トカトントン 2.1

トカトントン 2.1

2005/06/11
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カテゴリ: テレビ番組
■ハードディスク・レコーダーに撮りだめてある番組がそろそろ満タンになって、次の番組予約ができなくなってきた。DVDに落とせばいいんだけど、そういうところ結構だらしなくて、ついつい後回しにしてしまう。でもって、何を消していこうかなんてカチャカチャやっていたら、これ見ちゃいました。そして結局まだ消せません。

■木更津キャッツアイ、全9回の中でやっぱ、一番インパクトがあったのはこの第7話。官九郎さん自身が初めて演出もした回なんですよ。見ていてつくづく思うのは、この子たち、本当に楽しそうだなぁって感じ。もう画面一杯にそういう”今面白いことをやっている喜び”が溢れ出て見える。ぶっさん、バンビ、アニ、マスター、うっちーの5人が野球やったり、ビール飲んだり、はしゃいだり、しんみりしたり、あの木更津を舞台に繰り広げられる物語なんだけど、実は彼らが怪盗団で、毎回何らかのミッションを与えられてその仕事をなしとげるわけだな。そうか、そういえばこのシチュエーションは「傷だらけの天使」だったのか。

■で、この回は氣志團登場で甘えん坊ハウスの存続の危機をキャッツアイが救うという話なのだ。もう細かい設定は全部無視。氣志團6人が全員ローズの子供(ジャクソン・シックス)だって、あの振り袖が2000万円だって、加藤鷹(最初福山かと思った)が木更津までベンツでモーコを送ってくれたって、そんな事たちに、いちいち突っ込んだって意味がない。

■このドラマ、設定はそんな風にありえないもの、ことばかりなのに、そこでかわされる彼らのセリフの部分は妙にリアルだ。モーコと部屋でふたりきりになってしまったぶっさんがその気になって一線を越えようとすると、モーコが実は処女だと聞いて「最後の相手が初めてなんて・・・」って引いてしまう場面があるんだけど、この彼のセリフは彼女にしてみれば「初めての相手がまもなく死んでしまう」事の重さをおもんばかった実に素敵な表現だったりする。

■実際二十歳そこそこの頃の男の子は暇をもてあましているわけで、たまっちゃ、何か面白いことないかとか言い合っていて、かといって特別何をするわけでもなくて、いつも同じ服着ていて、あれ、あいつバイバイって言ったっけなんて、ひとりまたひとり帰っていくわけで。そんな気分が海と空しかないって感じの木更津って場所にすごくマッチしてて。この回でモーコが鷹さんと二人きりになった時に「東京に犯されるー!」って叫ぶところはなんかよくわかった。

■IWGPはストーリーを追いかけるドラマ、タイガー&ドラゴンは物事を考えて、当てはめようとするドラマであるのに対して、このキャッツアイは色んな事を感じるドラマであったと思う。自分が死ぬって具体的なイメージが湧かないぶっさんがオジーの死を経て、それがどういうものかを感じ取っていく。美礼先生と海岸でキャッチボールをしながら、セックスピストルズの話をするシーンがあった。別にそこでは何の教訓も語られていないのだが、彼の思いのある部分がちらっと垣間見られる感じがにくい。

■この回の好きなシーンはたくさんあるけれど、やっぱり、氣志團の前座で出たキャッツの歌う「木更津キャッツアイのテーマ」ですね。夏は潮干狩り、冬はオヤジ狩り、にゃにゃにゃにゃにゃにゃ♪ ぶっさんのタンバリンソロ、笑っちゃいました。そうそう実はモーコはオカリナが得意だったんですよね。そういえば、前座の彼らの後、場つなぎでステージに立ったのは”ぐっさん”でした。ものまね教室の先生もやっていましたが、この回は「かなり怒っている西城秀樹」、このシリーズ大好きでした。

■あらためて見てびっくりしたのが、中村獅童の犬島先輩。セリフなし。いつもヤスリを手に持って自分の犬歯を研いでいる人殺しの目をした謎の男。俺対俺のひとり野球大会。あの0対0はスコアボードに書ききれなくなるまで続いたのでしょうね。そうか、自分と自分じゃ勝ち負けつかないわけだ。

■磯山Pと官九郎さんの仕事は今のところ、全て素晴らしいと思う。それはおそらくこのふたりが、同じような感覚を共有しているからだと思う。たとえばこの映画の感じねって会話だけで話が進んでしまうような感受性。そしてエピソード選択のセンス。見ている人全部に伝わらないかもしれないが、これは絶対譲れないというものの同一感。結局二人とも、戻れるのならば戻ってみたい時間がとても似ているんだと思う。





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Last updated  2005/06/11 11:52:29 PM
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Dehe@ Re[1]:カルトQ 2005 北の国から(10/18) adventさんへ ご指摘の通りです。例によ…
advent@ Re:カルトQ 2005 北の国から(10/18) 五郎が読んだ大江健三郎> 開口健ではなく…
しょうゆ@ Re:家庭教師 / 岡村靖幸(09/09) …最後まで岡村靖幸はわからなかったのでは…
背番号のないエース0829 @ Re:ヒトラー 映画〈ジョジョ・ラビット〉に上記の内容…
Dehe @ Re[1]:センチメンタル通り / はちみつぱい(04/17) Mr.Zokuさんへ 情報ありがとうございまし…
Mr.Zoku@ Re:センチメンタル通り / はちみつぱい(04/17) 今年出た[Deluxe Edition]は聴かれました…

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