日本版レコンキスタ宣言   旅立った孫と子孫への私の人生卒業論文

日本版レコンキスタ宣言 旅立った孫と子孫への私の人生卒業論文

2022.11.17
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カテゴリ: 世相について
北海道新聞より

11月19日は国際男性デー。1999年にカリブ海の島国トリニダード・トバゴで始まり、近年は国内でも講演会などのイベントを開く自治体があるなど、注目を集めつつある。男性の健康に目を向け、ジェンダーの平等を促す日と位置づけられたこの日は「らしさ」を常に求められてきた男性の生き方を考える日とも言える。「男は弱音を吐かない」「男が稼ぐべきだ」という考え方はいまだに根強く残り、無言の圧力となって個人にのしかかる。その結果、長時間労働やパワハラなどの不合理な状況に置かれても我慢し続けてしまい、心身のバランスを崩してしまう。「男らしさ」の押しつけに苦しんできた男性たちを取材した。(有田麻子)

札幌市内のコールセンターの契約社員だった男性(44)は2018年冬のある日、会社へ向かう地下鉄の車内で、心臓がバクバクし始め、身動きが取れなくなった。「すごく怖い」。パニック発作だった。やっとの思いで降車し、ベンチでしばらく呼吸を整えた。

 体を酷使している自覚はあった。午前7時に家を出て、1時間かけて出勤。24時間稼働のシステムの保守点検作業を担っており、週6日、午前2時まで働き、ホテルで寝たり、自腹でタクシーで帰宅したりする日々が続くこともあった。倦怠(けんたい)感とめまい、片頭痛に悩まされ、とにかく休みたかった。

 当時は専業主婦の妻と小学生の息子2人の4人家族。生活の安定のために正社員を目指していた。上司に出社時間を遅らせたいと相談したが「正社員を目指しているんだよね?」と言われて何も返せなかった。

 体がつらいので仕事を休みたいと妻に打ち明けた時、妻は「それじゃ困る」と答えた。その後、義父から電話で「一家の長として責任を果たせないなら、けじめをつけてくれないか」と離婚を迫られた。結局、仕事を辞め、妻と離婚し、息子たちの親権を失った。精神科でうつ病と診断され、今も症状に悩んでいる。

 当時を思うと、無念さがよみがえる。「結婚後の自分の人生の7、8割は、男だからというだけで自動的に決定されていたと思う。収入の柱になること、良い父親になること。本当はもっと育児も家事も楽しみたかったのに、妻ときちんと話し合いができなかった。自分の中にも『男は強くあるべきで、稼いで当たり前だ』との意識があった」と男性は振り返る。

 男性は今、生活保護を受けながら、精神疾患の当事者らを支援する北海道ピアサポート協会(札幌)で、自らの体験を生かして仲間を支える「ピアサポート」の担い手になるため、研修を受けている。

 ジェンダーの平等などを掲げて活動する一般社団法人「Lean In Tokyo(リーンイン東京)」(東京)が2022年8~10月に国内に勤務する男性435人に行った調査では、職場で「男だから」という固定観念により、生きづらさや不便さを感じると答えた人は約4割だった。

「男だから生きづらい」と感じる具体的な内容として20代で最多だったのは「昇進に対して野心的でいなければいけない、競争に勝たなければいけないというプレッシャーを感じるとき」、30代、40代は「収入が高く安定的な職業・職種を選ばなければいけないという意識」。50代は「周りに弱みを見せてはいけないという意識」、60代は「ストレスのかかる業務や危険な業務が男性に割り振られること」が上位だった。

 釧路市内の公務員の男性(33)は、小さいころから母親に「おまえは男だから、いずれ家族を養うんだよ」と言い聞かされて育った。20代後半、職場でのパワハラを我慢し続け、眠れなくなり、うつ病に。付き合っていた女性が、結婚後も見越して「私も稼いでいるし、仕事を辞めたら」と言ってくれた。仕事を辞めるか迷っていると母に告げると、電話で「ヒモになるのか。そんなふうに育てた覚えはない」と言われ、ショックを受けた。

 体を壊してまで、男は働き続けないといけないのか―。その後も仕事を続け、うつ病は改善。女性と結婚し、子どもが生まれた後、上司に育児休業の取得を申請すると、「男のくせに」と嫌みを言われた。男性は「女性は仕事を辞めてもヒモと言われないし、育休も当たり前に取っている。女性ばかりがひいきされていると感じる」と憤る。

男性学が専門の大妻女子大学准教授の田中俊之さん(47)は「『男は一家の主として稼ぐべきだ』という考え方は、意識の問題だけではなく、男女間の賃金格差が大きいという問題でもある」と分析する。男性の賃金が女性よりも高いという状況があるために、人々は「男性が働いた方が収入が多くなる」と考え、男性が家計の収入を稼がなければならないという空気感をつくり出すという見立てだ。田中さんは、ジェンダーバイアス(社会的・文化的な性差別や偏見)を解消していくとともに「男女平等の労働環境を作る必要がある」と指摘する。

 生きづらさを感じる男性に対してのアドバイスとして、「自分自身を縛る『男たるものこうあるべきだ』といった固定観念は手放していい。周囲からのプレッシャーでつらいなら、自分の言い分をきちんと伝えること。波風が立つかもしれないが、ちょうどいいあんばいを話し合いの中で見つけていくことが大切」と助言する。

■心を健やかに保つためのヒントは
 札幌市中央区で心理カウンセリングルーム「銀のすずプレミアム」を運営する公認心理師、土井裕さん(56)に、男性の悩みの傾向や、心を健やかに保つためのヒントを聞いた。

カウンセリングに訪れる男性たちの、職場や家庭での悩みを掘り下げていくと、「男性はこうあるべきだ」という考え方にぶち当たることは多々あります。たとえば、男は弱音を吐かない、感情を出してはいけない、という考え方により、人間関係がうまくいかなくなったり、仕事をため込んでしまったりと、好ましくない結果に結びついてしまうのです。

 社会のひずみによる不公平感も関係していると思われます。かつて男性は家族のために大黒柱として働くことで、尊敬され、家長としての威厳を保っていました。近年では妻も経済力を持ち、夫の威厳は失われる一方で、職場での労働時間は依然として長く、その上家事と育児を担うことが期待されています。

 「こんなに頑張っているのに誰もわかってくれない…」と閉塞(へいそく)感を抱え続けた結果、上司の叱責(しっせき)など、何らかのきっかけで心のバランスを崩してしまうのです。

 そうなる前に、家庭でも職場でもない場所での人間関係を、広く浅く築くことを勧めています。利害関係のないところで、世間話や愚痴を話せる環境を作ることが大切です。また、「負の感情を表に出していい」と知り、その時々に感じたことを言語化し、ため込まないことも、心の健康には重要です。

---------------------------------私の意見-------------------------------
こういう記事を見ると私は古い人間なんだろうなと思う。家族を養うことは当然のことだと思っているし、仕事が趣味みたいなものだし、クレームこそ最大のビジネスチャンスという考えだし、頼りにされていると感じる時が一番嬉しく感じる。

私が尊敬する土光敏夫さんの格言に以下の言葉がある。

会社に来て自分の仕事をすることが、極上の道楽である。



私はこの身体が擦り切れるまで、極上の道楽をしていこうと思う。

また土光さんの格言に以下がある。

今日という日に全力を傾ける。
今日一日を有意義に過ごす。

これが私の座右の銘である。


たった一度切りの人生なのだ。





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最終更新日  2022.11.17 18:30:06
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