」陸雲旗(リクウンキ)は皇帝に君九齢(クンジゥリン)が沢(タク)州へ向かったと嘘をつき、金十八(キンジュウハチ)たちに後を追わせて取り繕った。一方、成国公(セイコクコウ)・朱山(シュサン)に代わり臨時の鎮守職に就いた清河伯(セイカハク)だったが、頻繁に配置換えを行ったせいで綻びが生じ、北祁(ホクキ)の皇太子に攻め込まれてしまう。朝廷は包囲された清河伯の消息がつかめず、援軍を送るも半分は行方知れずになった。皇帝が逆賊となった成国公の切り捨てを命じ、朱山たちは自由に動けなかった。しかし北祁の動きを読んでいた朱山は朝廷が送った援軍と合流、北祁の兵糧を奪うことに成功する。郁(イク)夫人は勝手に兵を動かしたことで追及されると心配したが、配下は元はと言えば清河伯のせいだと嘆いた。「貴方様がいなければ負けていました」すると朱瓚(シュサン)は今なら北祁国内の防御がおろそかなはずだと気づき、密かに北祁に潜入して皇帝を暗殺すると決める。朱山は危険すぎると反対したが、張宝塘(チョウホウトウ)と李三氷(リサンヒョウ)がお供を申し出た。「父上、母上、どうかお元気で…行って来ます!」その頃、監禁された九齢は朱瓚の身を案じていた。…朱瓚、元気にしている?同じ頃、敵地へ向かった朱瓚も九齢のことを考えていた。…九齢、元気にしているか?今回は戻れぬ可能性もある、だが君に会うため必ず生きて戻る朱山は援軍を率いて清河伯の陣営に到着した。清河伯は成国公が援軍を奪い、双方が消耗するのを待って英雄気取りで現れたと呆れたが、兵士たちが否定する。実は朱山は清河伯が奇襲を受けることを察し、北部で攻撃をかけ、敵を挟撃(キョウゲキ)していた。むしろ進退窮まっていた清河伯たちを救出してくれたという。すると朱山が今は言い争っている場合ではないと訴えた。「都を救わねば…6万の敵軍が東の郊外にいる」「何だって!敵の真の狙いは北方ではなく都であったのか…もう終わりだ」何も知らなかった清河伯は落胆したが、朱山はすでに一部の軍を都に差し向けたと教えた。「諦めるのはまだ早い、だが急がねば、間に合えば良いが…」陸雲旗は知らせを受け、慌てて武徳司に戻った。「何事だ…?」実は金十八たちが北祁軍の待ち伏せに遭い、金十八は虫の息となって運び込まれた。「陸大人…早くお逃げください…」すると金十八は絶命してしまう。九齢は何とか縄を切ろうと奮闘していた。するといきなり陸雲旗が飛び込んでくる。「北祁が来る!官兵が買収され百芒(ハクボウ)城の門を開けた」精鋭たちは北方の前線に送られ都は手薄、陥落は時間の問題だろう。実はすでに皇帝も避難の準備を進めていた。陸雲旗は九齢の縄を解いて一緒に逃げることにしたが、九齢は拒む。「皇帝が逃げて民心が離れたら本当に終わりよ…」「だから今のうち逃げるのだ!行くぞ!」「陸雲旗!…私は国を守る、父皇はこの国と民を守ると誓ったわ、その誓いを忘れてはならない」「…九齢、ついに認めたな」陸雲旗は今度こそ九齢を救いたいと訴え、九黎(キュウレイ)公主を娶ったのも九齢の大事な家族を守るためだったと明かした。この地位にしがみついているのも大切な人を守るため、世間に悪人だと罵られようが、皇帝の犬と蔑まれようが、全ては九齢のためだったという。しかし九齢は人生には生死より是非が大事な時があると言った。「私は安穏と生きるより、父皇の理想や志を受け継ぎ、何があっても民を守る これが私の選んだ人生なの…私を思っているなら好きにさせて」すると陸雲旗は武徳司の令牌を外し、九齢に渡した。「私が間違っていた、君さえ私のそばにいて安全ならいいと思っていた 九齢、約束してくれ、必ず生き延びると…九黎と九穃(キュウヨウ)のことは任せてくれ」敵軍が都に迫っていた。九齢は急いで九齢堂に向かったが、なぜか大街は平常通り、民たちが慌てている様子はない。…何てこと?朝廷は北祁の侵攻を隠しているのね、自分さえ逃げられればどうでもいいの?…一方、宮中では袁宝(エンホウ)たちが大慌てで皇帝の荷物をまとめていた。すると寧雲釗(ネイウンショウ)が現れ、皇帝が呼んでいると嘘をついて袁宝を書斎から遠ざける。寧雲釗はその隙に玉璽(ギョクジ)を箱から盗んで袂に隠したが、その時、陸雲旗が現れた。「寧大人?…出立しますよ」九齢堂にようやく九齢が戻った。しかし再会を喜んだのも束の間、方錦繍(ホウキンシュウ)たちは北祁が攻めて来ると知る。皇帝は民を見捨ててすでに腹心たちと逃げ出し、九齢は都を仕切れるのが賢(ケン)王だけだと気づいた。「…賢王に会ってくる、錦繍、あるだけの銭で武器を買い占めて 陳七(チンシチ)は武器の分配を、それと武器の材料を買い集めて 柳児(リュウジ)は今晩中に食料を買い集めておいて、商人が値を釣り上げるのを防がなくては…」こうして九齢と九齢堂は都を守るため動き出した。九齢は賢王に直談判、十数万の民と共に戦って欲しいと嘆願した。「北の軍が戻れば勝機はあります」しかし賢王は皇帝の命でなければ兵馬司が言うことを聞かないと困惑する。すると九齢は拝跪し、身分を明かした。「かつてのお言葉を実現してください、″北祁を退け民を守る″とおっしゃったわ …皇叔、私は楚九齢です」賢王はにわかに信じられなかったが、九齢は御膳房の桂花餅(ケイカモチ)を知っていた。九齢の誕辰に必ず先帝と一緒に作った桂花餅、賢王は顔が違っても確かに九齢本人だと確信する。「九齢なのだな…そなたが男なら国を守る柱となっただろう」そこで賢王は兵馬司に掛け合い、私兵を動員することにした。「皇叔、世子爺の行き先をご存知ですか?」「それが…都を離れてからは分からぬ」翌朝、皇帝は朝議に現れなかった。すると探しに向かった太監が皇帝がどこにもいないと報告、三皇子の姿も見えないという。一方、方承宇(ホウショウウ)は三桃(サントウ)と一緒に北方で身をひそめていた。そんなある日、突然、宝塘と三氷が深手を追った朱瓚を連れて現れる。「姐夫(ジェフー)、何があったんだ?!」「北祁皇帝を暗殺した際に大怪我を…やっと逃れて来ました」朱瓚は弓が背中から貫通し、意識がなかった。賢王は九齢と一緒に城門の守りを固めていた。そこで賢王は将軍に特に北門に注意するよう頼む。「恐らく北祁はここを攻めてくるだろう、戦闘の合図は太鼓だ、鳴っている間は手を緩めるな」九齢は陳七に徳盛昌で武器を受け取って来るようたのみ、錦繍と柳児には有志を募って物資の配給を頼んだ。すると寧炎(ネイエン)が私兵を連れて合流する。つづく( ;∀;) ルールー、サイコだけど良い人やん ←違うw
2023.05.16
コメント(0)
梦华录 A Dream of Splendor第24話「″帽妖″再び」荒地を駆け回る抱一(ホウイツ)仙師を追って過酷な日々を続ける欧陽旭(オウヨウキョク)。その夜も民家の軒下で激しい雨をしのぎながら、食べ物を探しに出かけた書童・子明(シメイ)の帰りを待っていた。すると突然、賊が現れ、ある物を出せという。図体の大きな男はいきなり欧陽旭の首をつかみ、その間に小さな男が荷物をあさった。「あったぞ!」男は高慧(コウケイ)が送った文や誓いの品を取り返すと、欧陽旭の腕をつかんで婚約解消書に無理やり拇印を押させた。欧陽旭は高鵠(コウコク)の仕業だと分かった。しかし実は男たちを手配したのが高慧本人だと知る。今や高慧は趙盼児(チョウパンアール)と親しく、婚約のことも全てばれていた。「今夜のことを公にしてみろ、高家が見逃しても皇城司が許すまい 趙娘子(ニャンズー)はまもなく皇城司の顧千帆(コチェンファン)に嫁ぐからな」あくどい高慧がなぜパンRを許したのか。欧陽旭は呆然としていたが、何より衝撃を受けたのはパンRの裏切りだった。「趙盼児…なぜ君は他人に嫁ぐのだ?…顧千帆と言ったな、絶対に許すものか!」宋引章(ソウインショウ)は敬愛する顧千帆と自分を尊重してくれる沈如琢(シンジョタク)の間で心が揺れていた。…欲張ってはだめ、絶対に…すると自分を探しているパンRの姿を見つける。「引章?どこへ行ってたの?」「教坊司の人が迎えに来てくれて…他の芸妓もいたからその人たちを送ってから帰って来たの」引章は沈如琢の舟で送ってもらったとは言えなかった。斉牧(セイボク)は顧千帆から証人を引き取った。そこで殿前司(デンゼンシ)・崔(サイ)指揮を屋敷に呼び、安(アン)国公の罪を証明するよう指示する。「しかしそれでは蕭欽言(ショウキンゲン)が無傷なのでは?」「なぜ柯政(カセイ)の弟子と同じ考えなのか?…そう言えばお前の姉は鄭青田(テイセイデン)の妻だったな? お前は姉のため、柯政の弟子は師のために敵を討つのだな だがみんな単純過ぎる、帽妖騒ぎをでっち上げたくらいで陛下が蕭欽言に疑念を抱くと思うか?」斉牧は全て安国公に押し付ければ一石二鳥だと言った。これで蕭欽言に打撃を与えつつ、自分たちは無関係だと示し、皇帝も蕭欽言を警戒して立太子を急ぐだろう。そうすれば政に皇后が干渉する余地がなくなり、皇后派は権勢を失うはずだ。( ゚ェ゚)そうなの? ←全然、分かっていない管理人w桂花巷(ケイカコウ)では孫三娘(ソンサンニャン)と葛招娣(カツショウテイ)が引章のため宴を準備していた。身振り手振りで誇らしげに寿宴の話を続ける引章、するとパンRが夏向きに顧千帆が剣舞で作った魚膾(ギョカイ)を半遮面(ハンシャメン)でも出そうと提案する。しかし引章は高尚な場で低俗な物を出すのは駄目だと反対した。「パンR姐(ジェ)、半遮面は雅さが売りだと言ったでしょう? 茶坊の経営も3人全員が賛成しないと駄目だって…忘れたの?」招娣は三娘の片付けを手伝いながら、なぜ引章があそこまで怒ったのか分からないとぼやいた。「名をあげたから自分が誇らしいのよ」「でもパンR姐の前で顧副使を褒めるなんて…気まずいよ」「引章は知らないの」「えーっ?!陳廉(チンレン)さえ気づくのに?」すると招娣は寿宴から戻った引章は別人のようだと言った。「じゃあ魚膾は売らないの?三娘姐の料理は菓子よりもっと美味しいのに〜 茶坊にこだわる必要が?酒楼なら料理も茶も出せるのにな」顧千帆はパンRを舟遊びに誘い、斉牧が仲人でなくても嫁いでくれるか聞いた。パンRは仲人など誰でも良いと笑い、それより酒楼を開きたいと明かす。しかし顧千帆は文人が集まる茶坊と違い、酒楼には色々な客が来ると心配した。「でも父が官吏だったから官界の事情も少しは知ってる 豊登楼(ホウトウロウ)は自警団長の母親の店だし、朝廷の妃の親族にも料理店を営む者は多いわ」「私のためなら不要だ」「違うわ、商いを大きくすれば自分で客をもてなさずに済むし、三娘も厨房に集中できる それに夫婦たるもの、互いに思いやり合うべきよ」「…ありがとう」「でも引章はついてこないかも…」実は引章は柯政(カセイ)から揮毫(キゴウ)をもらって依頼、傲慢になっているという。その時、茶湯巷(チャユコウ)が急に騒がしくなった。「帽妖(ボウヨウ)が現れた!逃げろ!」解決したはずの帽妖が現れた。焦った崔指揮は斉牧を訪ね、証人を奪われた皇城司の腹いせではないかと疑う。「例の罪人は牢獄にいるのになぜ街に帽妖が?しかも我々が陛下に報告する前日に現れるなんて…」斉牧はあり得ないと声を荒らげたが、結局、時機が来たら″黒幕は皇城司″と報告させることにした。「雷敬(ライケイ)が顧千帆に罪を着せたらどうすれば?」「雷敬でも顧千帆でもどちらでもいい、2人とも皇城司の人間だ… 立太子を邪魔する者は決して容赦せぬ」工エエェェ(;╹⌓╹)ェェエエ工パンRと三娘は酒楼の開業に前向きだった。しかし三娘は自分たちが酒楼を開くほどの銭を稼げるかが問題だという。するとパンRは顧千帆に頼るつもりだと明かした。三娘は東京(トウケイ)での成功も欧陽旭と別れたおかげだと思うと感慨深い。「そうね、欧陽に嫁がなかったことは今まで生きて来た中で最も幸運だった…ふふ」( ゚ェ゚)頼るって…そうなの?半遮面には一躍時の人となった引章の琵琶を聞こうと大勢が押しかけた。しかし引章は疲れたので止めたいという。パンRは常連が待っていると頼んだが、引章はうっかり沈如琢の言葉が口をついて出た。「もう以前とは違う、数百文のはした金や文人崩れ相手に演奏しろと? ″風骨″の揮毫に顔向けできない、1回で十分よ」「でも私たちはその″はした金″や″文人崩れ″なくして東京で生きて行けないわ ″風骨″とは形ではなく、心にあるものよ」すると引章はあと1回だけという条件でしぶしぶ2回目の演奏を始めてくれる。一方、1階では杜長風(トチョウフウ)が引章の演奏を聴きながら涙していた。陳廉から杜長風の話を聞いていた三娘は菓子を差し入れ、ちょうど店に届いた氷を持たせて暑さをしのぐよう勧める。「高家から面倒をかけられていないか?」「気にしないで、もう大丈夫よ、菓子はおごるわ」東京のこの所の蒸し暑さで製氷店は大繁盛だった。池蟠(チハン)は引章のせいで張好好(チョウコウコウ)と喧嘩別れになったと逆恨み、製氷業の会頭である立場を利用して半遮面に氷を売らないよう命じてしまう。顧千帆は昨日の帽妖騒ぎが父の仕業だと考え、その夜、密かに蕭欽言と接触した。「ばれたか…わざわざ茶湯巷を選んだのはパンRの商売敵を困らせるためだ 未来の舅として私も配慮している」蕭欽言は冗談めかして認め、実は帽妖事件の黒幕は安国公ではなく斉牧だと教えた。にわかに信じられない顧千帆、しかし蕭欽言は帽妖の件で皇帝が自分に疑念を抱いた場合、最も利を得るのは斉牧だという。「斉牧が当時、皇城司に入るよう勧めたのは母方の親族の情からだと思っているのだろう? しかし知っているか?私と淑娘(シュクジョウ)の婚儀の時、あやつは花婿側の介添人だった」顧千帆は呆然となった。斉牧は自分の素性を知りながら、文官を諦めさせて悪名高き皇城司に入らせたという。蕭欽言も顧千帆が亡き母を誥命(コウメイ)夫人にして朝廷に供養させ、墓を立て直したいという目的を知っていた。そのためこれまで顧千帆の選択を尊重して見守ってきたが、首輔の座に返り咲いた今、斉牧は自分たち父子の仲を脅かそうとしている。「確かに昨日の騒ぎは私だ、だが今日のは違う」蕭欽言は顧千帆の目を覚まさせるため、″今夜は護衛をつけずにお忍びで月見をする″と動静を漏らしていた。「斉牧の配下たちは私をどうするかな?こんな好機をみすみす見逃すだろうか?」驚いた顧千帆はすぐ帰るよう訴えたが、蕭欽言は命懸けで顧千帆を助けると笑って船に乗ってしまう。蕭欽言の船が桟橋を離れると、早速、刺客が現れた。次々と船に襲いかかる刺客たち、すると思いがけず蕭謂(ショウイ)が父を助けにやって来る。しかし蕭謂は刺客に腕を斬られ、もはや父の盾になるしかなかった。その時、顧千帆が現れる。「蕭宰相を守れ!」蕭謂は父を連れて客室へ逃げ込んだ。孤軍奮闘する顧千帆、その時、ある刺客の覆面を剥ぎ取ることに成功する。しかしその下から現れたのは見覚えのある顔だった。「崔指揮?」つづく
2023.05.15
コメント(0)
苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第12話水雲天(スイウンテン)では雲中君(ウンチュウクン)が涌泉(ヨウセン)宮に見張りをつけ、長珩(チャンハン)を牽制していた。今や誰もが小蘭花(シャオランファ)を月族の間者だと決めつけ、雲中君も長珩と小蘭花の仲を疑っているのだろう。すると丹音(タンイン)仙女が差し入れを届けにやって来た。丹音は恩人である小蘭花を間者だとは思えないと訴え、もし助け出す方法があるなら協力したいと申し出る。そこで長珩は水雲天を抜け出すため、方術で丹音と入れ替わった。巽風(ソンホウ)と南北の幽王が月尊に謁見した。しかしなぜか仙族の娘が月尊のそばに控えている。北幽王は政事に関わらせるのはいかがなものかと難色を示したが、仙女から尊上に意見するのかと凄まれてしまう。すると南幽王が月尊の命に従い、仙族に反撃する策を上奏した。「…最も守りが薄い瀟(ショウ)水から攻めましょう、内から守りを崩して水雲天を皆殺しにします! 草一本たりとも残しません!」「何だと?!…もう一度、言ってみろ!」小蘭花は″草一本たりとも″と聞いて激高、思わず玉座を降りて南幽王の図面を取り上げ、燃やしてしまう。「私は父を殺した大罪を思い出すにつれ、良心がとがめ、悔やんでも眠れぬ ゆえに本日より、残酷な殺生は2度とせぬ! これからは三界の平和のため、月族の安寧に努める!解散!」「父上を思い出す?…その後悔はいささか遅いのでは?」巽風は兄の言葉に耳を疑った。「お前が遅くないと思ってくれれば遅くないのでは?」小蘭花はうっかり口を滑らせ、尻尾をつかまれる前に慌てて皆を下げた。東方青蒼(ドンファンチンツァン)は小蘭花の勝手な振る舞いで月尊の威厳を損ねたと激怒した。しかし小蘭花はその威厳のせいで弟に好かれないのだと呆れる。東方青蒼は好かれなくても良いと言ったが、ふと共に育った弟なら秘密に気づいたかもしれないと焦った。「はいはい…バレたら私たちは無惨に殺されちゃうのね~」「…忘れよ、いずれにせよ明晩には雷が落ちる、それまでは私から離れるな」「でも沐浴の時はどうするの?」一方、水雲天では澧沅仙尊(レイゲンセンソン)が娘を探して涌泉宮を訪ねた。「でぃえ!」丹音はうっかり″パパ″と呼んでしまったが、慌てて取り繕う。そこで丹音はもしや小蘭花が息山神女(ショクサンシンニョ)ではないかと聞いてみた。澧沅は息蘭聖草を見たことがあったが、小蘭花の真身は見たことのない葉や茎だったという。…小蘭花が長珩仙君の許嫁なはずないわ、何が天極鏡よ、ふふ…丹音は安堵したが、そこへ容昊(ヨウコウ)が現れた。東方青蒼は自分になりすましてやりたい放題の小蘭花に仕返しすべく、沐浴すると言い出した。焦った小蘭花は身体を見られたくない一心で、自分が洗うと申し出る。こうして東方青蒼は目隠しをして浴槽に浸かり、小蘭花は指示されるまま自分の身体を磨いた。しかしその様子を侍女に見られてしまう。小蘭花はなぜ巽風を幽王にしないのか聞いた。東方青蒼の話では蒼鹽海(ソウエンカイ)では南幽と北幽の勢力が最も大きく、祖父の代に内乱を避けるべく王位を与えたという。「3万年前、蒼鹽海の混乱に乗じ2人は動き出したが、私が鎮圧して再び帰順させた」「2人はあなたを恐れているのに巽風のことは恐れていない だからあなたがいない隙に月尊の座を奪おうとしたのね なぜ戻った時、2人を罰しなかったの?」「内応者を捕らえる」「内応者?って誰?!」 澧沅仙尊は長珩の正体に気づかず帰って行った。しかし容昊は長珩の朋友、すぐ様子がおかしいと勘付いてしまう。容昊は長珩が偽物だと見破って術を解くと、驚いたことに正体は丹音だった。「丹音?!長珩はどこだ?!」巽風は侍女から東方青蒼が仙女の身体を洗っていたと聞いた。常に孤高の存在だった東方青蒼の変貌ぶりに驚愕する巽風、すると侍女が最近の月尊はまるで別人のようだと訴える。「別の者か…」そこで巽風は兄の正体を探るため、兄弟で腕比べしたいと申し出た。断る理由を探す小蘭花だったが、巽風は掟により上下間の腕比べは拒めないと迫る。「よそ者がいると技を盗まれます、早く追い出してください」すると東方青蒼は″觴闕(ショウケツ)″と囁いて出て行った。小蘭花は東方青蒼の示唆で妙策を思いついた。「お前の進歩を見るのに私が自ら手を出すまでもあるまい…觴闕、お前が手合わせしてやれ」「しかし幼い頃、兄上に教わった黒殺斬(コクサツザン)は恐るべき技、觴闕に防げるかどうか…」すると觴闕は試せば分かると言った。小蘭花は危機を乗り切り寝殿に戻った。しかし巽風は東方青蒼が偽物だと気づいてしまう。実は東方青蒼は巽風に黒殺斬を教えていなかった。子供の頃に何度も教えて欲しいとせがんだが、東方青蒼は大人になったら教えるとはぐらかし、結局、教えてもらう前に東方青蒼が父を殺してしまう。それ以来、兄弟は不仲になった。「それを知らないとは…」巽風はいつもそばに張り付き、見張っている仙女を疑った。東方青蒼の弱みを握った巽風はその夜、海市首領と接触した。容昊は月兵の1人を犠牲にして祟気(スイキ)の威力を見せつけ、弱っている東方青蒼ならたやすく殺せるという。一方、東方青蒼は嵐が来るのを今か今かと待っていた。小蘭花は元に戻ればまた閉じ込めるのかと落胆したが、東方青蒼は従順なら閉じ込めないという。「本当に?嘘じゃない?」「本座に二言はない…ただしまた逃げようとしたら…」「本当に帰れないの?」「諦めるのだな、命ある限りお前は蒼鹽海に留まるのだ」「命が尽きる時は水雲天がいい!」するとついに暗雲が垂れ込め、雷鳴が轟いた。「暗松林(アンショウリン)へ行くぞ、雷はそこに落ちる」東方青蒼は小蘭花の霊力では万が一に対応できないため、法器を持って行った。小蘭花と東方青蒼は暗松林に到着、雷が落ちる場所へ向かった。その時、待ち伏せしていた容昊と蝶衣(チョウイ)が現れ、道をふさぐ。小蘭花は東方青蒼らしく自分が手を下さぬうちに去れと叫んだが、容昊はすでに東方青蒼が偽物だと知っていた。「月尊の正体は役立たずの仙女であろう?」(; ̄◇ ̄).oO(どうしよ~見抜かれてるすると容昊が祟気を放った。東方青蒼は咄嗟に前に出て小蘭花をかばったが、突然、水の陣から長珩が現れ、祟気を浴びてしまう。「長珩仙君!」小蘭花は自分の姿が東方青蒼だということも忘れ、思わず走り出した。そこで東方青蒼は法器を投げて結界を作り、小蘭花を別の場所へ飛ばしてしまう。「あれ?…長珩神君!東方青蒼?!どこ?!」長珩は身体から祟気を抜いたが、深手を負った。「私がいる限り小蘭花に手出しはさせない!」すると容昊は止めを刺そうとした蝶衣を止める。「…祟気で弱っている、傷つけるな、それより息山神女を追うぞ」海市首領と蝶衣が消えた。長珩は小蘭花の無事を知って安堵する。「一緒に帰ろう」思わず小蘭花の頬に手を伸ばす長珩だったが…。つづく( ๑≧ꇴ≦)ちゃんはんしぇんじゅ〜ん!
2023.05.14
コメント(0)
苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第11話小蘭花(シャオランファ)は激しい嵐の中、東方青蒼(ドンファンチンツァン)を中庭に連れ出した。そこでふいをついて唇を重ね、再び2人は入れ替わってしまう。すると嵐が収まり、急に晴れてきた。「止まった…ふん!嵐はあなたのせいだったのね!」東方青蒼は元に戻るため小蘭花に口づけしたが、唇を噛まれてしまう。「ペッペッ!…無駄よ!口づけだけじゃ元には戻れない!」「もしや…」東方青蒼は稲光が必要だと気づいて嵐を呼ぼうとしたが、小蘭花の霊力ではどうにもならなかった。「私の身体を返せ!殺されてもいいか?!」激怒した東方青蒼は小蘭花の首をつかんだが、そこへ觴闕(ショウケツ)が駆けつける。「尊上に何てことを!」觴闕はまさか仙女が東方青蒼だと気づかず、かついで牢に連れて行ってしまう。小蘭花はしばらく月尊になり切ってやり過ごそうと決めた。しかし復帰祝いの儀式で拝跪する臣下にうっかり拝礼し、生贄として連行された仙族の間者も解放してしまう。寝殿に戻れば護衛が目障りだと引き上げさせ、夜伽に押しかけて来た女たちは全員、追い出した。そこで觴闕を呼びつけ、東方青蒼がどんな人物なのか聞き出そうとする。「何をするのが好きで、どんな物を好むとか、普段の様子…率直に私の印象を教えてくれ」「尊上?なぜそんなことを…」「大戦で傷を負い、どうやら記憶にも影響したようだ…昔のことを思い出せぬ 今は霊力も途切れ途切れだし、幽王にも負けるかもしれないな」「他に知る者は?いるなら口封じを…」「だめーっ!…知っているのはお前だけだ!お前なら幽王から私を守れるか?」「まあ…一騎打ちなら何とか…」その時、突然、東方青蒼が飛び込んで来る。実は東方青蒼は小蘭花の腕輪で業火(ギョウカ)を放ち、脱獄していた。東方青蒼は自分になりすました小蘭花に飛びつき、口づけしようと迫った。小蘭花は觴闕に助けを求めたが、觴闕は2人の邪魔をしないよう慌てて出て行ってしまう。「だから稲光がなければ無駄なんだってば!」東方青蒼は小蘭花の言葉でふと冷静になり、もし中身が入れ替わっているとばれたら2人とも死ぬことになると警告した。驚いた小蘭花は東方青蒼の霊力で雷を呼ぶことにしたが、力はあっても使いこなすことができない。東方青蒼は仕方なく3日後に雷が起こると教え、それまで自分の指示に従うよう命じた。「覚えておけ、誰かの前でほころびを見せれば、私たちは共に死ぬことになる…分かったな?」「(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコク」留芳(リュウホウ)閣に密偵が戻った。侍女に成り済ました密偵の話では運命簿は東方青蒼が身につけているという。運命簿と息山神女(ショクサンシンニョ)を奪うためには東方青蒼を排除するしかないが、霊力では太刀打ちできない。しかし容昊(ヨウコウ)には崇気(スウキ)があった。蝶衣(チョウイ)は用心深い東方青蒼には容易に近づけないと訴えたが、容昊には協力者がいた。東方青蒼は自分の姿になった小蘭花に立ち振る舞いを教え込んだ。しかししがない下っぱ仙女だった小蘭花はいつも頭を下げる立場、人を見下すことなどできない。「もう疲れた~バタン!@ベッド」「もう良い、だが忘れるな、誰も恐れず、誰も信じるな」すると小蘭花は腹心の觴闕も信じないのか聞いた。自分なら入れ替わったことを觴闕だけには明かし、3人で力を合わせて戻る方法を見つけるという。東方青蒼は無邪気な小蘭花に呆れ、己しか信じないと言い放った。蒼鹽海(ソウエンカイ)では強者を尊ぶ。もし入れ替わったことが漏れれば月尊の座を狙い、皆が挑んで来るだろう。「それは違うわ、觴闕は心からあなたを思っている、裏切ったりしない あなたには他者の心も感情も分からないのね ぁ…ちなみに勝者は敗者を殺す決まりがあるの?」「決まってはいない」「それなら言うけど怒らないでね…ならどうして父親を殺したの?」容昊は巽風(ソンホウ)と接触、東方青蒼が蒼鹽海に戻ったと知って駆けつけたと言った。「3万年前、もし殿下の率いる軍が救援に向かっていたら東方青蒼は敗れなかったはず… それを問われて殿下の忠心を疑われたら何と弁明するおつもりで? とは言っても血を分けた兄弟、殿下が恨みを捨てて歩み寄れば月尊も過去を水に流すでしょう」容昊は父を殺された恨みなど忘れた方が良いと助言し反応を見た。すると巽風は例え命を失おうとも父の敵を討つという。実は海市の創設に力を貸してくれたのは他でもない巽風だった。容昊は3万年前、巽風のために南北の幽王を互いに牽制させ、九幽(キュウユウ)を守った。そして今度は敵討ちを手伝うことができるという。確かにこの数年、首領が陰で策を巡らせてくれたおかげで巽風は父上が固めた地盤を南北の幽王に奪われずに済んでいた。しかし相手が東方青蒼となれば話は別、一撃で倒せないのなら下手に刺激を与えるべきではない。「お手伝いはします、では時をかけて策を練り、機会を待ちましょう…」すると容昊は姿を消した。巽風はまだ幼い頃、兄が父を刺殺した場面を目撃していた。今でもその光景は昨日のことのように思い出される。一方、小蘭花も東方青蒼の口から父を殺したと聞いていた。しかしその表情には苦悩も後悔も見えない。「私は夢に見るほど両親が欲しかったのに、その手で父親を殺すなんて… 皆があなたを″ろくでなし″と言っていたけど、誤解だと思ってた」「私はろくでなしだ、お前もな…死にたくなければ″ろくでなし″になる術を学べ」「私は善良な仙女よ!」すると小蘭花は怒って東方青蒼を寝殿から追い出してしまう。「この者を見張り、中に入れるな!」ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ <はっ!つづく( ๑≧ꇴ≦)入れ替わってる方が面白いし上手いw
2023.05.14
コメント(0)
君九龄 Jun Jiu Ling第36話「逆賊の烙印」黄誠(コウセイ)に弾劾された成国公(セイコクコウ)・朱山(シュサン)は自ら軍務を退きたいと嘆願した。楚譲(ソジョウ)は隠居を認めて都で療養するよう命じたが、実際のところ引責辞任なのは否めない。民の間では功を求める成国公が戦を起こそうとしたため、皇帝がやむを得ず兵権を奪って罷免したと噂になった。君九齢(クンジゥリン)は成国公府に駆けつけた。すでに使用人たちは暇を出され、朱瓚(シュサン)の話では成国公夫妻は北方へ帰るという。「あなたは?」「私がいないと君が困る」九齢は皇帝がこのまま成国公を見逃すとは思えず、両親を無事に逃すのが朱瓚の務めだと訴えた。「私なら大丈夫」そこへ成国公と郁(イク)夫人が現れた。九齢は方家を救うため自分に功を譲ってくれたことが仇になったと責任を感じていたが、朱山はもともと目の敵にされていたのだと笑う。「これで君は本望を果たせるだろう」成国公の言葉に九齢ははっとした。「声望を得てこそより多くのことができる、陛下は君が疎ましくとも民意に背けぬ」その時、皇宮から使いがやって来た。皇后が君大夫を呼んでいるため急いで参内して欲しいという。朱山と郁夫人は九齢に別れを告げて先に屋敷を出た。朱瓚は両親を送って行くと決め、九齢に2年前のような愚かな真似だけはしないで欲しいと釘を刺す。すると九齢は今や生き続けることが最優先になったと安心させ、朱瓚と抱き合って別れを惜しんだ。九齢が丹鳳(タンホウ)門に到着すると、偶然、寧雲釗(ネイウンショウ)の馬車と一緒になった。建前上は決別した2人、そこで寧雲釗は歩きながらこっそり九齢に情報を伝える。「朝議後すぐ、再び召集がかかった、きっと一大事だろう」「ついに楚譲が堂々と動き出したのね、あなたもどうか身を守って」「九齢、君は成国公と関係が深い、注意を怠るなよ」2人はそれぞれのやり方で国と民のために尽力しようとしていた。黄誠は朱山を謀反の罪で罰するよう嘆願した。これまでも成国公を糾弾する上奏文は多かったが、今回は朱山が戦を起こそうと画策している証拠が見つかったという。それは朱山が北祁(ホクキ)の皇太子に送ったという文だった。「敵国とよしみを通じ、朝廷を裏切った証拠です!」…まずい、九齢がちょうど宮中にいる、巻き添えにならねばいいが…寧雲釗は九齢の身を案じたが、その不安は的中した。皇后の診察を終えた九齢はちょうど回廊を歩いていた。すると中庭を通りかかり、かつてここで家族と楽しい時間を過ごしたことを思い出す。その時、突然、陸雲旗(リクウンキ)が現れた。「懐かしいのかい?」「…意味が分からないわ」九齢は慌てて帰ろうとしたが、陸雲旗は九齢に薬を嗅がせて眠らせてしまう。九齢は見知らぬ寝殿で目を覚ました。しかし両手両足を縛られて動けない。_(:3 」∠)_ <起きたかい?ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノその声は婚礼衣装を着て隣にいた陸雲旗だった。九齢は慌てて寝台から転がり落ち、そのまま必死に門まではって行く。「誰か!助けて!」「無駄なことはよせ、私が封鎖した…今日、婚儀を挙げよう」部屋には2年前と同じ婚礼衣装が飾ってあった。「正気じゃない…来ないで!」「…分かった、行かない」←( ๑≧ꇴ≦)ルールーw聞き分けはいいwwwすると陸雲旗は君九齢が顔を変えた九齢公主だと悟った。実はここに連れて来たのは九齢を監禁するためではなく、皇帝から守るためだという。「ここが嫌なら別の場所へ行こう、君と一緒なら地の果てでも…」「気が触れたの?!来ないで!」「私は正気だ…君を愛しすぎたせいだ!」しかしどんなに訴えても陸雲旗の想いは九齢に届かなかった。(´・_・`)、<分かった、離れるよ…ここで君を守る ←素直なのよw北方へ向かった成国公一行だったが、追っ手に行く手を阻まれた。将軍は直ちに都へ戻って裁きを受けるよう勧告、やましいことがないなら都へ戻るべきだと訴える。しかし朱山はここで命を落とすことになろうと戻らないと抵抗した。「私は天侑(テンユウ)の安寧を保つため生死を顧みず戦って来た 私が忠臣か逆賊かは天地と自らが知っている、それで十分だ 良心の呵責はない!自分が選んだ道を貫き通す!」すると将軍は自ら腕を斬って交戦したと偽装し、成国公のために道を空けた。一方、陳七(チンシチ)は丹鳳門の前で九齢を待っていた。知らせを聞いた柳(リュウ)番頭は宮中を探してみたが、誰もが君大夫はすでに南門から出たという。しかし陳七は九齢が決して連絡もなしに帰らないと分かっていた。九齢はかつて沢州で一晩戻らず、方家を心配させた経験から消息を絶つなどあり得ない。その時、寧雲釗の側仕え・小丁(ショウテイ)が現れた。寧雲釗は人目のない裏道まで柳番頭を呼び出した。すると恐れていた通り九齢が戻ってこないという。「居場所は分かる、陸雲旗の所だろう」寧雲釗は九齢との決別が芝居だと明かし、自分が陸雲旗を調べてみると言った。「何か分かれば小丁が連絡する」皇帝は成国公が逃亡したと知り激怒、ついに朱山を討てと命じた。すると退廷した寧雲釗が陸雲旗を呼び止め、九齢をさらったのかと迫る。「成国公が逃亡して謀反が確定した今、九齢が突然、姿を消した…陛下はどう思うと?」「私を脅しているのか?」「私と九齢のことに関わるなと言っているだけだ」九齢堂に寧雲釗から報告が届いた。やはり九齢は陸雲旗にさらわれたが、皇帝ではないことが唯一の救いだという。陳七は患者に九齢が休養で実家に戻っているとごまかしていたが、いつまで騙し通せるか分からなかった。すると遅れて柳児(リュウジ)が九齢堂に戻ってくる。一方、九齢は監禁されたまま途方に暮れていた。そこへ陸雲旗が九齢の好物を買って戻って来る。「空腹だろう?口を開けて…」しかし九齢は顔を背けて食べようとしなかった。「成国公が気になるんだな…謀反の罪に定められた、都に連行され次第、処刑される」「そんなバカな…」「まあ私たちには関係ない争いだ、さあ食べて」激怒した九齢は腕を振り回し、料理を吹き飛ばした。「出て行って!」「そう怒るな…九齢堂は君を守るため沢州へ戻ったと言ってる そうだ、今日は寧雲釗が君に会わせて欲しいと言って来たよ、笑えるだろう? 寧雲釗は君が好きなんだ、さすが学があるやつは違うな~中身を見抜いたんだな…」「消えて…」(´・_・`)ショボン… ←素直に出て行くルールー成国公はなかなか捕まらなかった。人望が厚い朱山、恐らく多くの者が逃亡を手助けしているのだろう。陸雲旗はどちらにしても北方を目指していると報告、早速、清河伯(セイカハク)に知らせることにした。「頼んだ件はどうなっておる?」「徳盛昌が分家したゆえ、君九齢は沢州へ、金十八(キンジュウハチ)に追わせました」すると楚譲は方家が負け、朱家が倒れ、今こそ好機だという。「2度と逃すでないぞ」「はい」つづく( ;∀;)ルールーなりに九齢を助けているのにwww ←違うw
2023.05.13
コメント(0)
君九龄 Jun Jiu Ling第35話「動かぬ証拠」突然、方(ホウ)家に舞い込んだ承宇(ショウウ)の訃報。曹(ソウ)氏たちは絶望の中、弔問客たちの挨拶を受けていた。すると君九齢(クンジゥリン)たちが駆けつける。曹氏は跡継ぎを失った悲しみと怒りから九齢につかみかかり、葬儀は騒然となった。そこで九齢は高(コウ)執事に今日の弔問を終えるよう頼み、客人たちを帰して門を閉めてもらう。九齢は祖母たちに実は承宇が生きていると明かした。「祖母、これは承宇と考えた脱出策だったのです、どうか芝居にお付き合いください 楚譲(ソジョウ)の目を欺き、承宇の死を信じさせるのです」実は承宇は密かに朱瓚(シュサン)が北方へかくまってくれたという。こうして方家に再び笑顔が戻り、錦繍(キンシュウ)もわだかまりを解いて祖母との再会を喜んだ。その夜、曹氏は寝所に九齢を呼んだ。「世子爺はあなたを好きなのね…もしお前の伴侶になってくれるなら安心できるわ」九齢は何とも答えられず、それよりまだ方家の危機は去っていないと警告する。楚譲は取引の痕跡を隠滅しようとするはず、そこで印章以外に楚譲が残したものはないか尋ねた。曹氏は覚悟を決め、自分の寝所にある密室に九齢を案内した。実はこの部屋に来るのはこれが2度目になるという。「老爺が亡くなる前に一度、来たきり、その時に秘密を全て聞いたの、再び入る勇気はなかった…」隠し部屋には人質の太上皇を解放するため準備されたはずの官銀が残っていた。太炎3年、この銀子を溶かして馬蹄銀を作り、官銀は私財に化けたという。曹氏は道を誤った夫に憤り、この銀子で徳盛昌の富を築くと分かっていたら止めていたと嘆いた。思えば方家を襲った苦難も当然の報いだったのだろう。九齢はついに動かぬ証拠を手に入れ、感慨で胸がいっぱいになった。「…事実を白日の下にさらし、皇祖父と父皇の無念を晴らします」九齢の思いがけない誓いに曹氏は呆然、すると九齢は自らの素性を明かした。曹氏は慌ててひざまずき、これも方家が欲に目がくらんだせいだと謝罪する。しかし九齢は自分こそ借りがあると訴え、本物の君蓁蓁(クンシンシン)は自分の身代わりになって亡くなったと教えた。「祖母…方家の皆さんに守られ、ご親切を受けました、許されるなら蓁蓁のままでいさせてください」朱瓚は老夫人の寝室に密室があったと知り、なぜ秘密が漏れなかったのか合点がいった。官銀と印章があれば当時の楚譲の罪を証明できる。そこで九齢は徳盛昌の荷と一緒に官銀を運び出すと決めた。いよいよ核心に迫ってきた2人、すると朱瓚は九齢を抱き寄せ、実は両親がよくこうして話をしているという。「寄り添っていると心も近付くと言うんだ…九齢、いつまでも変わらず君を愛し続けるよ」( ゚ェ゚)・・・表向き承宇が亡くなり、九齢と方家の関係も悪化、残るは全国に数十店舗もある徳盛昌をどう処分するかだった。そこで九齢は祖母たちに分家して減らそうと提案する。「騒動を起こして3つに分けます、庶民にとって相続争いは格好の話の種だわ」朱瓚は注目されるほど安全だと言った。楚譲は袁宝(エンホウ)から方家の報告を聞いた。葬儀では方家の女たちが泣き叫び、跡取りを失った悲しみに打ちひしがれていたという。しかもその後、すぐ分家騒動が起きて役所の前で曹氏、劉氏、孫娘たちの罵り合い合戦が繰り広げられていた。「残された女たちは恐るるに足らずでしょう」「それは朗報だ」楚譲は安堵したが、すでに九齢と朱瓚は都へ出発したという。陸雲旗(リクウンキ)は成国公(セイコクコウ)が北方へ送った密書を奪い、皇帝に報告した。「…まだ北方の政策に口を出しておる」楚譲は思わず頭を抱えた。「分からなくなってきた…誰が忠臣で、誰が偽っているのか」すると楚譲は独りで考えたいと人払いした。九齢と朱瓚は途中で車列を離れ、武徳司の追っ手をまいて都に向かった。張宝塘(チョウホウトウ)と李三氷(リサンヒョウ)は茶楼にいる2人と合流、実は成国公が北方へ文を出しても返信がないという。「清河伯(セイカハク)の身に何か?」「偵察を送りましたが、すぐには戻りません」「あとは屋敷で話そう」偶然にもその様子を陸雲旗が見ていた。陸雲旗は仲睦まじい九齢と朱瓚に怒り心頭、すると江百虎(コウハクコ)が実行に移すかと尋ねる。「ギギギ…もちろん、だが今ではない!」( ゚ェ゚)・・・朱瓚は九齢を九齢堂に送り届けて成国公府に帰った。すると父が皇帝に呼び出されたまま、まだ戻っていないと知る。その頃、黄誠(コウセイ)は成国公が官兵をけしかけ、北祁(ホクキ)と対立させていると糾弾していた。朱山(シュサン)は事実だと認め、それが自分のやり方だという。「何の密書かは存じませんが、北祁への警戒を怠るなと伝えているのは事実です 北祁人の気質はよく知っている、信用できません、一寸たりとも国土は譲れない」 朱山は態度を緩めてはならないと進言し、侵攻は迎え撃つべきだと訴えた。しかし黄誠は成国公がせっかくの和議を妨げていると非難する。「北方の官吏や将校に対して上奏が寄せられています 成国公の帰京後、朝廷からの命を聞かず、清河伯も北方では身動きが取れないとか 成国公がいる限り、辺境に安寧は訪れません」黄誠は朝廷を無視した罪と職権乱用で成国公を処罰するよう嘆願した。つづく( ゚ェ゚)・・・ ←何か言えw
2023.05.12
コメント(1)
君九龄 Jun Jiu Ling第34話「忘れ得ぬ記念日」君九齢(クンジゥリン)と朱瓚(シュサン)は城門で方承宇(ホウショウウ)を出迎えた。朱瓚は承宇から義理の兄と呼ばれてまんざらでもないが、九齢は仮の婚約なので″世子爺″と呼べば良いという。「では私のことも承宇と呼んでください」しかし朱瓚は意地でも義兄の立場にしがみついた。( ̄꒳ ̄)<積もる話もあるだろう、内弟、姐夫は先に失礼するよ~(; ゚ェ゚)<ぁ…哥哥、お気をつけて方錦繍(ホウキンシュウ)は承宇と顔を合わせるのが気まずいのか、薬を届けに出かけて留守だった。そこで九齢は承宇にあらかじめ今回の参内が実際は危険なことだと明かす。「この機会にこちらから勅書を返してしまいましょう」「私もそうするつもりだった」翌日、九齢と承宇は皇帝に謁見した。楚譲(ソジョウ)は徳盛昌の功徳に対して褒美を与えるが、何が望みか尋ねる。すると承宇は皇帝の書を希望し、代わりにかつて徳盛昌が賜った勅書を返還したいと申し出た。楚譲は気がかりだった勅書を無事に取り戻し、その場で″福″と書いて徳盛昌への褒美とする。こうして九齢と承宇は無事に含元(ガンゲン)殿を出た。その時、前から九齢に向かって陸雲旗(リクウンキ)が歩いてくる。承宇は何事かと身構えたが、そこへ朱瓚が現れた。「…小棗(ショウソウ)、何を見ている?私の妻だ」「すぐそうではなくなる…今日は何の日だと?」九齢は今日が自分の誕辰であり陸雲旗との婚姻記念日だと分かっていたが、九齢堂の開業1周年だと答えた。しかし朱瓚は陸大人と九黎(キュウレイ)公主の婚姻1周年だと言う。「なんだ?祝って欲しいのか?」「今日は九齢の誕辰、私との婚姻から2年だ、覚えていないのか?世子爺?」「そんなわけなかろう」「ふん、てっきりお前は九齢公主を忘れたのだとばかり…」朱瓚と陸雲旗は一触即発となったが、朱瓚は急にきびすを返し、九齢たちと帰ってしまう。(  ̄꒳ ̄).oO(誕辰おめでとう@遠い目…ってルールーwww承宇は陸雲旗から自分たちを守ってくれた朱瓚の姿を見て決心がついた。そこで九齢堂に戻ると、朱瓚に九齢を一生、大切にして欲しいと頼む。「約束するよ」「姐夫!」そこへ九齢がやって来た。九齢は承宇にすぐ帰るよう勧め、勅書を返せば次の標的が祖母だと警告する。この時、承宇はようやく方家を長年、陥れて来たのが皇帝だと知った。出発前に念のため雷中蓮(ライチュウレン)に護衛を増やすよう頼んできたが、相手が皇帝となれば足りるはずがない。「私もあなたと行くわ」「駄目だ、何より君が行けば陛下に怪しまれるよ」朱瓚は自分が手配すると安心させたが、九齢はもう1つ相談があると切り出した。その夜、朱瓚は九齢堂の1周年を祝うという名目で祝宴を開いた。陳七(チンシチ)は承宇を避けている錦繍に戸締まりの確認を頼み、承宇に後を追うよう合図する。すると柳児(リュウジ)が厨房を見てくると声をかけ、陳七も手伝いに行った。朱瓚は邪魔者が張宝塘(チョウホウトウ)と李三氷(リサンヒョウ)だけになったところで2人を追い払う。こうして九齢と2人きりになった朱瓚、実は密かに誕辰祝いを準備していた。「おめでとう、九齢… 毎年、誕辰にはこの長寿菓子を食べていたな だから作り方を聞いて私が作った、まずくても食べてくれ」「昔は父がいつも準備してくれたわ…まさかまた食べられる年が来るなんて…ありがとう」「以前は先帝が君を守っていた、今後は私が守る」一方、承宇は錦繍を呼び止め、ようやく2人だけで話ができた。錦繍は立派になった承宇の姿に感激もひとしおだったが、改めて母の過ちを謝罪する。「まだそんなことを…あの件は忘れると言ったろう?」「ありがとう」朱瓚は九齢が6月18日に九齢堂を開業し、陸雲旗が婚姻の日を6月18日にした理由も分かった。「奴をどう思っていた?」「婚姻に同意したのは復讐のためだったの、特別な感情はないわ」喜んだ朱瓚は宝塘と三氷が見ているとも知らず、九齢を抱き寄せ、唇を重ねた。するとちょうど厨房から柳児と陳七が戻って来てしまう。「料理が出来ましたよ~って、ぁ…」柳児と陳七は慌てて背を向けた。( ゚ェ゚)・・・一方、陸雲旗は祖廟で独り九齢の位牌を前に誕辰を祝っていた。「ある女子と出会った、彼女は…君によく似ている、彼女に会うたび、君を思い出すんだ 今度ここに連れて来て君に会わせるよ」( ;∀;)ルールー…←って泣くところじゃないw宴がお開きになり、九齢と朱瓚は2人きりで星を眺めていた。「いつから私が好きだったの?早く言えば良かったのに…」「幼い頃から少し好きだった…子供だったからな、成長するに従い想いが募っていったんだ 時機を見て言うつもりだった、結局、北方に8年もいて、戻ったら君はいなくなっていた」「今後は何があっても離れないと約束してくれる?」すると朱瓚が小指を差し出し、2人は指切りをして愛を誓った。「あなたの前では一番好きな自分に戻れたわ」「私が君の最も強い鎧になる」( ゚ェ゚)・・・・・承宇は帰郷の途についた。方家では承宇の参内が無事に終わり安堵していたが、その夜、思わぬ知らせが舞い込む。「大変だ!少爺が!客桟の火事に巻き込まれ、お亡くなりに!」曹(ソウ)氏は呆然、すると劉(リュウ)氏は衝撃のあまり卒倒してしまう。一方、楚譲も方家の跡継ぎが火事に巻き込まれて死んだと聞いていた。方承宇は代々伝わる玉佩を常に身につけていたが、遺体からその玉佩が見つかって身元が特定されたという。しかし楚譲は念のため確認するよう命じた。九齢堂にも承宇の訃報が届いた。悲しみに暮れる錦繍たち、すると九齢は方家に帰ると決める。朱瓚と錦繍も同行することにしたが、錦繍は承宇の死が不自然だと憤った。「あまりにも偶然すぎる…なぜこんなことに!」翌朝、憔悴した曹氏は化粧箱からある印章を取り出した。まさか九齢の警告した通り、皇帝の狙いが方家の皆殺しだったとは…。つづく
2023.05.11
コメント(0)
君九龄 Jun Jiu Ling第33話「鴛鴦の灯籠」君九齢(クンジゥリン)と寧雲釗(ネイウンショウ)は衆目の前で袂を分った。実はこれも九齢の計画、寧雲釗が楚譲(ソジョウ)の信頼を得るためには、楚譲が警戒する人物たちと一線を画す必要があった。そのせいで嘲られ、貶められることになったが、寧雲釗は協力を惜しまなかったという。事情を聞いた朱瓚(シュサン)は危うく2人の名演技に騙されそうになったと笑ったが、九齢と寧雲釗の密談に嫉妬を隠せなかった。九齢堂に陸雲旗(リクウンキ)がやって来た。ちょうど差し入れを届けに来た朱瓚は陸雲旗の姿を見て激高したが、九齢がなだめる。すると陸雲旗は懐(カイ)王・楚九穃(ソキュウヨウ)が病だと伝えた。九齢も朱瓚も罠だと疑ったが、陸雲旗は治療するかどうか決まったら来ればいいという。その夜、楚九黎(ソキュウレイ)は懐王がもののけに取り憑かれたと聞いた。子供まで利用するのかと憤る九黎、しかし陸雲旗は黄誠(コウセイ)の案だと打ち明ける。「黄誠?…九穃を利用して成国公(セイコクコウ)を倒すつもりね? 成国公を父皇の一味だと思っているの?でももう父皇は死んだのに…何がしたいの? はっ!この機に乗じて君九齢を抑え込む気なのね?そうなんでしょう?」「…つまり公主はそれが可能だと思うのですね?(ニヤリ」陸雲旗は九黎が焦ったことで黄誠に協力する理由ができた。懐王はもののけに取り憑かれたため、皇陵に送られることになった。明日の朝議で話し合い、異論が出なければすぐ出立するという。朱瓚の話を聞いた九齢は真の目的が先帝の残党をあぶり出すことだと気づき、成国公にくれぐれも反対しないよう伝えて欲しいと頼んだ。そこで朱瓚は父と母に黄誠の策略だと報告し、明日の朝議では立場を示さず、沈黙を貫くよう訴える。しかし朱山は自分に考えがあると言った。翌朝、朱山は朱家の兵を率いて懐王府へ向かった。配下から正式な訪問状を受け取った陸雲旗は謁見を認め、これで黄誠たちの目的が達成されたという。その頃、黄誠も従者から朱山が懐王府に入ったと聞いた。「懐王を試金石に成国公の人となりを暴く」朝議で大理寺・譚松(タンショウ)が懐王を皇陵に送るよう上奏した。しかし成国公が自ら懐王を見舞ったところすこぶる元気だったと報告する。今、君大夫が診療中ゆえ、真偽のほどはすぐ分かるというのだ。譚松は巫女でもない君大夫では治せないと指摘したが、かえって成国公に揚げ足を取られてしまう。「懐王殿下がもののけに憑かれているなら皇陵に行かず、皇宮に留まるべきでは? 陛下は至高の存在、どんなもののけも退散する もちろん、もののけを殺気で制してもいい、殺気なら私の配下が最強です」すると成国公は決めるのは無論、皇帝だと言った。思いがけず選択を迫られた楚譲、仕方なく世子夫人の診断が終わるのを待ってから決めるという。その時、気まずい空気を察した寧雲釗が咄嗟に上奏した。「陛下、増員していただいたゆえ″慶都志(ケイトシ)″が完成しました、お祝い申し上げます」成国公のおかげで黄誠の悪だくみは失敗した。安堵した九齢だったが、今後も弟は何かと利用されるに違いない。しかし朱瓚はまだ姉だと名乗り出ないようなだめた。夜の街に繰り出した2人、すると朱瓚が露店の灯籠に目を留める。「鴛鴦(オシドリ)の絵はどうですか?夫婦の末長い幸せを祈ります」店主の言葉を聞いた朱瓚は喜んで灯籠を買うと言ったが、持ち合わせがない。九齢は失笑して代金を払うと、店主に実は彼は兄だと言った。朱瓚は兄だと言われ、面白くなかった。「冗談はよせ」「あなたも隠し事をしていたわ…紫英仙株(シエイセンシュ)の使い道を言わなかったでしょう?」朱瓚は実は墓前での出来事を九齢が全て見ていたと知った。九齢と朱瓚は橋の石段に腰掛け、しばし甘いひと時を過ごした。「当初はあなたを遠ざけようと試みたわ、でもいつの頃からか気づいたの どんな時も会いたくてたまらない、恋しい存在なんだって…」「私はいつからそんな大事な存在に?ならどうして準備万端整うまで正体を隠していたんだ? もし失敗したら私を逃していたかもしれないんだぞ?」朱瓚は九齢を失ったと知った時の恐怖を思い出し、涙をこぼした。「私が知っているあなたはふざけてばかりの人よ?どんな危険に面しても平気なふりをする いつもそばに寄り添い、命を救ってくれた それに私に沙樺(サカ)を見せるためだけに北方から都まで来てくれる人だわ もし最も幸せな時がいつか聞かれたら、あなたがいた時と答える、だから…」すると2人はこれからもずっとこうして寄り添い、仲睦まじく、尊敬し合おうと約束した。黄誠は懐王を利用する策が失敗、そこで成国公が連れて来た難民を支援したのが徳盛昌(トクセイショウ)だと告発した。驚いた楚譲は陸雲旗を呼び出して追及したが、陸雲旗は何とも言いようがないと困惑する。今や方家と成国公と縁家、言及するのはばかられたという。「また君九齢か…」「陛下、徳盛昌は北方で難民を救済し、兵器や甲冑の鋳造を援助しました それゆえ17軒の銭荘で銭が尽きています」「何だと?!報告が遅すぎるぞ?!」「陛下、陛下が徳盛昌は探るなと仰せでしたので…」すると楚譲はこれからは些細なことも報告するよう指示し、徳盛昌の当主を都へ呼ぶよう命じた。「褒賞を与える…君九齢め、いよいよ生かしておけぬ」朱瓚は茶楼で賢(ケン)王に九齢との縁談について相談した。しかし賢王は富豪と権力者が姻戚になろうとすれば、当然、皇帝は警戒するという。婚姻を阻む最も簡単な方法は当事者のどちらかを消すことだ。ならば標的は成国公の庇護があり武術をたしなむ朱瓚ではなく九齢だろう。賢王は皇帝が密かに陸雲旗を呼んでいたと教え、九齢をしっかり守るよう助言した。「確かに君小姐には九齢公主の面影がある…だが代替品にしてはならぬぞ?」「分かってします、安心してください、彼女は代替品などではない、唯一無二の存在です」方家では唯一の跡継ぎである承宇(ショウウ)を守るため、曹(ソウ)氏が代わりに謁見すると決めた。しかし承宇は皇帝が召したのが自分である以上、代わりは許されないという。「祖母こそ方家の屋台骨、方家から私がいなくなっても祖母や母、姉たちがいます 重要なのは私ではなく、方家の血脈と不屈の精神です」曹氏は承宇が立派に成長したと感激し、この世の荒波にもまれるべき時が来たのだと悟った。朱山は方家を守るため、朝議で九齢の功績を上奏することにした。軍功があれば皇帝も民の手前、方家を取り潰すことはできないだろう。そこで難民のために手配したのは九齢で、便宜上、自分の名を借りて動いたと説明した。黄誠は成国公が人の手柄で褒賞をもらったと非難したが、武官から成国公が命を賭して敵を防いだからこそ君小姐も大事を成せたと反論する。すると寧雲釗が全ての功績は皇帝が名君ゆえだとおだて、皇帝の信頼無くして成国公の今日はないと訴えた。皇帝におもねる朝臣たちは一斉に皇帝の功績だと絶賛、これでは楚譲も成国公と九齢の功績を認めざるを得ない。「2人は互いを補い合ったのだ…受けるべき褒美を与えねばな」こうして九齢は県主から郡主に昇格した。朱瓚は九齢が反対すると踏んで父の上奏を隠していた。九齢はこれでは成国公が窮地に陥ると心配したが、朱瓚は九齢が父を守りたいように、父も九齢を守りたいのだという。実は皇帝が方家と成国公の縁談を壊すため、九齢を消したがっていた。九齢は朱瓚が片時も離れなかったのは自分を刺客から守っていたからだと知る。しかし今回、先帝の遺児をかばった成国公も楚譲の恨みを買ったはずだ。「何か考えが?」「郡主になれたのなら公主の座も近いはず…」つづく( ゚ェ゚)男主と女主が接近すればするほど視聴意欲が落ちるという…w
2023.05.10
コメント(0)
梦华录 A Dream of Splendor第23話「琵琶を剣に」蕭欽言(ショウキンゲン)の寿宴。琵琶を抱えたまま長時間、待たされた宋引章(ソウインショウ)は思わずふらついた。「大丈夫か?」その時、遅れて寿宴にやって来た顧千帆(コチェンファン)が通りかかり、引章を支えてくれる。「我慢ならぬならその琵琶を剣として容赦なく刺せばいい」すると家職・忠(チュウ)氏が出て来た。顧千帆は楽妓をこんな所で待たせて汗をかいていると指摘、驚いた忠氏は使用人に2人を化粧室へ連れて行くよう命じ、罰として鞭打ちを言い渡した。寿宴に顧千帆が現れた。満足そうな蕭欽言と面白くない蕭謂(ショウイ)、するとやっと張好好(チョウコウコウ)の出番となる。蕭謂は歌の最中、客人に駱駝(ラクダ)のこぶをふるまい、柯政(カセイ)には直接、丁重に勧めた。しかし柯政は民を虐げて得た物など食さないという。「ゆっくり曲を聴かせてくれ」柯政は書で天下に知られ、音曲の大家でもあった。曲の感想を聞かれた柯政は歌はありふれていたが、琵琶は素晴らしいという。そこで蕭欽言は宋引章にもう1曲、演奏を頼むことにした。張好好は屈辱の中、下がったが、その時、蕭謂が琵琶だけでは退屈なため、剣の達人である顧副使に剣舞を披露して欲しいという。「公孫大娘(コウソンタイジョウ)と雷海青(ライカイセイ)のように宋娘子に合わせて剣舞を披露すれば話題になる」すると突然、引章が口を挟んだ。「なりません、孟子いわく″規則なくば方円は成さず″ 顧副使はかつて二甲の進士で、今や陛下に緋衣(ヒイ)を賜る身 楽妓ごときにと並んでは名声が傷つきます そもそも公孫大娘と雷海青の芸は玄宗皇帝だけに献上したもの、少爺は慎むべきかと…」「馬鹿を申すな!」「士大夫の風骨は千金より重い、少爺の言が先です、私は事実を申したまで…」引章は毅然としていた。しかし顧千帆は引章が矢面に立たないよう、剣術なら少しばかりたしなむと言って席を立つ。「かつて太祖は金韲玉膾(キンセイギョッカイ)を趙普(チョウフ)に授けたとか… これを蕭宰相への祝いに贈ります」すると顧千帆は見事な剣さばきで黄河鯉(コウガコイ)をおろして見せ、客人たちに振る舞った。柯政も鯉に舌鼓を打ち上機嫌、そこで引章に2曲目が聞きたいと頼んだ。いよいよ涼州(リョウシュウ)を披露する機会に恵まれた引章、その音律にはこれまで自分を見下して来た者たちへの怒りが込められていた。すると柯政は金戈風雷(キンカフウライ)の意を感じると大絶賛、その絶技は唐の雷海青に匹敵するという。「筆を持て…感謝の印にある2文字を贈りたい」柯政は引章の言葉に感銘を受けたと話し、孤月(コゲツ)に″風骨@柯政″と記した。「″士大夫の風骨は千金より重い″!宋娘子の見識もまた評価されるべきものだ!」柯政が人に揮毫(キゴウ)を贈るのは実に数十年ぶりのことだった。柯政はひと足先に宴を引き上げた。蕭欽言は中庭で見送ると、清流派が次々と帰って行く。すると斉牧(セイボク)が現れた。「明日、正式に首輔に就任ですな、どうぞお手柔らかに…」「手加減してくれるなら感謝します」柯政が失脚すれば清流派の領袖(リョウシュウ)となるのは斉牧、政敵である2人は牽制し合いながら別れた。控え室に戻った宋引章は時の人になっていた。柯政と言えば30年も宰相を務め、文武百官の中でも股肱(ココウ)の臣だという。例え他郷へ追いやられようと今も清流派の柱であり、士大夫の領袖だった。楽妓たちは皇帝の称賛より価値があるとはやし立てたが、張好好に気づいて慌てて帰り支度を始める。しかし当の引章は全く実感がわかなかった。このところ急に東京(トウケイ)は暑くなった。趙盼児(チョウパンアール)たちにはこたえたが、明後日には氷が到着する。すると慌てて陳廉(チンレン)が駆けつけ、宋引章を迎えに行って欲しいと頼んだ。「凄いことです!引章姐姐は柯大人に称賛され、揮毫を賜りました!」実は引章をひと目見ようと人が集まり、迎えが必要だという。パンRはすぐ馬車で出かけたが、運悪く車軸が壊れて立ち往生した。その時、偶然にも高慧(コウケイ)が馬車で通りかかり、事情を聞いて蕭府まで送ってくれるという。気まずい2人だったが、高慧は乳母の件を謝罪し、父が正しかったことが分かったと認めた。どうやら欧陽旭(オウヨウキョク)は都へ戻るため、自分を西京(サイケイ)に呼び、駆け落ちさせるつもりだという。「私たちは見る目がなかったのね」「…最初は違ったのかも?」パンRは華やかな東京に惑わされたのかもしれないと言ったが、高慧は自分を騙した以上、代償を払わせると言い放った。顧千帆は引章を人が少ない西側の門へ案内し、パンRが迎えに来ると安心させた。「今後は誰のためでも人に恨まれる言葉は控えた方がいい」引章は何か言いたそうだったが、家職に促され外へ出た。しかしパンRが遅れたせいで門の前で酔っ払いに絡まれ、思いがけず沈如琢(シンジョタク)に助けられる。「なぜここに?」「教坊司からの知らせで君を迎えに来た」引章は独りで帰ると言ったが、沈如琢はまたからまれると心配し、舟に連れて行った。忠氏は顧千帆を引き留めたが、顧千帆は宴が終わるのを待たずに帰ることにした。「実は宴での無礼を宰相が非常に気にされています、人前で魚を切らせることになり… 寿宴が終わってから酒を酌み交わしたいと仰せです」「ご子息の指導で忙しいだろう、邪魔はせぬ」すると顧千帆は宋引章がパンRの友人のため面倒を見たと話し、余計な気を回して探らないよう釘を刺した。張好好は傷心のまま双喜(ソウキ)楼へ戻った。好好の帰りを待っていた池蟠(チハン)は寿宴で何があったのか知る由もなく、九官鳥を構っている。「馬鹿様じゃない、若様だ!」←これはw字幕の勝利wwwしかし機嫌が悪い好好から鳥を黙らせろと怒られてしまう。「私が頼んだのは蟋蟀(コオロギ)よ!」「蟋蟀は逃げた!」「どうせまた騙されたんでしょう?!」池蟠は好好の八つ当たりの原因が宴だと気づき、宋引章の方が好評だったのかと聞いた。「どうだ?図星だろう?だからあの疫病神3人と距離を置けと言っただろう?! 愚か者め、皆に持ち上げられ、誠に天女の歌声だと思ったか? 才能も美貌も若さも宋引章に負けている!」短気な池蟠は売り言葉に買い言葉でうっかり口を滑らせ、好好の逆鱗に触れた。「こんなことになるなら一緒にいるんじゃなかった!後悔してる!」さすがの池蟠もこれには深く傷つき、九官鳥を連れて帰ってしまう。蕭府を出た顧千帆は斉牧と合流した。実は殿前司を向かわせたのは顧千帆を守るためだという。顧千帆は証人が拷問に耐えられず自害したことにして引き渡すと伝えた。すると斉牧は安堵し、帽妖の件にはもう関わらないよう告げる。「あとは殿前司が適切な処置をする」「はい」そこで顧千帆はこの機に仲人の件を相談することにした。斉牧は反対しなかったが、五品に昇進して亡き母を誥命(コウメイ)夫人に封じるという当初の願いを思い出させる。「実のところ武芸や剣術は好きではなく、将来は文官になりたいと言っていたな だが趙氏を妻にすれば文官に就くことは叶うまい」斉牧はよく考えるよう伝え、顧千帆を桟橋で降ろした。一方、引章は沈如琢の舟で帰途についた。沈如琢は今後、自分が引章の面倒を見たいと申し出たが、引章は沈如琢の本心が読めず困惑する。「数日、考えさせて欲しいのです」「分かった、だが君は応えてくれると信じている」沈如琢は名を上げた引章が今さら数百文の茶代のために文人崩れ相手に琵琶を弾くとは思えなかった。「私なら立派な御殿を築き、君を大切にする」顧千帆は陳廉に例の罪人を自害したことにして報告書を出すよう命じた。「その後は引き渡す」「事件の解決のため禁軍まで出てきた、こんな厄介な事件は手放すに限ります… (Ŏ艸Ŏ)オット」その時、顧千帆はふと気づいた。「なぜ帽妖の黒幕が安(アン)国公だと分かったんだ?」「誰がですか?」( ゚ェ゚)いや誰ですか?@管理人「今、会っていた」「ならば恐らくその方が本当の黒幕でしょうね」その頃、過酷な毎日を送る欧陽旭は賊に襲われていた。「ある物を渡してもらおう」つづく(  ̄꒳ ̄)あ、欧陽旭のこと忘れてたわw
2023.05.09
コメント(0)
君九龄 Jun Jiu Ling第32話「水面下の戦い」城門を開けるよう嘆願を続ける成国公(セイコクコウ)・朱山(シュサン)と避難民たち。三皇子は判断に困っていたが、丞相・黄誠(コウセイ)は決して開けてはならないと反対した。しかし皇帝から開門するよう勅命が届く。一方、密かに賢(ケン)王府を訪ねた朱瓚(シュサン)は、皇帝に進言してくれた賢王に拝跪して感謝した。賢王は北方の民が来なければ手詰まりだったと安堵し、やりの手の″世子夫人″に舌を巻く。「芝居も終盤なのになぜ世子夫人は現れぬのだ?」「実は君九齢(クンジゥリン)は陸雲旗(リクウンキ)を振り切るため、私と一芝居打ったのです」陸雲旗はなぜ数万もの難民に気づかなかったのか首を傾げた。江百虎(コウハクコ)の話では誰かが金銭面で支援し、難民が商人に扮して官道を通らずに来たという。「ふっ、あの者しか考えつかぬ策だ…帰って来たのだな」すると九齢は幼い頃から好んで着ていた紅い衣をまとい、市場を堂々と馬で駆けて来た。待ち構えていた陸雲旗は一瞬、楚九齢が帰って来た錯覚に陥ったが、ふと我に返る。「捕えよ」しかし武徳司が動こうとしたその時、朱瓚が張宝塘(チョウホウトウ)、李三氷(リサンヒョウ)を連れて現れた。「成国公の世子夫人に手出しは許さぬ」朱瓚は成国公が謁見中に夫人に手出しすれば皇帝の顔を潰すことになると指摘、九齢の馬に相乗りすると、わざと夫婦の仲を見せつけるように通り過ぎて行った。陸雲旗が武徳司に戻ると、金十八(キンジュウハチ)たちが制服を脱いで私物をまとめ、整列していた。「朱家に鞍替えしたのか?」金十八たちは失態を犯したと認めたが、陸雲旗は九齢を守るという命令を遂行したことには変わりないと許した。朱山は皇帝に謁見し、自ら罰を請うた。やむを得ず勅命に背き、また息子が戦のためとは言え脱走したことも弁解の余地はないという。楚譲(ソジョウ)は功により罪は償ったと許し、わざわざ玉座を降りて成国公を立たせた。そこで朱山は褒賞のための寄付も撤回するよう嘆願、将兵たちにとって皇帝の信頼こそが値千金(アタイセンキン)だという。憤懣やるかたない黄誠は思わず寧雲釗(ネイウンショウ)に八つ当たりした。成国公が凱旋したゆえ、寧炎(ネイエン)も停職したかいがあったという。しかし寧雲釗は叔父が反対したのは和議であり成国公は無関係だと訴え、今や叔父の心配も杞憂に終わったと答えた。皇帝は寧炎を朝廷に復帰させると決めた。しかし寧雲釗にはかつての清廉潔白な姿はなく、皇帝にこびへつらう姿は実直な寧炎の甥とは思えないと揶揄されている。「申し訳ないわ…」九齢は寧雲釗の噂に胸が痛んだが、その様子を見た朱瓚はこれも九齢の策なのだと分かった。すると宝塘と三氷が黄誠の密会相手が実は北祁の皇太子・郁遅海(イクチカイ)だと報告する。しかし郁遅海は替え玉を残してすでにどこかへ消えていた。都で自由に動けたのは他にも協力者がいたからだろう。その頃、朱山は皇帝に兵権を返上していた。楚譲は確かに清河伯(セイカハク)を臨時の鎮守職に任じたが、都で養生してからまた北方を守って欲しいという。しかし朱山は年老いた自分より壮年の清河伯こそ適任だと訴え、引退を申し出た。「では朕がしばらく預かることにしよう、そちが英気を養ったら再び戻す」九齢は世子夫人という肩書きのため、成国公府に滞在することになった。すると朱瓚がこれまで城外でかくまっていた先帝の侍女・氷児(ヒョウジ)を連れて来てくれる。氷児は素絹(ソケン)と名を変え、身分を伏せて生活していた。「こちらは九齢公主だ」「氷児、私は顔を変えたの」氷児は公主が無事だったと知って安堵し、実は印章の文様の件についてはまだ話していないという。当時、先帝は印章の文様について君応文(クンオウブン)神医に何か話していた。「黄誠も文様を目にしています、先帝が黄誠の前でうっかり文書を落とした際、文様を見たのです」成国公は無事に皇宮から戻った。翌朝、朱山は兵権を返したと明かし、朱瓚に九齢との婚約を解消して都を発とうという。2人の関係に気づいていた郁(イク)夫人は九齢を養女にしたいと言って時間を稼ごうとしたが、九齢は笑ってごまかした。結局、婚約の話は後回しになった。朱瓚は九齢がなぜ養女の話を断らなかったのかと不満をあらわにする。しかし九齢はともかく自分のことで成国公を煩わせたくないと言った。朱瓚と九齢は宝塘と三氷と一緒に食事に出かけた。すると運悪く同じ店に陸雲旗が現れる。牽制し合う朱瓚たちと陸雲旗、しかし九齢はこらえるよう合図し、引き上げることにした。「行きましょう」「その必要はない、ごゆっくり」陸雲旗は先に席を立った。陸雲旗が店を出ると黄誠の従者が現れた。馬車で陸雲旗を待っていた黄誠は成国公の父子という同じ敵がいると訴え、協力せずとも見て見ぬふりをしてくれれば十分だという。「見返りは?」「…君九齢が陸府を訪れるというのはどうだ?」その頃、宝塘は陸雲旗への怒りを爆発させていた。「あの時、殺しておくんだった、九齢公主のせいだ!」朱瓚は慌てて話を遮ったが、九齢は困惑した。「つまり公主が陸雲旗を助けたの?…いつの話?」実は10年前、成国公に拾われた陸雲旗は屋敷で盗んだものを売っていた。朱瓚たちは陸雲旗を屋敷の外で懲らしめたが、その時、何も知らない九齢公主が駆けつけ、陸雲旗を助けたという。…あれが陸雲旗だったとは…九齢はその時のことを思い出し、呆然となった。寧雲釗は九齢堂に九齢を訪ねた。しかし対応に出た方錦繍(ホウキンシュウ)は九齢なら会わないと追い返す。「たった半年で陛下に取り入り、侍講(ジコウ)学士に昇進したそうね~なんて口達者なのかしら?」「君小姐に会いたい」錦繍は仕方なく呼びに戻った。すると街行く人が足を止め、世子夫人となった君大夫が佞臣(ネイシン)に成り果てた寧雲釗と一線を画すのも無理はないと噂する。側仕えの小丁(ショウテイ)は憤慨したが、寧雲釗は毅然として九齢を待った。九齢は内心、申し訳なく思いながら、あえて衆目の中で寧雲釗と決別した。「寧大人、道が異なれば助け合えません、気まずいので今後は会いに来ないでください」「友人でもないと?」「目指すものが違うのよ?友人になれると思う?」すると寧雲釗は2度と訪れないと約束し、帰って行った。つづく|ω・`)ちょっとどうでもよくなって…端折りましたw
2023.05.09
コメント(0)
梦华录 A Dream of Splendor第22話「疑念」母の墓前で許嫁の趙盼児(チョウパンアール)を紹介した顧千帆(コチェンファン)。すると帰りの舟で実はまだ秘密があると明かし、父親については複雑すぎて全てを話せないという。しかしパンRは顧千帆を信じ、ゆっくり待つと答えた。幸せに包まれ都へ戻った顧千帆とパンR。茶湯巷で舟を降りると、偶然、池蟠(チハン)と遭遇した。パンRは無視して先を急いだが、池蟠はパンRの連れが顧千帆だと知って驚く。実は顧千帆と池蟠は幼なじみ、池蟠はうっかり″蕭(ショウ)″と呼びかけそうになって慌てて言葉を飲み込んだ。「なんだ!私の仇敵(キュウテキ)2人が人知れず結託していたのか!」池蟠と顧千帆は小競り合いになったが、池蟠が顧千帆に投げ飛ばされてしまう。すると池蟠は倒れたまま顧千帆の足にしがみつき、様子を見に来たパンRの足までつかんだ。可四(カシ)たちは主を引き離したが、池蟠はそのままパンRの履物を剥ぎ取り、川に投げ捨ててしまう。「ざまーっ!ぶはははは~!」その時、池蟠が探していた大切な蟋蟀(コウロギ)が見つかった。「私の大事な玉頭佗(ギョクズダ)~♪」しかしパンRはその蟋蟀を見てある事実に気づく。「本物を知らないでしょう?ふん、玉頭佗は赤い頭、青緑の首、金色の羽なの よく見なさいよ?それは糞虫じゃないの?」顧千帆は教養のない池蟠がいい鴨なのは東京(トウケイ)中が知っていると嘲笑い、パンRと帰って行った。パンRは露店で新しい靴を買った。思いがけずパンRが池蟠と犬猿の仲だと知った顧千帆、しかしパンRは蹴鞠と賽子で負かして恨まれているだけだという。「蹴鞠と賽子?実は私も好きだ」「さすがね、池蟠と馬が合うわけね~ふふ」一方、桂花巷(ケイカコウ)では今日も宋引章(ソウインショウ)が顧千帆から贈られた古譜を修練していた。しかし沈如琢(シンジョタク)から沈家なら自分を良民にできるとほのめかされ、その言葉が気になって集中できない。洗濯していた孫三娘(ソンサンニャン)は引章に何か悩みがあると気づき、手伝って欲しいと声をかけた。「聞きたいことがあるの…″教坊司に頼めば良民にできる″と言われた、騙されているのかしら?」「沈如琢って人ね?男を信じてはだめよ、役人の甘言は忘れなさい」引章は慌てて張好好(チョウコウコウ)の話だと嘘をつき、池蟠が身請けしてくれるらしいと取り繕う。すると三娘はいずれ顧千帆が引章を良民にしてくれるとパンRから聞いたと安心させた。顧千帆はパンRを屋敷まで送った。「今日も帽妖を追うの?」「もう大詰めだ」実は帽妖は蕭欽言(ショウキンゲン)の失脚を狙う者たちが講じた奇策だった。寿宴後に予定されていた首輔就任もこの騒ぎで危うくなるだろう。するとまたしても引章と出くわした。「道ばたで会ったので送って来た…そう言えば古曲の練習は進んでいるか?」「7割方は…そうだ、お聴かせします」パンRたちはさすが引章だと絶賛した。しかし顧千帆は引章の演奏が下の下だったと直言する。″涼州大編(リョウシュウタイヘン)″は塞外(サイガイ)の名曲、矛がぶつかり合う荒々しさを表現していた。「君の演奏は嬉しくて飛び上がっている少女の恋心だ、話にならぬ」顧千帆は蕭宰相が琵琶の名手だと教え、寿宴で披露したいなら別の曲にすべきだという。「顧副使のお言葉を胸に猛練習します」「よく励め…古譜を贈られた理由も考えるように」すると三娘は引章なら必ず上達すると励まし、パンRに顧千帆を送るよう頼んだ。パンRは言葉を選ばねば引章が落ち込んでしまうと呆れた。しかし顧千帆は引章のための助言だと訴える。今日の荒療治のおかげで寿宴で恥をかかずに済んだのだ。「はおはお、早く帰って」パンRが引章の様子を見に行くと、引章は深く傷ついていた。しかしパンRは自分にとって引章は天下一の奏者だという。「顧千帆は別の曲にと言っていたけれど、あの曲を究めましょう? 披露した暁には驚嘆の声が上がるわ、顧千帆に前言撤回させ、謝らせるの」「うん」一方、葛招娣(カツショウテイ)は茶坊が休みの時も池で取れた魚を売って小遣い稼ぎをしていた。三娘は給金が足りないのかと心配したが、招娣は銭なら多ければ多い方がいいという。「嫁荷にするんだ~」招娣は知人の話だとごまかしたが、実は嫁荷が少なかった母が嫁ぎ先で10貫嫁と呼ばれ、虐げられていた。その夜、帽妖を追っていた顧千帆はついに黒衣の賊を捕らえた。すると殿前司(デンゼンシ)・崔(サイ)指揮が都虞侯(トグコウ)の文を持って詔獄を訪ね、賊を渡すよう要求する。しかし顧千帆はようやく捕まえた証人を渡さなかった。「ただのなりすまし犯を譲れないだと?」「殿前司の獄が担っているのは重罪人への取り調べでは?」揚げ足を取られた崔指揮は何が何でも連れて帰ると迫り、一触即発となる。そこへ雷敬(ライケイ)がやって来た。雷敬はおとなしく罪人を渡すよう指示したが、顧千帆は雷敬まで出て来たのなら、なおさら譲れないという。雷敬は場所を移して顧千帆を説得した。しかし逆に顧千帆から殿前司の誰に頼まれて来たのかと問い詰められてしまう。「郭(カク)都指揮使だ」「こたびの帽妖騒ぎの黒幕は蕭宰相の政敵のようです 殿前司は陛下の直属軍、二品である郭都指揮使も黙っていればいいものを… なぜ小者を引き取るためだけのために夜半に司使を訪ねたのか どんな賂を受けたのか知りませんが、果てなき争いに巻き込まれないでください」顧千帆は雷敬を帰して詔獄に戻り、崔指揮に引き取るよう伝えた。すると崔指揮は共に斉牧(セイボク)の命を受けている身、便宜を図ってもらえないかと丁重に頼む。そこで指に墨をつけ、机に印を書いた。「斉中丞(チュウジョウ)の密書の印だ、覚えがあろう?」顧千帆は驚いた。なぜ叔父は直接、自分に命じず、崔指揮を通じて引き渡しを求めたのだろうか。「罪人は私の管理下に置くと伝えてくれ、余計なことは言わせぬし危害も加えないと… 何かあれば直接、指示して欲しいとな」顧千帆は叔父から寿宴で会おうと密書を受け取った。その密書にもあの″斉″という印がある。顧千帆は叔父へ疑念を抱き、激しく動揺した。翌日、蕭府は寿宴の支度で慌ただしかった。張好好は緊張気味の引章を落ち着かせていたが、その時、皇帝から聖旨が届いたと知らせる声が聞こえる。「陛下から祝辞が届くとは、蕭宰相も誇らしいわね~」好好は控え室から中庭の様子を眺めながら、中央にいるのが蕭宰相で、後ろにいるのが斉中丞だと教えた。「右側にいるのは蕭宰相の仇敵である柯(カ)大人よ」こたび柯政(カセイ)は宰相の職を解かれ、地方官になるという。招待客が宴席に揃った。賢(ケン)妃の兄である高(コウ)観察や雷敬の顔も見える。「支度はできた?…では行きましょう」張好好は楽妓たちを連れて宴席に向かった。蕭欽言は着替えのため席を立った。結局、顧千帆の姿はなく、贈り物さえ来ていない。ともかく席は残しておくよう家職に命じたが、そこへ蕭謂(ショウイ)が着替えの手伝いに来た。蕭欽言は自分がいない時こそ息子がもてなすべきだと呆れ、聖旨の一件でも恥をかいたと嘆く。「お前と来たら衆人環視の中で片手で聖旨を忠(チュウ)に手渡し、柯大人の不興を買った」蕭謂は不手際を詫びて出て行った。すると部屋から父の恨み言が聞こえる。「せめて千帆の1割だけでも才があればわしも苦労せぬのに…」寿宴は予定がずれ込み、最後の出番だった張好好と引章は長い時間、回廊で待たされることになった。琵琶を抱きかかえていた引章はすっかり疲れ、これでは演奏に支障が出てしまう。「腕がもう限界です…」好好は下に置くよう指示したが、使用人から失礼だと叱られた。実は宰相の使用人は三品の役人、心の中では楽妓を賎民だと見下しているのだろう。引章は仕方なく琵琶を抱えていたが、思わずふらついた。「大丈夫か?」つづく( ゚ェ゚)いつも思うんだけど…池蟠のエピっている?w
2023.05.08
コメント(1)
苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第10話月尊(ゲッソン)の座をめぐって争いが絶えない月(ゲツ)族。巽風(ソンホウ)は風原一帯で南北の幽王と戦っていたが、その時、雷鳴がとどろき黒龍が現れた。「月尊だ!月尊がお戻りになった!」争いは直ちに終息、劣勢を強いられていた巽風は兄の帰還に助けらた形となったが、東方青蒼(ドンファンチンツァン)への敵意は隠せなかった。一方、長珩(チャンハン)は四水宝珠(シスイホウジュ)を修復し、大洪水は免れた。そこで雲中君(ウンチュウクン)に東方青蒼を成敗するため蒼鹽海(ソウエンカイ)に行きたいと嘆願する。しかし雲中君は長珩が小蘭花(シャオランファ)を連れ去られたせいで気が急いていると見抜き、勝手に動いてはならないと釘を刺した。寂月(セキゲツ)宮に主が戻った。觴闕(ショウケツ)は小蘭花を寝殿に案内することにしたが、″噬仙(スイセン)楼″と聞いて小蘭花は愕然となる。「仙を噬(カ)む場所?!ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ」「ただの部屋だ、他にも誅仙(チュウセン)亭や弒神塢(シシンオ)という建物がある 先代の月尊が造り、水雲天の平定を願って名前をつけたんだ」一方、東方青蒼は久しぶりにのんびり沐浴しながら息蘭(ショクラン)全書を読んでいた。すると息蘭聖印は同心呪(ドウシンジュ)でつながる者のどちらかを承影(ショウエイ)剣で殺せば解けると分かる。しかし承影剣は太古の戦の折に打ち砕かれ、破片は四方に散っていた。觴闕は破片が銀湖の湖底にあると思い出し、すぐ探しに行くという。東方青蒼が噬仙楼にやって来た。しかし小蘭花は布団をかぶって隠れてしまう。「小花妖?これまで尊大だったのに急に怖くなったのか?」「私が間違っておりましたぁ~」「今までと同じように接すればよい」「いえいえ、2度と無礼な真似は致しません!」東方青蒼は呆れて帰ることにしたが、その時、慌てて小蘭花が顔を出した。「いくら私を好きになっても無駄よ?諦めてちょうだい」「私がお前を好きだと?」「違うなら月尊大人、私を帰らせてちょうだい」「どこへ帰るというのだ? …忘れるな、私は衆目の前でお前を連れ去った、これほどの″名誉″を消しされると思うか?」東方青蒼はこれからは自分のそばにいるよう命じ、運命簿を渡した。「この部屋から出ずに運命簿を修繕せよ」巽風が蒼鹽海の神器・幽玉戒(ユウギョクカイ)の返還にやってきた。しかし巽風は父を殺して月尊の座についた兄にわだかまりがあり、兄弟と言えども警戒を怠らない。「生きていたのなら、なぜお戻りにならなかったのですか?蒼鹽海の内乱を座視していたと?」東方青蒼は申し開きをする必要はないと突っぱね、自ら神器を受け取ろうとした。すると巽風はわざと入れ物を落としてしまう。「失礼致します」觴闕は神器を拾いながら、巽風の逆心を疑った。「放っておけ、最愛の父を殺した私を殺したいだけだ…過ちを犯さぬうちは生かしておく」觴闕は小蘭花が運命簿の修繕もせず、拷問で負った傷にも薬を塗ろうとしないと報告した。水雲天に帰りたいとわめき散らすばかり、恐らく初めて家を離れて不安なのだろう。「家を離れた…か」すると觴闕の話を聞いた東方青蒼はすぐ腕の良い大工を呼ぶよう命じた。容昊(ヨウコウ)は司命殿を調べたが、結局、師匠の運命簿を見つけられなかった。まさか小蘭花と一緒にいた東方青蒼があの運命簿を見てしまったのだろうか。大戦の折、師匠は東方青蒼の業火に傷つけられ、その傷痕は転生しても消えずに残っていた。もし運命簿の中で転生した師匠を見て傷痕に気づけば、東方青蒼に赤地女子(セキチジョシ)だと知られてしまう。赤地女子の元神が残っていると分かれば、東方青蒼は必ずやその元神で10万の兵士の封印を解こうとするはずだ。「師父の復活を邪魔だてする者は許さぬ…」容昊はまず東方青蒼が運命簿の件を知っているのか探らせ、それから息山神女を奪う手を考えると決めた。小蘭花は急に東方青蒼に呼び出された。薄暗い廊下に来た小蘭花は牢に入れられると誤解したが、扉の先には懐かしい司命殿が広がる。小蘭花はついに帰ってきたと喜び、思わず命格(メイカク)樹に抱きついて感激の涙を流した。「気に入ったか?」(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン東方青蒼は小蘭花の笑顔を見て得意げに特別に作らせたと教えた。「え?…水雲天じゃないの?」小蘭花はようやく景色の違いや花壇の精霊たちがいないと気づく。「本当の家に帰りたいの、どうかお願い、水雲天ではかくまってあげたでしょう? あなたのことは決して口外しない、長珩仙君だって…」「また長珩か?!お前の頭には長珩の2文字だけか?!」「…もう言いません!だから帰して」「なぜ帰りたがる!お前が望むことは何でも叶えてやったのに!」東方青蒼は思い通りにならない小蘭花に苛立ちを隠せなかった。しかしそんな自分の雑念に困惑し、司命殿に留まっていたのは同心呪のせいだと明かしてしまう。同心呪とは同じ喜びや悲しみを感じる呪術で、東方青蒼は仕方なく小蘭花を守って面倒を見ていた。今は神器が小蘭花の感情を遮ってくれているが、自分の弱みである小蘭花を閉じ込めておく必要があるという。「じゃあ私への親切は全て偽りだったと?」「…そうだ、偽りなのはもちろん、不快だと思っていた」すると東方青蒼は小蘭花を閉じ込めて帰ってしまう。司命殿は毎日、嵐に見舞われた。「東方青蒼!いつまで私を閉じ込めておくつもりよ! 日は差さない、話し相手もいない!恩を仇で返すつもり?!東方青蒼!出て来い!」小蘭花は窓を開けて怒りを爆発させていたが、ふと妙策を思いつく。一方、東方青蒼は觴闕に小蘭花の様子を聞いていた。觴闕の話では毎日、月尊を罵っていたが、今度は食を断って抗っているという。すると衛兵が駆けつけ、例の仙女が寒さにやられ虫の息だと報告した。仙女は治療を拒み、何でも死ぬ前に月尊と話したいと訴えているという。東方青蒼は小蘭花を心配して司命殿に駆けつけた。すると小蘭花は外で話したいと懇願し、嵐の中、東方青蒼を連れて中庭に出る。東方青蒼は早く話せと迫ったが、その時、小蘭花がいきなり抱きついて唇を重ねた。つづく( ๑≧ꇴ≦)思いっきり行きましたね〜w
2023.05.07
コメント(0)
苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第9話大強(ダーチァン)を水雲天(スイウンテン)から逃し、再び独りぼっちになった小蘭花(シャオランファ)。…どうしてこんなに辛いの?でもこれで良かったのよ…小蘭花は部屋に戻る気力もなく、花壇で眠ってしまう。すると東方青蒼(ドンファンチンツァン)と觴闕(ショウケツ)が現れた。觴闕が脈診したところ、小蘭花は心配事がなくなったおかげで霊力が回復している。「本座を案じていたのか…」そこで觴闕は早速、小蘭花に運命簿を修繕させようとしたが、東方青蒼が止めた。「寝かせてやれ…」東方青蒼は小蘭花を抱きかかえて寝台へ運んだ。そこで手のひらから腕輪を出し、小蘭花の腕にはめておく。「小花妖、これは私の血からできた骨蘭(コツラン)だ、礼としてお前に贈ろう 危ない時はこれがお前を守る、私がお前のそばにいなくとも誰にも傷つけさせぬ」一方、長珩(チャンハン)は配下から海市(カイシ)で崇気(スウキ)騒ぎがあったと報告を受け、首領を訪ねた。しかし首領は仮面で顔を隠し、声も変えているため、長珩はまさか容昊(ヨウコウ)だとは気づかない。長珩は崇気を封じ込めた瓶を見せ、海市が関わっているのか聞いた。すると容昊は全ては突如、現れた謎の男のせいだと話し、蝶衣(チョウイ)の背中の傷跡を見せる。「業火(ギョウカ)…?!」長珩は驚愕した。実は三界で業火が操れるのは東方青蒼だけしかいない。「その謎の男はあの日、水天雲の者を連れて行ったとか…確か名もない蘭の精霊だと聞いた」容昊は長珩に東方青蒼の存在を明かした。東方青蒼の霊力は強大、息山神女(ショクサンシンニョ)をそばで守るなら手が出せないが、長珩と手を組めば少しは戦えるだろう。翌日は飛昇試験に合格した仙女たちの任命式だった。東方青蒼は小蘭花の願いが叶う大切な日を静かに見守ることにしたが、長珩が司命殿に現れる。「私が殺しに行かぬゆえ、自ら殺されにきたか…ふっ」すると東方青蒼は司命殿を飛び出し、長珩を誘い出した。玉京(ギョクケイ)では雲中君(ウンチュウクン)が見守る中、任命式が始まった。試験の合格者は1人ずつ幻鏡に入り、太古の神霊・元亀(ゲンキ)が真身を見て職を振り分ける。仙族の系統は東君が8つに分類、各々の真の姿に基づいて乾(ケン)・坤(コン)・震(シン)・巽(ソン)・坎(カン)・離(リ)・艮(ゴン)・兌(ダ)のどれかに属している。最初に呼ばれたのは元梧(ゲンゴ)仙女だった。元梧は結界から幻鏡に入ってすぐ出てくると、系統は″震″と示され、配属は風伯(フウハク)府と決まる。続いて小蘭花の番になったが、結界に入った小蘭花はなかなか出て来なかった。元亀は小蘭花を旧友と呼び、再会を喜んでいた。「私をご存知なのですか?」「そうだ…」元亀はこの世の全ての命を知っているが、中でも小蘭花は特別な存在だという。全く意味が分からず困惑する小蘭花、すると元亀はいずれ運命を担う時に分かると教えた。「旧友よ、無事を祈る」小蘭花が結界から出てきた。しかしどの系統にも属しておらず、真の姿も蘭ではなく、誰も見たことのないものだと判明する。雲中君は仙族でも人族でもなければ月族だと断定、衛兵に小蘭花を捕えるよう命じた。すると小蘭花の腕輪が業火を放ち、衛兵を吹き飛ばしてしまう。小蘭花は驚いて腕輪を捨てたが、もはや言い逃れできなくなった。一方、東方青蒼は司命殿を壊さないよう場所を変えて長珩と戦っていた。すると容昊が現れ加勢、しかし2人の力を合わせても東方青蒼は余裕の笑みを浮かべている。その時、東方青蒼は急に首を絞められ苦しくなった。小蘭花の異変に気づいた東方青蒼は遊びをやめて2人の攻撃を跳ね返し、姿を消してしまう。雲中君は小蘭花を拘束、そのまま吊り上げて拷問していた。「東方青蒼は一体どこにいる?」「何も知りません…」「ではなぜ東方青蒼の業火に守られていたのだ?」「分かりません」憤慨した雲中君は月族の間者にとどめを刺そうとしたが、その時、激しい業火が再び小蘭花を守った。「本座のものに誰も触れさせぬ…」すると東方青蒼が現れ、小蘭花を抱きかかえて降りてきた。神仙たちは一斉に仙術を放ったが、東方青蒼は結界を張って小蘭花を守った。「あなたがドンファンチンツァン?…私を騙したのね?」「だましたことはない」東方青蒼は自分がいる限り小蘭花を決して傷つけないと約束し、落ちていた腕輪を拾って小蘭花にはめた。神仙たちは仙力を使い切ったが、東方青蒼はびくともしなかった。すると東方青蒼が結界から現れ、激しい業火を操りながら神仙たちを次々なぎ倒してしまう。「やめて…」小蘭花の命令に逆らえない東方青蒼は攻撃を止めるしかなかった。「私の行手を阻むなら、水雲天を平らげ皆殺しにする 3万年前、私は封じられ、蒼鹽海(ソウエンカイ)は踏みにじられた、必ずやこの恨みを晴らしてみせる」東方青蒼は意識を失った小蘭花を抱きかかえて出て行ったが、雲中君は身を守ることに必死で追いかける力も残っていない。しかし正門で長珩が待ち伏せしていた。「小蘭花を放せ」長珩は東方青蒼に戦いを挑むも、激しい業火に太刀打ちできなかった。しかし小蘭花が朦朧とする意識の中、かろうじて東方青蒼の裾をつかんで制止する。東方青蒼は小蘭花の命に逆らえなかったが、ふと妙策を思いついて飛び上がった。東方青蒼は長珩が管理している水源・四水宝珠(シスイホウジュ)を破壊して戻った。すると小蘭花を抱き上げて悠々と歩き出す。「ふっ、この者と水雲天、どちらを救う?」それでも長珩は小蘭花を助けに行こうとしたが、青川(セイセン)が止めた。「今すぐ手を打たねば水雲天と雲夢澤(ウンムタク)があふれ出した水に飲み込まれてしまいます!」「ぐっ…」小蘭花が目を覚ますと大強がいた。驚いて飛び起きた小蘭花だったが、気がつけば忘川(ボウセン)にいる。「はっ!忘川の両族の境界…私を蒼鹽海に連れて行くつもり?!」小蘭花は死んだふりをしてごまかそうとしたが無駄だった。( ;∀;)<月尊大人、歯を磨かず顔も洗わないとか言っちゃってすいませんでしたぁぁぁ~( ー̀ωー́ )<ピキッ…(;^ꇴ^)<月尊大人、特にご用がなければ失礼します、自分で帰れますんで~しかし小蘭花は今や逆賊、東方青蒼は水雲天に戻ればただでは済まないと警告した。小蘭花は呆然となり、家に帰りたいと号泣してしまう。。・゜・(ノД`)・゜・。逆賊じゃないもん!家に帰して!うわーん!すると東方青蒼の目からも涙があふれ出した。東方青蒼は偵察から戻った觴闕と合流、岸へ上がった。巽風(ソンホウ)は風原一帯で南北の幽王と争い、銀湖(ギンコ)を奪われて九幽(キュウユウ)にいるという。「恐らく一晩もたないかと…」南北の幽王は月尊の座を狙っていた。小蘭花は2人が話している隙に逃げようとしたが、舟に乗り込む前に東方青蒼が気づいてしまう。すると東方青蒼は舟を真っ二つに割った。觴闕の真身は巨大な黒龍だった。すると觴闕は東方青蒼と小蘭花を頭に乗せ、凄まじい勢いで雲を突き抜ける。小蘭花は悲鳴をあげて東方青蒼にしがみついていたが、やがて美しい夕陽が見えて来た。つづく
2023.05.07
コメント(0)
君九龄 Jun Jiu Ling第31話「輝く星空の下で」君九齢(クンジゥリン)と朱瓚(シュサン)は2人だけで都へ出発した。その夜、森の中で暖を取りながら美しい星空を眺める2人…。朱瓚の話では毎年、夏の終わりには空に無数の星が輝き、地上の蛍と一体になって天の川が人間界に流れ込むように見えるという。「来年の夏、見に来よう」「…そうね」すると頑なに″君小姐″と呼んで来た朱瓚がついに″君九齢″と呼んだ。「君九齢…ずっと君の目に答えを探そうとしてきた」←( ๑≧ꇴ≦)探さんといて!「…あの人が恋しいのね、私がその人よ」←(ノ*>∀
2023.05.06
コメント(0)
梦华录 A Dream of Splendor第21話「ただ一つの希望の光」その夜、顧千帆(コチェンファン)は父の別邸を訪ねた。宰相に返り咲いた蕭欽言(ショウキンゲン)、しかし朝廷にいる政敵は少なくとも100人、加えて清流派も自分を排除しようとしているという。蕭姓の息子たちは実権のない蔭官(インカン)でしかなく、仮に血生臭い争いになった時、自分を助けられるのは顧千帆だけだった。「千帆、お前の助けが必要なのだ、皇城司は奇襲部隊でもある…」しかし顧千帆は冷たくあしらい、ここへ来たのは知らせたいことがあるからだという。「身を固める、相手は趙盼児(チョウパンアール)だ」蕭欽言は元賎民など釣り合わないと反対したが、顧千帆は一時の気の迷いでも当てつけでもないと言った。「私にとってパンRはまたとない至宝、陰ひなたに暮らして来た私の唯一の希望の光だ」どちらにせよ清流派が蕭欽言の命を狙えば黙っているつもりはない。顧千帆は帽妖(ボウヨウ)騒ぎが蕭欽言の失脚を目論む政敵の攻撃だと分かっていた。「心配してくれるのか?」「…私はパンRとの仲を祝福して欲しいだけだ、いつの日かパンRとの子を連れて挨拶に来る」「数日後に私の寿宴(ジュエン)がある、お前は来られるか?…少しでいい、顔を出せ」しかし顧千帆は何も言わずに帰ってしまう。「淑娘(シュクジョウ)…私たちに孫ができるぞ(ボソッ」←じいちゃん、気が早いw宋引章(ソウインショウ)と張好好(チョウコウコウ)は蕭宰相の寿宴に招かれ、早速、双喜(ソウキ)楼で練習を始めた。しかし夜通し練習していた引章はうっかり曲目を間違えてしまう。好好はてっきり沈如琢(シンジョタク)からもらった譜面だと思い、忠告した。「引章、気を悪くしないで聞いてね…東京(トウケイ)の男は一筋縄ではいかない 甘い言葉に惑わされないで、そうしないと泣きを見るわ」「その人はそんな人じゃ…」引章は顧千帆のことだと思って否定した。引章が帰ると池蟠(チハン)が涼亭にやって来た。好好は引章の琵琶と自分の歌ではどちらが良いか聞いたが、池蟠はうっかり琵琶の方が良かったと口を滑らせる。「お前の歌はもう聴きすぎて耳にたこができた、少し調子を変えたらどうだ?」怒った好好は池蟠の頭を引っ叩いて部屋に戻ったが、池蟠は木の実をのどに詰まらせ、危うく窒息しそうになった。パンRは顧千帆と一緒に高慧(コウケイ)を訪ねた。欧陽旭(オウヨウキョク)の本性を知った高慧は深く傷つき、父が婚約を解消させた本当の理由を知る。「親にとって子は何より大切だもの、父君が愛しいあなたを害すはずないわ」そんなパンRの言葉をちょうど中庭に来た高鵠(コウコク)が聞いていた。「父君に従うべきよ、あなたは幸せになるべき人だもの…」すると高慧が父の姿に気づき、ついに泣き出してしまう。高鵠は娘を説得してくれた顧千帆とパンRに感謝し、2人の婚姻には祝い酒を飲みに行くと言った。一方、半遮面(ハンシャメン)では陳廉(チンレン)と葛招娣(カツショウテイ)がかち合い、一触即発になっていた。孫三娘(ソンサンニャン)が割って入り止めたが、一方的に陳廉の肩を持ったせいで招娣を怒らせてしまう。そこで陳廉に杜長風(トチョウフウ)への差し入れを頼み、招娣にいかに陳廉に世話になったのか話して聞かせた。「恩があるんだし、会うたびに争うのはやめなさい」「…分かった、これからは疫病神として敬い、おじぎすればいいんだろう?」「ちょっと、人情の分からない子ねぇ」「だったら三娘姐はどうして息子に縁を切られたのさ…はっ!」招娣は流石に言いすぎたと気づき、慌てて謝罪した。すると三娘は確かに自分も義理人情を分からず、苦労して傷つきながら少しずつ理解したと話す。「あんたには回り道をさせたくない、だから時には我慢して、違う角度から人や物を見て欲しいの」「ありがとう、初めて人に注意されたよ」沈如琢は引章を呼び出し、かんざしを贈った。相変わらず強引な沈如琢に戸惑う引章だが、沈家が教坊司との関係が深く、自分を良民にすることも頼めると聞いて心が揺れる。そんな2人の姿を偶然、墓参りに出かけるパンRと顧千帆が見かけた。「あの2人、本当に親しいのね、三娘から聞いてはいたけれど… 彼は見ず知らずの私を助けてくれたの、いかにも聖人君子ね」「他の男を褒めるなよ」「あら、あなただって褒めていたじゃない?2人が恋仲になれば最高なのに~ 引章はあなたを崇拝しているわ、あなたにもらった譜面を片時も手放さないの」顧千帆の母の墓石には″礼部侍郎女顧氏″とあった。「娘(ニャン)、パンRを連れて来たよ、賢くて有能で私に優しくしてくれる、もう孤独じゃない」「ご安心ください、これからは私が彼を支えます」顧千帆はパンRの手を握りしめ、今後は地位や富など求めず、互いに支え合い、心穏やかに暮らしたいと言った。「そんな向上心のないことを…五品に昇進して誥命(コウメイ)夫人に封じてもらわなくちゃ」「はお、なら君には富を築く重要任務を任せよう」使いから戻った陳廉は厨房の三娘と談笑していた。そこへ招娣がやって来たが、三娘の言いつけを守り、黙ってお茶を出してくれる。すると陳廉は書院で子供から聞いた話を教えた。何でも杜長風は進士の中で下位だったにも関わらず、皇帝に拝謁した時、うっかり屁をして官職を逃したという。「それで書院に戻って師範をしているんです、生徒たちからも馬鹿にされてますよ」しかし目が悪いのは生まれつきではなく、最近になって次第に視力が落ちてきたという。「特に夕方がひどいそうです」「夕方?」陳廉は出来立ての菓子をもらって帰ることにした。すると中庭で偶然、招娣と出くわす。陳廉はあの夜のことを謝ったが、招娣は無かったことにして忘れて欲しいと言った。「そうだ、あの日、港で母親と何をしてた?」「(ドキッ!)言っておく!私の家族は皆、死んだんだ!」陳廉はまた招娣を怒らせ、慌てて退散した。顧千帆とパンRは墓参りを終えて水路で帰途についた。すると顧千帆はパンRの亡き両親に挨拶するため、吉日を選んで水陸会(スイリクエ)を行いたいという。「実はある人に仲人を頼もうかと…御史中丞(ギョシチュウジョウ)・斉牧(サイボク)大人だ」顧千帆はあえて父のことを聞かないパンRの優しさに気づいてた。「今は全てを話せない…」つづく( ๑≧ꇴ≦)おじいちゃんw上手いわwww
2023.05.05
コメント(0)
君九龄 Jun Jiu Ling第30話「撹乱作戦」天侑(テンユウ)は北祁(ホクキ)と正式に和議を結び、北方からの撤退を命じた。しかし成国公(セイコクコウ)・朱山(シュサン)は勅命を無視、民を避難させる時間を稼ぐため留まり、そのせいで敵軍に包囲されてしまう。そこで君九齢(クンジゥリン)はこのまま北上して成国公を助けようと決めた。雷中蓮(ライチュウレン)は自分たちのわずかな兵では何もできないと言ったが、九齢が奇策を思いつく。一方、南東へ向かった郁(イク)夫人は難民を連れて無事に百芒(ヒャクボウ)城へ戻った。しかし西に行った九齢が戻っていないと知り、恐らく易(エキ)州に向かったと気づく。その頃、朱瓚(シュサン)たちも保州を出て父がいる易州を目指していた。( ゚ェ゚)え?姜成たちはどこ行ったの?援軍じゃなくてただの挨拶?w易州では成国公が惨敗を喫していた。残った兵はわずか120名、兵糧もわずかとなり、朱山は1日休んでから突破すると決める。しかしその夜、思いがけず好機が訪れた。「成国公!北祁軍に痘瘡(トウソウ)が発生し、混乱しています!」実は九齢は成国公を逃すため、敵軍陣営に痘瘡を広めてかく乱させていた。…腹心の者を選び、痘瘡に似た症状が出る薬を飲ませるわ…その者を敵軍に送り込み、痘瘡が出たと思わせるの( ̄▽ ̄;)イヤイヤイヤ~生物兵器は違反でしょう?@北祁人w都では講談師が成国公を蔑む出まかせを広めていた。「成国公が撤退しないのは自分のためだ!和議を結んでしまったら成国公は北方で威張れない!」しかしちょうど都へ辿り着いた難民たちが激怒、成国公は危険を顧みず民を助け、夫人たちは難民の受け入れに尽力してくれたと訴えた。その時、成国公が危機を脱して勝利したと知らせる早馬が駆け抜けて行く。講談師は民から嘘つきと猛反発され、すごすご引き上げて行った。朱瓚は父の無事を知り、百芒城府衙(ガ)に駆けつけた。そこで早速、噂の″世子夫人″に会いに行ったが、実はその正体が君九齢だと知る。「なぜ君が…」「私で嬉しいかしら?」「ああ…とても」2人は互いの無事を喜び安堵したが、朱瓚は急ぎ父の様子を見に行った。朱山は負傷していたが軽傷で済んだ。再会を喜び、今日は久しぶりに父子で飲み明かすことにした2人、すると朱瓚は飲まずに献杯する。「この1杯は旅立った兵士たちに捧げます…」「ウム…そうすべきだな」(; ゚ェ゚)_v ←すでに飲んでしまった父wすると朱山はお尋ね者になった息子を責めることなく、都でも戦場でも立派に戦ったと称賛した。朱瓚は父と共に戦えなかったことを謝罪し、今後は両親を心配させないと誓う。「瓚児よ…成長したのだな」都では黄誠(コウセイ)がこの機に北の鎮守職を清河伯(セイカハク)に代えるよう上奏してした。楚譲(ソジョウ)は陸雲旗(リクウンキ)に意見を聞いたが、陸雲旗は良い策だと進言する。すると楚譲は成国公父子の帰京については黄誠に一任すると決めた。その夜、泥酔した朱瓚はまた九齢の部屋に押しかけた。「なぜそうも似ているんだ?」すると朱瓚はもう寝ると言って寝台に向かってしまう。九齢は必死に止めようとしたが、そのまま朱瓚に押し倒された。その時、菓子を差し入れに来た郁夫人が何も知らずに部屋に入ってしまう。(꒪ꇴ꒪〣)<わ、私は何も見ていないわ!じゃあね!( ๑≧ꇴ≦)<夫人!あ、違うんです!夫人!思わぬ誤解を受けてしまった九齢、しかし無邪気に酔い潰れた朱瓚の顔を眺めながら、思わず頬に口づけした。翌朝、目を覚ました朱瓚はまた九齢に迷惑をかけたと気づいた。「その~酔っている間に既成事実ができたのか?偽りの世子夫人の身分が誠になったとか?」「残念ね」九齢は笑いながら酔い覚ましを渡したが、実は郁夫人に昨夜の失態を見られたと教えた。(´゚ω゚)..:;*.’:;. ブハッ!一方、楚九黎(ソキュウレイ)も民を守った世子夫人の正体が九大夫だと聞いた。「君大夫と世子はお似合いだわ」それとなく九齢をあきらめさせようとする九黎、しかし陸雲旗は世子夫人の身分が真実だろうが嘘だろうが自分に関係ないという。「私の生きる意味は美しいと思う物を全て手にれることです」成国公は褒賞を受けるため都へ戻るよう命じられた。しかし黄誠の企みなのは明らか、朱瓚はたとえ父でも軍と一緒でなければ危険だと反対する。九齢はならば自分と朱瓚がひと足先に都へ戻り、準備してはどうかと提案した。確かに黄誠の陰謀が先に分かれば対処もできる。すると九齢は成国公には3州の難民を連れて都に入って欲しいと訴えた。「北方の民の苦しみを朝廷と都の民に見せたいのです、兵士たちが命懸けで民を救ったことも…」郁夫人は朱瓚を呼んだ。息子が九齢公主への思いをずっと心に秘めていたのを知っていたが、今やあの世とこの世に引き離されてしまったという。郁夫人は過去に縛られず前に進んで欲しいと訴え、君大夫を大切にするよう助言した。すると朱瓚は実は相談があるという。「君小姐の名誉に関わります、このまま世子夫人のままにしては? 私から真実を明かし、君小姐の名誉を回復します」つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょw金十八がしれっと九齢の戦術会議に参加してるんですけどwww
2023.05.05
コメント(0)
君九龄 Jun Jiu Ling第29話「世子夫人の活躍」成国公(セイコクコウ)夫人を助け、大名府へ同行することにした君九齢(クンジゥリン)たち。郁(イク)夫人は道中で自分を助けてくれた度胸のある娘が種痘で名を馳せたあの君九齢だと知った。夫人の話では成国公・朱山(シュサン)が前線を離れられず、かと言って朝廷の補給を待つ余裕がないため、大名府の清河伯(セイカハク)に援助を頼みたいという。一方、朱瓚(シュサン)と李三氷(リサンヒョウ)は張宝塘(チョウホウトウ)と合流、すでに開徳(カイトク)府に潜入した仲間と呼応して夜襲をかけた。翌朝、朝廷に開徳府での大勝が伝わった。楚譲(ソジョウ)は上機嫌だったが、実は成国公が配下を派兵して守り抜いたと知り、眉をひそめる。すると黄誠(コウセイ)はこの機会に北祁(ホクキ)と和議を結ぶよう上奏、実はちょうど北祁の使者が謁見したいと礼部尚書に申し出たという。黄誠は開徳府を救ったのが朱瓚だと察した。そこで配下に計画を邪魔した朱瓚を何としてでも見つけ出して殺せと命じる。一方、九齢たちは途中の村で難民たちを見かけ、しばらく留まって施しを始めた。郁夫人は無償で自分を護衛し、寄付までしてくれる理由が分からなかったが、九齢は夫人と同じ志だという。「微力ながら民を助けたいのです」寧炎(ネイエン)は皇帝に諫言して停職になった。すると寧雲釗(ネイウンショウ)が駆けつけ、皇帝が和議のため北祁の使者と謁見したと知らせる。しかし北祁は信じがたい条件を出していた。「互市(ゴシ/貿易)を開き、保(ホ)州・雄(ユウ)州・覇(ハ)州を返還することです」寧炎は机を叩いて激怒したが、雲釗はいずれ皇帝は条件をのむと肩を落とす。実は使者は拒めば5万の兵で南下すると脅していた。郁夫人は九齢と息子が都で懇意にしていたと知り、思わぬ縁を喜んだ。「世子爺は用心深く聡明です、必ず無事に戻られると信じています」「皆にはドラ息子とか魔王と言われているけれど、親しい者は本質が分かるのね」すると柳児(リュウジ)が徳盛昌(トクセイショウ)から急報だと知らせた。文には皇帝が和議を結んで3州を譲り渡すとあった。…あの時、殺せなかったのが悔やまれる…九齢は父を殺して簒奪した上、あっさり和議を結ぼうとする楚譲に憤まんやるかたないが、それは郁夫人も雷中蓮(ライチュウレン)も同じだった。その時、九齢はもはや大名府へ向かう意味がなくなったと気づき、ならば割譲される土地に住む民を避難させようと思いつく。郁夫人は九齢の案に賛同し、成国公を旗印に成功させようと約束した。北を目指していた朱瓚たちも道中で和議の知らせを聞いた。大名府へ向かった母も恐らく報告を聞いて身を守ってくれるだろう。朱瓚は九齢の行方を心配していたが、辺境の民を守るため北上をやめることはできなかった。沢(タク)州の方(ホウ)家では曹(ソウ)氏が帳簿を見て困惑していた。九齢は城を買えるほどの額を一体、何に使ったのだろうか。するとちょうど玉繡(ギョクシュウ)が九齢からの文を持ってやって来た。文を見た曹氏は実は九齢が3州の民を領内へ移すため、銭を使ったと分かる。商人として利益を優先すべきと教えて来た曹氏、しかし銭より貴いこともあると納得し、徳盛昌の余剰利益を全て河北西路(カホクセイロ)に送るよう指示した。九齢たちは百芒(ヒャクボウ)城府衙(ガ)に到着した。すると郁夫人が九齢を息子の許嫁だと紹介し、3州の民を領内に移すよう河間の駐留軍に命じて欲しいと頼む。「割譲するのは土地であって民ではない、移送は当然の務めよ?」田尭(デンギョウ)は同胞を助けたいという熱意に共感し、寛大にも難民の受け入れを認めてくれた。↓嫁?①交渉は上手くいったが、郁夫人は難民に斥候が紛れ込むことを危惧した。そこで九齢はまず難民を隔離場所に入れ、素性を確かめようと提案する。「そうね…そうだ、君小姐、さっきはごめんなさい、勝手に許嫁だと紹介して 役人たちに怪しまれないよう嫁だと言うしかなかったの だけど北方では″世子夫人″の身分が大いに役に立つはずよ 本当に嫁いでくれたら嬉しいのに…」「…夫人、恐縮です」一方、朱瓚たちは立ち寄った酒楼で思いがけず″世子夫人″の存在を知った。客たちの話では勇敢にも世子夫人が難民を救い、北方の民を領内に移すと誓ったという。何でも北祁が入った覇州ですでに数万人を救ったとか。朱瓚は″世子夫人″を語る不届き者が誰なのか想像もつかなかったが、恐らく九齢の耳にも入ったはずだと心配になった。…私を誤解しないでくれよ…↓嫁?②陸雲旗(リクウンキ)は金十八(キンジュウハチ)からの連絡が途絶え、九齢の動向が分からなかった。腹心の江百虎(コウハクコ)は九齢と朱瓚がすでに合流したのではと心配したが、陸雲旗は開徳府を守ったのが朱瓚なら無理だという。ともかく何があったのかすぐ調べるよう命じ、必要なら九齢を連れ戻せと指示した。朱瓚は道中で雲霄閣(ウンショウカク)からの報告を受け取った。母が河間へ向かったと分かったが、世子夫人も同行したとある。「郁夫人公認の嫁?!」宝塘は驚いたが、朱瓚は母が騙されていやしないかと不安になり、先を急いだ。九齢と郁夫人は民の救出を急ぐため二手に分かれることになった。2人はそれぞれ難民を城内へ送るが、留め置かずに南下させれば負担も減ると助言する。すると西へ向かった九齢たちはちょうど北祁軍の捕虜となった民たちを見つけ、全員を逃した。九齢を守らねばならない武徳司は図らずも手助けすることになったが、金十八は九齢が″世子夫人″と呼ばれていると知る。↓嫁?③一方、朱瓚は兵を率いる世子夫人が向かうところ敵なし、数万の民を逃したと知った。しかも捕虜になった民まで全て取り戻したという。朱瓚はそれより行方のわからない九齢が心配だった。…無事だろうか、まさか陸雲旗の手中に?…ともかく保州にいる父の弟子・姜成(キョウセイ)を頼り、兵馬を借りて父の元へ急ぐと決めた。楚譲は北祁が和議を申し出ながらまだ戦を止めないことに憤った。袁宝(エンホウ)の話では成国公が撤兵を拒んだ上、妻と嫁を覇州に遣わして民を領内に移送したせいだという。しかし陸雲旗はどちらにしても皇帝に利があると進言した。民の移送が成功すれば慈悲深い皇帝だと讃えられ、失敗すれば成国公の責任になるという。すると武徳司に戻った陸雲旗は保州で朱瓚を見つけたと聞いた。「それで捕らえますか?」「…いいや、殺せ」保州では姜成がすでに軍を率いて朱瓚たちを待っていた。「我々は世子と共に北上し、民を領内に護送します」姜成はお尋ね者の世子が現れたことは朝廷に知らせるが、この非常時では伝令兵が道中で不幸に遭うこともあるという。すると朱瓚は父に代わって感謝し、自分たちに国の存亡が懸かっていると鼓舞した。その頃、九齢は朱瓚の無事を祈りながら涙していた。…あなたが恋しい、どうか無事に戻って、待っているわ…一方、前線の成国公は敗北したと見せかけ、敵の左翼を突いていた。敵は左翼を率いる太子を守るため、撤退を余儀なくされてしまう。九齢たちは成国公のおかげで難を逃れ、残兵なら自分たちで対応できると安堵した。すると雷中蓮が駆けつけ、世子の消息が分かったと知らせる。「父君の元へ向かっています!」しかし河間府によれば和議が正式に成立し、北祁の兵馬が3州へ入るという。「北方を撤退せよとの命に背けば謀反とみなすと…」つづく( ๑≧ꇴ≦)嫁③段落ちそれにしても地理がさっぱり分からないw
2023.05.04
コメント(1)
梦华录 A Dream of Splendor第20話「ある王妃の物語」趙盼児(チョウパンアール)は夜宴図(ヤエンズ)が皇后と関わりがあると気づいた。すると顧千帆(コチェンファン)が″ある王妃の物語″として秘密を明かしてくれる。…昔々、ある村に美しく歌舞にも長ける娘子(ニャンズー)がいた娘子は生まれが貧しく、早くに家を出て芸を売り、身を立てていたというそんなある日、郡王が狩りのため村を訪れた娘子を一目見て気に入った郡王は屋敷に迎え、良家の出身という偽の身分まで与えたというそして20年後、郡王の正妻が亡くなると、深く愛されていたその娘子が正妻に立てられた王妃となり輝かしい未来が待っているはずだった娘子、しかし思いもよらぬ物からほころびが生じる老臣が高明な絵師が描いたある絵を手に入れたかつて村で開かれた春宴の絵そこには節度使(セツドシ)が好みの妓女を招いた様子が描かれていたというその中の1人の眉や目元が若き日の王妃にそっくりだったこの絵は有名な作品となったが、王妃の出自の卑しさを証明しているとして、主母と認めぬ者も現れたという…パンRは絵姿だけで王妃だと決めつけるのは早合点だと首を傾げた。しかし絵師は自作に仕掛けを施す習慣があり、この絵では春宴に招いた一人一人の名を文様にして衣の柄にしていたという。パンRは夜宴図を表装した時、確かに変わった柄だったことを思い出したが、顧千帆はあくまで″ある王妃の物語″だと釘を刺した。どちらにしても夜宴図がパンRの手元にないことは幸いだろう。「欧陽旭(オウヨウキョク)が持つならそれでもいい、もう忘れてくれ」顧千帆はパンRを桂花巷(ケイカコウ)に送って行った。2人はこんな時のために顧千帆が無事なら赤色、会いたい時は黄色の花を表に掛けると合図を決めておく。しかし運悪く目を覚ました宋引章(ソウインショウ)が中庭にいる2人の姿を見つけた。顧千帆は咄嗟に葛招娣(カツショウテイ)が帽妖(ボウヨウ)騒ぎに関わったため雇い主に尋問したとごまかし、ついでに引章に渡すものがあったという。「はっ!凉州大遍(リョウシュウタイヘン)!もう途絶えたはずでは?!」「宮中に秘蔵されていたそうだ ふさわしい者に贈ろうと思ったら君が琵琶の鍛錬に励んでいると聞いてね」引章は夢にまで見た楽譜を手に入れ感激し、2人の関係を疑うことはなかった。顧千帆は帰ったふりをして物陰に隠れ、パンRが部屋に戻るのを待った。するとパンRが窓を開けて外の様子をうかがっている。顧千帆は回廊からそっと忍び寄り、パンRを驚かせた。「譜面は偶然なの?」「皇城司の副使に抜かりはない」実は顧千帆は孫三娘(ソンサンニャン)に出くわした時用に南唐(ナントウ)の宮中の品書きも持っているという。「でも三娘はもう知っているんだろう?」「ふふ、でも渡して」顧千帆は念のため、もし蕭欽言(ショウキンゲン)の配下が会いに来ても決して相手にせず、自分に任せるよう伝えて帰った。翌日、杜長風(トチョウフウ)は新調した眼鏡を持って半遮面にやって来た。今日こそ桃花菓子(トウカカシ)を食べると意気込んで並んだが、常連の濁石(ダクセキ)と袁屯田(エントンデン)に三娘が目当てだと見抜かれてしまう。杜長風は図星だったが、注文を取りにきた三娘と対面し、2人はようやく三元客桟で悶着を起こした相手だと思い出す。憤慨した三娘は杜長風を裏庭へ引きずり出したが、騒ぎに気づいた葛招娣(カツショウテイ)が加勢した。しかし招娣は短剣をちらつかせ、杜長風の袂を切り裂いてしまう。驚いた杜長風は逃げ帰ったが、さすさに三娘はやり過ぎだと呆れた。「パンR姐が陳廉(チンレン)から犬をもらうでしょう?この匂いをよく覚えさせておくんだ」しかし濁石と袁屯田は杜長風を″目は悪いが良い人″だとかばった。一方、紫極(シキョク)宮の醮告(ショウコク)副使となった欧陽旭は過酷な日々を送っていた。しかしこれも高慧(コウケイ)が自分を追って西京に来るまでの我慢、その時は夫婦になって都へ舞い戻れるだろう。欧陽旭は常に荒れ地を飛び回っている抱一(ホウイツ)仙師を追いかけ、この日は不眠不休で山を登り清風観に到着した。すると道士からすでに下山したと追い返されてしまう。書童・子明(シメイ)は自分が道を間違えたせいだと謝罪したが、その惨めさがかえって欧陽旭を奮い立たせた。三娘は飴細工を嬉しそうに自慢する葛招娣の姿を見ると、急に涙があふれた。パンRは傅子方(フシホウ)を思い出したと気づき、まだ幼いがいずれ自分の過ちに気づくと慰める。「ふふ、大丈夫よ」一方、引章は店が終わるとまた凉州大遍の練習に没頭した。すると裏庭で飼い始めた犬が激しく吠え始める。「まあ、もう泥棒を捕まえてくれの?!」「助けてくれーっ!」パンRたちが裏庭へ駆けつけると、犬が大の苦手な杜長風が泣きべそをかいていた。三娘はまた来たのかと呆れたが、杜長風は高(コウ)家が来るのですぐ逃げろという。「高観察の配下が私を問い詰めに来た、欧陽旭の婚約の件だ」「わざわざ知らせに来てくれたの?ありがとう」パンRはすでに話がついていると安心させたが、杜長風の話では高慧が恐ろしく残酷で、欧陽旭に近づく女子を全員、半殺しにしたという。屋敷に戻ると三娘は引章に杜長風から聞いた高慧の話を聞かせた。するとパンRはもしや欧陽旭が高慧から自分を守るために婚約を解消したのではないかという。「趙盼児!大丈夫?」三娘は目を覚ませと辛辣だったが、パンRはいずれにせよ済んだことだという。そこへ招娣が客人だと知らせに来た。「パンR姐!女の人が主に代わり礼に来たって…」パンRが衣を貸した娘は高慧だった。恐らく欧陽旭に許嫁がいたと知り、自分に会いに来たのだろう。パンRは沢山の礼物に困惑したが、侍女は高家にとってはささやかな品だと言って帰って行った。それにしてもあの時の高慧は礼儀正しく、少なくとも恋敵を手にかけるような娘とは思えない。パンRは人には両面があり、無礼だと思っていた杜長風も今日は親切に危険を知らせに来てくれたと言った。パンRは門の前に黄色い花があることに気づき、夕餉の時間だというのに店に戻った。帽妖騒ぎを心配した招娣が同行したが、裏庭にいる顧千帆に気づいて気を利かせる。「張記(チョウキ)の一口酥(イッコウソ)が人気らしいから見てくる!」するとパンRは銭袋を渡した。「しっかり並んでね」しかし招娣は思いがけず最後の一口酥2個を陳廉(チンレン)と奪い合うことになった。招娣は1個ずつ分けようと提案したが、陳廉は隙をついて銭を払い、2つとも取ってしまう。「あ!帽妖だ!」招娣は嘘をついて陳廉の気をそらし、一口酥を奪って走り出した。慌てて追いかけた陳廉は激怒して招娣の胸ぐらをつかんだが、その時、招娣が実は女子だと気づく。驚いた招娣は陳廉を引っ叩き、動揺して帰って行った。一方、顧千帆はパンRの好物の菓子を差し入れた。するとパンRは今日の出来事を話し、高慧に会いに行きたいという。そこで顧千帆に一緒に来て欲しいと頼んだ。「あなたを見せれば私がもう欧陽旭に全く興味がないと分かるはずだわ」引章は中庭で今日も琵琶の修練に没頭していた。三娘は根を詰めずにゆっくり練習するよう勧めたが、引章は顧千帆の期待に応えたいという。「でもここの運指が…どうも変だけどよく分からない」すると三娘は沈如琢(シンジョタク)に相談してはどうかと言った。引章は誤解だと焦ったが、三娘はパンRが欧陽旭とのことを終わらせたように、引章も過去を忘れるよう助言する。「だけど私はもう純潔とは言えないし…」「私なんて子供まで産んだわよ?! 嫌われると勝手に思い込まないで、色々な経験がある女子を好む人もいるわ」三娘は茶坊で良い人が見つかるかも知れないと冗談めかし、残り物の菓子を今回のお礼として杜長風に届けることにした。つづく( ̄▽ ̄;)え~何だか引章が可哀想なような…で、この曲はこれでいいの?
2023.05.03
コメント(0)
君九龄 Jun Jiu Ling第28話「不穏な戦況」陸雲旗(リクウンキ)は太医・江友樹(コウユウジュ)を詔獄(ショウゴク)に閉じ込めた。宮中から所在を聞かれた時は難病を患った罪人の診察を頼んだと説明すればいいという。「住み込みで治療に励んだのだ、続きは分かるな?」「治療の最中、病を移され亡くなったと…」陸雲旗は独りになると思わずつぶやいた。「私の女を陥れようとするからだ」朱瓚(シュサン)は北祁(ホクキ)が開戦準備を始めたと知り、皇帝に謁見した。「どうか私を北方にお戻しください!」しかし楚譲(ソジョウ)は成国公(セイコクコウ)を弾劾する上奏文を投げつけ、また戦をして私腹を肥やすのかと激高した。朱瓚は全て讒言(ザンゲン)だと否定したが、結局、司牧監(シボクカン)に追い返されてしまう。一方、君九齢(クンジゥリン)は痘苗(トウビョウ)の問題を解決するため、柳児(リュウジ)と陳七(チンシチ)をお供に北方へ向かっていた。すると警護の雷中蓮(ライチュウレン)が武徳司の追っ手が現れたと馬車に知らせる。しかし見たところ武徳司が動く様子はなく、九齢はそのまま北へ急いだ。都の九齢堂は薬鋪として忙しい毎日を送っていた。するとようやく九齢から文が届き、方錦繍(ホウキンシュウ)は痘苗問題が解決したと分かって安堵する。実は種痘(シュトウ)の方法を学んだ医者が欲を出し、無断で痘苗を作ったことが原因だった。司牧監に戻った朱瓚は張宝塘(チョウホウトウ)、李三氷(リサンヒョウ)と接触した。九齢は痘苗問題を解決したが、その後、行方が分からないという。朱瓚は恐らく武徳司から身を隠したと気づいたが、離れているだけに心配は尽きなかった。その頃、陸府では楚九黎(ソキュウレイ)が風邪で寝込んでいた。太医は養生すれば治ると安心させ、薬を煎じに向かう。「公主、お身体を大切になさいませ、懐(カイ)王のためにも…」「分かってる…九齢から私たちの世話を頼まれたのね?」「いいえ、九齢は何も…」「ではあなたに感謝しなくては」陸雲旗は回廊で独り物思いにふけった。…九齢、九黎公主に感謝された、君の頼みかと聞かれたよ、全ては君のためだと知ったら君は感激してくれるだろうか、いずれにせよ君を愛している、君に少しでも似ている者なら何が何でも捕まえて絶対に離さない…↓( ̄ー ̄ )フッ…ってどうした?w黄誠(コウセイ)は復讐のため北祁と通じていた。郁遅海(イクチカイ)は黄誠の策のお陰で真定(シンテイ)の3郡が手に入ると喜んだが、黄誠は機嫌が悪い。成国公は北祁に葬られるどころか、怒涛の速さで駆けつけ、河間(カカン)府を奪還していた。しかし郁遅海は北祁王の命令で和議を結びたいと申し出る。黄誠は和議を結んだら息子の敵を誰が討つのかと憤り、しかも成国公の功績になってしまうと焦った。そこで一度、死に物狂いで戦ってみろと煽る。「即断即決が肝心だぞ?」北祁が宣戦布告、国境に迫った。しかし成国公の猛攻で雄(ユウ)州では惨敗を喫し、こう着状態となる。郁遅海は玉璽(ギョクジ)を手土産に黄誠を訪ね、策を授けて欲しいと頼んだ。すると黄誠は天侑(テンユウ)の泣き所である開徳(カイトク)府を襲撃するよう指示、必ず皇帝は成国公を呼び戻すという。「知略に長けた黄大人こそ天侑の君主にふさわしい」「都督、忘れるな、必ず朱山(シュサン)と息子を殺すのだ」朝廷に開徳府が襲撃されたと一報が届いた。かつて開徳府に侵攻した北祁は都まで南下し、太上皇が捕らわれて殺された苦い過去がある。仕官した寧雲釗(ネイウンショウ)は今回も進軍経路と戦術が同じだと知り、そんな偶然があるはずないと怪しんだ。黄誠は直ちに成国公を呼び戻すよう嘆願したが、寧炎(ネイエン)は北方が取られてしまうと反対する。一方、戦況を知った朱瓚は開徳府への襲撃が罠だと気づいた。目的は父の軍のかく乱だろう。もはや一刻の猶予もないと悟った朱瓚は馬を全て逃し、どさくさに紛れに脱出した。楚譲は自分の命を惜しみ、成国公を呼び戻すよう命じた。その最中、朱瓚が逃げたと急報が舞い込む。楚譲は朱瓚の逮捕を命じたが、陸雲旗は配下に武徳司が必ず先に捕らえるよう指示した。九齢は北祁が宣戦布告したと知っても引き返さず、種痘を広める旅を続けていた。村人たちには成国公が民を思って自分を遣わしたと説明、安心して接種するよう訴える。すると次の村へ移動中、武徳司が再び九齢を見つけて後を追って来た。その時、偶然、賊たちに追われる成国公夫人を目撃する。九齢は武徳司を利用しようと思いつき、雷中蓮たちを連れて馬で現場へ駆けつけた。雷中蓮たちも加勢して賊に応戦した。すると九齢を追っている武徳司が現れる。賊たちは援軍が来たと誤解、慌てて撤収した。九齢は足をくじいた朱瓚の母を介抱した。聞けば郁(イク)夫人は大名府へ行く途中だという。雷中蓮は賊ではなく北祁人だと報告、すると九齢は納得し、行き先を大名府にすると伝えた。「急ぎ出発しましょう…夫人、お送りします」そこで九齢はこれを機に武徳司と接触した。「陸大人はいつ私を捕まえるつもり?」「そんなつもりはない」「おお?じゃあ護送が目的なの?…それならよろしく頼むわね」金十八(キンジュウハチ)は統領からの命のため、ただ黙って九齢についていくしかなかった。開徳府を目指していた朱瓚は敵兵の部隊が占拠した村を見つけた。そこで人質になった女たちを解放し敵兵に応戦、すると三氷が現れ加勢し、敵兵を一掃する。「宝塘は仲間と開徳府に向かった、君小姐の続報はない」朱瓚は九齢が心配だったが、ともかく急いで開徳府に向かった。成国公は皇帝の勅命を無視した。これを重く見た黄誠は反逆罪だと弾劾したが、寧炎は息子の危機より北方の侵攻を優先した成国公の忠誠心を訴える。しかしこれが皇帝の逆鱗に触れ、寧炎は停職処分、3ヶ月の軟禁を言い渡された。つづく( ゚ェ゚)そう言えばいつの間にか陳七が側近?w
2023.05.03
コメント(0)
君九龄 Jun Jiu Ling第27話「縁談の行方」君九齢(クンジゥリン)と行き違いになった方承宇(ホウショウウ)だったが、客桟で無事に再会した。嬉しさのあまり思わず九齢を抱きしめてしまう承宇、しかし九齢はまるで弟をあやすように背中を叩いて笑う。すると承宇は九齢が帰郷することを沢(タク)州中に知らせてしまったと明かした。「まったく大げさなんだから~」こうして九齢は懐かしい方家に到着、曹(ソウ)氏たちからも歓迎される。九齢は早速、錦繍(キンシュウ)から預かった土産物も渡し、今は錦繍もすっかり立ち直ったと安心させた。一方、ひと足先に実家に戻った寧雲釗(ネイウンショウ)は九齢が帰郷したと聞いて驚いた。なぜ急に気が変わったのだろうか。すると父・寧異(ネイイ)が駆けつけ、この機会に雲釗と九齢の縁談話を進めたいという。「種痘で名を上げた君小姐が嫁いでくれたらどれだけ名誉なことか」「…そういうことですか」雲釗は正直に自分の想いを告げたことがあったが、きっぱり断られたと明かした。その頃、朱瓚(シュサン)は黄誠(コウセイ)一派ばかりの司牧監(シボクカン)で大人しく馬の世話をしていた。すると張宝塘(チョウホウトウ)と李三氷(リサンヒョウ)が潜入、馬屋にいる朱瓚と接触する。実は黄誠が通っている書店を調べたところ、店主の張思明(チョウシメイ)は北祁(ホクキ)が送り込んだ密偵の可能性があるという。驚いた朱瓚はすぐ父に知らせ、書店の動きを見張るよう頼んだ。「二哥、それから君小姐は無事に沢州に到着しましたよ」「うん、陸雲旗(リクウンキ)から守ってやってくれ」寧雲釗は方家に九齢を訪ねた。急に戻った理由を聞かれた九齢は陸雲旗の件だと認めたが、本当は朱瓚のためだと明かせない。そこへ徳盛昌の仕事を片付けた方承宇が土産を持って帰って来た。雲釗は九齢に一緒に都へ戻らないかと誘ったが、嫉妬した承宇は具合の悪い母親を置いて戻れば親不孝だと牽制する。すると九齢も一理あると賛同し、こうして自分たちが会うことも迷惑をかけると言った。「婚約の話は偽りだと話した方がいいわ」「いや、それこそ母が具合が悪いのに親不孝と言われ兼ねない」九齢は自分を助けてくれた寧雲釗に改めて感謝し、見送った。寧公子の来訪が面白くない方承宇、すると九齢からなぜ寧雲釗に意地の悪いことを言ったのかと叱られてしまう。「あいつは嫌いだ、寧家には恨みがあるし…」「もう済んだことよ?それに婚約のことは私を助けるためにしたことなの」「…分かったよ、もうしない」しかし雲釗は方承宇も九齢を好きなのだと分かった。その夜、都の錦繍から知らせが届いた。朱瓚が無事に詔獄(ショウゴク)を出て司牧監へ送られたという。しかし思いがけず河北西路(カホクセイロ)で子供が種痘で死んでいると知った。九齢はすぐ現地へ行くと決めたが、ちょうど増兵を始めた北祁に近く、承宇は危険だと反対する。「だからこそ種痘のことで心配をかけられない、原因を確かめなくては」すると柳児(リュウジ)がやって来た。何でも寧家の老爺が婚姻について明日、話し合いたいと言ってきたという。寧異は息子が止めるのも聞かず、方家を順徳(ジュントク)楼へ招いた。雲釗と九齢はひとまず別室で待つことになり、寧異は曹氏たちと縁談を進めることにする。しかし曹氏は今や山陽(サンヨウ)県主に封じられた九齢の縁談を勝手に決めることはできないと難色を示した。するとのけ者にされたと知った寧夫人が押しかけて来る。寧夫人の態度は相変わらず、九齢が状元(ジョウゲン)になった息子にまとわりついていると嫌味を言った。曹氏は当主の顔を立てて来てみたが、やはり九齢が縁談を破棄した時点で寧家との縁は切れたと実感する。「せっかくお招き頂きましたが、この話はなかったことに… いくら良い婿殿でも、姑がこの調子ではあの子の両親に顔向けできません このような態度では婚姻など無理です」寧異は妻を制したがもはや手遅れ、曹氏たち取りつく島もなく帰ってしまう。一方、寧雲釗は九齢が危険を承知で河北西路へ向かうと聞いていた。「痘苗(トウビョウ)の件を調べに行くわ、民心と軍が安定してこそ国を救える」雲釗は九齢の志に感服し、無事を祈って献杯した。「私は母の具合が良くなったら都へ戻るよ…だが朝廷で自らを保つのは難しいようだ 学問を修めて役人になっても堕落する者ばかりだ」「官たる者、民を思う心を礎とすべきよ、それがあってこそ事が成せる 時に回り道になっても礎さえ堅固であれば大丈夫」「九齢…君が男ならきっと名宰相になっただろう」すると雲釗はもう一度だけ九齢への想いを告白した。孤独だった雲釗にとって九齢との出会いはかけがえのない縁、しかし九齢はやるせなくなって話を遮ってしまう。「許して、でも希望を持たせぬようきっぱり断る方がいい、それが相手のためだと思うから」「大丈夫だ…思う人ができたのは苦痛ではなく天の恩恵、君小姐、安心して」雲釗は九齢が大変な時には是非、手伝いたいと申し出た。↓寧公子を泣かせちゃう9ちゃんェェェ…その頃、宝塘と三氷の報告を聞いた朱瓚も北祁が開戦準備を始めたと気づいていた。先の皇帝なら一歩も譲らなかったが、楚譲(ソジョウ)のこと命を惜しむだろう。何より密偵と通じている黄誠が和議を言い出す可能性もあった。「陛下に会う、らちが明かぬなら北方に戻る」寧異は良縁が夫人のせいで台無しにされ、落胆して屋敷に戻った。しかし雲釗はそもそも九齢にその気がなかったと話し、結局、縁談は流れてしまう。一方、承宇は九齢の出発準備を手伝いながら、縁談がどうなったのか聞いた。「子供がそんなこと気にしないの」「子供扱いして」承宇は九齢への想いを伝えたかったが、肝心の九齢は自分を弟としか見ていないと分かった。九齢は雷中蓮(ライチュウレン)率いる警護隊に守れ旅立った。今やすっかり腕も治った雷中蓮、実はこの防御陣型はあの時、令九(レイキュウ)から学んだものだという。九齢はふと空を見上げ、朱瓚も北方の状況を聞けば帰りたがるはずだと思いを馳せた。方玉繡(ホウギョクシュウ)は弟が結局、九齢に告白できなかったと知った。しかし承宇は恋心を封じ、良き弟として一生、九齢を守れればいいという。「気持ちを尋ねたら、その幸せも失ってしまうから…」太医院にも内密に痘苗で十数人が死んだと報告が舞い込んだ。馮(フウ)大夫は調査をしてから報告するつもりだったが、太医たちは隠すつもりだと勘繰る。江友樹(コウユウジュ)は君九齢を追及する好機を逃すまいと、早速、武徳司(ブトクシ)に駆けつけた。「明日、朝議の場で上奏してください」事情を聞いた陸雲旗は承知したが、江太医に頼みがあるという。江太医と弟子は詔獄に案内された。すると牢へ入るよう促され、いきなり閉じ込められてしまう。「陸雲旗!勝手に投獄するとはどういう事だ?!」しかし鬼手(キシュ)は無駄に体力を使わない方が良いと不気味に笑った。つづく( ๑≧ꇴ≦)えー!ルールーどうするつもりだ?!
2023.05.02
コメント(0)
梦华录 A Dream of Splendor第19話「″帽妖″現る」趙盼児(チョウパンアール)と顧千帆(コチェンファン)はその夜、半遮面(ハンシャメン)で落ち合った。すると顧千帆は申し訳なさそうに実は婚約していたことがあると打ち明ける。パンRはならばおあいこだと笑ったが、顧千帆にとって至って真面目な話だった。「相手とは面識もない、祖父が決めた縁談だ、だが皇城司(コウジョウシ)入りを理由に破棄された これまで色恋とは無縁だったし、信じぬだろうが私は女子を知らぬ、遊んだこともない」そこでパンRも真面目に答えた。「私は9歳で賎民になった、母の臨終の言葉がずっと胸に残っている ″官妓として秀でるほど悲惨な人生をたどる″と… だから生まれ持った琴(キン)や絵の才能を必死に隠して来たわ ただ舞はあまりに下手だったから女将に帳簿つけを習わされたの、ふふ 16歳の時、父のかつての配下が私を良民にしてくれた おかげで色を売る定めから抜け出し、それから商いを自学したの… 欧陽旭(オウヨウキョク)とは清い付き合いだったわ」※唇を重ねる二人…からの金魚 ←何これ?w顧千帆は肌身離さず持っていた珊瑚のかんざしを贈った。「ずっと持っていたの?あの時@3話から下心があったのね?…ふふ」するとパンRは半遮面を大きくしたいと夢を話した。以前に賭けをしたが、元手なら回収し、損失も出していないという。「出してもいいさ、君の銭も同然なんだから気にするな」←なんだそりゃw一方、正装した宋引章(ソウインショウ)は沈如琢(シンジョタク)が待つ金明池に出かけた。沈如琢は引章との舟遊びを楽しみにしていたが、引章は相変わらずそわそわして落ち着かない。すると沈如琢が席を立ち、引章の警戒を解くように笛を吹き始めた。引章はすかさず笛に合わせて琵琶を弾くと、2人の美しい演奏が川面に広がって行く。その様子を双喜(ソウキ)楼から池蟠(チハン)と張好好(チョウコウコウ)が見ていた。好好は引章を見初めたのが遊び人の沈如琢だと知り、パンRの耳にも入れておくことにする。しかしパンRを敵視する池蟠は絶対に知らせるなと釘を刺した。「趙盼児め!妹分が辱められた時にどう出るか楽しみだ…いいか?もし知らせたら我々は終わりだ!」「約束よ?」「ちっ!…はあ?約束だと?!」沈如琢は引章を岸まで送り届け、かんざしを返した。「次はいつ会える?君は毎月9日と23日に教坊司に赴く…では5日後に」すると有無を言わせず、次は楽新(ラクシン)楼で馬に乗ると決めてしまう。強引な沈如琢に気後れする引章、しかし次第にその存在を意識するようになっていた。その夜、パンRは顧千帆と小舟でのんびりくつろぎながら、酒楼の構想を話した。「もしもの話…あなたの妻になっても商売を続けていい?」「君の好きにすればいい、それより″もしも″なんて言うな、必ず君を娶るんだから」しかしパンRはやはり商人を娶れば官吏の名折れになると心配した。顧千帆は法で禁じられているわけでもなく、言官(ゲンカン)も皇城司には盾つかないという。「私はあなたにどう恩返ししたらいいの?銭も権力も家柄も何も持っていないのに…」「支え合う仲だろう?恩返しは無用だ」←なんだそれ?w※唇を重ねる2人…からの蛍w顧千帆はパンRを屋敷まで送り届け、しばらく会えそうにないと伝えた。南方での″帽妖(ボウヨウ)″騒ぎで雷敬(ライケイ)から緊急令が出たという。帽妖とは帽子の形をした空飛ぶ妖怪のことで、昨晩はいよいよ都から50里の祥符(ショウフ)県に現われた。「片付いたら一緒に母の墓参りに行こう、媒酌人を通じて縁談を申し入れる」しかし今はまだ大っぴらにできず、雷敬が処刑されたら盛大に婚儀を執り行うという。「そうだ、存命の親族はいるか?」「没落時に離散したけど、洛(ラク)州の趙家の血筋だと聞いてる」「任せろ、皇城司に探せないものはない」パンRが顧千帆を見送ると孫三娘(ソンサンニャン)が駆けつけた。「求婚されたことを隠していたなんて…それでも親友?何があったの?」「誤解が解けてお互いの気持ちを確かめ合ったの」「正妻の座を?」「うん…でも引章にはまだ内緒ね?」すると三娘は引章が最近、沈如琢と懇意だと教え、パンRより先に嫁ぐかも知れないと笑った。パンRの幸せを心から喜ぶ三娘、しかし独りになるとふと複雑な想いが去来して涙してしまう。高慧(コウケイ)は欧陽旭(オウヨウキョク)に未婚妻がいたと知り、直接、趙盼児を訪ねることにした。しかし屋敷の前で急に腹痛に襲われ、春桃(シュントウ)に急ぎ外套(ガイトウ)を買ってくるよう頼む。すると偶然にも買い物へ行こうとしていたパンRが出て来た。「どうかしました?…中で横になっては?」パンRは月の物が来た高慧に自分の衣を貸した。「紅糖(コウトウ)水をどうぞ…黄芪(オウギ)と枸杞(クコ)を入れたから経絡(ケイラク)が調うの」高慧は亡き母が飲んでいた味だと思い出し、確かに腹痛が楽になったと驚いた。「母上は江南のご出身?月の物の時は皆これを飲むの」「(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン、出身は明州です」すると高慧は侍女が探していると心配し、後日に恩返しすると約束して帰って行った。桂花巷(ケイカコウ)に陳廉(チンレン)がやってきた。すると庭で水撒きをしていた葛招娣(カツショウテイ)が誤って陳廉に水をかけてしまう。2人は取っ組み合いの喧嘩になり、三娘が慌てて駆けつけ止めた。高慧は春桃とこっそり裏門から屋敷に入ったが、父に見つかった。高鵠(コウコク)は罰として2日間の外出禁止を命じたが、娘の衣を見て誰に会って来たのか察しがつく。そこへ使用人が文を届けにやって来た。すると高慧は欧陽旭との婚約なら解消しないと言い放ち、部屋に戻ってしまう。その晩、買い物に出かけた葛招娣は帽妖騒ぎに巻き込まれた。「帽妖だ!妖怪が出た!逃げろ!」ついに帽妖が都に現れ、街は騒然となる。その時、顧千帆率いる皇城司が駆けつけた。葛招娣は逃げまどう人々とぶつかり転んだが、陳廉が馬を止めて助けてくれる。顔を合わせれば小競り合いになる陳廉と招娣、しかし任務中の陳廉は普段の様子と全く違った。( ・`ω・´)<怪我は?フル(・_・ ))(( ・_・)フル陳廉は人々を解散させると、顧千帆を補佐すべく再び馬を駆けて行った。「…本当に皇城司だったんだ」パンRは買い物から戻った葛招娣から顧千帆が帽妖を追跡していたと聞いた。「屋根に飛び乗ると大きな音がして壁が崩れたんだ、陳廉もいたから無事だと思う」パンRは冷静を装い、実は顧千帆が茶坊の裏店主で、何度も助けてもらった恩があると教える。すると三娘だけはパンRの動揺を察し、引章たちを連れて部屋に戻ることにした。パンRは居ても立ってもいられず、顧千帆の無事を確かめに行くことにした。しかし回廊でばったり顧千帆と出くわす。「君の使用人があの場にいたと聞いた、それで息災を知らせに来たんだ」顧千帆は不安そうなパンRを抱きしめ、血にまみれるのは慣れているが、今はパンRという心配事があると言った。パンRは何も食べていないと言う顧千帆のために食事を作った。すると疲れて居眠りをしていたのか、顧千帆がハッとして目を覚ます。「夢でも見ていたの?」「…昔のことだ」パンRは胡辣湯(コラツトウ)を作った。羊肉の汁物にだんごと酢と胡椒を入れ煮込んだ料理で、辺境から戻った父に母が作っていたという。「胡椒は貴重よ、広州の御用商人からわざわざ取り寄せたの、あなたでなければこんなに入れないわ」顧千帆は汁物を飲みながら心が温まって行くのを感じた。これまで孤独だったが、今ではこうして寄り添ってくれる人がいる。その時、部屋の灯りに誘われて蝶が飛んできた。「あ!帽妖よ?ふふ」顧千帆は帽妖が出没した場所で見つけた小さな布を見せた。「絹ね?…火薬の匂いだわ」「帽子の形にして飛ばし、多数の民を殺めていたんだ 噂が噂を呼び、帽子型の妖怪ということになったんだろう」「政局と何か関係があるのね」高官たちは数派に分かれて権力争いを繰り広げていた。皇帝は病弱で唯一の皇子・昇(ショウ)王はまだ12歳、政(マツリゴト)の代行はできない。そのため皇后が上奏文に目を通し、老臣の不満を買っていた。「数日前、また皇后に関する予言が広まった」あの時、顧千帆は″夜宴図(ヤエンズ)″を探し出すと同時に、予言を広めた者を捕らえるため銭塘(セントウ)へ行ったという。パンRは″天が君主の愚を示すため、妖怪を出現させる″という予言が第二の武則天(ブソクテン)を生まぬための牽制だと分かった。「目的は民を恐怖に陥れることではなく、皇后の失権だ」「夜宴図と関係があるの?」つづく
2023.05.01
コメント(0)
全35件 (35件中 1-35件目)
1