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山下達郎 サンデー・ソングブック

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山下達郎 サンデー・ソングブック JFN (TOKYO-FM系 全国38局ネット)毎週日曜日 14:00~14:55 山下達郎の個人コレクションを使って発信される日本最高のオールディーズ・プログラム!! 山下達郎 サンデー・ソングブック のオンエア曲を中心に。番組の雑感なども。



DJとしての山下達郎-その偉大なる功績

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山下達郎サンデーソングブックというページを作ったので、私が山下達郎ファンと思われる方がいるかも知れませんが、実はさほどファンという訳ではありません。(もちろん中には「PLEASE LET ME WONDER、REMEMBER ME BABY、ラブランドアイランド、悲しみのジョディ、、、(結構あるな)」など古い作品の中にはいくつか大好きなポップな曲もありますが。)

では何故このページを作ったかというと、番組で紹介される曲が素晴らしいからの一点に尽きます。私にとって山下達郎はミュージシャンとしてではなく、ディスクジョッキーとして最高なのです。もちろん彼は日本有数の才能あるミュージシャンなのでしょう。しかしこれまでNHKのサウンドストリートからサンデーソングブックに至るまで、数多くの世界的名曲を長年に渡って紹介してきたDJとしての功績は、ほとんど脚光を浴びていないような気がします。彼自身の音楽にスポットを当てたファンサイトなどは沢山あるでしょうから、ここではDJとしての山下達郎について、その功績などを語っていきたいと思います。


ゴルフをしない。

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2005年7月ぐらいの発言だったが、「ゴルフをしない。」という発言があった。ロックミュージシャンでゴルフをしないという発言はよくある話だと思うけど山下達郎氏から出てきたので意外だった。

番組内ではその理由については全く触れなかったけど、たぶん氏の信条なのだろうな。私もゴルフは嫌いだからしないが、たぶん多くのロック系音楽家が嫌う理由は美意識からだろうと思う。なんせ服装やらやってる人物の顔やらまるでロックとはかけ離れてる、ダサいセンスのオンパレードである。そのうえ如何にも権力、体制側の娯楽スポーツという匂いがプンプンする。会社の接待などに頻繁に使われるというのも大いにイメージダウンに貢献している。

だからロックミュージシャンなどでゴルフをやるような奴は信用できない。(そもそもロックというものに対する幻想などとうに皆無だけれど。)逆にゴルフは嫌いだからしない、という奴はちょっと信用出来る気がするな。

ロッキングオンの松村雄作も昔「一生ゴルフはしない。」と言っていたな。彼はその後もゴルフをしないでいるのだろうか?渋谷陽一なんかはゴルフをやってそうだな。岩谷宏は絶対しそうにない。大滝詠一はしそうな気がする。「ゴルフをする」あるいは「ゴルフは嫌いだからしない」ロック音楽家の一覧なんか作ると面白そう。どなたか情報知ってたら教えて下さい。


SOFT TOUCH / IS THIS THE WAY TO TREAT A GUY (SHOUT 259)'73

SOFT TOUCH

文句なしの甘茶ソウルの王様曲、いや女性ヴォーカルだから女王様曲ということにしておくか。人生でこれまで何十万曲を耳にしてきたか分からないが、間違いなくその頂点に君臨する1曲である。

甘茶ソウル、別名スウィートソウルは大抵がスロウなバラード系のものが多い。厳しく言うとスロウなバラードは誤魔化しが効きやすいとも言える。どんな駄曲でもスロウでメロウに歌えばそれなりに聞こえるものである。

しかしこの曲は見事にミディアムテンポでいて素晴らしく情感たっぷりにメロウな甘茶ソウルを体現している。しかも甘茶には珍しくポップである。プロデュースはニュージャージーの甘茶王GEORGE KERR。華麗で高揚感のあるコーラス&ストリングスアレンジはBERT KEYS。それにSYLVIAばりの囁き系の大甘ヴォーカル(誰?)。途中に入る語り、男性ヴォーカルや畳み掛けるドラムなどもメリハリをつけていてかなり良いセンスだ。それと何と言っても黄金律と呼ぶに相応しい大甘旋律だ。

残念ながらこの曲は7インチシングルでしか出ておらず、人気、レア度、値段も高い(それでも相場は5千円程度だと思う)。SOUL FROM THE VAULTという怪しげなコンピに一応収録されてはいる。驚いたことに先日、山下達郎のサンデーソングブックでオンエアされた。(次の週にはなんと THOMAS BAILEY / WISH I WAS BACK までもが!)何故か複数リクエストが来ていたそうな。実は私も昔この曲をリクエストして葉書が読まれたことがある。その時、山下達郎氏はお皿を持っておらず、知人に借りようとしたらケチなことに貸してくれなかったとか。


WILLIAM HART / FOLLOW EVERY DREAM (LORIMAR 8007)

william hurt

この曲を初めて聴いたのは山下達郎のサウンドストリートのスウィートソウル特集だった。当時受信の状態が悪く、雑音で雨が降っているように聴こえたものだが、まさに曲全体が雨でしっぽり濡れそぼっているかのような甘く切なく美しい曲だ。まず、イントロのなんとも静かで淡白な不思議なグルーブだ。この世のものとは思えない別世界、そう、まるで酸性雨が降りしきる未来のロス市街、ブレードランナーの世界だな、そんな場所にいるかのような錯覚に陥る甘茶ソウルきっての素晴らしいグルーブだ。静かで淡白なバックにあわせるかのようにウィリアムハートのあまーい歌声も淡白で繊細に夢の世界を歌い上げる。有名なデルフォニックスのヒット曲などと比べ、大味でないから全く飽きが来ない。残念ながらこのお皿はかなりレアで値段も高いようだ。山下達郎は当時この曲をおそらくほとんど新譜に近い状態でオンエアしたのではないかと思うのだが、ろくにヒットもしなかったであろうこのマイナー甘茶ソウル、20年以上経過した今聴いても全く輝きを失わない究極の甘茶ソウルを、しっかりとオンエアした功績は絶賛に値する。私にとっての山下達郎のオンエアNO.1曲だ。
(画像はこの曲が収録されている映画サントラ「The Fish That Saved Pittsburgh」)


リクエスト

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私には聴きたくても聴けない曲が山のようにある。しかし、サンデーソングブックへのリクエストは葉書でしか受け付けてもらえない。このメール全盛時にである。先日リクエストをメールでも受け付けるかどうかという問いかけがリスナー向けにあったが、返事は圧倒的に葉書を望む声が多かったという。当たり前じゃん。メールでの返事が出来ないんだもん(笑)。冗談で言っているのか既成事実を作るためだけに不誠実に言っているのか理解に苦しむ話である。一応何かの間違いかも知れないので書いておくが、 リクエストをメールで送りたい人の方が遥かに多い と思う。少なくともインターネットで今この文章を読んでくれている人なら100%そう思ってくれることでしょう。あーあ、メールにしてくれれば毎週沢山リクエストするのになあ。

LARRY WEDGEWORTH & CLIQUE NO MORE GAMES '80

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LET ME SHOW YOU で知られるLARRY WUのデビューシングルのようだ。NBAバスケットボールのチーム、あのラリーバードの所属したボストンセルティックスの応援歌。いわゆるダンスクラシック/ガラージ/サルソウルというよりもむしろモダンソウルファンが泣いて喜びそうなスーパーモダンダンサーだ。放送ではかなりのレア盤だというようなことを言っていた気がするが、リクエストする方もかける方も凄いな。タイトなリズムにお洒落なサウンド、伸びやかで艶のある声、華やかな女性コーラス、ストリングス。(途中に入る試合のナレーションが邪魔だけど)何よりもこんな大衆受けしそうにない曲を応援歌にしてしまうセルティックスも凄い。もう少しこういったダンサーをオンエアして欲しいものである。

この手のモダンダンサーをお好きな方にオススメな日本製アイドルポップがある。
『フィーバー 熱い気分のさめないうちに 穂口雄右作曲 '79』です。(詳細は アイドルポップの世界 へ)
生音で構成されたバックではタイトなドラムが実にカッコよく決まっている。アップテンポな曲調で、モダンダンサーそのものだ。手拍子の音も効果的で楽しさ、軽やかさ、ノリのよさを演出している。ちょっとお色気路線の歌詞を明るく元気に伸びやかに歌い、絶妙にポップな仕上げになっている。この数年後のシンセ/電子楽器時代の到来前夜の、まさに時代が生んだ奇跡の名曲といえる。「ガールグループ天国 VOL.2」で容易に聴くことができる。


Mighty Pope / Heaven On The Seventh Floor '77(PRIVATE STOCK 45,157) 05/10/16オンエア

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記録によるとこの曲がオンエアされたのはこれで3回目だ。伸びと張りのあるヴォーカルが魅力のこの曲は、(誰でしたっけ?)のカバーソングとのこと。いわゆるモダンソウルの範疇に入りそう。何気に山下達郎オンエア定番曲だが、収録アルバム「Mighty Pope '77(RCA I-0257)」はCD化はおろかカナダでしか生産されなかった代物で、U.S.BDGでも高沢仁氏のレア盤コーナーでのみ掲載されている超レアもののようだ。こんな普通では聴くことが出来ない名曲をオンエアしてくれてソウルファンとしては嬉しい限りだ。


山下達郎/ヘロンネタ 新山志保 / 青い空 青い海 作曲編曲/岩崎元是 '98 「ワイルドハーフドラマアルバム Encounter3 (KING/KICA-403)」収録

WILD HEART

山下達郎/ヘロンネタ曲。多くの達郎ファンはイントロが終わったら思わず「どんなにー」と歌いだしそうになってしまうことでしょう。岩崎元是さんはその筋では有名な大滝詠一フォロワー。ここでは思いっきり山下達郎/ヘロンやってます。しかーし、この曲はパクリとか真似とかそんなレベルを超越した原曲に勝るとも劣らない素晴らしい本物のアレンジを聴かせてくれます。心地よく響くエレピの調べ。深いエコーのかかった奥行きのあるトラックにメロディもなかなか高揚感のある良い出来。爽快なコーラスは達郎氏本人か?と一瞬思わせるほどで良い出来。欲を言えばカスタネットをあと20個ぐらい使って欲しかった(笑)。それとコーラスももっと全編に入れた方が良かったと思う。こんな素晴らしい曲が漫画のドラマCDだけにひっそりと収録されているだけなんて勿体無いな。


THE CHOSEN FEW / YOU MEAN EVERYTHING TO ME '75

chosen few

来ました!ついにこの曲がオンエアされました。お聴きになられた方は一体どんな感想をお持ちになられたのでしょうか?私も大好きな完璧甘茶ソウル。甘茶偏差値72の超ど級モノです。このお皿は甘茶ソウルファンには有名&人気でレア高値盤としても知られています。流石の達郎さんも持ってなかったとのことでしたね。全体的にとても大仰で華麗な雰囲気のこの曲はかなりメジャーな音作りで甘茶ソウルを初めて聴かれるような方にも非常に分かりやすいはず。ちょっと大味な味付けで飽きやすいかも知れないけどやっぱりいいよなあ。聴きなれた曲ながらラジオから流れてきたときは正直シビレましたよ。レゲエのグループでやはり甘茶ソウルのカバーの多い同名グループがあるんだけど、同一グループかどうかは不明。それにしてもBLACK IVORYもやっていた(76年 ブッダ盤)とは知りませんでした。


山下達郎サンデー・ソングブック・プレイリストのジャケット画像の保存方法

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以下の方法は、東京太郎さんのブログ 「山下達郎サンデー・ソングブック」 で教えて頂いた方法です。

方法その1

1.スマイルの公式サイトの曲目リストのページを、表示します。
2.そのページ(フレーム)のhtmlソースを表示させます。
 (ブラウザに「ソースの表示」というメニューがあるかと思います)
3.表示されたソースに、画像のURLアドレスが出ておりますので、それを探します。

 例:img/cd_cozy250.jpg

 上記のアドレスの頭に
 http://www.smile-co.co.jp/tats/pg/を付け、

 http://www.smile-co.co.jp/tats/pg/img/cd_cozy250.jpg

 という形にします。
 これが、画像への直接のアドレスになります。

4.そのアドレスを直接ブラウザで表示させて、デスクトップ等にドラッグして保存します。

方法その2

私(ZOUKY)のPC(WINDOWS XP)の場合、上記2のところで「ソースの表示」の替わりに「表示 → プライバシーレポート」というところを選択します。以下は同様にすれば出来ました。

以上、皆様どうぞ自己責任でご活用下さい。


芸術家の死と追悼

芸術家、多くは音楽家の死に際して常々思うのは、「みんな何でそんなことに大騒ぎするの?」ってこと。自慢じゃないが私はこれまで生きてきて音楽家の死を悲しんだことなど一度たりともない。

私にとって音楽家の死とは、その人物の作る音楽をつまらなく感じた時点を意味する。元々音楽を通じてしかその人物を知らないのだから「音楽の死=人物の死」と感じて当たり前。

なのでラジオ番組、ブログなどなどで音楽家が死んだからと言って大騒ぎする方々の様子を見ると「???」としか感じないのだ。

「あなたにとってその音楽家が今死ぬことはそれほど大騒ぎする程のことですか?」と問いたい。だってあなた、普段全くその音楽家の話もしなけりゃその音楽もほとんど聴いてないじゃない?あなたにとってその音楽家は既に死んだいたも同然なんじゃないの?それに仮にこの先何年かたってその音楽家が今よりも凄い音楽をあなたに届けてくれる可能性なんてどのぐらいあったのよ?

例えばネオアコで言うと、AZTEC CAMERAのRODDY FRAMEは19歳の最初のアルバムで衆目一致の生涯最高の傑作「HIGH LAND , HARD RAIN」を発表した。翌20歳で「KNIFE」を発表。この時点で弾けるような若さのエキスは既にほぼ消滅。23歳「LOVE」の発表で、この辺りからはもう若さのエキスのかげりも無く、フリッパーズギター言う所の「お付き合い、惰性で」聴き続けた方が多かろう。ネオアコ系バンドのほとんどはほぼ例外なく似たような経緯を辿っている。(イギリス人の老け込み方は凄く早い。)

私の場合「ポップさ」に若さのエキスを求める度合いが大きいからこれは極論と言えるかもしれないが、自分の中の「AZTEC CAMERA / RODDY FRAME」は19歳、せいぜい20歳で死んでしまった訳である。23歳以降は、いくら生きていられても(作品を発表され続けても)基本的には無関心、つまり実質的に「死」んでしまったのだ。

逆に言うと「19歳のAZTEC CAMERA / RODDY FRAME」は永遠に私の中に(今もこうして)しっかりと生きているのだから、彼の肉体的死、時間的死、歴史的死に頓着する/惜しんだり悲しんだりする/必要は全く無い訳である。


「シルバーブルーの奇跡」ビンゴ来ました!BINGO / WE CAN'T GET ENOUGH '73

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ビンゴ来ました!と言っても、甘茶ソウルグループのビンゴです。つい先日マスクマンのセレクトCDR「WE CAN'T GET ENOUGH」で話題にしたばかりなんだけど、まさかこれがオンエアされるとは、いやあ驚きました。リクエストする方もする方だけどかける方もかける方だね。緊迫感あるファルセットコーラスが実に素晴らしいミディアムダンサーだけど、この狂おしいほどの妖しい魅力を放つコーラスに一体どれほどのSSBリスナーがビビビビーンと雷に打たれただろうか。

この時期にオンエアということはMASKMANの影響かな。INVITATIONSやらEDDIE HOLMANやらマニア垂涎の甘茶ソウルを連発したSILVERBLUEレーベルだけど、なんと主催者はオカマで山下達郎氏も会ったことがあるとのこと。オカマということで妖しい魅力を放つグレイドの高いラインナップもこれで納得だね。

この日は同じく濃いソウル「PATTERSON TWINS / I NEED YOUR LOVE」もオンエアされたんだけど、この高揚感あるミディアムならフリーソウルファンにもいけそうだね。それにしてもこれのオリジナル皿はイギリスで500ポンドするそうです。知らなかった、、、。

必見!感動のクリスマス映像 Darlene Love "Christmas, Baby Please Come Home" X 3

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PHIL SPECTORの世紀の名盤 「A CHRISTMAS GIFT FOR YOU FROM PHIL SPECTOR」収録の
Darlene Love / Christmas, Baby Please Come Home のライブ映像がYOU TUBEで3バージョンアップされています。

原曲はフィルスペクターのWALL OF SOUNDで作られているため、ライブでこれを再現するには大人数での演奏が不可欠なのですが、ここでは見事に大人数編成でWALL OF SOUNDを再現しています。もちろん、楽器などは映像で見れる数の数倍あるのが理想でしょうが、それにしてもこれだけのスケールでの演奏を実現出来たということだけでも感動ものです。内容も60年代の原曲のムードをさほど損なうことなく再現されており。かなり感動的。特に2番目のバージョンではコーラス隊が黒人ばかりで、後半のコール&レスポンスの部分などゴスペルチックで嬉しい。私も参加したーい。

3つものバージョンがあることからおそらくアメリカではクリスマスの恒例興行となっているのでしょうが、採算を度外視してでもこれだけの人数を集める気概が嬉しい。かなり以前来日した某R&Bシンガーなんてバックバンド無しでカラオケ(しかも打ち込み(笑)。)で歌ったそうじゃない。情けないねえ。

ラジオで自分の名前が読まれたいという欲望 / SSB 95年5月28日

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山下達郎SSBを聴いててイヤに思うところは、誕生日代読メッセージなどで私にはどうでもいい個人名を延々聞かされること。それと、黙っててもオンエアされる山下達郎氏の新曲にリクエストしてくる方々。要は、ラジオで自分の名前を読まれたいのだろうが、悲しい人間の欲望を見せられるようでとても虚しい気分にさせられる。同様に思う人は私以外にも当然いらっしゃるようで、この日の放送でも同種の意見のハガキが紹介された。そしてその後に披露された達郎氏の逸話が笑えるものだった。達郎氏曰く、

「高校時代、なんとかして自分の名前がラジオのリクエスト番組で読まれる方法がないものか?といろいろ考えた。当時、オールナイトニッポンの電話リクエストでその週のビルボードのトップ3を紹介するコーナーがあった。ビルボードのトップ3ならFENを聴いていれば猿でも分かる。そんなのにリクエストするリスナーは番組の特質上ほとんどいない。これだったら絶対読まれる、と毎週リクエストした。私の意図がバレるまで6週間ぐらい毎週毎週確実に読まれた。天国でした。しかもヒドイ時には一日3曲とも読まれた、、、。だから(ラジオで自分の名前が読まれたいという欲望は)理解できる。別にいいじゃないか。」

うーん、笑えた。達郎氏の微笑ましい一面が垣間見れた感じ。でもやっぱり私は一曲でも多く自分の知らない名曲を聴かせて欲しいなあ。

山下達郎 / あまく危険な香り 山下達郎作曲編曲 (AIR RAS508)'82

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日本産甘茶ソウルと言えば山下達郎82年のこの名作。曲名もイカしてますね。同じ甘茶系シカゴソウル「CURTIS MAYFIELD / TRIPPING OUT」と全く同じゆったりとしたベースラインが印象的。曲全体に漂う浮遊感は両者共通ですが、達郎版の甘くまったりとした味わい深いメロディは黄金旋律と呼びたくなるほど出来がいい。達郎氏自身がカーティス・メイフィールドを敬愛している(ラジオでも特集をくんでいる)ことや、曲の発表時期、その印象的なベースラインなどから、この曲はカーティス版へのオマージュとして作られた、というのが音楽ファンの通説だと思っていましたが、、、。2007年3月25日の山下達郎SSBで次のような発言がありました。

【天地身命に賭けて「あまく危険な香り」は「CURTIS MAYFIELD / TRIPPING OUT '80」のパクリではない。RSO時代のカーティスはあまり好きではなくて「あまく危険な香り」を81年にレコーデイングするまでは、「TRIPPING OUT」は一度も聴いたことがなかった。リズムパターンは同じだけどパクリではない。むしろこれだけよく似たオケが作れたことを褒めて欲しいぐらいだ。】

そうだったのか!オマージュじゃなかったんだあ。これには意外でビックリです。しかし、オマージュはともかく盗作などという発言がそれほど大々的に話題になっているのを耳にしたことはないので、何故いま今回の発言があったのでしょう。ある程度音楽に造詣の深いものならば、「恋はあせらず」トラックの例を出すまでもなく、メロディはともかく、この種のトラックの類似性に盗作うんぬんなどと浅はかな発言をするはずもない。達郎氏も、パクリなどという品性の無い言葉でこれだけの名作を貶めようとする、音楽に造詣の浅い人間の言葉に耳を貸す必要は全くなく、又わざわざコメントする必要もなかったと思う。

ただし個人的には「では何故この時期にこれだけ似たトラックが出来たのか?」ということに関心が向きます。ソウルではよくあるトラックなのでしょうか?カーティス、山下達郎が同時に参考にしたであろう基幹トラックがあるのでしょうか?ご存知の方、教えて下さい。

その後 こちら でいくつか重要な意見を頂戴いたしました。「RAININ' THROUGH MY SUNSHINE」トラック曲について年代順に次のようにまとめることが出来そうです。

1.REAL THING / RAININ' THROUGH MY SUNSHINE '78
2.山下達郎 / RAININ' THROUGH MY SUNSHINE (STUDIO LIVE)'80.1.23
3.CURTIS MAYFIELD / TRIPPING OUT '80
4.山下達郎 / あまく危険な香り '82
5.小沢健二 / 天使たちのシーン '93.9.29
6.ORIGINAL LOVE / 接吻 '93.11.10


EUGENE RECORD / MOTHER OF LOVE LP(WB 3018)'77

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CHI-LITESのリード、ユージン・レコードのソロ第一作収録曲。個人的にはチャイライツ関連の甘茶ソウルの最高傑作と思っています。基本は静かな落ち着いた曲調。ユージンの抑制の効いたソフトなヴォーカルが冷ややかなシカゴの風に乗って揺蕩(たゆた)います。淡白な派手さの無い起伏の少ないメロディではありますが、その旋律は絶妙で素晴らしい曲線を描いております。

ムードだけは甘くて、なんとなーく静かで、なんとなーくソフトで、なんとなーく甘茶な感じがする中身の薄っぺらな凡百なメロディとは格が違う、超一流のメロディラインであります。更に後半で聴けるアレンジが素晴らしく、リード、シンセ、コーラス、それとエレキシタールっぽい「ピンピンピンピピン」という音が微妙にずれながら幾重にも重なり、共鳴しあう様はまるで万華鏡のような美しさです。

これほどの名曲でありながら、U.S.BDGでも甘茶ソウル百科事典でも特にこの曲は取り上げられていません。然しながら山下達郎氏が1984年5月17日のNHKサウンドストリートの「Sweet Soul 特集」でオンエアしています。こういったメロディラインが際立った曲を取り上げる、氏の審美耳は本当に素晴らしいですね。

一つ余談。もう時効でしょうから書きますが、当時のエアチェックを編集した自分のテープでは曲/アーチスト名が分からなくなっていて、長らく困っていました。そこで、 「ニフティサーブ FBEAT 11番会議室 ブルー・ラウンジ」 でこの曲のことを尋ねてみました。

「ピンピンピンピピン、ピンピンピンピピン。THERE'S A FATHER OF THE COUNTRY (?) ... と始まる山下達郎がオンエアした曲は何ですか?」

すると、暫らくしてから、なんと山下達郎氏の事務所の方がメールでEUGENE RECORDだと教えてくれたのです。でも、そのニフティのIDを持った方はユーロプログレファンだということなので、これだけの情報だけでこの曲のことが分かるはずがありません、、、。?!そうです、つまり結局のところ私に教えてくれたのは他ならぬ、この曲をオンエアした山下達郎氏ご本人だったのでしょうね。達郎氏も当時国内唯一のソウル部屋を覗いては楽しんでおられたのでしょう。達郎さん、その節はどうも有難うございました。


山下達郎 サンデー・ソングブック


山下達郎の音楽コラム(雑誌CUT連載)

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山下達郎氏は過去(1990年から1998年まで)、ロッキング・オン社の発行している映画系インタビュー雑誌CUTで音楽コラムを連載していました。落語好きとしても知られる氏の巧みな話術と面白い話の中身は、サンデー・ソングブックにおいて全く音楽を聴かない人さえも定期リスナーにしてしまうほど。単なる音楽家に止まらずマニアックな音楽愛好家、つわものレコード・コレクターとしても知られる氏のコラムですから、面白くないハズがありません。

既に連載が終了して10年が経過していて、ごく最近これらを読み返して思うことは、「サンデー・ソングブック」と違って辛辣な意見が多いな、ということ。さすが音楽批評誌であるロッキング・オンの流れを汲む雑誌で連載されていただけのことはあるな、と思わせる質の高い批評文が多く見受けられるのです。例えば、連載第4回目の「きちんと紹介されることの少ない音楽ヴィデオ私評。」から一部を引用すると。

「映画・演劇の批評にかけてはやたらと重箱の女性誌や情報誌も、レコードやミュージック・ヴィデオの紹介となると(特に私が買うような種類は特に)、何故か一転して妙にヨイショじみた感じばかりなのは、果たして無知無関心の故か、はたまた発売元の圧力か、さては内容についての情報を小出しにして無駄な買い物をさせ、その分売り上げを稼ごうという魂胆かなどと、つまらぬ深読みをしてしまう。」

といった感じ。まるで「絶望したっ!」の決め台詞で有名な 「さよなら絶望先生」 かのような皮肉と深い洞察とユーモアの入り混じった味わい深い文であります。ともすれば音楽家である自分に撥ね返りかねない、敵を作りかねないような客観的・中立的で辛辣な意見は実に好感が持てますね。もちろんそういう話ばかりでなく思わず笑ってしまうような面白い話が多いのですけどね。残念ながら未だ単行本化はされておらず、このことは連載の最終回でも触れられていて、 「雑誌メディアらしく記憶の彼方へ去っていくのがふさわしいのではと思っています。」 とのこと。うーん、残念。どなたか氏に単行本化を働きかけてくれないかしらん。

全ての連載のタイトル一覧はTATSURO YAMASHITA DISCOGRAFY SITEの 「CUT COLUMNS」 のページで見れます。全部で49回に渡っての連載ということになりますね。因みに個人的には「3,5,6,7,8,10,12,13,14,18,19,20,21,22,23,56,66」の各号のものが未読で抜けとなっているのですが、どなたか読ませて頂ける方がいらっしゃいましたら、どうかご連絡下さい。

MIDNIGHT STAR / LET'S CELEBRATE LP(SOLAR DRF-5109)'84

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U.S.BDG #436掲載のファンク・バンドの84年のアルバム「Planetary Invasion」収録曲。山下達郎もSSBで2回程オンエアしました。曲はイントロ当てクイズにも出てきそうな軽快なドラム音から始まる爽やかな甘めのバラード。所謂70年代の王道甘茶ソウルではないが、ファルセット、女性ボーカル?等で情感込めて歌われるメロディは心に染み入る内容。サビだけでなくAメロ、Bメロともなだらかできれいなラインを描きます。(達郎氏はムードよりも、こうしたしっかりとした職人技的メロディラインの曲を見つける才能がありますね。)

少し残念なのは全体に感じられる機械臭で、特にドラムの音は一聴すると聞こえはいいが、何度も繰り返し聞いていると耳障り。とてもいい曲なんだけど個人的に「生活の音」には成り得なく少し勿体無く思います。 「YOU TUBE」 で聴けます。

TYRON BRUNSON / LOVE TRIANGLE '87

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甘茶ソウル百科事典の掲載曲をコンプリートしようと、P.128掲載の小説「ゆうべの客」にチラっと出てくるこの曲までチェックしてる人はどのぐらいいるのかなあ。昨日(2010年5月16日)の山下達郎サンデーソングブックでオンエアされて、ピーン!と来た人はかなりマニアックですね。渋い雰囲気の87年作のR&Bっぽいこの曲は個人的には趣味じゃないけどグレイドはなかなかですね。なお達郎氏によると「 シングルバージョン は面白くなく、アルバムの ロングバージョン の方が説得力あるトラック」だとのことでした。共にリンクから「YOU TUBE」で聴けます。

プロDJとしての意識の高さ ブルータス 2018年2/15号 山下達郎のBrutus Songbook



サンデー・ソングブック25周年を記念して特集された雑誌ブルータスの特集号。P.18-P.91まで約73ページの特集記事になっています。作曲家特集の回などを文字起こししたようなページが中心ですがそれに加えて専門家による解説などがついていたりします。他には達郎氏のインタビューなども有ります。基本的にこれまでの集大成的内容なので昔から番組を愛聴されてきた人には特に目新しいものではないけれども、最近になって聞き始めた人にはSSBの過去を知るための良いガイドブックになるかも。(更に詳しく過去の番組内容を知りたい方には circustown.net さんの TATSURO On Air Program LIST のコーナーがお勧め。)

個人的にこの号で特に目についたのが、以下の達郎氏のインタビュー記事。要約すると、「15年くらい前に、かなりレアな曲のリクエストがあった。友達の友達のコレクターが持っていると聞いて「盤を貸して欲しい」と打診したらケチなことに断わられた。それ以来社会還元だと思って使命感からも高額皿でも買ってオンエアするようになった。」とのこと。これ、以前 こちら の記事にも書いたことがあるんだけど、実は私のリクエストなんですよね(笑)。そのレアな曲とは当ブログではお馴染みの「SOFT TOUCH の IS THIS THE WAY TO TREAT A GUY」です。

以前 「WESTMORELAND CO. / TOGETHER WE STAND」 の記事に書いた某ソウル愛好家から頂いた超悶絶級の甘茶セレクトテープの中にこの曲が入っていたんだけど達郎氏の指摘通り(笑)狙ったかのように音が悪かった。個人的に現在も甘茶ナンバーワンに位置するほど好きな曲なのでどうしても良い音で聞きたかったんだけど、当時は容易に聴ける手段など皆無に等しかったので達郎氏なら・・・と期待を込めてリクエストしたんですよね。だからラジオで名前を読まれた時は「キター!」と一瞬大喜びしたんだけど、残念ながらケチなコレクターにその想いを阻まれたと。その後某マニア向け通販でようやく購入できたんですけど、そのコレクター氏のお名前は知りたいものですねえ。いや、別に恨んでる訳ではなく先にソフトタッチに辿り着いていた先輩として敬意を表したい(笑)。番組でも何度か言われていましたが達郎氏の「持ってないお皿は他人に借りてでもオンエアする」というプロDJとしての意識の高さが伺える面白いエピソードに関われたことは、個人的にいい思い出です。

DEE EDWARDS / MR.MIRACLE MAN '80 「Two Hearts Are Better Than One」



60年代からシングルを残していたアラバマ生まれの女性ソウル歌手ディー・エドワーズの80年のアルバム「Two Hearts Are Better Than One」収録曲。作曲はWillie Hutch、プロデュースはソウル名曲の 「Elusions / I'd Like To Say I Love You」 を77年に手がけているMichael Zagerという豪華な組み合わせ。曲は溌剌とした雰囲気のミディアムテンポの軽快なソウル。全体を通して明るい雰囲気が好印象で、メロディも最初から最後までどこをとっても良質。アレンジもポップで実に聴きやすい。ソウルでタイトルにミラクルとつく曲には良曲が多いけど、これもその代表曲の一つと言えるでしょう。

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(高揚感) ポップ偏差値合計
8
8 8 7 7 9 8 9 5 69


山下達郎氏が1985年のNHKサウンドストリート「My Favorite Black Music (70's 80's)」の回にてオンエア。 この回 のオンエア曲は下記の通りだけど、情報の少なかった時代にこれだけ有名無名アーチストの濃厚な良曲を紹介していたのだから氏の良曲に対する嗅覚とセンスには改めて恐れ入る。幾つかの甘茶ソウルの特集回と並んで、この回も山下達郎氏の伝説のミラクル・プログラム回と呼べると思います。

Tina Turner / Sometimes When We Touch
Mighty Pope / Heaven On The Seventh Floor
Eugene Record / Trying To Get To You
Phyllis Hyman / You Know How to Love Me
Dee Edwards / Mr. Miracle Man
Lowrell / Mellow Mellow Right On
Margie Alexander / Gotta Get A Hold On Me
Rose Royce / Please Return Your Love To Me
Alexander O'Neal / A Broken Heart Can Mend
Bobby Womack / Someday We'll All Be Free

山下達郎が断罪!「AI美空ひばりは冒涜です。」

2019年の紅白歌合戦やNHKの番組で「AI美空ひばり」という企画があった。これはAI技術(VOCALOID)を用いて故人である歌手の美空ひばりさんの歌を再現し本人名義の新曲として歌わせたもの。これに対し山下達郎氏は2020年1月19日のサンデーソングブックでリスナーからの質問に答える形で以下の発言をした。


リスナー「単刀直入にお聞きします。昨年の紅白、AI美空ひばりはどう思われますか?私としては技術としてはありかもしれませんが、歌番組の出演、CDの発売は絶対に否と考えます。AI大滝詠一とかAI山下達郎なんて聴きたくありません。」


山下達郎「ごもっともでございます。一言で申し上げると『冒涜』です。」

短いやり取りだったけど、大物音楽家であり大の音楽愛好家でもある山下達郎氏の言葉は重い。いろいろしがらみはあるだろうけど、よくぞ言ってくれたという感じ。私がこの「AI美空ひばり事件」に感じる問題点は下記の通り。

・本人の意思確認なしに本人名義の新曲として歌わせた点。
・本人に似せてはいるがあくまで偽物である点。
・AIという隠れ蓑を使った別の人間による創作である点。
 (結局AIといったところでそれをプログラム、調整、作動させているのは別の生身の人間)
・本物とは到底似つかわしくない点。

本当に音楽を愛する者ならば、このような出来の悪い偽物の存在を許すはずがないし、逆に存在を認めるのならば、私は程度の低い音楽ファンとして軽蔑する。下記リンクの番組に出てきた自称美空ひばりファンの方々は1500曲以上あるという美空ひばりの歌を全て聴いているのだろうか?本物の美空ひばりさんの歌声を心底愛した本当のファンの方々の心中を察すると気の毒でならない。

このような無神経な企画を立案し関わった全ての関係者の罪は深いと思う。企画したNHK、許諾した親族、製作した秋元康、YAMAHAのVOCALOIDの技術者などなど。AKB商法で悪名高い秋元康が大きく関わっていたのには納得だが、YAMAHAの技術者も倫理観の欠如したマッド・サイエンティストとしか思えない。これら関係者の方々が山下達郎氏による『冒涜』という指摘を真摯に受け止め反省し二度と同様な愚行を繰り返さないことを願いたい。今後も技術の発達と共に同様の無神経な企画が行われることは多々あると思う。そこで冒涜行為への自衛の為にミュージシャンはAI化、VOCALOID化の禁止を遺言として残しておくべきかと思う。

「radiko」 で聴けます(35分40秒のところから)。

AIでよみがえる 美空ひばり

ウォール・オブ・サウンド特集 山下達郎のサンデーソングブック

ウォール・オブ・サウンド特集

ウォール・オブ・サウンドの生みの親にして第一人者であるフィルスペクターが2021年1月に死去したことに伴い、山下達郎のサンデーソングブックでは3週に渡り(フィルスペクター以外の)『ウォール・オブ・サウンドで棚からひとつかみ』が特集されました。当ブログでも従来からウォール・オブ・サウンド(以下、音壁と略)はメインコンテンツの一つとして特集ページを作り積極的に取り上げてきましたので、今回の特集をとても嬉しく思います。今回の番組を機会に検索結果を追って当ブログへご訪問頂いた方も多数いらっしゃったようです。この機会により多くの方に音壁の魅力を知って頂き、ファンが増え、音楽界全体に音壁がより広く普及していけば良いなあと思います。

今回の3回の『棚からひとつかみ』を聞いて率直に感じたことは、『達郎氏も人の子、オンエア曲にちょっと偏りがあるな』ということ。あくまで達郎氏の番組なので仕方のない面はありますが、今なお第一線で音壁の普及目指してがんばっている日本人音壁音楽家(新川博、岩崎元是ほか)に対し冷たい選曲だったなと思いました。これまで長年誰よりも音壁の普及に積極的に努めてきた達郎氏には感謝の気持ちでいっぱいですが、世の中には他にも多くの陽の目を見ない(おそらくは今後も決して達郎氏がオンエアしない)良質な音壁が存在するということを多くの音楽ファンの方に知って欲しいですね。当ブログの音壁に関する各ページがその一助になってもらえれば幸いに思います。

DAVID RUFFIN / BREAK MY HEART LP(WARNER BROTHERS 3306)'79

DAVID RUFFIN SO SOON WE CHANGE

テンプテーションズの初代リード・ヴォーカリスト、デヴィッド・ラフィンの1979年のソロアルバム「So Soon We Change」収録曲。クセの強いファルセット甘茶ではなく、所謂ソウル・バラードという感じで、特にメロディの出来の良さが際立つ作品。同じく彼の代表曲「Walk Away From Love」のようにポピュラリティも兼ね揃えたソウル史に残る名曲中の名曲だと思うけど、A面扱いでシングルカットされなかったこともあり、出来栄えの割に注目度や評判はいまいち低いようです。(山下達郎SSBでは3度オンエアされているのが救い)

派手さのない渋い控えめなバックにAメロはなだらかで実にきれいなメロディ。感傷的に盛り上がるサビのメロディは流麗なストリングスや女性コーラスを伴い感動的で、ファルセットで終わり更にAメロへと戻る展開も痺れます。特にこの二回目のAメロはストリングスも派手で歌も大いに盛り上がって緊迫感があって素晴らしい。因みに、この曲が最初に山下達郎SSBでオンエアされたのは 「1986年2月27日のBlack Music特集」 でしたが、この曲の次に間髪入れずCissy HoustonのYour Songが流れる展開は衝撃的で感動しました。個人的にはこの日の特集も伝説に残る神回だったなと思います。

「YOU TUBE」 で聴けます。 ソウルトレインでの歌唱 も見れます。


【おまけコーナー】

1.音楽漫画 ケンペーくん 蛭子能収の回 山下達郎サンデーソングブック、電波によるリクエスト受付開始の巻 BY ZOUKY

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【参考資料】蛭子能収 / 超能力 「地獄に堕ちた教師ども('81 青林堂)」収録


欲しいナ、こんな憲兵くん - ならやたかし / ケンペーくん



2.83年 NHKサウンドストリート開始

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