パクス・ジャポニカ Vol.2

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2009/10/05
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カテゴリ: 乗り物
お台場の「船の科学館」横の岸壁には、初代南極観測船「宗谷」が係留されています。

宗谷.JPG
一般公開されていて、船の科学館の入場券を見せると中に入ることができます。


宗谷の排水量は3,800tほどで、現在の感覚からするととても小さい感じがしました。
(今年就役した最新の二代目「しらせ」は、排水量12,500tと宗谷の3倍です)

宗谷の横に係留されている青函連絡船「羊蹄丸」と比べても、「よくこれで南極まで」という印象があります。
船の科学館羊蹄丸と宗谷.JPG
手前が宗谷で向こう側が羊蹄丸(船の科学館より)

北杜夫が昭和33年に水産庁の調査船「昭洋丸」に船医として乗組んだ体験を書いた「どくとるマンボウ航海記」には、宗谷のことが記されています。
昭洋丸がどんな大きさなのか実際に見に行った時のことですが、
「翌日出港するという宗谷の傍を通ったときは、それが小山のように巨大に見えた」そうです。
(ちなみに北杜夫が乗った昭洋丸は、排水量600tほどだそうです…)
宗谷も当時としては巨大な船体を誇っていたことでしょう。

宗谷後甲板.JPG
ヘリコプターを搭載していた後部上甲板。


船内に入ると、船室なども当時のまま保存されていましたが、やはり今の時代となっては、お世辞にも快適と思えるものではありませんでした。

順路に従ってブリッジへ
宗谷ブリッジ.JPG
船の科学館で近代的なブリッジを見た後だけに、何ともレトロな感じがしました。
(伝声管があったりします)


ブリッジ内には実際に宗谷に乗務していた方がいて、話を聞くことができました。

日本から南極まではおよそ2ヶ月の航海とのことです。
途中シンガポールに寄港してインド洋を渡り、アフリカ大陸に沿って南下して、ケープタウンから南極を目指したそうです。
シンガポールからはずっと赤道上を航海するため、冷房設備のなかった当時はとても大変だったとのことでした。

また喜望峰から南極まではずっと暴風雨が続き、船体が最大で32度傾いたそうです。
南極に行くまでの間に、想像を超える苦労があったことでしょう。


元々宗谷は南極観測船としてではなく、旧ソ連からの発注により貨物船として、昭和11年に建造されました。
第二次大戦の状況の中で、結局はソ連に引き渡されることはなく、民間の貨物船「地領丸」として竣工しています。

その後は帝国海軍の軍艦「宗谷」と改名され、戦時中は耐氷能力を持つ輸送艦として運航していました。

戦争が終わって昭和31年の「地球観測年」になると、南極観測船として選ばれたのが宗谷でした。
大幅な改造と船体補強が行われ、昭和32年に第一次南極観測隊を南極へと運んでいます。
(樺太犬のタロとジロを運んだのも宗谷です)

宗谷は通算6回の南極往復航海を行いましたが、氷の中で動けなくなってソ連やアメリカの砕氷船に救出されることもしばしばあったようです。

そして昭和37年に南極観測からは退役して、南極観測船は「ふじ」に譲られました。
その後は巡視船としての任務につき、流氷に閉じ込められた漁船を救出するなど、南極観測船の名に恥じない活躍を見せています。


宗谷は昭和53年に完全に退役し、現在はお台場の「船の科学館」の横で、最新鋭の貨物船が往来する東京湾を見つめるように係留されています。
宗谷全景.JPG
宗谷全景。
後ろが船の科学館です。





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最終更新日  2017/08/27 07:28:04 AM
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