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4年ぶりのフェルティバルホール。4年ぶりのル・グラン・ガラ。楽しかった~もうその一言。『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』レオノール・ボラック/トマ・ドキールパリオペらしい気品のあるチャイパド。バレエはどうしても見た目が物を言ってしまう世界。トマ・ドキールが舞台に出てきた瞬間、何て恵まれたライン!と思った。すくすく成長してね。『マノン』より“出会いのパ・ド・ドゥ”ドロテ・ジルベール/ユーゴ・マルシャンユーゴ・マルシャンはすくすく成長して、ドロテ姐さんに相応しい立派なエトワールになっていた。『マノン』より“寝室のパ・ド・ドゥ”リュドミラ・パリエロ/フリーデマン・フォーゲル来年2月のパリオペ来日公演にキャスティングされるなら、パリエロさんのマノンを観たくなった。フリーデマンは愛に溢れたデ・グリューで眼福。『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』ビアンカ・スクダモア/オードリック・ベザールイン・ザ・ミドルはどうしてもギエムの残像が残っていて、、、というのはダメね。昔を懐かしんでいるだけでは損で、見方を変えないといけない。若いスクダモアは健闘していたと思う。オードリックのサポートも良かったかな。『オネーギン』アマンディーヌ・アルビッソン/マチュー・ガニオアマンディーヌがドラマチックダンサーに成長していて驚いた。2014年のガルニエで『オネーギン』のタチアナで観た時は、かなり辛口感想を書いた。あの時にエトワールに任命されたから、もう9年になるのね。マチュー・ガニオももう40歳間近でアデューが迫ってきている。オネーギンが似合うダンサーになったと思うと感慨深いものがある。『パリの炎』クララ・ムーセーニュ/ニコラ・ディ・ヴィコまだ10代のクララちゃんは日仏ハーフなのね。9月からのシーズンでは「くるみ割り人形」の主役にも抜擢されているので期待のダンサーのようだ。ぐいぐい回っていたのでテクニシャン系かも。まだまだこれから、表現力に磨きをかけることができればいいダンサーになれるだろう。ニコラくんは発展途上中。でも、パリオペダンサーは「えっ!」と化けることもあるので、そうなることを祈ってます。『コンチェルト』ビアンカ・スクダモア/トマ・ドキールこの演目が意外に良かった。振付も良かったし、ホリゾントの照明の効果もあって印象に残る作品になっていた。『ヴィヴァルディ・パ・ド・ドゥ』リュドミラ・パリエロ/マチュー・ガニオ前の『コンチェルト』に満足していたが、この二人が出てきたら、やっぱエトワールは違うやん!と感じた。パリエロさんの抒情的な流れるような腕の動きを見ているだけで幸せな気分になれた。それを受けとめるマチューの音楽性も素晴らしい。今回のガラで一番はこの演目だった。『3つのグノシエンヌ』レオノール・ボラック/フリーデマン・フォーゲルエリック・サティの曲。サティのちょっと不思議ちゃんな雰囲気が振付に活かされていて面白い。ロパートキナが踊っていたイメージが強かったが、それよりもコケティッシュなムードがあったのはサティっぽくて良かったな。『椿姫』アマンディーヌ・アルビッソン/オードリック・ベザールフランスらしい芳醇な香りがする椿姫の紫のパ・ド・ドゥだった。ノイマイヤー作品なので元はハンブルクだけど、椿姫はフランスの香りが強くてもいいものね。『うたかたの恋 マイヤーリング』ドロテ・ジルベール/ユーゴ・マルシャントリの演目が18禁っぽいマイヤーリングというのが、おフランスらしいチョイス。イレク・ムハメドム&ヴィヴィアナ・デユランテの映像を初めて観た時は、「こんなドロドロなバレエがあるんや」とかなりの衝撃を受けた記憶がある。生の舞台では初めてだったので、観られたのは嬉しい。一度全幕を生で観たいが、遠征しないと難しいだろうな。終幕のカーテンコールは撮影可。長年バレエを観てきたが、日本国内では初めてだった。拍手したいので撮影は最小限にしたが、スマホに残されたカテコ映像を観て余韻に浸っている。(8月5日 フェスティバルホール)
2023.08.08
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『海賊』マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ『インポッシブル・ヒューマン』エドワード・ワトソン『病める薔薇』エレオノラ・アバニャート、マチュー・ガニオ『Russkaya Solo』ダリア・パブレンコ『Wind and Clouds』エレナ・マルティン、パトリック・ド・バナ『Ashes』ナタリア・オシポワ『Arbakkinn』エレオノラ・アバニャート、マニュエル・ルグリ『ジュエルズ』より ダイヤモンドスヴェトラーナ・ザハロワ、ダニーラ・コルスンツェフ『メディア』エレナ・マルティン『シェヘラザード』ダリア・パブレンコ、ダニーラ・コルスンツェフ『Somebody Who Loves Me』ナタリア・オシポワ、エドワード・ワトソン『ランデヴー』エレオノラ・アバニャート、マチュー・ガニオ『Digital Love』スヴェトラーナ・ザハロワ、パトリック・ド・バナ『ドン・キホーテ』マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ『The Picture of…』マニュエル・ルグリ(2022年11月27日 東京文化会館大ホール)
2022.11.27
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3月5日に元パリオペラ座芸術監督のPatrick Dupondが亡くなった。生で観たのは一度だけ。芸監兼務で来た1992年の来日公演で、「水晶宮」「イン・ザ・ナイト」「プッシュ・カムズ・トゥ・ショブ」を観た。「プッシュ・カムズ・トゥ・ショブ」に主演していて、遊び心のある粋なダンスに、バレエってこんなに楽しいんだと感じた記憶がある。それまではソビエト(また娘に笑われそう)のバレエ公演ばかり観ていて、来日公演といえば「白鳥の湖」などのチャイコフスキー三大バレエか「ドン・キホーテ」「ジゼル」。ちょっとひねりがくわわって「スパルタクス」「愛の伝説」。パリオペの演目はとても新鮮で、「イン・ザ・ナイト」は生涯心に残る演目になった。きっと今見たら凄いキャストだったはず。キャスト表はちゃんと残しておかないといけないと後悔している。まだそれほど真剣にバレエを観ていなかったが、パトリック・デュポンのカリスマ性というかスター性を感じた公演だった。enfant terrible・・・「恐るべき子供」と学校時代に称された天才のダンスを目の当たりにして、フランスバレエの底力を見せつけられ、ロシアだけでなく他の国のバレエも観ないとなと思わされた。そんな天才なのにそれ以後は不遇で、10年前くらいか、姿をネットで見て何とも複雑な感情になった。その頃は体調を崩していたのかもしれない。生で観たのは一度だけで馴染みはそれほどないが、パリオペラ座の楽しさを最初に教えてくれたダンサーなので、逝去の報には何とも悲しい気持ちになった。youtubeの画像を見ると、突出した天才なのがよくわかる。61歳、早すぎるねぇ。Patrick Dupondさん、ご冥福をお祈りいたします。
2021.03.07
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公演からもう一週間以上経ってしまった。忘備録として『海賊』第3幕よりオダリスク 音楽:A.アダン 振付:M.ルグリ 出演:ニキーシャ・フォゴ、ナターシャ・マイヤー、芝本梨花子ウィーン国立は来年『海賊』をひっさげて来日するので、そのプロモーション的出し物でもあるのだろう。美しい脚のバレリーナたちが破綻なく踊った。音の取り方は三者三様で、その辺は日本のバレエ団とは違うな。私の好みではナターシャ・マイヤーがイチ押しだ。『ライモンダ』第1幕よりアダージョ 音楽:A.グラズノフ 振付:R.ヌレエフ 出演:ニーナ・ポラコワ、ヤコブ・フェイフェルリックパリオペラ座で全幕を観たいなと思ってしまった。でも、今のエトワール勢でこれを完璧に踊れるダンサーも少ないんじゃないかなとも思った。ライモンダのニーナ・ポラコワは気品があって健闘していたけれど、ヤコブくんはいっぱいいっぱいだった。『I have been kissed by you…』 音楽:M.リヒター 振付:H.マルティン、P.d.バナ 出演:エレナ・マルティン、パトリック・ド・バナ『…Inside the Labyrinth of solitude』 音楽:T.ヴィターリ 振付:P.d.バナ 出演:ジェロー・ウィリック作品がどうのこうのということより、若いダンサーが力の限り踊りきったということに感動した。相当体力のいる作品だろう。大きなホールでソロで踊って万雷の拍手をもらった経験が、このダンサーにとって飛躍するきっかけになればいいな。あと、振付したド・バナさんのカーテンコールでの舞台マナーは好ましく感じた。『ラ・フィユ・マルガルデ』 音楽:F.エロルド 振付:F.アシュトン 出演:ナターシャ・マイヤー、デニス・チェリェヴィチコキュートな雰囲気でラ・フィーユ・マルガルデでにはピッタリの二人。二人とも足先が綺麗ね。デニスくんはちょっとリフトが苦手かな。『マニフィカト』より 音楽:J.S.バッハ(アニュス・デイ) 振付:J.ノイマイヤー(初演:シルヴィ・ギエム、マニュエル・ルグリ) 出演:ニーナ・トノリ、ヤコブ・フェイフェルリック健闘はしていたが、こういう作品を踊って感動させるに経験不足。まだルグリ先生の生徒さんの域を脱していない。『じゃじゃ馬馴らし』 音楽:D.ショスタコーヴィチ 振付:J.C.マイヨー 出演:オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージンお久しぶりのスミルノワは素敵なプリマに成長していた。前に観たのは2013年の『マラーホフの贈り物 ファイナル!』でのオデットとオディールで、上手だけど何だかパキパキ踊るなと感じたが、化けたね。エレガントで綺麗で、、今度ボリショイの公演があったらスミルノワ主演の日を狙おうと決めた。ロシアバレエの、決めの「どうだ!」っていうドヤ顔が苦手だったけれど、このカップルはそれがないのでいいわ。『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』 音楽:P.I.チャイコフスキー 振付:G.バランシン 出演:マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフキラッキラの中にスピーディーさもある『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』で、音と戯れているような踊りは観てて幸せな気分になれた。『フェアウェル・ワルツ』 音楽:F.ショパン/ V.マルティノフ 振付:P.d.バナ 出演:イザベル・ゲラン、マニュエル・ルグリ年齢のことを言うのは野暮だとわかちゃいるけど、二人とも50歳越えとは思えないプロポーションとパフォーマンスで、現在進行形で五十肩に悩まされている私は奇跡を観ている気分になった。ルグリ先生が素晴らしいのはもちろんだけど、ゲランさんの年齢不詳っぷりが凄くって(驚)ただただ「いい女」で年齢を重ねられるって、どうなってるんでしょう??『ローレンシア』よりパ・ド・シス 音楽:A.クレイン 振付:V.チャブキアーニ 出演:ニキーシャ・フォゴ、デニス・チェリェヴィチコ ナターシャ・マイヤー、芝本梨花子、ジェームズ・ステファン、ジェロー・ウィリックやはり古典は難しいのね。若い男性ダンサーふたりは、前半のコンテの時より30%魅力減になってしまっていた。こういう演目になると、デニスくんはプリンシパルなんだとわかる。『Medea』 音楽:M.リヒター 振付:P.d.バナ 出演:エレナ・マルティン、パトリック・ド・バナ好きか?と聞かれると微妙だけど、確かに魅力はあるお二人だとは思う。もうちょっと小さな箱、池袋のプレイハウスとかで観たほうがいいんじゃないかな。最後のシーン、倒れたエレナ・マルティンに上着をかけたド・バナが魔術師っぽく見えて、「ワン・トゥー・スリー」とカウントして起き上がってきたらどうしようかと妄想してしまった。(すみません)『アルルの女』より 音楽:G.ビゼー 振付:R.プティ 出演:イザベル・ゲラン、マニュエル・ルグリイザベル・ゲランのピュアな風情は精神性の高さを感じさせられた。パ・ド・ブレが美しくて、、ぱっと音楽が鳴った瞬間にドラマが紡ぎ出される二人の踊りを堪能した。『Movements of the Soul』 音楽:バルバトューキ、K.ディクソン、M.スタイン 振付:ニキーシャ・フォゴ 出演:ニキーシャ・フォゴまだ若いだろうに、海外のガラ公演で自身振付の作品を踊らせてもらえるって幸せね。ルグリ先生は彼女を評価して期待しているのだろう。ホリゾントまでまっ赤な照明でインパクトが強く、プリミティブで野性的な中に粋さもあるコンテンポラリーで、こういうガラ公演の中では印象が際立ったのが良かった。『Murmuration』より 音楽:E.ボッソ 振付:E.リアン 出演:ニーナ・ポラコワ、ヤコブ・フェイフェルリック、ジェームズ・ステファン最初3人で踊って、すぐに1人男性がひっこんでしまったら最後まで2人だった。3人いた意味は何だろう?と考えてしまった。『海賊』第2幕よりアダージョ 音楽:L.ドリーブ 振付:M.ルグリ 出演:マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフロイヤルの来日公演を観に行かなかったことを後悔した。マリアネラ・ヌニェスの踊りが好きだ。テクニシャンなのは知っていたが、音楽性の豊かさが溢れてて、そして幸せオーラがあるのが素晴らしかった。マニュエルの本音は、プリマにはこれぐらいの技量と表現力を持ってもらいたいのだろうね。『グラン・パ・クラシック』 音楽:F.オーベール 振付:V.グゾフスキー 出演:オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージンあまりの美しさと完璧ぶりに、お口ポカーンで観てた。アダージオの3回のバランスで、あそこまで完璧なのは初めて観た。やはりロシアバレエは最強なのかなと、パリオペばっかり観てしまっている私でも思わされるほど。地味だけど、セミョーン・チュージンのサポートも名人芸なのかもしれない。一生想い出に残るグラン・パ・クラシックになった。『Moment』マニュエル・ルグリ ソロ(世界初演) 音楽:J.S.バッハ/F.ブゾーニ 振付:N. ホレツナ 出演:マニュエル・ルグリ ピアノ:滝澤志野もう踊れる演目は限られていて、『アルルの女』のファランドールは踊らなかったけれど、新しい作品で新たなルグリを見せてくれるのはさすが。セルフプロデュースもうまい。バッハの音楽にのりながら、ちょっとおもしろい振りもあって、現在進行形の姿を観られて楽しかった。もう踊らないの? そんな事言わずに。年上のゲラン姐さんだって素晴らしい踊りを披露してくれているんだから。とても盛りだくさんのガラで楽しかった。(8月25日 東京文化会館大ホール)
2017.09.02
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時間配分を間違えて、JR水道橋駅からヒーヒー言いながら早足で劇場まで向かった。最後の歩道橋の階段がきつかった開演5分前に着席。何とかギリギリ間に合って良かった「グラン・パ・クラシック」 振付:ヴィクトル・グゾフスキー 音楽:フランソワ・オーベール オニール八菜/ユーゴ・マルシャン何だか間の抜けたような音源で頭を抱えてしまった。もうちょっとましなのはないのかしら? 「グラン・パ・クラシック」の音源でまともなに出会ったことがないのは何故でしょう。音楽はひどかったが、踊りは格調高くまとめてくれて良かった。とくにユーゴ・マルシャンは短期間でぐっと上達したようで、踊る喜びが身体全体から溢れ出ているのが素敵だった。これから楽しませてもらえるダンサーになりそうだ。話題の八菜さん、少々硬質な印象を受けたが、エレガントでこちらもこれから楽しみだ。上半身が柔らかく使えるようになるともっと魅力的になるのではないかしら。「ロミオとジュリエット」 第1幕よりパ・ド・ドゥ 振付:ルドルフ・ヌレエフ 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ レオノール・ボラック/ジェルマン・ルーヴェAプロも観た娘から、黒鳥でかなり大変なことになっていたと聞いたので、ドキドキしながら観てしまった。ちょっといっぱいいっぱいだったかな。振りが難しすぎるのね。ヌレエフ本人に鍛え上げられたメンバーの踊りと比べるのは酷だと知りつつも、どうしても比べちゃう。二人とも容姿に恵まれ才能もあると思うので、ルーヴェくんは姐さんエトワールに、レオノールちゃんは古株エトワールダンサーと組んで修行を積み、何年か先に再びコンビを組むと素晴らしい舞台を見せてくれそうな気がする。「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」 振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー ミリアム・ウルド=ブラーム/マチアス・エイマンエトワールの称号をしょってガラに出演するならこうでないと! というチャイパド。マチアス・エイマンのエレガンス溢れる踊りは眼福もの。ミリアムも立派なエトワール振りで、観てて幸せな気持ちになれた。ちょっとタイミングが合わないところもあったが、そのリカバリーがまた上品で! この演目を観られただけで来た甲斐があった。パリオペラ座組は3演目のみ。つくづくフランソワ・アリュの欠場が悔やまれる。個人的に彼に凄く期待していたのだ。パリオペらしいシュッとした容姿じゃないけれど、来てくれたらきっと場を盛り上げてくれたと思うのね。怪我が理由なので仕方がないけれど、こういうガラ公演では“盛り上げ役”も重要で、本来はその役を担うべきエイマンが意外におとなしめなので、アリュには期待していたんだけど。「真夏の夜の夢」 振付:フレデリック・アシュトン 音楽:フェリックス・メンデルスゾーン 高田 茜/ベンジャミン・エラロイヤルのプリンシパルの高田茜さんは、今回一番観たかったダンサー。たおやかさと強靭さを併せ持ち、自己の世界観も感じさせてくれる素晴らしいダンサーだった。高田さん主演ならアシュトンの全幕ものを観てみたい。「タランテラ」 振付:ジョージ・バランシン 音楽:ルイ・モロー・ゴットシャルク フランチェスカ・ヘイワード/マルセリーノ・サンベとても楽しげに踊っていてテクニックがあるのはわかったけれど、私はどうもこの「タランテラ」という作品が好きではない。マルセリーノ・サンベはタンバリンの扱いがイマイチで、音楽に合ってはいるが音がリズミカルに聞こえない。タンバリンの音に躍動感がないのだ。「白鳥の湖」 第2幕よりパ・ド・ドゥ 振付:レフ・イワーノフ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー 金子扶生/フェデリコ・ボネッリこれもなぁ、、、ガラで白鳥2幕はフラストレーション溜まるのよ。男性ダンサーが動かないから。金子さんのオデットは、基本のしっかりとした正確なポーズと静謐な佇まいが“白いバレエ”に似合い良かった。「ドン・キホーテ」よりパ・ド・ドゥ 振付:マリウス・プティパ 音楽:レオン・ミンクス ヤーナ・サレンコ/スティーヴン・マックレーガラの〆にふさわしい超絶技巧系満載のドン・キホーテで盛り上がった。マックレーはエンターテイナーね。「眠れる森の美女」 ディヴェルティスマン 振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー序曲: 全員リラの精: オニール八菜ローズ・アダージオ: 高田 茜、スティーヴン・マックレー、ベンジャミン・エラ、 ジェルマン・ルーヴェ、ユーゴ・マルシャンオーロラ姫: ミリアム・ウルド=ブラーム王子: フェデリコ・ボネッリオーロラ姫と王子のパ・ド・ドゥ: ミリアム・ウルド=ブラーム、ジェルマン・ルーヴェ青い鳥(パ・ド・ドゥ): フランチェスカ・ヘイワード、マルセリーノ・サンベ青い鳥(コーダ): フランチェスカ・ヘイワード、マルセリーノ・サンベ、ユーゴ・マルシャンオーロラ姫と王子のパ・ド・ドゥ: ヤーナ・サレンコ、スティーヴン・マックレー王子: マチアス・エイマンオーロラ姫: レオノール・ボラックコーダ: 全員パリオペラ座とロイヤルのメンバーの合同ガラなので一緒に踊りましょう、の演目。ガラらしくて楽しかったが、印象に残ったのは「衣装」の差。お国柄と好みの問題もあるが、パリオペのゴージャスゴテゴテの横にロイヤルのアッサリ系が並ぶと、どうしてもロイヤルの衣装が見劣りしてしまった。青い鳥の場面、田舎の森で楽しくしていたフロリナと青い鳥のところに、突如キラキラな都会育ちの青い鳥が誘惑しに来て、フロリナちゃんは一瞬心が揺れるが、「やっぱり私にはカントリーな彼氏でいいわ」とシティーボーイを振る、、、衣装の差だけで、そんなふうに妄想してしまった。客席には、ママンと一緒に来ているバレエ少女がかなり多くいた。演目が古典オンパレードだから、彼女たちは楽しいバレエ観賞になっただろう。私は2本くらいコンテンポラリーが欲しかったな。(7月30日 文京シビックホール)
2017.08.10
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「エルヴェ・モローを観るなら初日!」(踊る回数が増えれば増えるほど危険)とグランガラの初日のチケットを持っていたら、初日どころか来日すら出来なかった(悲) マチュー・ガニオも故障来日キャンセルで、チケット買った当初のキャストはどうだったか思い出せなくなってしまった状態。チケット発売が早いからキャストに期待しすぎちゃいけないとわかっているけれど、あぁエルヴェ、アデューが近いあなたが踊る姿をもう一度観ることは叶うのでしょうか。無理かもねぇ、、パリは遠いもの。気を取り直して♪テーマとヴァリエーション音楽: ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー (管弦楽組曲第3番ト長調作品55 第4楽章)振付: ジョージ・バランシン ミリアム・ウルド=ブラーム マチアス・エイマン オーレリア・ベレ セヴリーヌ・ウェステルマン ロール=アデライド・ブーコー ソフィー・マイユー シリル・ミティリアン ダニエル・ストック イヴォン・ドゥモル パブロ・レガサ典雅なバランシン。正統派姫キャラのミリアムと、ポール・ド・ブラがたまらなく優美なマチアスのコンビなので、王宮で繰り広げられているような舞台だった。ミリアムの美しいアラベスクと、きっちり5番に下りるマチアスの踊りは、バレエの理想のお手本を見ているよう。素晴らしいです☆でも、私が勝手に持っているバランシンのイメージと一致しているかというと、ちょっと違う。音に遅れることなど微塵もなかったが、バランシン特有のスピーディーさやシュッと空気を切り裂くような雰囲気がなかった。あくまで優雅でエレガンス溢れる踊り。この2人なら眠りやライモンダを観たいな。ジゼルも良さそう。でも、パリオペ男性ダンサーはライモンダのジャン・ド・ブリエンヌを嫌って、「踊りたくない!」と公言していることが多い。マチアスくんはどうなんでしょ?♪アザー・ダンス音楽: フレデリック・ショパン (マズルカ作品17-4 マズルカ作品41-3 ワルツ作品64-3 マズルカ作品63-2 マズルカ作品33-2)振付: ジェローム・ロビンズピアノ: ヴェッセラ・ペロフスカリュドミラ・パリエロ ジョシュア・オファルト音楽的で情感あふれる素敵な踊りだった。派手さはないけれど、強靭なテクニックに裏打ちされたナチュラルな風情は、観ていて幸せな気分になった。パリエロさんの膝から下の足のラインが好きだわ 音の取り方もいい。決して見得をきったりしない大人のオファルト。欲を言えば、曲の合間に2人で見つめあうところにもう少しラブ度が高めだったほうが良かった。そういうのは品が無いと判断されちゃうかな。♪ダフニスとクロエ音楽: モーリス・ラヴェル 振付: バンジャマン・ミルピエ クロエ: オレリー・デュポン ダフニス: ジェルマン・ルーヴェ リュセイオン: レオノール・ボラック ドルコン: マルク・モローブリュアクシス: フランソワ・アリュ栗友会合唱団 ミルピエだからなぁ、、とあまり期待していなかったが、生で観ると魅力的だった。装置、照明、衣装がシンプルながらスタイリッシュ。でも、質素だと感じなくもないかな、チケ代考えると、、、(以後自粛)踊りのほうは質素じゃなくてかなり踊りまくってくれる。芸監オレリーはパワフルねぇ、若手に負けてないどころか、1番輝いていたのは彼女。ルーヴェとボラックの新エトワール2人も頑張っていたけれど、格の違いを感じた。でもオレリーだってエトワール成り立ての頃にフェリの代役でジゼルを踊ったときは、なんかふてくされて踊っているキツそうなダンサーだなと感じただけだったんだから、ボラックはこれから魅力的なダンサーに成長するだろう。コンテも古典もいけるパリオペらしいダンサーになりそう。ルーヴェは芸監相手にいっぱいいっぱいに見えてしまった。でも貴重な王子様ダンサーだから、怪我に気をつけて精進して下さい。次のエトワール候補だろうフランソワ・アリュはテクニシャン。場を引き締めてくれるパフォーマンスで客席も沸いた。体型が少し残念気味だけど、こういうキャラの濃いしっかり踊れるダンサーもいないと面白くないもの、早くエトワールに昇進してね。応援したくなるダンサーだ。夏のガラ公演がとても楽しみ。群舞がとても良かった。フォーメーションが印象的で、この作品の1番の魅力は群舞だったかもしれない。それと、指揮者のマクシム・パスカルが凄くって踊りのない合間、彼の指揮する姿を見るとあまりのアパッショナートぶりに笑いがこみ上げてきた。渾身のラヴェルだったな。フランス人が本気でラヴェルを振るとああなるのかしら(笑) 指揮者の職業病は頸椎をやられることらしいから、あまり無理しないでね。情熱的な指揮に導かれたのか、東フィルの演奏も良かった。(3月9日 東京文化会館 大ホール)
2017.03.14
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《プログラムB》(8月11日)「ラ・シルフィード」より振付:オーギュスト・ブルノンヴィル音楽:ヘルマン・レーヴェンショルドレオノール・ボラック&ジェルマン・ルーヴェ「ランデヴー」振付:ローラン・プティ音楽:ジョゼフ・コスマアマンディーヌ・アルビッソン&バンジャマン・ペッシュ「See」 〈日本初演〉振付:大石裕香音楽:アルヴォ・ペルト (「アリーナのために」「鏡の中の鏡」より)シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ「シルヴィア パ・ド・ドゥ」振付:ジョージ・バランシン 音楽:レオ・ドリーブローラ・エケ&ユーゴ・マルシャン「ロミオとジュリエット」第1幕より“マドリガル” “バルコニーのパ・ド・ドゥ”第3幕より“寝室のパ・ド・ドゥ”振付:ルドルフ・ヌレエフ音楽:セルゲイ・プロコフィエフレオノール・ボラック&ジェルマン・ルーヴェ (マドリガル)ドロテ・ジルベール&ユーゴ・マルシャン (バルコニーのパ・ド・ドゥ)アマンディーヌ・アルビッソン&マチュー・ガニオ (寝室のパ・ド・ドゥ)「病める薔薇」より振付:ローラン・プティ音楽:グスタフ・マーラー (交響曲第5番 第4楽章)エレオノラ・アバニャート&オードリック・ベザール「人魚姫」第1幕よりパ・ド・ドゥ振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:レーラ・アウエルバッハシルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ「それでも地球は回る」 〈女性版世界初演〉振付:ジョルジオ・マンチーニ音楽:アントニオ・ヴィヴァルディ(「バヤゼット」より“私はないがしろにされた妻”)アマンディーヌ・アルビッソン「With a Chance of Rain」より 〈日本初演〉振付:リアム・スカーレット音楽:セルゲイ・ラフマニノフ (「10の前奏曲」op.23-5、op.23-6、「幻想的小品集」op.3-1“エレジー”)ピアノ:久山亮子ローラ・エケ&オードリック・ベザールドロテ・ジルベール&マチュー・ガニオ「ル・パルク」より“解放のパ・ド・ドゥ”振付:アンジュラン・プレルジョカージュ音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (ピアノ協奏曲第23番 K.488 第2楽章)エレオノラ・アバニャート&バンジャマン・ペッシュ行かない予定だったのに、欲望に負けてチケぴのサイトでポチッとしてしまった。ネットはあかんね、 ポチッと出来ない昔だったらきっと取ってない。でも行って大満足だった。東京の方には悪いが、オーチャードよりフェスティバルホールのほうが座席幅もゆったりめで断然好き。新しくなっても初代の雰囲気を引き継いでいるところがいいな。ただ客席通路の階段が歩きにくいのかしら、階段を踏み外して悲鳴のような声をあげている人が一人ではなかった。気をつけないと! 他人事ではない。2階席だったのでオペラグラスを時々使って観た。基本オペラグラスを使ってバレエを観るのは嫌いなのでめったに使わないが、表情がしっかり見えるのもたまにはいいな。オーチャードでの初回と違った見方をして楽しんだ。バンジャマンの日本でのアデューの〈ル・パルク〉のフライングキスの場面で拍手が起きなかったのが良かった。オーチャードの楽日に拍手が起きた時は耳を疑ってしまったもの。あそこは拍手する場面ではないだろう。ピルエットにお囃子拍手をする土地柄の大阪なのに、集中して〈ル・パルク〉のバンジャマンを観ることができて良かった。カーテンコールも盛り上がり、マンボの曲に合わせて手拍子が響いた。楽しかった(8月11日 フェスティバルホール)
2016.08.12
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2年に1度、灼熱のこの季節だけしか近寄らない渋谷の街。エトワール・ガラ2016を観にオチャードホールへ行ってきた。忘備録的に感想を。《プログラムB》(8月5日)「ラ・シルフィード」より振付:オーギュスト・ブルノンヴィル音楽:ヘルマン・レーヴェンショルドレオノール・ボラック&ジェルマン・ルーヴェ若木のようなフレッシュな二人。容姿端麗でパッと舞台が華やぐのがいい。ボラックは表現力が豊かでテクニックもあるのでこれからが楽しみ。ルーヴェは足さばきが美しく、王子様もいけるノーブルな雰囲気があった。アラベスクした時の首から背中にかけてのラインが気になったけれど、若いのでじっくり矯正してください。 「ランデヴー」振付:ローラン・プティ音楽:ジョゼフ・コスマアマンディーヌ・アルビッソン&バンジャマン・ペッシュパリっぽくてこの演目は好きだ。背景の石畳の情景がクールで、デカダンな雰囲気が舞台に漂っていた。踊りは粋には感じたけれど、あともうひと味あると良かったな。意外にあっさり塩味系だった。あくまで粋でクールにというのがパリテイストか。「See」 〈日本初演〉振付:大石裕香音楽:アルヴォ・ペルト (「アリーナのために」「鏡の中の鏡」より)シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ表現力豊かなご両人なので飽きずに観てられたが、コンテンポラリー作品によく使われているアルヴォ・ペルトの音楽を私自身好きになれないせいか、作品としての印象はあまり残らなかった。「シルヴィア パ・ド・ドゥ」振付:ジョージ・バランシン 音楽:レオ・ドリーブローラ・エケ&ユーゴ・マルシャンバランシンの「シルヴィア」をオペラ座組が踊るというのが新鮮。勝手にノイマイヤー版だと勘違いしていた。エケさんが華やかになったなぁ。いや、それでもまだ多少地味めではあるけど、エケさんの中で華やかに押し出しが効いてきたと感じた。ユーゴ・マルシャンの必死感が、、(笑) エケさんのピルエットを支えている時のウエストを凝視している目に笑えてしまった。ヴァリエーションはのびのびと踊っていた。一昨年の12月、バスティーユでの「くるみ」にドロッセルマイヤーでキャスティングされてて、「ユーゴ・マルシャンって誰?」と観たのが懐かしい。ガラで日本に来るようになったのね。「ロミオとジュリエット」第1幕より“マドリガル” “バルコニーのパ・ド・ドゥ”第3幕より“寝室のパ・ド・ドゥ”振付:ルドルフ・ヌレエフ音楽:セルゲイ・プロコフィエフレオノール・ボラック&ジェルマン・ルーヴェ (マドリガル)ドロテ・ジルベール&ユーゴ・マルシャン (バルコニーのパ・ド・ドゥ)アマンディーヌ・アルビッソン&マチュー・ガニオ (寝室のパ・ド・ドゥ)今回の目玉はこれなんだろう。マドリガルの溌剌とした二人もいいが、ドロテ&ユーゴのバルコニーが素敵だった。ドロテの踊りからは物語が見え、振りと物語が一体化している。対するロミオもかなり練習を積んだと思しき出来で、恋に盲目になっている青年のアグレッシブさを見てとれた。シルヴィアの必死感とは大違い。寝室は、相変わらずマチューは美しい、と思っているうちに終わってしまった。いつもアルビッソンには辛口になってしまう。綺麗に踊っているのだけれど、どうも「手順を踏んで踊ってます」と見えてしまうのはどうしてだろう。あと、ジュリエットにはちょっと肉感的すぎるのが気になった。 「病める薔薇」より振付:ローラン・プティ音楽:グスタフ・マーラー (交響曲第5番 第4楽章)エレオノラ・アバニャート&オードリック・ベザールテレビ放映されたオーロラの悪夢を上書きする出来だった。プティ作品のエレオノーラはいい。オドリック・ベザールは堅実に仕事をこなしていた。「人魚姫」第1幕よりパ・ド・ドゥ振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:レーラ・アウエルバッハシルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコガラでこの場面だけを観ると「アッツォーニ劇場」になる。ブルーの長い袴のような衣装で、まさに人魚にしか見えない異形だが、感情が客席にまでとどく。素敵だ。 「それでも地球は回る」 〈女性版世界初演〉振付:ジョルジオ・マンチーニ音楽:アントニオ・ヴィヴァルディ(「バヤゼット」より“私はないがしろにされた妻”)アマンディーヌ・アルビッソン前にマチューが踊った作品の女性版。女性が踊った意味はよくわからないが、広い舞台をひとりで支配して踊っていたとは思う。 「With a Chance of Rain」より 〈日本初演〉振付:リアム・スカーレット音楽:セルゲイ・ラフマニノフ (「10の前奏曲」op.23-5、op.23-6、「幻想的小品集」op.3-1“エレジー”)ピアノ:久山亮子ローラ・エケ&オードリック・ベザールドロテ・ジルベール&マチュー・ガニオこれは面白かった。最近よく名前を聞くリアム・スカーレットの作品。ドロテ&マチューはコミカル要素あり。マチューはドロテと踊ると生き生きして見える。ようやく“美しい”だけのダンサーではなくなってきたかなと思える瞬間があった。 「ル・パルク」より“解放のパ・ド・ドゥ”振付:アンジュラン・プレルジョカージュ音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (ピアノ協奏曲第23番 K.488 第2楽章)エレオノラ・アバニャート&バンジャマン・ペッシュバンジャマンが〈日本でのアデュー〉ということで選んだ作品。初めて本拠地で観た「ラ・バヤデール」でソロルを踊っていたのがバンジャマンで、どういうわけかずっと気になるダンサーだった。プロポーションはそれほどじゃないし、特別跳んだり回ったりするわけでもない。フランス人は「美形もしくはテクニック鉄壁」、ロシア人は「跳んで回る」というジャポネのマダムの好みのどちらにも属さないダンサーながら、アーティスティック・オーガナイザーという立ち位置で、NBSとジャパンアーツの隙間に入り込んで、エトガラをパリオペファンの2年に一度の夏の風物詩にしてくれた。気を失いそうになるコンテ作品などもあるが、そういうのもひっくるめて、様々な作品を眉目麗しいダンサーで観られる機会を与えてくれたのは感謝しかない。パリに行くのは躊躇してしまう最近の情勢では、こうやって来てくれるだけでたまらなく嬉しいのだ。渾身のフライングキスのシーンを観ながら「ありがとう」と心の中でつぶやいた。《プログラムA》(8月7日)「グラン・パ・クラシック」振付:ヴィクトル・グゾフスキー音楽:フランソワ・オーベールローラ・エケ&ジェルマン・ルーヴェおフランスのエレガンスの風が吹いてきた。「グラン・パ・クラシック」はこうでないと。でも、テクニック的にはもうちょっと耐えてほしい。どうしてもギエム、プラテルが踊っているのを思い出してしまうので、あともうちょっと静止して〜と思ってしまうのだ。それと、音源もう少しまともに演奏しているのはないのかな。「スターバト・マーテル」振付:バンジャマン・ペッシュ音楽:アントニオ・ヴィヴァルディエレオノラ・アバニャート&バンジャマン・ペッシュ相性のいいカップルなんだなと観た。作品の中で二人が目指している方向性が一致しているようだ。「シンデレラ・ストーリー」より振付 : ジョン・ノイマイヤー音楽:セルゲイ・プロコフィエフシルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコもうそんなに若くないだろうにアッツォーニが可愛くて♪ 二人で紡ぎ出す物語をうっとりと観た。この二人が出てくると空気が変わる。「カラヴァッジョ」より振付:マウロ・ビゴンゼッティ音楽:ブルーノ・モレッティ (クラウディオ・モンテヴェルディの原曲に基づく)レオノール・ボラック&マチュー・ガニオマチューが進化した。今まで散々、綺麗なんだけど、、美しいけれど、、五番は綺麗なんだけど、、と「、、だけど」とばかり感想を述べてきたが、やっと内面を表現できるダンサーになったみたい。10年かかったねぇ(しみじみ) 相変わらず官能性は低めだが、焦燥感や葛藤というものが踊りから見えてきた気がする。今からの5年が楽しみだ。「三人姉妹」より パ・ド・ドゥ 振付:ケネス・マクミラン音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー (「ロマンス」op.51-5、「昼の輝きの中にも」op.47-6より)ピアノ:久山亮子アマンディーヌ・アルビッソン&オードリック・ベザール何が起こったんだ?というくらいオードリックが情熱的で(笑) お口ポカーンと観ているうちに終わった。オードリック渾身のパフォーマンスではなかっただろうか。ただ、これがマクミランかと言うと又別の話で、とても寒い国のお話には見えなかった。「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」振付:ジョージ・バランシン音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー (「白鳥の湖」より)ドロテ・ジルベール&ユーゴ・マルシャンドロテ姐さんに必死についていくマルシャンくん。ためて、緩めて、跳ねて、顔芸付きで踊りまくるドロテ。それにあわせるにはマルシャンは経験値がなさすぎなので、また必死の形相が垣間見える瞬間があった。まぁ頑張って下さい。やりすぎ感はあるけど、ドロテのチャイパドは好きだ。「くるみ割り人形」第2幕より グラン・パ・ド・ドゥ振付:ルドルフ・ヌレエフ音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーレオノール・ボラック&ジェルマン・ルーヴェ衣装がキラッキラヌレエフ版の「くるみ」は振りが難しすぎて落ち着いて観てられない。本国で主演しているので、破綻なく踊っていた。もう叶わないことだけど、ヌレエフ本人がこれを踊ったところを観てみたかった。「クローサー」より 〈日本初演〉振付:バンジャマン・ミルピエ音楽:フィリップ・グラス (「Mad Rush」より)ピアノ:久山亮子エレオノラ・アバニャート&オードリック・ベザールミルピエ作品は苦手だとわかった。ABプロとおして一番おもしろくなかったのがこれ。単調な音楽の繰り返しがつらく、最後のほうは「えっ また、、、」と思った。誰が踊ってもそう感じただろう。コンテ作品の私の好き嫌いは音楽に影響されるとわかった。環境音楽のような抑揚の少ない曲を長々と繰り返されるのは苦手だ。でも、そういう音楽はコンテ作品でよく使われるのよね。「Sanzaru」 〈日本初演〉振付:ティアゴ・ボァディン音楽:フィリップ・グラス (ヴァイオリン協奏曲第2番「アメリカの四季」楽章2より)シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコミルピエ作品の疲れをひきずったまま観たので印象薄し。ごめんなさい。この2作品の並びは修行に思えた。「瀕死の白鳥」振付:ミハイル・フォーキン音楽:カミーユ・サン=サーンス (「動物の謝肉祭」より第13曲「白鳥」)ドロテ・ジルベールチュチュを見てほっとした(笑)ドロテの瀕死は二度目。より静謐さを追求しているのだろうか、身体の動き、羽ばたきが抑えめだった。「感覚の解剖学」より振付:ウェイン・マクレガー音楽:マーク=アンソニー・タネジ (「Blood on the Floor」より)ローラ・エケ&ユーゴ・マルシャン音楽にメリハリがあり、動きのアクセントが独特でこれは楽しめた。エケさんがクールでかっこいい。パンツ一丁のマルシャンの身体はかなりゴツめ。もちろん無駄なお肉などあるはずもないが、全体的に大きくかなり筋肉質なので、セクシーというより武闘派に感じてしまう。衣装を着て踊っているほうがいいわ。「アザーダンス」振付:ジェローム・ロビンズ音楽:フレデリック・ショパン (「マズルカ」op.17-4、op.41‐3、「ワルツ」op.64‐3、「マズルカ」op.63‐2、op.33‐2)ピアノ:久山亮子アマンディーヌ・アルビッソン&マチュー・ガニオ眼福だった。マチューを素晴らしいダンサーだと初めて認識した。基礎は完璧で踊りは美しいが、エレガントすぎて何を踊っても「端正」という感想しか浮かばなかったダンサーだったのが、内からにじみ出てくるものを感じさせてくれるようになった。アマンディーヌも彼女のたおやかさが出てこの演目が良かった。このカップル、ロミジュリは合ってなかったが、アザーダンスでは相乗効果が生まれていた。昨年の世界バレフェスでもアザーダンスを踊っていたが、その時より心に強く残るいい踊りだった。「ル・パルク」より“解放のパ・ド・ドゥ”振付:アンジュラン・プレルジョカージュ音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (ピアノ協奏曲第23番 K.488 第2楽章)エレオノラ・アバニャート&バンジャマン・ペッシュバンジャマンが踊るのを観るのは最後なのかな。観ながら、大阪のチケット取っちゃおうかな〜 と考えていた。(8月5日、7日 オーチャードホール)
2016.08.10
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今年の初バレエ観賞はフェスティバルホールからダンサーのエルヴェ・モローとピアニストのジョルジュ・ヴィラドムスが組んで企画したチャリティ公演が元になっているので、バレエだけでなく、ヴァイオリンとピアノのソロ演奏もある構成になっている。♪煌めくエトワール 音楽:ジュール・マスネ 振付:エルヴェ・モロー バレエ:ドロテ・ジルベール、エルヴェ・モロー ヴァイオリン:三浦文彰 ピアノ:ジョルジュ・ヴィラドムス星が煌めく美しい舞台で、ロビンスの「イン・ザ・ナイト」を彷彿とさせる演目だった。綺麗な舞台に綺麗な2人。ドロテの上半身がとても柔らかな動きができるようになっていて、叙情性が増していたのが嬉しい発見。パートナーが良かったからかしら。♪イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 “バラード” ヴァイオリン:三浦文彰かなり気合いが入っていると見受けた。この公演、エルヴェとマチュー目当ての観客が多い(わたしもそのひとり)ので、ここは張り切るよね。深みのあるいい音の演奏で、観客の心を掴んでいた。若いヴァイオリニストで、今年の大河ドラマ『真田丸』のオープニングテーマ曲の独奏をなさっているとか。ヴァイオリンに関して全然詳しくないが、かなり超絶技巧な曲だったと感じた。♪ポンセ:メキシカン・バラード ピアノ:ジョルジュ・ヴィラドムスこういう新しく出会える曲を聴くのは楽しい。ゆったりとした部分は雰囲気があるが、メリハリの付け方が甘いのか、一本調子の演奏に聴こえた。♪「トリスタンとイゾルデ」より“愛の死のパ・ド・ドゥ“” 音楽:リヒャルト・ワーグナー 振付:ジョルジュ・マンチーニ バレエ:ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ肌色パンツ一丁のマチュー・ガニオだけど、私は服を着ているほうが好きなのね。ほんっと、彫刻のように美しい身体で非の打ち所がないお顔とプロポーションなんだけど、この方はエロさがゼロなので、こういう作品に求められている業とか官能性とかそういうものの表現が希薄なの。ほぼ素っ裸に近く、惚れ惚れするような筋肉がついていて、これ以上はないっていうイケメンのお顔なのに、「エロさゼロ」って、ある意味奇跡のような事で、この人こそ王子様を踊るべき人なんだけど、でも、コンテを好きなのよね、確か。♪ツクヨミ 音楽:アルヴォ・ペルト(アリーナのために) 振付:中村恩恵 バレエ:エルヴェ・モロー中村恩恵さんの振付作品を観るのは2度目。静を表現している部分がとても東洋的で、それをフランス人のエルヴェが踊っているのが興味深かった。所作に能のような動きがあったり、東洋と西洋が交差している作品に仕上がっていて、中村恩恵さんとのデュエット作品でも面白かったんじゃないかなと思った。もちろんソロでも素敵だけれど、エルヴェは「俺が俺が」のダンサーじゃないので、相手役がいるほうがより魅力が増すように感じる。♪それでも地球は回る 音楽:アントニオ・ヴィバルディ(「バヤゼット」より“私はないがしろにされた妻”) 振付:ジョルジオ・マンチーニ バレエ:マチュー・ガニオ ヴァイオリン:三浦文彰 ピアノ:ジョルジュ・ヴィラドムス服は着ているけれど、ジムにいるちょっと派手めの人みたいで、かなり面白い格好。それでも、始めの五番アンバーはうっとりするくらい美しい。何回かあった顔を両手で覆う仕草は乙女のよう。そんなイノセントな風情を生かせる作品に出会えるといいんだけどな。♪サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ ヴァイオリン:三浦文彰 ピアノ:ジョルジュ・ヴィラドムス聞いたことある〜 という曲。少々生真面目すぎでカプリチオーソなところが弱かったのが唯一残念だったところで、それは伴奏者との息の合い方のせいもあるのかも。伴奏者にもう少しゆとりがあると、もっとヴァイオリンが自由にはじけたかもしれない。♪瀕死の白鳥 音楽:カミーユ・サン=サーンス 振付:ミハイル・フォーキン バレエ:ドロテ・ジルベール ヴァイオリン:三浦文彰 ピアノ:ジョルジュ・ヴィラドムス 瀕死はバレリーナなら踊ってみたいよね〜 肩やアームスの動きが美しくなってきているので、踊り込んでいくと進化していきそう。 ♪リスト:バラード第2番ロ短調 ピアノ:ジョルジュ・ヴィラドムスリストで勝負! ごめんなさい、リストのほとんどの曲が苦手なので、、、左手のうねるような響きは良かったですよ。♪月の光 音楽:クロード・ドビュッシー 振付:イリ・ブベニチェク バレエ:エルヴェ・モロー ピアノ:ジョルジュ・ヴィラドムスエルヴェのメランコリーな佇まいが生かされた作品。出待ちとかしないので、オフでの雰囲気を知らないけれど、エルヴェって確かに「月」なのね、決して『太陽』じゃない。鉄壁の基礎に裏打ちされた正確なフォルム、エレガントで流麗な動き、見ためも完璧だけど、静の人。決してドヤ顔なんかしないし。演目によってピアノ位置が移動するので、そこに時間がかかって間が空くのが気になった。バレエもクラシック音楽も好きなので、こういう構成は楽しめたけれど、もう一演目マチューに踊って欲しかったな。(1月14日 フェスティバルホール)
2016.01.16
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(西宮ガーデンのツリー)♪イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド 振付:ウィリアム・フォーサイス 上野水香 奈良春夏 柄本弾 三雲友里加 川淵瞳 二瓶加奈子 原田祥博 入戸野伊織 河合眞里 ♪TWO 振付:ラッセル・マリファント シルヴィ・ギエム♪ドリーム・タイム 振付:イリ・キリアン 岸本夏未 沖香菜子 金子仁美 岡崎隼也 吉田蓮♪ボレロ 振付:モーリス・ベジャール シルヴィ・ギエム 秋元康臣 森川茉央 永田雄大 岸本秀雄東バさんの挑戦演目のイン・ザ・ミドルは、「頑張ったね」というのが感想。一瞬「いいな!」と思う箇所もあったので、それが線でつながるといいね。まだ振りを一生懸命なぞっているいるという域から出ていないように感じたので、踊り込んでいくと良くなるだろう。これ、音楽がガンガン響く、もっとコンパクトな舞台で踊るといいかもしれない。大きな身体の人向けの作品とも思った。複雑な動きだけど、小回りを利かして素早く、ということを要求されていないと感じた。力強さを求められた作品なんだろう。ドリーム・タイムのほうが東京バレエには似合っていた。武満徹の音楽はフランス印象派のような趣があって、いぶし銀のような装置の神秘性と、オリエンタルな風貌のダンサーたち(当たり前ね)とで、“ジャポニスム”な作品になっていた。幕切れ手前の3人によるリフトは印象的。ギエムを観るのも最後になると思うと感慨深いものがあった。初めて生で観たのは1988年の世界バレフェス。20代前半でパリオペラ座に所属している頃の彼女で、シリル・アタナソフと踊ったノートルダム・ド・パリだった。「若いのにテクニックも雰囲気も完成されているダンサーなんだな」と感じたことを憶えている。彼女が古典の全幕を踊っている時期は、私自身子育てやらに忙しく、また色んな意味で余裕がなく年に1回の観賞が精一杯だったので、ギエムの古典全幕を観ることはなかった。今思うと惜しいことしたと後悔している。どうしても1回となると、ゲスト出演の日本のバレエ団公演は避けていたし、英国ロイヤルに興味がなかったのだ。年に複数回観られる頃になると、古典全幕は踊らないダンサーになっていた。今回の“さよなら公演”は、東京での演目のほうに興味があったが、「最後1本!」なら、この西宮の2演目が自分にとってはベストだったと観終わって思えた。TWOの身体の動きはギエムの真骨頂で堪能できたし、最後は赤い円卓の上の“踊りの女神”というのが、長い間楽しませていただいたダンサーの最後の姿としてふさわしかった。22日の舞台も素晴らしかったが、私の中でのギエムの舞台のナンバーワンは、東北の震災後の2011年秋、同じ西宮での「ボレロ」だった。劇場全体が揺れるような大喝采、観客の中にあるエネルギーまで放出されたように空気が振動していた。「すごく好きなダンサーなの?」 と聞かれると、好きだけど正直「すごく」ではない。もっと好きなダンサーはあと5人くらいいる。でも、観終わった後は絶対に感動と驚きを与えてくれる、別格様のダンサーだった。「同年代(2歳違い)で凄いよな〜」 とか思えない、別の次元にいる女性だった。(12月22日 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール)
2015.12.24
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(兵庫県立芸術文化センター前のツリー) オネーギン フリーデマン・フォーゲル タチアーナ エリサ・バデネス レンスキー パブロ・フォン・シュテルネンフェルス オリガ アンジェリーナ・ズッカリーニ グレーミン公爵 ロマン・ノヴィツキー ラリーナ夫人 メリンダ・ウィサム 乳母 ダニエラ・ランゼッティ兵芸で「オネーギン」を観てきた。8月のバレフェス時には、「ギャンブルかも、、、」と思ったフリーデマン・フォーゲルのオネーギン。意外にも(ごめんなさいね)良かった。フリーデマンくんが全幕でオネーギンを踊ったら、あれもしてこれもしてでコッテコテになるかと想像していたが、かなり抑制のきいた役作りで、厭世観の漂った大人の男だった。哲学的に虚無感のある人物ではなく、何に対しても価値を見出せない何もしたくない男というふうに見てとれた。そう書くと単なるバカ男みたいだけど、そうは見えないのは貴族という特権階級にいる人物として成立していたから。品があると、考えていない人生も許される。ミラノ・スカラ座公演でのロミオは体型的にも“よそ者”感アリだったが、さすがにホームではしっくりとくる。ここのバレエ団の男性ダンサーはかなり身長が高そうだ。エリサ・バデネスは西宮でのみタチアーナを踊った若いダンサーで、まだ23歳だとか。健闘していたんじゃないかな。1幕はまだ固さもあったようだけど、終幕に向けて盛り上がっていった。恋のときめきを表現しているパ・ド・ブレの繊細さや、リフトされたときの上半身の感情のほとばしる表現などは、まだこれからというところだが、将来が楽しみないいダンサーだ。レンスキーの悲しさ、オリガの深く考えないきゃぴきゃぴお嬢ぷり、脇の田舎貴族のおじいちゃんとおばあちゃんの小芝居など、物語バレエの楽しさを十分に味わえた。これは仕方がないことだけど、1幕40分、休憩20分、2幕25分、休憩25分、3幕25分という時間構成がどうも気持ちが盛り上がりにくい。3幕は何年か経ってからの出来事なので別幕にせざるおえないけれど、休憩2回と2幕3幕の時間がほぼ同じというのがねぇ、ぶつ切り感があるのよ。3幕がもう15分くらいあればそんな気にもならないけど。しかしジョン・クランコは亡くなってしまっているのでどうにもならないな。(11月28日 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール)
2015.11.28
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「ディアナとアクテオン」 振付:アグリッピーナ・ワガノワ/音楽:チェーザレ・プーニ ヴィエングセイ・ヴァルデス オシール・グネーオ Aプロのドン・キホーテの“やりすぎ感”が薄まって、テクニックの強さを見せつつ優雅な雰囲気も漂ういい仕上がりだった。特に男性のグネーオはエレガントな動きが出来るダンサーで、テクニックを要する部分も余裕を持ってきめてくれるので踊りが美しかった。「シナトラ組曲」より"ワン・フォー・マイ・ベイビー" 振付:トワイラ・サープ/音楽:フランク・シナトラ イーゴリ・ゼレンスキー ゼレンスキーは大好きなダンサーだけど、これは似合っていなかった。身体つきがクラシックスタイル過ぎるのか、動きが直線的に感じた。少し崩した感じや音と遊ぶような雰囲気が欲しかった。「ペール・ギュント」 振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:アルフレット・シュニトケ アンナ・ラウデール エドウィン・レヴァツォフかなり物語性があるようだが、事前知識なしで観たのでその部分がよくわからず。全幕で観ると納得できるのだろうけど。ガラでのノイマイヤー作品は事前チェックが必須のようだ。「ライモンダ」より 幻想のアダージオ 振付:マリウス・プティパ/音楽:アレクサンドル・グラズノフ ウリヤーナ・ロパートキナ ダニーラ・コルスンツェフロパ様も全盛期は過ぎているだろうけど、そんな事を感じさせないほど美しい。跳んだり回ったりしないのに、ひとつひとつのポーズや動きで感動させることができる究極のバレリーナ。かなり大きなロパ様を美しく見せるように支え抱えているコルスンツェフの「影の仕事」も大きい。それにしても、A.Bプロ両作品でコルスンツェフの両足が同時に床から離れたことはあっただろうか? 「椿姫」より 第1幕のパ・ド・ドゥ 振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン マリア・アイシュヴァルト アレクサンドル・リアブコラドメーカー降板で急遽リアブコが代役になった。そういう緊急事態の舞台は密度が濃くなることが多く、パッション全開のアルマンで濃厚な舞台になった。あんなふうに情熱的に迫られたら、マルグリットも陥落でしょ。ノイマイヤーの「椿姫」はガラの定番で、正直「またか」と思うことが多いけれど、これは観て良かったと思えるほど素晴らしかった。これがデフォルトになると次がきついな。「眠れる森の美女」 振付:ルドルフ・ヌレエフ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー リュドミラ・コノヴァロワ マチアス・エイマン末っ子のような雰囲気だったエイマンもいい意味で貫禄がでてきた。綺麗な5番で着地してくれて、お手本のような王子様。古典中の古典をここまできっちりと踊ってくれると満足度が高い。怪我に気をつけて、進化し続けてほしい。ミリアムの代役のコノヴァロワは少々緊張気味だったように見受けた。「ノー・マンズ・ランド」 振付:リアム・スカーレット/音楽:フランツ・リスト アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー コジョカルはコボーと踊っている時が一番幸せなのかしら、と思いながら観た。古典を踊ればお姫様の煌めき、コンテを踊れば女の悲しみを表現できる。コボーと踊るのを観られるのは最後になるのだろうか。「海賊」 振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ サラ・ラム ワディム・ムンタギロフムンタギロフはこれから楽しみなダンサーになりそう。脚がとにかく美しい。サラ・ラムのしっとりとしたメドゥーラも好感が持てた。「ヴァーティゴ」振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ ディアナ・ヴィシニョーワ マルセロ・ゴメス濃い2人による濃い作品。濃いけれど硬質なムードが漂い、独特の世界があった。ヴィシニョーワとゴメスはベストカップルだ。「ギリシャの踊り」 振付:モーリス・ベジャール/音楽:ミキス・テオドラキス オスカー・シャコン ベジャールのダンサーは「伝道者」のように感じる。ベジャールの教えを忠実に世に広める役割を担っているような。「ロミオとジュリエット」より 第1幕のパ・ド・ドゥ 振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ ヤーナ・サレンコ スティーヴン・マックレーマックレーは踊ると素敵。溌剌としていて“青春の輝き“を感じた。サレンコもいいが、もう少し“恋の喜び”をたっぷりと表現して欲しかった。「伝説」 振付:ジョン・クランコ/音楽:ヘンリク・ヴィエニャフスキ アリシア・アマトリアン フリーデマン・フォーゲル かなり難しそうなリフトが多かった。フリーデマンは会心の出来だったのか、カーテンコールのレヴェランスでアマトリアンよりも前に出そうな勢いで拍手に応えていた。「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ 振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン タマラ・ロホ アルバン・レンドルフ ロホはマルグリットを全幕で踊ったことがあるのかしら? 残念ながらこれはいい印象は残らなかった。ロホ好きなんだけど、マルグリットには見えなかった。元気すぎて死にそうになく、「振りをこなしてます!」というふうに見えちゃったのだ。「レ・ブルジョワ」 振付:ベン・ファン・コーウェンベルク /音楽:ジャック・ブレル ダニール・シムキンよく見ると凄い技をしているが、そろそろ跳びまくらない作品も踊ってほしい。「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ 振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ オレリー・デュポン エルヴェ・モロー オペラ座でのオレリーのアデュー公演では、エルヴェの怪我で実現しなかったペア。Aプロのラフな衣装よりも、こういうゴージャス系のほうがこの2人にはよく似合う。2人の会話が聞こえるようなマノンだった。「シンデレラ」振付:ウラジーミル・マラーホフ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ ヤーナ・サレンコ ウラジーミル・マラーホフこの「シンデレラ」を踊ると発表された時、「大丈夫ぅ〜? あのヘンテコな王子の衣装はマラーホフには鬼門では?」と心配した。かなり覚悟していたので、まぁなんとか、ギリギリいけるラインだった。マラーホフ先生、ちょっと身体を絞りましたね。愛弟子のサレンコと踊っている姿は、まさしく「先生と生徒」で王子じゃないけれど、感慨深いものがあった。「瀕死の白鳥」 振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス ウリヤーナ・ロパートキナ世間の皆様を敵にまわすようなことになりそうだが、私は「瀕死の白鳥」が嫌い。どうしても好きになれないのだ。でも、ロパ様が素晴らしい「瀕死」を踊ってくれているのはわかる。わかるんだけど、、、作品が嫌いだとどうしてものれない。「シルヴィア」 振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:レオ・ドリーブ シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ例えばボリショイやマリインスキーの男性ダンサーは踊ってなくても容姿が素晴らしい人が多いが、リアブコはそれほどでもない(失礼)。 何年か前のエトワール・ガラのサイン会で見たとき、気が良さそうで、嫁アッツォーニの尻にひかれてそうなおっちゃんの雰囲気だった。でも、ひとたび踊りると豹変する。それも役柄によって全く異なる顔を見せてくれる。顔芸じゃなく全身で役に入るところが素晴らしく感動させられる。「こうもり」よりパ・ド・ドゥ 振付:ローラン・プティ/音楽:ヨハン・シュトラウス2世 イザベル・ゲラン マニュエル・ルグリやっぱりウルリックだった(笑) コミカルでも相変わらずピルエットなどはエレガント。エレガンスあふれる踊りは健在で、私と2つしか歳が違わないなんて思えませんことよ。そしてセルフ・プロデュースの才能がある。演目とパートナーのチョイスが秀逸だわ。次回2018年とオリンピックイヤー2020年まで来てくれそうな気もする。今回一番楽しかったのはゲランを観られたこと。演技力もあることがよくわかった。「ドン・キホーテ」 振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス マリーヤ・アレクサンドロワ ウラディスラフ・ラントラートフ こんなにキスシーンが多いドンキは初めて(爆笑)ボリショイらしい豪快なドン・キホーテで、トリを締めくくってた。若い頃はテクニックでブイブイいわせていたマーシャも、年齢を重ね、それに怪我もあったので、以前ほどの技巧派ではなくなっているが、やはり見せ方を知っていて華やかなキトリだった。ラントラートフはまだ若いから、これからまだまだ進化しそう。3年半前のボリショイ来日公演でロットバルトを踊っていて、「王子(チュージン)よりロットバルトのほうがかっこいいやん」と思ったっけ。それからボリショイでは色々あって(そのあたりのことが映画になるそうで 驚!)、山あり谷あり乗り越えながら、バレフェスで姐さんとラブラブでドンキ踊っている姿に感動した。ドヤ顔が多すぎたのはガラ仕様のご愛嬌ということで(笑) 指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル (「ノー・マンズ・ランド」、「椿姫」)チェロ:遠藤真理、ハープ:田中資子(「瀕死の白鳥」) 出演:矢島まい[東京バレエ団](「こうもり」ピアノ、、、パリオペの「椿姫」のDVDで弾いているピアニストさん。曲によって落差がありすぎ。いい音がでてるな〜と感じたこともあったが、ミスタッチも多い。アザーダンスのマズルカでわちゃわちゃしていたのは耳を疑った。「日本の暑さにやられんたんじゃない」と娘は擁護していたが、マズルカOp.17-4で音を混ぜるなんて論外。案の定Op.33-2はかなり崩壊気味。そうきたらショパンのバラード1番 Op23がまともにいくとは思えない。「椿姫」の黒のパ・ド・ドゥに集中できないのはピアノが原因で、バラード1番だけはガラ公演では録音でいいのにとさえ思ってしまう。生演奏に優るものはないとは思うけど。(8月11日 東京文化会館)
2015.08.21
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♪チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー ヤーナ・サレンコ スティーヴン・マックレー幕開きにふさわしく、明るく正当派のチャイパド。音感のいい踊りは観ていて気持ちがいい。♪3 つのグノシエンヌ振付:ハンス・ファン・マーネン/音楽:エリック・サティ マリア・アイシュヴァルト マライン・ラドメーカー大人の情感あふれる世界。♪お嬢さんとならず者 振付:コンスタンティン・ボヤルスキー/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ アシュレイ・ボーダー イーゴリ・ゼレンスキーAプロのみ出演のアシュレイ・ボーダー、できればバランシン作品で観てみたかった。♪白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"振付:マリウス・プティパ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー タマラ・ロホ アルバン・レンドルフガラ仕様の黒鳥。まだまだグルグル回転できるのね〜王子も姐さん黒鳥にひっぱられて健闘していた。♪フェアウェル・ワルツ振付:パトリック・ド・バナ/音楽:フレデリック・ショパン、ウラジーミル・マルティノフ イザベル・ゲラン マニュエル・ルグリ「足したら100歳越え」なんて悪口言ってたが、素敵なカップルだった。今までで一番熱いルグリ先生だった。イザベル・ゲランの劣化していない容姿に驚愕。♪アザー・ダンス振付:ジェローム・ロビンズ/音楽:フレデリック・ショパン アマンディーヌ・アルビッソン マチュー・ガニオマチューはこういうガラ向きのダンサーではないと感じてしまう。踊りはたまらなく美しいが、押し出しが弱く見えてしまって、、、そのエレガントさが彼の持ち味なんだけど。途中でちょっとつっかかる振りのところ、マチューの踊り方では振りではなくミスったように見えてしまったのが残念だった。アルビッソンはワルツの8番のバリエーションはたおやかだった。♪マンフレッド振付:ルドルフ・ヌレエフ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー マチアス・エイマンかなり壮大な音楽で、ヌレエフ特有の細かい動きを音に遅れずにこなしているのはさすが。久しぶりにいい状態のエイマンくんを観たような気がする。♪ジゼル振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー/音楽:アドルフ・アダン サラ・ラム ワディム・ムンタギロフ基本に忠実な踊りで安心して観ていられた。ジゼルの衣装は、もう少しふわっとしているほうが好き。ロイヤルの衣装って、白鳥もジゼルもあか抜けなくてもさっとしているのが多いのが残念。ムンタギロフはつま先が美しく、王子様がいけるダンサーだ。♪「ライモンダ」より第 3 幕のパ・ド・ドゥ振付:ユーリー・グリゴローヴィチ(プティパに基づく)/音楽:アレクサンドル・グラズノフ マリーヤ・アレクサンドロワ ウラディスラフ・ラントラートフラブラブな2人で(笑)マーシャはもともと「踊れて幸せ」という雰囲気が見えるダンサーだったところに、LOVEモードまでプラスされたので、幸せ度MAXになっていた。♪失われた純情 「いにしえの祭り」 振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:リヒャルト・シュトラウス アンナ・ラウデール エドウィン・レヴァツォフ シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコガラで切り取る作品としては難しそう。アッツォーニ/リアブコ組の役への集中力は相変わらず凄い。♪シンデレラ 振付:フレデリック・アシュトン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー星空をバックに王子がいると、「コボーさん老けたな」と感じてしまった。(ごめんなさい)アダージオのみで、もう少し煌めいているコジョカルを観たかったというのが本音。♪オールド・マン・アンド・ミー 振付:ハンス・ファン・マーネン音楽:J.J.ケイル、イーゴリ・ストラヴィンスキー、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフこの3人の作曲家の作品を連ねてひとつの作品になっているのが興味深かった。かなりユーモラスな部分があって、ヴィシニョーワのコメディエンヌぶりが面白い。彼女が踊ったから観ていられたけれど、相当魅力あるダンサーじゃないと長く感じるだろう。♪パリの炎振付:ワシリー・ワイノーネン/音楽:ボリス・アサフィエフ ヤーナ・サレンコ ダニール・シムキンシムキンの超絶技巧に客席は沸いていた。でもごめんなさい、どうしても好きになれないダンサーなの。よく跳ぶし、よく回る、ガラ向きなのはよくわかる。♪「白鳥の湖」第 2 幕より振付:レフ・イワーノフ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー ウリヤーナ・ロパートキナ ダニーラ・コルスンツェフお美しゅうございます。年末のマリインスキー公演のロパ様の日に行く予定がないので、ロパ様の白鳥が観られただけで幸せでございます。コルスンツェフはロパ様を支え抱えるのみで。できれば少しソロを観たかったです。♪トゥギャザー・アローン 振付:バンジャマン・ミルピエ/音楽:フィリップ・グラス オレリー・デュポン エルヴェ・モローラフな衣装のコンテ作品。「オペラ座の現在」を紹介ということかな。(オレリーはアデュー後だけど)今回のプログラムの中では、こういうコンテも観てて楽しかった。♪「オネーギン」より第 1 幕のパ・ド・ドゥ 振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー アリシア・アマトリアン フリーデマン・フォーゲル秋のシュツットガルト来日公演の宣伝も兼ねているのだろう。チケットをまだ取ってないがどうしましょう。フリーデマンのオネーギンはかなりギャンブルかも。でも全幕観てみたい気もするし、、ロミオは観たしな。♪ドン・キホーテ 振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス ヴィエングセイ・ヴァルデス オシール・グネーオ 超絶技巧組。確かにテクニックあるし、トリのドンキなので何でもありかもしれないが、アダージオのバランス技が多すぎて、踊りの流れがぶつ切りなってしまっていたのは好みではなかった。驚異的なバランスなのは認めるけど。バジルの衣装の胸がはだけすぎなのもちょっとねぇ。グネーオはエレガントなダンサーだと思うので、もっと正統派で踊ればいいのに。東京では珍しくフェッテの手拍子が起こっていてビックリ日本以外でプロの公演でも起こることはあるようだが、あれは嫌い。微妙にずれたりするし、お教室の発表会で手拍子するのも痛々しくて、やめたほうがいいのにな〜と思う。一週間後にBプロに行ったら、キャスト表に「手拍子自粛して下さい」と書かれていた。(8月4日 東京文化会館)
2015.08.17
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Naïla Sae Eun Park Djémil Audric Bezard Nouredda EVE GRINSZTAJN Zaël Axel Ibot Mozdock Aurélien Houette Dadje Héloïse Bourdon Le Khan Jérémie-Loup Quer LA SOURCEは『泉』という意味。泉の妖精ナイラは狩人のジェミルに恋しているが、ジェミルは隊商の娘ヌーレッダと結ばれたいと望んでいるので、ジェミルの恋が成就するようにナイラが恋の手助けをし、最後には自分の命まで投げ出すという「自己犠牲」の物語。「恋する男が他の女性と結ばれるのを手助けする妖精」という儚げな風情には、韓国人であるパク・セウンの容姿と持っている雰囲気はよくマッチしていた。他のダンサーに比べて身体が華奢で柔らかなラインの持ち主なので、「人ではない」という説得力は大きい。腕の使い方も綺麗でテクニック的に申し分ないが、欲を言うともう少し押し出しが欲しい。いかにもたおやかで、印象が埋没してしまった。同じ東洋系で見慣れているというのもあってそうなるのかも。欧米系の観客なら、彼女の容姿で印象が埋没してしまうことはないのかもしれない。テクニックは特に跳ぶパが美しいダンサーなので、コンテの力強いキャラクターを演じた時にはガラっと印象が変わる可能性は大きいかも。ジェミルという役は難しい。どう踊ってくれても、女性の目から見ると魅力的な男性にはならないのだ。無意識とはいえ、自分に好意を持ってくれている女性(妖精)に助けてもらって、意中の人と結ばれて幸せになる男なんてねぇ。一瞬でもチャラ男になったら、「最低男」の烙印が押されてしまう。オドリック・ベザールはひたすら真面目路線を貫いてくれたので、そこは踏ん張ってくれた。振付はかなりテクニックが難しい振りも多そうだったので、敢闘賞ものだった。敢闘賞といえば、ザエルのアクセル・イボくん。 イボくんがテクニックでブラボーをもらえる日がくるなんて、感慨深いものがありましたよ。カーテンコールでもいっぱい拍手をもらっていた。コミカルなムードがよくでていて良かった。エキゾチックなヌーレッダはエヴさんの手の内というようで、高慢ながら寂しげな女性を情感豊かに演じていた。エヴさんは好きなダンサーで、昨年は「オネーギン」のオリガ、「椿姫」のマノン、そしてヌーレッダと色の違う3役で観ることができて楽しかった。前日全幕クララを踊ったエロイーズ・ブルドンがダジェを踊った。開演前に名前がアナウンスされたので急な代役だったようだ。若いからといっても体力的に大変そうで、大丈夫か〜? と思ったが、元気に踊っていた。次のシーズンには「ラ・バヤデール」があるので、ガムザッティが似合いそうだからキャスティングされるといいね。好みの問題もあるが、お話に心惹かれなかったのと音楽がイマイチだったのが残念なところ。素晴らしかったのは、クリスチャン・ラクロワの衣装と舞台上からタッセルのようなものが吊り下った装置。ラクロワの衣装は贅沢に生地を使い、これぞオペラ座!と思える豪華なもの。豪華だが、重苦しさがなく柔らかそうなので、踊りやすいんじゃないかな。目の保養だった。装置はガルニエの空間によく似合い、上品さがあって素敵だった。(12月28日 オペラ・ガルニエ)
2015.03.19
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CLARA Héloïse Bourdon DROSSELMEYER / LE PRINCE Vincent ChailletDANSE ARABE (SOLISTE FEMME) Letizia GalloniDANSE ARABE (SOLISTE HOMME) Cyril Chokroun DANSEUR CHINOIS (TRIO) Yvon Demol, Mickaël Lafon, Mathieu Contat LA PASTORALE (FEMME) Alice Catonnet, Jennifer Visocchi LA PASTORALE (HOMME) Germain Louvet2度目の『くるみ割人形』。劇場でもらったキャスト表を失ってしまい、詳しいキャストはわからなくなってしまったが、主要キャストは↑だったと思う。キャスト発表時はリュドミラ・パリエロとマチアス・エイマンだったが、両名とも怪我で降板し、エロイーズ・ブルドンとヴァンサン・シャイエになった。エイマンくん、怪我が多いな〜 来日公演のドン・キホーテで観たけれど、あとはずっと怪我のような気がする。まだ若いからなんとか丈夫な身体になってほしいもの。クララのエロイーズ・ブルドンは若手有望株。舞台姿は派手で押し出しの強いタイプ、テクニックもかなりありそうだ。姫にもエキゾチックにもなれる美貌で、キラキラ輝いているクララだった。それだけに、クララのナイーブさ、夢子さんの雰囲気は薄め。ほぼ完璧に難しいグラン・パ・ド・ドゥを踊りきったので、客席からはブラボーが多くとんでいた。コンテはどうかわからないけれど、そう遠くない将来にエトワールまでのぼりつめるダンサーだろう。2014年はフォールリヴァー伝説、ドン・キホーテ、椿姫、くるみ割り人形と4度も主要な役でヴァンサン・シャイエを観た。まさにシャイエ祭り状態。見ためとは意外に(すみません)誠実な芸風のダンサーで、4役のなかではフォールリヴァー伝説の牧師が一番良かった。ドロッセルマイヤーは威厳があり、クララには優しくフリッツには陰険な態度というメリハリがきいていて、演技面は若手のユーゴ・マルシャンより洞察力の深さがある。王子もクララに優しい温かい王子様。観客をあっ!と言わせるテクニックの持ち主ではないので、王子のヴァリエーションがいっぱいいっぱいだったのは残念なところだけど(ユーゴ・マルシャンのとは多少振りが変更されていた)、エロイーズ・ブルドンを美しく見せるサポートで健闘していた。ドン・キホーテの闘牛士の時にも感じたが、もっとキザればいいのにな。フランス人には珍しく奥ゆかしい芸風のダンサーなんだわ。25日より「花のワルツ」はバタバタした雰囲気があった。日によってムラがあるのね。雪の王国は美しかった。(12月27日 オペラ・バスティーユ)
2015.02.17
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Clara Mélanie Hurel Drosselmeyer / Le Prince Hugo Marchand Luisa Aubane Philbert Fritz Simon Valastro Casse-Noisette Alexandre Labrot La Mère Christine Peltzer Le Père Laurent Novis La Grand-mère Karine Villagrassa Le Grand-père Alexis Saramite Les Flocons Laure-Adélaïde Boucaud / Fanny Gorse Danse Arabe Christelle Granier / Florimond Lorieux Les Chinois Daniel Stokes / Adrien Couvez / Pablo Legasa Pastorale Germain Louvet / Alice Catonnet / Jennifer Visocchi ノエル当日に『くるみ割り人形』を観た。キャスト発表をオペラ座のHPで見た時、「Hugo Marchand って誰ですか〜????」となった。ドロッセルマイヤーと王子を踊るダンサーなのに初めて耳にする名前。知らない名前だけど主役に抜擢されているのだからそれなりには踊るでしょう、と期待半分心配半分で席についた。幕開きドロッセルマイヤーで登場したユーゴ・マルシャンを見た瞬間、「でかっ!」と。190cm級かな、背が高い。大きい人にありがちな動きが雑に見えることはなく、足先が美しく演技も踊りも丁寧で、王子らしいノーブルさと明るさを持ち合わせているダンサーだった。大きさを生かしたダイナミックさを表現できるところまではいってないけれど、サディストとしか思えないヌレエフの振付を破綻なくこなしていたから、これから楽しみなダンサーだろう。グラン・パ・ド・ドゥの最後のポーズ、軽々とメラニー・ユレルを抱えて片足を上げてきめていた。クールでスタイリッシュというより、「人のいいあんちゃん」的雰囲気があるのも魅力かも。若い王子に対してベテランのメラニー・ユレルは、年の差を感じさせない可愛いクララになっていた。1幕、バレエ学校の生徒さん達演じる子供達に囲まれても違和感なし。演技力の賜物ね。きゃぴきゃぴはしていないが、ふわ〜っと夢見る夢子ちゃん的クララで、〈全てはクララの夢の中〉という物語に説得力があった。ヴァリエーションの難しい振りに、多少悪戦苦闘感があったけれど、20歳近く年下のダンサーを支え、なおかつツバメ感を出させなかったのは見事。雪の王国の場面はたまらなく美しい。ここだけでも観る価値がある。これまでのバレエ観賞歴の中で、〈場面の美しさ〉は、パリオペの雪の王国がmyトップだ。ヌレエフ版のくるみは、2幕のスペインやアラブの場面が全体的に暗く、そこが好きになれないところ。夢なんだから、もっとファンタジーで夢夢しく繰り広げていいのにと思うが、天才ヌレエフはそんなありきたりの夢の場面を考えなかったようだ。このプロダクションはフランス人には人気があるのかしら。パストラル(葦笛)の三人が良かった。特に男性は伸びやかな踊りでラインも綺麗。後から知ったが、その彼、ジェルマン・ルーヴェもユーゴ・マルシャンと同じく今回の公演で主役に抜擢されていたダンサーだった。芸監が変わると、起用の仕方も変わるようだ。(12月25日 オペラ・バスティーユ)
2015.01.29
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〈Sub〉 振付:イジック・ガリーリ エステバン・ベルランガ、ダン・ヴェヴォート、アレックス・マニュ アルバロ・マドリガル、フランシスコ・ロレンソ、 ルシオ・ヴィダル、アントニオ・デ・ロサ 〈堕ちた天使〉 振付:イリ・キリアン サラ・フェルナンデス、エミリア・ギスラドティル、エリザベト・ビオスカ アイダ・バディア、マル・アギロ、ジェシカ・リアル、 アリ・パパシアン、アグネス・ロペス 〈ヘルマン・シュメルマン〉 振付:ウィリアム・フォーサイス レベッカ・コノール、エウヘニア・ブレッツィ、ナタリア・ムニョス エレス・イラン、ジャコボ・ギアルダ ノエリー・コンジョード、アレッサンドロ・リガ 〈天井桟敷の人々〉 第2幕第5場より 振付:ジョゼ・マルティネズ セ・ユン・キム、エステバン・ベルランガ 〈マイナス16〉 振付:オハッド・ナハリン ルシオ・ヴィダル 他娘に「観に行こう!」と誘われた時は、「え〜 横浜は遠いよ〜」とブチブチ不満だらけだったが、いざ行ってみるととても楽しめた公演だった。開演前、緞帳の前に芸監のジョゼ・マルティネズが出てきて、怪我で「天井桟敷の人々」を降板する事になったと、丁寧な日本語で一生懸命挨拶した。そこで初めて彼が踊ることになっていたことを知った私。どれだけ下調べしてないんだと自分に呆れてしまった。最初の演目〈Sub〉は、“男祭り”な作品だった。さすがジョゼさん、何度も日本に来てるだけあって、日本人観客(主にマダム)の好みをよくわかってらっしゃる。よく鍛えられた男性ダンサーたちで、肩が柔らかく、上半身の動きが雄弁だった。コンテンポラリーに不可欠なダンサー自身の個性の押し出しが強く、単純な音楽が続く中、照明の当て方やフォーメーションの変化でアクセントがつけられたおもしろい作品だった。何て言うか、みんな濃いっ! そしてイケメンぞろい。“男祭り”の次は、「うちの女性ダンサーを見たってや」のコーナー。黒い揃いのレオタードを身につけた女性ダンサー8名、こちらも個性が前面に出ている。同じ振りを踊っていても、それぞれの顔が見えるようなと言えばいいか。体型は少々がっちり系も混ざっているけれど、コンテならそれもアリだろう。パーカッションのリズムにあわせた振りは、時にくすっと笑える場面もあって楽しかった。〈ヘルマン・シュメルマン〉は、女性ダンサーはポワントを履いて踊る。ジョゼさんが芸監になるまではポワントで踊らなかったカンパニーなので、現在「ポワント回帰」真っ最中。最初に出てきた女性3人のうち、ひとりはとてもリズミカルな動きができていたが、あと二人は振りと格闘中といったかんじ。男性二人の動きにジェゼさんの面影が垣間見えた一瞬があったのが微笑ましかった。指導者と似たような部分が出ることって重要ね。最初に似せることができる技術を身につけて、そこから自分の個性を重ねていくことが、どんな分野の芸術でも必要なことだと思う。ジョゼ振付の〈天井桟敷の人々〉のガランスを踊ったセ・ユン・キムはクラシックバレエのラインを持っているダンサー。儚げで繊細な雰囲気で、「ポワント回帰」してレパートリーを広げようとしているこのカンパニーには貴重な存在だろう。ただ清潔感がありすぎて、百戦錬磨のガランスがウブなバチストに「ベッドにいらっしゃい」と誘う仕草に説得力がなかった。「妖」とか「媚」という表現が薄い。身体的にも見ため的にも濃いセクシーなダンサーが多いカンパニーだから、そう見えちゃったかな。2回めの休憩中、緞帳前におにいさんが(ダンサー)がぽそっと立っている。客席は「?」となっている人が多数(私も含めて)。そのうち、おにいさんは♪セ・マニフィークなどのBGMにあわせて頭を振ったり腰をくねらせたりして、客席の笑いを誘っていた。客電落ちないまま緞帳が開いて、ラテンミュージックにのったおにいさんのワンマンショーが始まった。「これって、休憩中のつなぎ芸か?」と思っていたら、ダンサーが大勢出てきて、最初のおにいさんと同じようなノリで総踊り。そこで一旦緞帳が下りて、すぐに緞帳が上がると、さっき舞台上にいたダンサーたちによって最後の作品〈マイナス16〉が始まった。しっとりとしたシーンもあるが、全体的にアグレッシブな作品で、終盤ダンサーが客席降りしてパートナーを選び舞台に引き上げ一緒に踊るシーンがあった。皆さん音楽にのって動けていたので、「仕込みか?」と思ったが、そうじゃなかったようだ。かなり年配の方もノリノリだった。エンターテイメント性たっぷりでサプライズ感もあって楽しいが、本音を言うと、素人参加型はあまり好きじゃないので、その時間が長過ぎに思えた。(冷たい人間でごめんね)情熱的な中に粋さがある、このカンパニーの売りの部分が一番よくわかる作品ではあった。「今、何を観客に見せたいか」が明確にわかるプログラムで、ジョゼさんのプロデュース能力の高さを感じた。ゲストなしで公演を打ったところにも心意気を感じる。やる気がみなぎっているダンサー達にも好感が持てた。「全力投球!」のパフォーマンスは観てて気持ちがいい。次回来日することがあったら、東京に進出したいかな。「遠いよ〜 横浜」とブチブチ言ってたが、劇場は観やすく、大きさもちょうどいい客席数だった。観るのにストレスがない劇場っていいわ〜綺麗だったからまだ新しい劇場かしら。ジョゼさんサイン入りの限定プログラムをしっかりゲット(12月5日 KAAT神奈川芸術劇場)
2014.12.12
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ニキヤ スヴェトラーナ・ザハーロワ ソロル ウラディスラフ・ラントラートフドゥグマンタ(藩主) アレクセイ・ロパレーヴィチ ガムザッティ マリーヤ・アレクサンドロワ 大僧正 アンドレイ・シトニコフ 奴隷 デニス・ロヂキンマクダヴェヤ(托鉢僧) アントン・サーヴィチェフ 青銅の仏像 ミハイル・コーチャン 精霊たち 第1ヴァリエーション エリザヴェータ・クルテリョーワ 第2ヴァリエーション アンナ・チホミロワ 第3ヴァリエーション チナーラ・アリザーデ 指揮 パーヴェル・クリニチェフ管弦楽 ボリショイ劇場管弦楽団ザハーロワ様(様をつけてしまう 笑)のニキヤとアレクサンドロワのガムザッティは、今観とかないと!と取ったチケット。そろそろ円熟の境地に達したプリマ二人と、これからの伸び代があるラントラートフの「ラ・バヤデール」は、チケットを取って良かったと思える公演だった。ザハーロワ様のニキヤは、彼女の持っている硬質の陰のある風情が悲劇的な巫女に似合っていた。でもザハーロワ様は陰はあっても女王様。大僧正の求愛を拒否する場面は、巫女のくせに大僧正より身分が上としか思えない「上から目線」拒否。どっちが偉いんだよ!と笑いそうになったが、ザハロワ様だから許す。かなり体型維持に気をつかっているようで、オペラグラスを使うと肋骨の浮き具合に痛々しさを感じるほど。でも相変わらずの脚線美で、脚を観ているとうっとりできる。あの脚の美しさは究極ね。アレクサンドロワのガムザッティは、居丈高なお姫様というより血の通ったお姫様だった。好きになった人に恋人がいたと知ったガムザッティは、こちらが感情移入できるぐらい悲しげで気の毒な姫だった。彼女の解釈では、ガムザッティは悪役ではないのね。怪我でかなり長い間休養していたそうで、テクニシャンのアレクサンドロワではなかったが、説得力のある演技と決めるところは決めた「イタリアンフェッテ&ぐいぐい前に迫ってくるフェッテの迫力」で、彼女の真骨頂を見せてもらった。貫禄十分のプリマ二人に挟まれたラントラートフのソロルは、甘く優しげな気の弱い系ソロル。どっちつかずで困っちゃった感ありありという役作りで、私的には好みのソロルだった。世渡り上手系ソロルだと物語に救いがなくてイヤなのね。とりあえず高く飛ばないといけないソロルなので、そこは満足できたけれど、そうね〜 もう少し踊りにキレが出てくるといいかな。エレガントで丁寧な踊りなので、今から楽しみなダンサーだろう。「太鼓の踊り」は迫力があった。ジャンジャン賑やかなボリショイ管との相乗効果もあって盛り上がった。往年のボリショイらしさが一番強く感じられたのはここだった。パ・ダクションなどのコール・ドの踊りがあまり揃っていなかったのが意外。さすがに3幕冒頭の精霊のアラベスク・パンシェからの場面はビシッ合っていたが、その他は、好きに音をとって踊っていたように見えた。パリオペみたいね。テクニックでウオォーと盛り上がる舞台ではなかったが(わたくしザハーロワ様をテクニシャンだと感じたことがない)、豪華なセットに美しきダンサー、総合点の高い舞台を堪能することができて、満足度の高い公演だった。私的反省点としては、「ラ・バヤデール」はチケ代ケチってサイド席にしてはいけないということ。サイドにするくらいなら、遠くても舞台正面の席にしなくちゃ。重要な芝居は舞台端で展開され、3幕冒頭の精霊の見せ場は見切れると魅力が半減してしまう。いつも良いお席で観たいが、そうもいかないものね。客席にザハーロワ様の旦那様、ヴァイオリニストのワディム・レーピン氏がいたそうで。ピアニストのキーシンとセットで「天才少年」として名高かった彼のお嫁さんがザハーロワ様。二人が結婚したと聞いた時はビックリしたっけ。ザハーロワ様は彼の音に惚れたのかしら?って。レーピン、見たかったな。この日は、東京文化会館リニューアル後初お披露めの日で、開場前はセレモニーがあった。でもどこをリニューアルしたのかわからない。お客からは見えない箇所をリニューアルしたのだろう。(12月3日 東京文化会館)
2014.12.10
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『ペトルーシュカ』 ペトルーシュカ ウラジーミル・マラーホフ バレリーナ 川島麻実子 ムーア人 森川茉央 シャルランタン 高岸直樹幕開き、かなりの人数が舞台上にのっているが、謝肉祭の喧噪や雑踏感があまり感じられない。お祭りのワクワク感が薄いのだ。これは何が原因なのかな。間口の広すぎるフェスティバルホールのせいなのか、それとも、どうも折目正しい雰囲気があるダンサーのせいなのか。もうちょっと自由に好き勝手やっている感じを出したほうが、舞台が生き生きしただろう。マラーホフのペトルーシュカは繊細で、藁人形の儚さが漂っていた。ムーア人の森川さんは、頭筋肉タイプの傲慢そうな雰囲気がうまく出てて、可愛い顔して一番悪いバレリーナと3人のバランスが良かった。謝肉祭のわちゃわちゃ感がもっとあればな〜 “つかみはOK!”になってもっと盛り上がったのに。惜しい。『スプリング・アンド・フォール』 沖香菜子 梅澤紘貴 沖香菜子さんがピュアな雰囲気がある素敵なダンサーだった。これから楽しみな人だ。女性ダンサーはツブが揃っていて、若い男女の恋模様が踊りから感じられるが、男性陣がねぇ、、、男子新体操団体競技みたいに見えてしまって、特に最初のほう。同じ衣装で同じような髪型、でもダンサーの個性が見えないとおもしろくない作品なので、没個性になってしまっていて残念だった。 『ラ・バヤデール』より“影の王国” ニキヤ 上野水香 ソロル 柄本弾 第1ヴァリエーション 吉川留衣 第2ヴァリエーション 渡辺理恵 第3ヴァリエーション 乾友子最初のコール・ドは、どこに出しても恥ずかしくない東京バレエ団の真骨頂。いいもの観させていただきました。同じ振りが繰り返される永遠性、びしーっと揃っている足の角度の恐ろしいほどの統一性に、「幽玄美のある影」を感じた。でもソリストにはその「幽玄美」が感じられない。『オネーギン』より第3幕のパ・ド・ドゥ オネーギン マニュエル・ルグリ タチアーナ 吉岡美佳先生は相変わらずストイックに身体作りに励んでいらっしゃるようで、姿形が変わっていない。10分足らずの寸劇でも、ちゃんとドラマを作って拍手喝采。下手な台本のセリフを読んでいるドラマよりも、よっぽどドラマティックだった。マニュエルは東バのベテラン女性ダンサーと相性がいいのね。『ボレロ』 シルヴィ・ギエム 全部かっさらっていっちゃった(笑)“神降臨”をありがたく見させていただいた信者のような気持ち。震災の年に兵芸で見た「ボレロ」のほうが客席に向かってくるパワーは大きく、何と言えばいいかな、、、兵芸の時は踊り終わった瞬間、力のベクトルが観客席に向いていて、今回は舞台上空に向かったようなイメージ。舞踊の女神様が去るまでのカウントダウンが始まったと、こちらに先入観があるからかもしれない。来年の引退公演のチケット取れるかしらん? 東京だけかな。東京で観た娘が、「最後にヴァローシャさんとマニュエルがスーツで出てくるよ」と言ってたので楽しみにしていたが、ギエム様のみで終了。期待しただけに、すごく、ものすご〜く残念だった。(9月2日 フェスティバルホール)
2014.09.03
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オレリー・デュポン佐東利穂子勅使川原三郎鰐川枝里加藤梨花オレリーが踊るというので、池袋へ行ってきた。パリ・オペラ座にも振付けている勅使川原三郎さんの新作で、出演者は5名、上演時間80分ノンストップの公演。勅使川原さんの特徴は、大きく腕を旋回させる振りと、素早い横移動のステップ。確かに勅使川原さんの動き、身体能力には目を見張るものがあり、彼独特のスタイルが確立されていて惹きつけられるものがあった。勅使川原さんと佐東さんのデュエットは、エネルギーがみなぎっていて、それぞれの力が拮抗している様が、観ている側にも緊張感をもたらした。旋回させた腕の残像が見えるようだ。ただ、どうしても上半身を多く使う振りで、動きのバリエーションが限られてしまうのか、若いダンサー二人が踊ると勅使川原さんが踊るほどのエネルギーを感じられず、どうしてもワンパターンに感じてしまった。こういうダンスは『個』が大事で、テクニックがあってなおかつ個人の持つパワーが前面に出るものなんだろう。若いダンサーと勅使川原さんを比べるのは酷というものだろう。オレリーは激しい踊りもあったが、夢想的なゆったりとしたパートを多く担当していた。黒のシンプルな衣装のオレリーは美しく、深い眠りに入る一歩手前、魂が浮遊するような一瞬を表現しているように感じた。大きな動きがなくても、そういうことを感じさせてくれるダンサーになったのね。来年は定年引退。その後はパリオペのメートル・ド・バレエになってしまうから、もう踊らないのよね。初めて観たのは、もう20年近く前、アレッサンドラ・フェリの代役のジゼルで、綺麗だけど何だかキーキーしたお嬢さんだなと感じた。事実、インタビューの受け答えもキーキーしていた。それから大エトワールに成長し、何度も来日して楽しませてくれるダンサーになった。これが最後かな? できれば、来年のバレフェスに出演して欲しいな。舞台美術はアクリル板が上がったり下がったりして、様々なフォーメーションに変化する。アクリル板が重なってダンサーの輪郭がぼやけて、意識がうつろいだふうに見えたり、暗い中に照明でアクリルの輝きが強調されて鋭角な雰囲気を演出したり、工夫がいろいろとあって面白かった。音楽が中盤「ど〜ふぁ〜ら〜 ど〜ふぁ〜ら〜」の繰り返しになったあたりで、ちょっとダレそうになったが、その後の盛り上げ方が良くて、最後まで楽しめた。音楽で印象に残ったのは、くるみ割り人形の「葦笛の踊り」で、まるで家庭内暴力のような「葦笛」でビックリ仰天。効果音を入れてあんなふうに編曲できるなんて。娘曰く「子供が聞いたら、きっと泣くよ」って。だろうね。プレイハウスはコンパクトで、がっつりオレリーを観るにはいい劇場だった。池袋駅から近くていいわ。(8月16日 東京芸術劇場プレイハウス)
2014.08.22
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etoiles GALAの楽日は地元フェスティバルホールで。ありがとう、来てくれてパリオペラ座の公演は関西ではずっとなくて、観るなら東京遠征が当たり前。娘が東京で下宿し始めてからは遠征も苦にならないが、それまではホテル代もかかって大変だった。大阪でパリオペメンバーを観るのは新鮮な気分だった。東京の客席との違いは、バレエを習っているだろうお嬢様がたくさんいたこと。お教室関係にチケットがまわったのかしら。大阪だからそんなにあせらなくても〜 とのんびりかまえて発売日をチェックしていなかったら、3階席になってしまい大失敗。でも、その3階席が想像していたほど観にくい席ではなく、オーチャード前寄りではわからなかった照明の当て方などがわかり、新たな発見もあった。でも「アルルの女」は断然1階席がいいわ。「イン・ザ・ナイト」は3階からでも楽しめた。娘によると、東京楽日の盛り上がりがハンパなかったようで、それに比べると大阪はおとなしめだったそうだ。東京ほどリピーターが多くないから仕方がないな。今回は公演中に怪我人が出ず、めでたしめでたし。「ル・パルク」のフライング・キッスなんか、バンジャマン怪我するなよ〜と祈ってしまったもの。バンジャマン・ペッシュが引退になったらエトワール・ガラはどうなるのでしょう。「牧神の午後」2連発なんて、エトワール・ガラじゃないと観られないいい企画だった。定年引退後も是非ともアーティスティック・オーガナイザーとしてマチューたちを連れて来て欲しい。そして、次回もフェスティバルホールに来て下さいな。(8月4日 フェスティバルホール)
2014.08.08
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渋谷連チャン。「眠れる森の美女」よりハイライト《ローズ・アダジオ》 ドロテ・ジルベール バンジャマン・ペッシュ、アレクサンドル・リアブコ エルヴェ・モロー、福田昂平(Kバレエ カンパニー)《ローズ・アダジオのヴァリエーション》 ローラ・エケ《第2幕の王子のヴァリエーション》 オードリック・ベザール《第3幕のグラン・パ・ド・ドゥ》 アマンディーヌ・アルビッソン/マチュー・ガニオ 各国王子様が豪華で目の保養。衣装もそれぞれ似合うのをうまく選んでいて、特にバンジャマンの頭飾りは、ものすごく似合っていた(笑)あんな王子様たちに手をとられて踊るオーロラは幸せだろう。2幕の王子のヴァリエーションは、難しい振りをなんとかこなして踊っていた。それだけで十分なのかも。一握りの天才だけが踊りこなせる振付もどんなもんかいな〜 と感じるヌレエフの振付。グラン・パ・ド・ドゥの二人はキラキラお姫様と王子様で格調高くいい雰囲気だった。ただアルビッソンが大きめなので、フィッシュダイブはドキドキしてしまった。「デジール」 シルヴィア・アッツォーニ/アレクサンドル・リアブコ ピアノ:金子三勇士よどみのない流麗な踊りが美しい。「モペイ」 フリーデマン・フォーゲル フリーデマンというと「モペイ」。初めて観た時は面白かったが、何度目にもなると目新しさがなくなって、、、そこがコンテの難しいところ。「ル・パルク」より “解放のパ・ド・ドゥ” イザベル・シアラヴォラ/バンジャマン・ペッシュこのコンビは合う演目と合わない演目の差が激しいが、これはちょうどいい加減に仕上がっていた。少し薄めタイプ。シアラヴォラは女優さんのように綺麗だが、意外に男前(!)な雰囲気があって、ねっとりとした官能性をあまり感じないダンサー。ペッシュが必要以上に愛を振りまいていないので、ちょうどいいように感じたのだろう。「こうもり」より アマンディーヌ・アルビッソン/エルヴェ・モローもろ身体の線が見える衣装なので、アルビッソンのお胸が意外にグラマラスなことがわかった。だからオデットは似合わないと感じたようだ。「こうもり」は女性的雰囲気がいいように作用して魅力的だった。エルヴェは基本遊び人に見えないからな。「牧神の午後」振付;ヴァーツラフ・ニジンスキー バンジャマン・ペッシュ/ローラ・エケ きちっとセットを組んで見せてくれたので、舞台が絵画のように見え、踊り・音楽・美術が三位一体となったいいものだった。初演当時はこれは今でいうコンテだったわけで、今作られているコンテ作品で、こんなふうに世に残っていく作品はどれぐらいあるのかな?と考えていた。「牧神の午後」振付:ジェローム・ロビンズ アマンディーヌ・アルビッソン/エルヴェ・モロー贈り物シリーズで、ポリーナとマラーホフが踊っているのをだいぶ前に観たことがある。女性ダンサーがとても綺麗に見える作品。品のいい色香がほのかに漂い、見応えがあった。同じ音楽を使った作品の対比は、興味深かった。「シェリ」 イザベル・シアラヴォラ/マチュー・ガニオマチューの衣装に笑ってしまって(笑)「はいはい、坊や〜」という貫禄のシアラヴォラ姐さんと、姐さんのまわりをうろちょろしているマチュー坊やを観ていると、ベストカップルやなと。「アモヴェオ」 ドロテ・ジルベール/オードリック・ベザールオペラ座芸監になるミルピエの作品。クールでかっこいい作品だが、もうひと味足らない。ドロテはこういうコンテのほうが魅力的に見える。どのダンサーもコンテのほうが魅力的ではね〜 それはそれでいいことだけど、やはり古典でキラキラ輝いて欲しいな。「お気に召すまま」 シルヴィア・アッツォーニ/アレクサンドル・リアブコ次回はぜひ全幕作品で。「椿姫」とか持って来てくれないかな。「椿姫」より“黒のパ・ド・ドゥ” イザベル・シアラヴォラ/フリーデマン・フォーゲルどうしても「ショパン バラード1番」が心臓に悪いので、あまり“黒のパ・ド・ドゥ”は好きじゃない。う〜ん、やっぱり少し心臓に悪かった。踊りのほうは、フリーデマン、どうでしょうね〜 全幕ならいいのかな? (8月1日 オーチャードホール)
2014.08.05
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久しぶりに渋谷に足を踏み入れたが、やはり好きになれない街。銀座の人ごみは平気だけれど、渋谷はもうついていけないわ渋谷に行くと、いつもそう愚痴ってしまう。楽しみにしていたetoiles GALA 2014 を 観に、オーチャードホールへ行ってきた。「ジュエルズ」より “ダイヤモンド” ローラ・エケ/オードリック・べザール幕開きが『ダイヤモンド』だなんてゴージャスなガラ。席が前方だったので、衣装の豪華さがよく見え、ダンサー二人のエレガントさが惹き立っていて美しかった。ローラ・エケは今まで何度も観ているが、こういう演目では初めてで、気品の漂ういいダンサーだということに気づいた。「マノン」第1幕より デ・グリューのヴァリエーションとパ・ド・ドゥ イザベル・シアラヴォラ/フリーデマン・フォーゲルこの二人は合ってるような、合ってないような。ガラでフォーゲルを観る時は、オネーギンやマノンなどが多いけれど、それ、彼にあまり合ってないように感じることが多い。昨年のスカラ座のロミオは良かったから、もっと似合う演目を踊ってほしいが、今回は代役参加だから来てくれただけでも喜ばないといけないな。「シアラヴォラが綺麗!」 と思っているうちに終わった。「白鳥の湖」第2幕より アダージョとヴァリエーション アマンディーヌ・アルビッソン&マチュー・ガニオ自分勝手な意見だが、白鳥の印象は最初のオデットの登場でほぼ決まってしまう。アルビッソンのオデットは、その登場が私の思っているオデット像とズレていたので、ガッカリ感から復帰できなかった。白鳥の女王としての強さは持ちつつも、やはり絶対的に儚げな佇まいが欲しいが、アルビッソンは寂しげではあるが儚げではない。でも若いから、まだまだこれからだろう。アダージョだけでなくて、王子のヴァリエーションもあったのは良かった。マチューは身体がガッシリとしたけれど、究極の王子様。あと、サポートが上手になっていた。「マーラー交響曲第3番」より シルヴィア・アッツォーニ/アレクサンドル・リアブコいつも変わらない姿で、観客席の温度を上げてくれるパフォーマンスをきっちり見せてくれる二人にはうれしくなってしまう。明確に筋がある踊りじゃないけれど、観てる側が頭の中でドラマを作ることができる踊りは素敵だ。ガラでしか観たことがないペアだけど、一度は全幕で観たいな〜 ハンブルクバレエの来日公演は長い間ないけれど、予定もないのかしら。 「3つの前奏曲」 ドロテ・ジルベール&オードリック・ベザール ピアノ:金子三勇士3月に出産しての舞台。以前と変わりなく、ではなく、以前より痩せたように見えた。彼女はすごい“努力の人”なんだろうな。「大輪の花」のような明るい魅力がありつつ、クールビューティーな部分も新たに見受けられたので、これからも楽しみ。 オードリック・ベザールはパートナーを大事にしているところに好感が持てる。「月の光」 エルヴェ・モロー ピアノ:金子三勇士振付けのイリさんは、エルヴェ・モローの長い手足を生かすように振付けたのではないかと思えた。眼福。メランコリックな風情はドビュッシーの音楽ともマッチしていた。イリさん、マチューにもこんなの振付けてくれないかな。この曲のピアノは良かった。「オネーギン」より“鏡のパ・ド・ドゥ” アマンディーヌ・アルビッソン/フリーデマン・フォーゲルオデットよりはずっといい。かなり上背があって、パリオペ内ではパートナー泣かせになってしまうかも。その点、リフトは安定しているフリーデマンなら、安心して観ていられる。この場面のオネーギンは、アントルラッセしている以外はほぼリフト要員で、タチアナが夢見ているオネーギンのイリュージョンなので、若くて王子様のオネーギンでOKだから、見ためにも問題はない。「アルルの女」より シルヴィア・アッツォーニ/アレクサンドル・リアブコこの日の一番はこれ。そういえば、前々回のエトワールガラでも、リアブコがさらっと場面をさらってしまい「リアブコ劇場」にしたような気がする。音のアーティキュレーションを身体で体現してくれているので、音楽性の高い踊りになる。そこが心地いい。「イン・ザ・ナイト」 イザベル・シアラヴォラ/バンジャマン・ペッシュ ドロテ・ジルベール/マチュー・ガニオ ローラ・エケ/エルヴェ・モロー ピアノ:金子三勇士25年近く前の来日公演で観た時、「なんてエレガントな作品なのかしら!」と感じ、また生で観たい作品のひとつだった。3組の男女の異なる愛情の関係を描いているバレエだろうけど、内容がどうのこうより美しきメンバーにうっとりするのに精一杯だった。1組目の熟年(!)カップルが穏やかな愛を紡いでいたのは、雰囲気もあっていて素敵だった。シアラヴォラは軽いのか、それともリフトされ上手なのか、流れるようなリフトで美しかった、ここはバンジャマンを誉めるところかも。2組目は「崇高の美」を感じ、3組目は、「エルヴェさん、よくぞここまで復帰なさって、、、」と。怪我でいなかった間は、別の道を模索して映画学校に通っていたとチャコットのインタビューにあった。身体をいたわって、踊れる演目だけでいいから引退まで踊り続けてくださいな。終曲で6人が揃った場面は、エルヴェだけを観て終わってしまった。ピアノの金子さんは、ロマンティックな音のでるピアニストで、細かいパッセージの時に少しだけ「ん?」となる事があったが、おおむね良かった。この日の席は10列以内。オーチャードの10列以内でバレエはダメだわ。表情はよく見えるが、ダンサーがずっと立っててくれないと見切れる部分が多くてフラストレーションがたまった。「顔が観たい!」というならいいけれど、私はBプロで座った30列以降のほうがましに感じた。緞帳・・・ コハダみたい〜 と思ったら、もうコハダにしか見えなくなってしまった(笑)(7月31日 オーチャードホール)
2014.08.03
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〈FALL RIVER LEGEND〉 L'ACCUSÉE Alice Renavand LE PASTEUR Vincent ChailletLA BELLE-MÈRE DE L'ACCUSÉE Stéphanie Romberg〈MADEMOISELLE JULIE〉MADEMOISELLE JULIE Aurélie Dupont JEAN Nicolas Le Riche KRISTIN Amélie Lamoureux LE FIANCÉ DE JULIE Alessio Carboneどちらも初めての作品なので、予習にあらすじを調べると、どちらも『死』がからんでいる暗そうな内容。『フォールリヴァー伝説』は父母殺しで死刑になる場面から始まる重いストーリー。L'ACCUSÉEという役名は『被告』ということ。アリス・ルナヴァン演じる娘は、家族と幸せに暮らしていたが、実の母が亡くなり、父が後妻(ステファン・ロンバーグ)を迎えたところから不幸が始まる。娘は気がふれておかしい、と周りに吹聴する継母。実父(クリストフ・デュケンヌ)は継母の言うがまま。唯一の心のよりどころだった牧師(ヴァンサン・シャイエ)にまで継母は娘の悪口を言う。絶望の淵に立たされた娘は斧で、、、殺戮の場面はないが、斧を握った後のシーンで娘は血みどろになった衣装を身につけている。牧師が刑場に立ち会っているのだが、この娘に救いがあったのか? 後味がいいとは決して言えない作品だ。それは、牧師が継母からの悪口を聞き、娘のことを信じられなくなった件があったから。ヴァンサン・シャイエの牧師は、聖職者らしい誠実な人物。その牧師ですら継母のウソを見抜けないとは、娘の絶望感は計り知れない。アリス・ルナヴァンは熱演。終演後もしばらく役から抜け出せないのではと感じるくらい役に入り込んでいた。内へ内へと向かっていく様々な感情、それらが限界を超えて溢れでてしまうやるせなさ。『被告』ではなく『被害者』である娘の絶望がよく伝わった。音楽はモートン・グールドというアメリカの作曲家の作品。 よく知らないので調べてみたら、サヨナラサヨナラでおなじみの淀川長治さんが解説していた『日曜洋画劇場』のエンディングテーマ「So in Love」はモートン・グールドの編曲・ピアノだったそうだ。元はミュージカル「キス・ミー・ケイト」の曲で、あの編曲はピアノがとても華やかで大好きだった。『令嬢ジュリー』は、内容は暗いものの、衣装・装置・美術にポップさがある。ジュリー登場の衣装は上半身は乗馬服のようで可愛いチュチュ、ジュリーのフィアンセの衣装は全身紫と色鮮やかだ。わがままに育った貴族令嬢のジュリーが下男ジャンを誘惑し、ジャンと関係を持つが、その後は力関係が逆転してしまい、絶望したジュリーは死を選ぶ。見どころは、誘惑をしかけるジュリーの踊りと、初めはそれに抗いながらも、関係を持ってしまったら、長年憧れていたものを手に入れた征服感と野心が表に現れ、使用人から男に変化するジャンの姿。ニコラはこういう役はいかにもうまい。使用人を呼び出すベルの音に怯える小心者ながら、征服した自分の女の前では傲慢にふるまう野心家。顔の表情と身体の動きで巧みにその二面性を表現していた。もしバレエで『赤と黒』があれば、絶対ジュリアン・ソレルはニコラがいいと思う。ないけど。タカビー貴族令嬢はオレリーに似合ってて、最初の可愛いチュチュは「きつっ」と思ったが、あとは艶めかしい目つきで誘惑しまくり。身体の動きに色香が漂っていて、ジャンでなくてもその気になってしまうジュリーに仕上がっていた。調子が良さそうで、身体のコントロールがすみずみまでよく効いた踊りだった。男と女の力関係、階級社会の力関係を描いた作品のようなので、下男と関係を持ってしまったジュリーは、ご先祖様(お屋敷に飾られている肖像画や像)の亡霊に追いつめられ、卑しいはずだった下男は上から目線で自分を扱う。自分が生きてきた世界のプライドをズタズタに引き裂かれてしまう。お嬢様が火遊びしてざまあみろ!という見方もできるが、何だかな~ 女性からすると心にひっかかりを感じる話。男と女の関係の原点はこういうものかなとも思えてしまう。思いたくないけど。久しぶりにニコラを観られて楽しかった。土曜のマチネで観る予定はなかった公演だったが、キャスト発表でニコラとオレリーが踊るとあって、娘が「観たい〜」というので急遽取ったチケット。取るのを渋ったチケットだったが、後から考えると取っておいて良かったと思える公演だった。(3月1日 ガルニエ宮)
2014.03.27
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マルグリット オレリー・デュポン アルマン エルヴェ・モローデュヴァル氏(アルマンの父) ミカエル・ドナール マノン・レスコー エヴ・グリンツテイン デ・グリュー クリストフ・デュケンヌ プリュダンス ヴァランティーヌ・コラサント ガストン ヴァンサン・シャイエ オランプ レオノール・ボラック 公爵 ローラン・ノヴィ N伯爵 シモン・ヴァラストロ ナニーナ クリスティーヌ・ペルツェー芳醇なブルゴーニュの赤ワインのような舞台。主役二人が美しすぎて、観てて幸せな気分になれた。専属の悪霊払いでもつけたほうがいいんじゃないかというくらいご難続きで、一時は引退説まであがったエルヴェ・モロー。奇跡のプロポーション(股下100cm以上だっけ)は健在で、“上半身燕尾・下タイツ”があれだけ似合う人はそうはいないだろう。少し蔭りのある風情で、情熱的な激しさも表現できるので、アルマンはとても似合い、ショパン24の前奏曲の終曲でのソロは、「やっぱエルヴェ、うまいやん」と思った。純粋な貴族の坊ちゃんが年上の高級娼婦に恋し、恋に一心不乱になって世の常を理解せず、かえって愛する人を傷つけてしまう。まだ大人になりきれていない青年の未完さが伝わってきた。相手役のオレリーとのバランスもいいのだろう。体格、年齢ともちょうどよく、美男美女カップルで見目麗しい。オレリーのマルグリットはゴージャス美女。ゴージャスすぎて、高級娼婦の幸薄さが薄いのがたまにキズ。見た目だけでは、ちょっと死にそうにないのね。 そこは演技力で見せてくれて、2幕のアルマンパパとのくだりは説得力があった。エルヴェとの白のパ・ド・ドゥは、ええ目の正月をさせてもらいました。3週間前には可愛いオルガだったエヴさんは、妖艶なマノンに見事に変身。同じ人とは思えない。女優だなぁ。 場面ごとの切り替わりが見事で、マルグリットの心情がうまく伝わった。こき使われて、ツアー後に故障しないかと心配になってしまうヴァンサン・シャイエ。闘牛して、散髪屋のピンチヒッターして、白塗りに馬の鞭振りって、こんな働き者のフランス人いないでしょ。というか、他に人材がいないのか? ガストンはヴァンサン・シャイエの基準ではハジけていたが、もうちょっとチャラ男になってほしかった。クリストフ・デュケンヌ、ヴァランティーヌ・コラサントはきっちり踊っていた。華やかで洗練された衣装の数々、コールドにいたるまで美しきダンサーたち、見事に選曲されたショパンの旋律、観て良かったなと思える全幕作品で、楽しく帰路についた。(3月20日 東京文化会館)
2014.03.22
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キトリ マチルド・フルステ バジリオ マチアス・エイマン エスパーダ ヴァンサン・シャイエ 街の踊り子 サブリナ・マレム ドン・キホーテ ギョーム・シャルローサンチョ・パンサ シモン・ヴァラストロ ガマーシュ シリル・ミティリアン ロレンツォ アレクシス・サラミット キトリの友人 ロレーヌ・レヴィ/カロリン・ロベールドリアードの女王 エロイーズ・ブルドン キューピッド ミリアム・カミオンカ ジプシー アクセル・イボアメリカの風土と聴衆で『フルステ節』に磨きがかかったのか、こぶし全開のキトリだった。1幕初めがまだおとなしめだったのは、緊張してたからだったのね。終わってみたら、フルステちゃんの最高の笑顔だけしか思い浮かばなかった。どこを切ってもフルステちゃんの顔が出てくる、『フルステ金太郎飴』のようなドンキ。おっと~!?となるなような小さいミスはあったが、それをきっちり挽回して、最後のポーズは輝くばかりの笑顔(どや顔)。「良かったね~フルステちゃん」と心の底から思った。ドゥルシネア姫のバリエーションでの『フルステ節』は、さすがにクドさを感じたが、それもご愛嬌ということで。せめてプルミエにはしてあげたらいいのに、エトワールは無理でもね。この日のチケットを取ったのは、100%マチアス・エイマンに期待してたから。ちょっと期待し過ぎてたのかなぁ、この日のエイマンはさえないバジリオになってしまった。1幕の踊りは良かったが、演技面が薄味。キザな伊達男でもないし、かといってコミカル要素が強いわけでもない。もうちょっと人物像に色をつけて演じたほうがいいのでは。だが、薄味に感じたのはフルステが濃すぎたからで、主役2人の相性が良くなかったのかもしれない。エイマンにはもう少しエレガントなキトリのほうがいいかな。で、一番の問題は、3幕でちょっとミスったら、そこから調子が狂ってしまったのか、エイマンらしい踊りでなくなったこと。ピシッと最後のポーズをきめないのはいかがなものかしら。自分の納得のいかない踊りでも、最後はどや顔で締めてくれないと。ちょっとね〜ふてくされたような印象を持ってしまった。エイマン君、体調が悪かったのかしら。エスパーダのヴァンサン・シャイエも薄味というか、花形闘牛士の伊達男っぷりが弱い。もっとキザってくれないと。先日のガルニエでのフォールリヴァー伝説は良かったので、残念。迫力があったのはジプシーのイボ。向かってくる力を感じる踊りだった。気迫がこもっていた。パリオペでいいなと思うのは森の場面のコールド。衣装が美しく、場面としての完成度が高い。森の女王のエロイーズ・ブルドンは気品のある容姿で、女王にふさわしいエレガントさがある。気になったのはポワントの足音。ドリアードの女王のバリエーションの曲は静かなので、どうしても足音が気になってしまった。パリオペ好きだが、作品の完成度としてはもの足らない部分もあった。チケ代高いし。ヌレエフ版の難しい踊りをレパートリーにしていく難しさを感じてしまった。(3月14日 東京文化会館)
2014.03.16
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Eugène Onéguine Josua Hoffalt Lenski Fabien Revillion Tatiana Amandine Albisson Olga Marion Barbeau Le Prince Grémine Vincent Cordier「オネーギン」2度目。前日より若手メンバーでの上演で、こちらも楽しみにしていた。オネーギンのジョシュア・オファルトは、前日のカール・パケットよりテクニックは素晴らしい。跳ぶパは軽く、ポジションも正確。身体のキレということでは格段に上だったが、オネーギンという役、テクニックだけではどうにもならない部分があって、カルパケさんに「一日の長」という表現力があった分、ジョシュア・オファルトのオネーギンには、ただただ軽やかさを感じて終わってしまった。もっともっと色々な主役をこなした後にオネーギン役が巡ってきたら、違った人物像を描けるはず。あと、相手役のタチアナが、もうちょっとベテランさんだったら良かったようにも思う。タチアナはアマンディーヌ・アルビッソン。初役抜擢。前日に本家本元のアリシア・アマトリアンを観てしまってて辛口になってしまいそうなのを、いやいや、初役さんなんだから、、と軌道修正してみたが、初めから終わりまで悲しげな雰囲気を感じただけで終わってしまった。とても端正な踊りをするエレガントなダンサーで、足も美しいのだが、ちょっと地味めなのだ。恋に恋している感情のほとぼりとか、貴婦人になった時の大輪の花のような艶やかさという部分がもの足らなく感じ、そうなると、初めの出の少女のところまであまり若さを感じなくなってしまった。初役で緊張もあったのだろう。どうもパッションを感じないまま終わってしまった。最後の手紙のパ・ド・ドゥの音楽は、これでもか!というほど盛り上がるのだが、その音楽を味方につけないまま、端正な別れの場になってしまい、音楽の大仰さだけが耳に残った。まあ、まだまだこれからの二人だから。オルガのマリオン・バルボーは、初めて聞く名前のダンサーだったが、溌剌とした踊りで好感が持てた。テクニックもしっかりしてそう。フランスのエレガンスを体現できるダンサーがパリオペラ座に求められる人材で、そこが一番重要だとはわかっているが、「白鳥の湖」「ドン・キホーテ」をレパートリーにしているなら、主役を踊るダンサーは鋼のようなテクニックも持ちあわせてもらわないと。ぐるぐる回るだけの〈回りやさん〉は嫌いだけれど、「ドン・キホーテ」ではきっちり32回は回ってもらわんとね。回れるテクニックの持ち主の主役を育てていくのも、パリオペなら必要だと思うのですよ。エトワール2人が怪我で降板したら、サンフランシスコからフルステちゃんを緊急召集するというのも、何だかね〜アマンディーヌ・アルビッソンがタチアナでエトワールに任命されたと聞き、美しいラインを持ったダンサーではあるけれど、「あのタチアナでね〜 そうなんだ〜」 というのが正直な感想。任命の日は、私が観た日より、ずっと素晴らしいタチアナを演じたのかもしれないけれど。(任命はよほどのことがないかぎり決定事項なんだろうけど。 日本と違い、産休に入るダンサーが多いから、人員補充は必要だろうし)タチアナ以外、クラシックで観たらどうなのかしらん? オデットやジゼルは似合いそうな雰囲気ではある。(2月26日 ガルニエ宮)
2014.03.09
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Eugène Onéguine Karl Paquette Lenski Fabien Revillion Tatiana Ludmila Pagliero Alicia Amatriain Olga Eve Grinsztajn Le Prince Grémine Christophe Duquenne 前日たまたま見たダンソマニのページで知ったタチアナのキャストチェンジ。キャストチェンジは慣れっこだが、タチアナ役がシュツットガルトのアリシア・アマトリアンにはさすがに驚いた。パリオペを観に行って、シュツットガルトのダンサーが出てくるのも不思議。でも「オネーギン」の本場のダンサーで観られるのもいいかなとプラス思考に切り替えた。「オネーギン」全幕を観るのは初めて。セクシーさと魅力がなければ単なる極悪人にしか見えないオネーギン。カール・パケットのオネーギンは、今まで観た彼よりも、威厳のある凄みのある人物になっていた。アリシア・アマトリアンとの相性も良かったのか、濃密なパートナーシップが観られた。カルパケさんも演技力が上がったようだ。急なキャストチェンジという非常事態の緊張感が、いいほうへプラスに働いた見事な舞台だった。カルパケさんが魅力あるオネーギンになれたのは、役を手の内にしているアリシア・アマトリアンの功績もあっただろう。幕開き、「本を読む少女」の憂いを帯びた風情。ぱっと見、いかにも若い!と見えるわけではないが、後半艶やかに貴族夫人となった姿と合わせると、少女だったと納得ができる役作りだった。パ・ド・ドゥで組んだ時に、より情感がこもり、うっとりさせられるのは、こういう作品を観るときにはベストなダンサーだということだろう。リフトされた時の、背中のしなりや手の角度が美しく、眼福だった。レンスキー&オルガは、若々しいレンスキーと演技派オルガのカップル。ファビアン・レヴィヨンは健闘していた。踊りに関しては、全編素晴らしい〜!とまでは言えないが、ところどころ「おっ!いいじゃん」と思えるところがあり、演技では、若さ故の暴走感が伝わってきた。彼は見た目に知性が感じられるので、ええとこの坊ちゃんの折目正しい(!)暴走がピタっとはまっていた。妖艶ないい女から、若くて世間知らずのオルガまで、エヴさんって演技の引き出しの多い人だ。どんな女性にも化けられるのね。実際はツバメカップルだけど、ちゃ〜んと可愛いオルガになってた。カレシが横にいるのに、オネーギンときゃぴきゃぴ踊ってしまう軽率さ、人の気持ちを読めないお嬢ちゃんのウキウキぶりが、身体全体から伝わった。美しい衣装と綺麗な舞台装置。ガルニエのゴージャス空間に似合う演目だった。それにしてもカルパケさん、オネーギン踊って、別の日にはグレーミンを踊り、来週には東京でバジルって、どんだけこき使われてるの。怪我をしない希少価値のあるダンサーなんだね。(2月25日 ガルニエ宮)翌日も別キャストで「オネーギン」を観た。その時にタチアナを踊ったアマンディーヌ・アルビッソンが昨日の公演後にエトワールに任命されたそうだ。(ダンソマニより)26日については、ちょっとネガティブな感想を書こうと思ってたんだけど、、、何はともあれ、おめでとうございます。
2014.03.06
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「エチュード」 エトワール:奈良春夏、梅澤紘貴、入戸野伊織白の舞踊手(ソリスト):沖香菜子、河合眞里 ほか、東京バレエ団 「カルメン」 カルメン:シルヴィ・ギエム ホセ:マッシモ・ムッルエスカミリオ:柄本弾 M:高木綾 オフィサー:木村和夫 ジプシー:岡崎隼也 「エチュード」は初めて観る作品。幕開き、バーレッスンをする女性ダンサーの動きはよく揃っていて、シルエット的に見える足のライン、つま先が美しく、期待が持てた。しかし、振付自体に面白さがあるものではなく、個々のテクニックにたよる部分が多いこの作品は、少々このバレエ団には荷が重すぎたようだ。女性エトワールの奈良さんは健闘していたが、男性エトワールはいっぱいいっぱいで余裕がない。余裕がないように見えてしまうのは、トゥール・ザンレールで下りた時に5番ポジションに入っていないなど、基本に忠実でないから。高く跳べているし、回転もこなしているが、基本のポジションに入らなくて足先が雑では、エレガントさが表現できない。エレガントでないチュチュ物を観せられるほどツラいものはない。動きが早いし、難しいことは想像できるが、今の男性ダンサー陣の力量で、この「エチュード」をわざわざ演目にのせることに疑問を感じた。大事な日本のバレエ団で応援したい気持ちはあるが、チケット代に見合った満足感が得られないのは不満だ。マッツ・エック版の「カルメン」は、どんな前衛的な作品なんだろうと思っていたら、意外に常識の範囲内。声が出されたり、胸や股間から赤い布がぴゅーーっと引き出される演出は、いわゆる「バレエ」の概念からはずれている部分だろうが、そんなに違和感はなかった。赤い布に関しては、マンガチックに見えてしまったけれど。ギエムのカルメンは、彼女にしかできないような動きをところどころ使うことによって、視覚的にアクセントがつけられていた。あのクキクキウニウニした足の動きは何て表現したらいいのだろう。相変わらずの身体能力で、とても私と一つしか年齢が変わらないとは思えない。ちょっとした表情に可愛さも見られ、今までのギエムの中で一番人間的に感じた。マッシモ・ムッルとの相性もいいようで、「花の歌」での二人の踊りは美しかった。「カルメン」の東京バレエ団は気合いも十分でのっていた。クラシックよりこっちのほうが向いているのかな。男性の群舞も動きがシャープで、「エチュード」と同じバレエ団とは思えないほど。高木さんのMは存在感があり、クラシックとは違う動きを魅力的に踊りこなしていた。素敵なダンサーだ。(11月15日 東京文化会館)
2013.11.18
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演劇、バレエと分野は違うが、シェイクスピア2連ちゃん。上野でミラノ・スカラ座バレエ団『ロミオとジュリエット』を観た。 ロミオ フリーデマン・フォーゲル ジュリエット アリーナ・コジョカル マキューシオ アントニーノ・ステラ ティボルト ミック・ゼーニ ベンヴォーリオ クリスティアン・ファジェッティ パリス リッカルド・マッシミ キャピュレット公 アレッサンドロ・グリッロ キャピュレット夫人 サブリナ・ブラッツォロミジュリ全幕はいつ以来かと客席で記憶をさかのぼってみたら、いつぞやのマリインスキー来日公演のヴィシニョーワのジュリエット以来だと思い出した。ガラ公演でバルコニーのパ・ド・ドゥは何度も観ているので、いつも観ているような気になっていたが、ずいぶん久しぶりで、10年ぶりくらいになるかもしれない。ジュリエットのアリーナ・コジョカルに目が釘付けになった。ロイヤル在団中にこのマクミラン版を何度も踊っているだけあって、振り付けされた踊りを踊っているような部分は一切なく、ずっとジュリエットとして生きていた。人形を振り回して乳母と戯れているキャピキャピの登場から、ロミオを知って恋するたおやかな乙女へ。親の定めた結婚から逃れるために行動を起こそうとする意志の強さ。人類永久不変のテーマ『愛』を見せつけてくれた。普段の生活でそんな『愛』にふれることがないから、心が洗われましたよ。ロミオに駆けよっていく一歩の大きさにジュリエットの思いが溢れてて、、、コジョカルは身長が小さめなので、そういう大きな動きが効果大だった。あれを170cm級のバレリーナがやってしまうと、目障りに感じるのかも。それにしてもコジョカルの身体能力って凄い。音楽が聴こえるくるような踊りは観てて至福の時だった。見た目はパーフェクトなフリーデマン。甘いマスクに完璧な体型、最近はそこにテクニックも追いついてきたので文句なしのロミオだが、ミラノ・スカラ座の男性ダンサーの身長が低めなので、マキューシオとベンヴォーリオとつるんでいても、頭がとび抜けてしまったデッカい子。ゲストダンサーというだけでなく体型でも“よそ者感”が出ていた。金持ちのチョイ悪ダチとつるんで、綺麗なおねぇさんにチョッカイかけてるチャラ男のロミオが、運命の乙女に出会ってフォールインラブ。人生で初めて真剣になって、身も心もフルスロットルになった疾走感は踊りからよく出ていた。最後まで疾走にはブレーキがきかず、ジュリエットの墓所で姿を見るか見ないかで即パリスを刺し殺すところは、あまりにパリスが憐れで、、、『俺がなんか悪いことしたんかい!』という叫び声がパリスの亡骸から聞こえそう。死んでいるジュリエットとのパ・ド・ドゥが美しかったのは、リフトがうまいからだろう。彼はとても力持ちなのね。マキューシオ、ティボルト、ベンヴォーリオはよく踊れていてとてもエレガント。ちょっとエレガントすぎて薄味かな〜 主役ゲストに対してもうちょっと火花を散らすような暑苦しさがあったほうが物語が生きたんじゃないかな。特にティボルトのミック・ゼーニはいいダンサーだと感じたが、知性を感じさせる役作りで、あまり憎々しげな雰囲気がなかった。イタリアが舞台だが、音楽はプロコフィエフ。ずどーーーん・どしーーーん の分厚い音をイメージするが、有名な舞踏会の場面(SoftBankのCMの曲)が随分と軽やかな音に感じた。そこもエレガント寄りなのは指揮者(デヴィッド・ガーフォース)の意図か。この公演のオケさん、けっこうひどい音があちらこちらで聴こえて閉口ものだった。とくに金管、もうちょっとしっかり吹いてほしい。せっかくの素敵なシーン、プふぁ〜〜 とかまされるとものすごく興ざめだ。(9月20日 東京文化会館)
2013.09.24
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ガランス アニエス・ルテステュバチスト ステファン・ビュリヨンフレデリック・ルメートル カール・パケットラスネール オドリック・ベザールナタリー メラニー・ユレルエルミーヌ夫人 Ghyslaine Reichrtモントレー伯爵 ヤン・サイズデズデモーナ シャルロット・ランソンオペラ座来日公演「天井桟敷の人々」を東京文化会館で観た。クラシックのグランドバレエとは毛色が異なっていて、粋でフランスのエスプリが効いた舞台で、開演前のロビーでのパフォーマンスや幕間のロビーでのダンスなど、お楽しみがいっぱい詰まった舞台だった。パリオペファンに多いであろうイケメン好きのマダムには、間近でガッツリと眉目麗しきお姿を観ることができるこういう趣向はたまらないだろう。イケメン好きとは一線を画しているつもりだったが、自分もそうだったとわかった。幕間のパフォーマンスで、目の前でパケット氏に踊られて、きゃ〜となってた。アニエスのガランスは役柄が彼女にあっていて美しかった。肩に力を入れず軽く踊れているのが、ガランスという何事にもあまり執着しない、それでいて寂しげな女性に似合っていた。アニエスはドライで不幸な女がよく似合う。ヘタレで優男のバチスト。あまり魅力的とは言えない優柔不断男を静かに演じていたビュリヨン。2幕の客席にガランスを見つけてからのソロは、感情がほとばしっていて良かった。以前より動きに粘りが出て柔らかくなったようだ。得体の知れない男のラスネールは、NHKの放映で観たバンジャマン・ペッシュの印象が強く、それに比べると顔の表情と上半身の使い方に物足りなさはあったが、オドリック・ベザールの長い足のシャープな動きは悪魔的な雰囲気が出ていた。ライブビューイングでドン・キホーテを観た時は、「頑張ってるけどな〜 でも、ひと味足らんのよね〜 人は良さそうで、怪我もせず、せっせと働いている。スタンダードなフランス人みたいに大口たたかない奥ゆかしい人。でもその奥ゆかしさで損してる」と感じたカール・パケット。前言撤回します。今回は光り輝いていた。映画を観たことがあり、NHKの放映で予習もしていたので、話の筋はわかったが、気になったのはラスネールが伯爵を殺すくだり。幕の向こうの影で表現されているが、何だかよくわからない。筋を知らなかったら、影を気に留めることもなかったりするかもしれない。「天井桟敷の人々」は本国では誰でも知っている話、日本でいうなら忠臣蔵のようなもので、抽象的に場面を描いても理解できるのかもしれない。あと、伯爵の嘆きの場面の叫び声は余計に感じた。「あの場面のあの振りが心に残る」ということはないが、作品全体として満足感が高かった。場面転換がスムーズなのはいいな。アニエスデザインのコスチュームも綺麗で、特に伯爵と踊るガランスの裾から赤い生地が見えるドレスは美しかった。(6月1日 東京文化会館)
2013.06.02
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My初フェスティバルホールとなった『マラーホフの贈り物 ファイナル!』、ヴァローシャさんの愛がいっぱいこもった舞台を堪能した。 ♪「白鳥の湖」第2幕より オリガ・スミルノワ/ウラジーミル・マラーホフ 東京バレエ団話題の新星スミルノワは、「ロシアの綺麗なバレリーナ」の姿そのものの完璧なプロポーション。上背もあるようで、長い手足に小さい顔、バレリーナの理想の体型の持ち主だ。柔らかい肩関節、よく上がる足、惚れ惚れするくらいに美しいバレリーナだが、まだ白鳥を踊るには経験不足が垣間見えた。ひとつひとつのポーズは美しいが、羽のはばたきをはじめ、全てが豪快に感じてしまい、心うち震えているオデットの心情を感じることができなかった。横にいる王子は、サポートに徹しながらも繊細にうち震えながらオデットひとすじになっていたので、余計に豪快に見えてしまったか。そう見えた要因のひとつは、手首から先、手の部分の動きが大きかったからかもしれない。まだ20歳?これからの人だから、マラーホフ先生をパートナーとしたことをいい経験にして、良いバレリーナに成長していってくれるといいな。マラーホフの凄いところは、体型に年齢を感じさせても、20歳以上年下のパートナー相手に決してロリコンに見えないところ。ちゃんと王子で、スミルノワのオデットの愛しい人になっていた。 ♪「トゥー・タイムス・トゥー」 ルシア・ラカッラ/マーロン・ディノラカッラは好きなダンサーなので楽しみにしていた。久しぶりの彼女は、相変わらず驚異の柔軟性を発揮していて、美しき足も健在。しかしできれば違った演目で見たかった。この作品はシルヴィ・ギエムがひとりで踊っているのが強く印象に残っていて、“ふたりバージョン”の良さが見いだせないまま終わってしまった。ラカッラがひとりで踊ったら、「シャープなギエムに対して柔らかさのラカッラ」という見方ができたかもしれない。パートナーのディノとラカッラの身体の動き方が異なるのが、“ふたりバージョン”の良さがわからなかった原因だろう。ディノはいい身体をしているが、ガチガチマッチョ系で「硬」のイメージがある動き。ラカッラは柔らかすぎるからな〜 「硬」が強調されてしまってた。 ♪「椿姫」より第1幕のパ・ド・ドゥ マリア・アイシュヴァルト/マライン・ラドメーカードラマティックな椿姫だった。品がありながらも高級娼婦の媚びたような微笑みもあり、アイシュヴァルトの本領発揮を見た。紫の衣装もよく似合い、ラドメーカーとのバランスもいい。この二人で全幕が観てみたい。 ♪「海賊」より奴隷のパ・ド・ドゥ ヤーナ・サレンコ/ディヌ・タマズラカル確かなテクニックに裏付けされたクラシックで、キラキラ輝いていた。観てて幸せな気持ちになれるバレリーナで、ヤーナ・サレンコはお気に入りのダンサーだ。タマズラカルも笑顔がまぶしく、こちらも幸せな気分にさせてくれるダンサー。二人とも、難しいテクニックを披露する場面でも笑顔を絶やさない。それほど余裕で踊っているということだろう。 ♪「瀕死の白鳥」 ウラジーミル・マラーホフ若かりし頃、彼ほど素敵なプロポーションの王子様はいなかったと思えるほど完璧なダンスール・ノーブルの姿だったマラーホフ。そんな彼も40代半ばになり、「どした?」という体型での登場に驚愕したのは昨年の世界バレエフェスだった。でもそんな事は些細な事に感じてしまうくらい、マラーホフはマラーホフだったと思える舞台。同年代だけにもっと切なさを感じてしまうかと思っていたが、まだ舞踊の神様は彼の味方だとポジティブに感じられた。それは彼をまだ観たいという希望が強くあるからかもしれない。 ♪「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ マリア・アイシュヴァルト/マライン・ラドメーカーアイシュヴァルトの2変化が観られて満足。マルグリットから少女へと見事に変身していた。これも全幕を観てみたい。ラドメーカーも颯爽としていて素敵だが、あの薄っぺらい赤いマントはどうもな〜 テロテロペラペラの生地なのが気になって、、、風になびいている雰囲気を出したいのかもしれないけれど、ロミオは名家の坊ちゃんなんだから、もうちょっと上質に見えるマントがいいんじゃないかな。ラドメーカーに罪はないけど。 ♪「タランテラ」 ヤーナ・サレンコ/ディヌ・タマズラカル以前パリオペラ座の若手でこの作品を観た時は、何がしたいのかよくわからなかった踊りだったが、今回はこういう踊りなんだ!と理解できた。早い動きが多くて難しいのだろう。テクニックがないと、メリハリつけられなくてグチャグチャになるのね。しっかり正確に踊れる二人だったので、楽しく観れた。タマズラカルは陽のオーラがあって、とても魅力的なダンサーだ。 ♪「ラ・ペリ」 吉岡美佳/ウラジーミル・マラーホフ色んなマラーホフを披露してくれたのね。でも、この衣装は、ちょっと、あまりに、彼の現状を強調してしまう衣装で、、、彼がチョイスしたんだから、気の毒がる筋合いのものではないが、できれば衣装チェンジしてもらえたほうが良かったな。吉岡さんが超スリムだから、余計に、、、 ♪「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ ルシア・ラカッラ/マーロン・ディノ複雑で力技なリフトを危なげなくこなし、この作品を安心して観ていられたのは初めて。どんな名ダンサーでも大変そうなリフトが多く、観ているほうに力が入ってしまう場面があるが、マーロン・ディノは軽々と、そしてラカッラを美しく見せていた。それで彼の仕事の7割はクリアしているが、感情表現にもの足らなさを感じたのと、たまに動きがロボット的になるのが気になった。彼は踊っている時より、カーテンコールで幕前に出てきたときに、男っぷりが5割増しになるのが不思議。真横で見たら、卒倒しそうなくらいのイケメンだと思う。ラカッラのマルグリットは、病状が進み儚げな雰囲気になっていることがわかる役作りで、咳き込んだりする振りがなくとも先がないことがわかる。それだけに、最後の命の火を燃やす濃厚なパ・ド・ドゥのパッションを強く感じた。ピアノ・・・まともでした。NBSさん、グッジョブです。 ♪「白鳥の湖」より“黒鳥のパ・ド・ドゥ” オリガ・スミルノワ/セミョーン・チュージンきっと、「若い時のスミルノワの黒鳥を観たのよ」と15年後くらいに話すことになるようなバレリーナになると思う。白鳥よりはあっていて、長い手足を生かしたダイナミックなオディール。ちょっと派手めなメイクもオディールには似合っている。(派手に塗らなくても、ハッキリした顔立ちでべっぴんさんだけど) ものすごいジャンプ力や異常な回転技があるわけではないが、総合力の高いダンサーで、将来が楽しみだ。昨年のボリショイ来日公演での王子もセミョーン・チュージンで、ルンキナオディールに取って食われそうな王子だったが、今回はその時よりはちょっと威厳があった。オディールちゃんが若いしね。チュージンは、わぁ綺麗!と思う部分があるが、歩くだけや走りよったりする時に、あれれ〜と感じる所があるのが残念。 ♪「ヴォヤージュ」 ウラジーミル・マラーホフモーツァルトのピアノ協奏曲23番2楽章でこちらに向かって手を振られると、あまり涙もろくない私でもウルッときた。どこへ旅立つのでしょう。贈り物シリーズはファイナルだが、ルグリ先生のように「新しき世界」に進んでいくのか。それとも、あっと驚くような場所で芸監するのか。王子様で大きな姫をリフトしなくてもいいから、彼にあった作品で、また踊っている姿を観たい。待ってます。で、マラーホフさん、新しいフェスティバルホールはいかがでしたか?もし踊りやすかったのなら、いい劇場だと宣伝しておいてもらえないでしょうか。来年のABT来日公演が兵庫県立とびわ湖で公演と聞き、ショックを受けているのです。パリオペラ座に関しては、とうにあきらめているのでどうでもいいのですが、関西に来るのにフェスティバル無視ってのが、どうにも納得できなくて(5月27日 フェスティバルホール)
2013.05.29
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季節外れの肌寒さの中、五反田のゆうぽうとへルグリ先生のグループ公演を観に行ってきた。「クリアチュア」 より 秋山珠子/ディモ・キリーロフ・ミレフ初見のお二人。作品は2度目。ダンサーによってがらっと印象が変わった。(前回は水香さんとド・バナさん)今回はよりコンテっぽいというか、現代風の印象。その分、男女の間に流れる「情」の部分は薄味に。それは男性の動きが「ザ・現代舞踊」に見えたからかもしれない。「ノクターン」 ("Songs of the Night"より) シルヴィア・アッツォーニ/アレクサンドル・リアブコショパンのノクターン2曲。ハ短調の2曲で、1曲目は21番(遺作)、2曲目は13番(Op48-1)。常々、ノイマイヤー作品での音楽と振付の見事な一体化を楽しみしているが、今回はガッカリしてしまった。21番は良かったが、13番はどうにも納得できなくて、、、音楽と踊りが乖離してしまってるように感じてしまった。ダンサーお二人の表現力は素晴らしく、そこの部分は楽しませてもらったが、う~ん・・・作品としては気に入らなかったな。「アルルの女」 より マリア・ヤコヴレワ/キリル・クルラーエフヤコヴレワは情感があるダンサーで好きだ。クルラーエフは、ルグリ先生に使ってもらっているだけのことはあって音感が良さそうな踊り。そこにもうちょっとパッションがプラスされるともっと良くなりそう。「ファクタム」 ヘレナ・マーティン/パトリック・ド・バナ前々回の「新しき世界」では浮いた存在に感じたヘレナ・マーティンが、今回はなじんで見えた。ド・バナ作品ということあるかな。(ド・バナ作品にこちらが慣らされちゃったのか 笑)明らかにクラシックダンサーの肉体とは違う、肉感的な上半身のうねる動きから感じる“女の情念”は、迫ってくるものがあった。この作品では、ド・バナさんは構成のうまい人なんだな~と感じた。作品によって色々な音楽をひっぱりだしてくるし、照明や道具の使い方もうまい。本人が出てくるとビミョウになってしまうこともあるが、「作り手」さんとしての引き出しはありそうだ。「ル・パルク」 より オレリー・デュポン/マニュエル・ルグリ観客が目を見張ってしまうような煌めきやオーラが出まくっている舞台ではなかった。でも、そういう次元は通り過ぎ、次のステージに到達した二人だったのかもしれない。長年の経験や信頼関係、双方のテクニック、その他もろもろが熟成されて、まろやかな味わいになった舞台。古酒のようなと言えばいいか。「エイムレス」 秋山珠子/ディモ・キリーロフ・ミレフ特筆することはない作品だが、世界の色々なところで、日本人ダンサーが活躍していることはうれしい。秋山さんは、ボーイッシュなものも女性的なものも、何でもこなせるダンサーのようだ。「テーマとヴァリエーション」 リュドミラ・コノヴァロワ/デニス・チェリェヴィチコ 東京バレエ団「ホールバーグを観たかったな」と思ってしまって、、、(ごめんなさい)きっちり踊っているけれど、欲を言うと、真ん中の二人にはもう少し主役オーラをまとってほしい。チェリェヴィチコはもっと動きにキレが欲しいな。「ノット・ウィズアウト・マイ・ヘッド」 シルヴィア・アッツォーニ/アレクサンドル・リアブコ“声を出す”という個性的な作品。その叫び声がよく聞こえて、ダンサーって声もよく通るのね、と感心した。どんな作品でも、二人の世界観をきちんと観客に伝えることができる表現力の高さはすごい。こんなダンサーに踊ってもらったら、作品が2割増しになる。「モシュコフスキー・ワルツ」マリア・ヤコヴレワ/キリル・クルラーエフ頼もしいクルラーエフ。マリアちゃんが二人でも上げちゃいそうなくらいの安定のリフトだった。颯爽と溌剌と踊り、短くささっと終わった。「シルヴィア」 より オレリー・デュポン/マニュエル・ルグリ映像では残っているけれど、是非とも生で観たかったシルヴィア。あともう少し(2年?)でオペラ座の引退が決まっているオレリー。引退後は「踊らない」とインタビューで答えていたので、ルグリ先生とのコンビを日本で観られるのは最後かもしれないなと思いながら観た。(昨夏のバレフェスも、そういう気持ちで観たけどね)「年老いた二人が久しぶりに再会して、お互いの気持ちを確かめるが、やはり別れが待っている」というシチュエーションは、重なるのものがあってグッときた。(4月21日 ゆうぽうとホール)
2013.04.23
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お部屋探しが済み1日空白になったので、六本木ヒルズの映画館で昨年末のオペラ座公演「ドン・キホーテ」のライブビューイングを観てきた。渋谷から直通のシャトルバスで六本木ヒルズへ移動。以前グランドハイアットに一泊したことがあったが、その時は泊まっただけでショップ巡りもしていなかったので、初めても同然。ピアノの発表会用にアクセサリーなど買ってたらランチ戦争に乗り遅れてしまい、あやうく食べ損ねそうになってしまった。六本木ヒルズのランチは、オフィスの昼休み前が勝負のようだ。食べなかったら、とてももたないライブビューイング。ドンキ全幕休憩なし!は長かった〜 3時間近く座りっぱなしは辛い。キトリ ドロテ・ジルベールバジリオ カール・パケットエスパーダ クリストフ・デュケンヌ街の踊り子 ローラ・エッケドリアドの女王 エロイーズ・ブルドンキューピッド メラニー・ユレルキトリの友人 サラ・コラ・ダヤノヴァ マリ=ソレーヌ・ブレジプシー アリステール・マダンちょっとイラっとするカメラワークもあったが、おおむね良好な映像で、大画面で観るバレエも楽しかった。芸術監督ルフェーブル女史が開幕前のダンサーに声をかけるシーン、ドロテにはさらっとだったのに対し、パケットには「ネガティブな事は言わないで」やら「あなたの長所は何」など、ポジティブな雰囲気にさせようという必死感が伝わってきた。「長所は何?」と聞かれているのに、「僕らしさで頑張る〜」とか言っているカールさん。女史が待ってた答えはそういうのじゃなかったと思うよ。リフトが安定してて、女性を綺麗に見せることが出来る、とか言っときゃいいのに。奥ゆかしすぎ。表情の変化がよくわかるドロテはキトリにぴったりで、いい意味で庶民的な雰囲気がよく出ていた。来年の来日公演ではイチオシのキトリではないかしら。昨年頭の来日の時にも感じたが、バランス技を無理矢理見せようとするところだけはいただけない。技として見せるなら、もう少し綺麗なポジションでないと。この公演で売り出したいのはエロイーズ・ブルドンとアリステール・マダンのようで、エロイーズ・ブルドンは品があるのが良く、アリステール・マダンはテクニックもありそうだった。今年からエトワールの引退が続くから、若手が台頭しないといけないね〜
2013.03.05
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ニュースを見て、心が凍りついた。ボリショイバレエの芸術監督セルゲイ・フィーリンが何者かに襲われ、顔に硫酸をかけられた失明の危機があるくらいの重傷らしい。足先が美しくノーブルでエレガントな踊りは、ロシア王道の王子様で、大好きなダンサー。意外に早く引退してボリショイの芸監に就任してからは、ホールバーグをアメリカから引き抜いたり、精力的に仕事をしてたようだが、まさかこんな被害を被ることになるなんて。どんな経緯があるのかわからないが、どのような理由があっても、こんな暴力が許されるべきではない。今どんな辛い状況を耐えているのかと思うと、、、少しでも早く彼を苦しめている症状がおさまり、1日も早いご回復をお祈りしています。
2013.01.19
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朝起きてみたら、滅亡してなかった。(メキシコは22日になったかな)フェスティバルホールのHPで、来年5月27日の「マラーホフの贈り物 ファイナル」のチケットをオンライン予約した。無事にゲットして、My初フェスティバルホールは5月27日に決定新しい劇場がどんなふうになったか楽しみ。映像で見ると、以前のイメージを大事にしているようで劇場内の雰囲気は似ているが、座席からの見え方はどうだろう。旧劇場は音響面は優れものだったが、バレエ鑑賞者にとって前から5列目までは、ダンサーの足首から下が見えない、クラシックバレエの命とも言えるポワント部分が見えないという、最悪の環境。座席を見て決められないチケ販売方法は怖くて利用できない劇場だった。それさえ改善できていればいいのだが。それにしても、マラーホフ先生が大阪に来てくださるのは超うれしい。ありがとう ヴァロージャさんでもアルブレヒトを踊るなら、ダイエット頑張ってくださいね。それにひきかえ、パリオペはやっぱり来ない2014年の来日でも大阪に来なかったら、永遠に来ないものだとあきらめますっ!注文してたカレンダーが届いた。今年のバレフェスの写真カレンダー。1月はオレリーとジョシュア・オファルトのアザーダンスの美しき舞台写真。観たかったな~ アザーダンス。 NHKの中継もカットだったし。各月1枚写真もあれば3分割4分割の混合メンバーの月もある。当然のことながら1枚組は人気実力を兼ね備えた方々なんだろうけど、どうしてもなのが9月のABTの彼。わかってはいる、彼はNBSの押しメンだということは。でも、彼の良さがあまりわからない私には、ここまでクローズアップされるほどか?と意地悪く思ってしまう。ちょっとタケイさんやゴーリキさん的みたいに。写真の大きさに一喜一憂してしまうなんて、まるで宝塚ファンみたいだな。
2012.12.22
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NBSのホームページに、ルグリ先生とマラーホフさんのグループ公演概要が発表されてた。<マニュエル・ルグリの新しき世界>マニュエル・ルグリ(ウィーン国立バレエ団)オレリー・デュポン(パリ・オペラ座バレエ団)-Bプロのみ- シルヴィア・アッツォーニ(ハンブルク・バレエ)アレクサンドル・リアブコ(ハンブルク・バレエ)デヴィッド・ホールバーグ(ボリショイ・バレエ/アメリカン・バレエ・シアター)」パトリック・ド・バナマリア・ヤコヴレワ(ウィーン国立バレエ団)リュドミラ・コノヴァロワ(ウィーン国立バレエ団)-Bプロのみ-ニーナ・ポラコワ(ウィーン国立バレエ団)-Aプロのみ-キリル・クルラーエフ(ウィーン国立バレエ団)ヘレナ・マーティン秋山 珠子(スペイン国立ダンスカンパニー)ディモ・キリーロフ・ミレフ共演:東京バレエ団<マラーホフの贈り物 ファイナル!>ウラジーミル・マラーホフ(ベルリン国立バレエ団)マリア・アイシュヴァルト(シュツットガルト・バレエ団) ルシア・ラカッラ(ミュンヘン・バレエ団)ナディア・サイダコワ(ベルリン国立バレエ団) ヤーナ・サレンコ(ベルリン国立バレエ団) オリガ・スミルノワ(ボリショイ・バレエ ) セミョーン・チュージン(ボリショイ・バレエ ) マーロン・ディノ(ミュンヘン・バレエ団) マライン・ラドメーカー(シュツットガルト・バレエ団) ディヌ・タマズラカル(ベルリン国立バレエ団) 共演:東京バレエ団オレリーとホールバーグ、アイシュヴァルトにルシア・ラカッラも観たいけれど、マニュエルが4月17日~21日、マラーホフが5月21日~26日、5月末からのパリオペ来日公演チケット持ってる身には、3公演全部は無理だ~40日以内に3往復はとてもとても・・・(涙)せめてワローシャさんだけでも大阪に来てくれたら、何とかなるのに。
2012.11.03
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NBSのHPを見てびっくり~ルグリ先生の<マニュエル・ルグリの新しき世界III>の上演が決定!!来年4月17、18、20、21日、メンバーは、マニュエル・ルグリ(ウィーン国立バレエ団 芸術監督)シルヴィア・アッツォーニ(ハンブルク・バレエ)オレリー・デュポン(パリ・オペラ座バレエ団)*Bプロのみ出演パトリック・ド・バナデヴィッド・ホールバーグ(ボリショイ・バレエ/アメリカン・バレエ・シアター)アレクサンドル・リアブコ(ハンブルク・バレエ)きゃあ~ 楽しみオレリーもだけど、ホールバーグが来てくれたら最高だわ。バーターと化しているド・バナさんは水香さんとパートナーを組めばいいと思うけど。この二人は最高のカップルだと思うのだ。(いい意味で)ルグリ先生、、、、まだまだやるのね
2012.10.09
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上野の東京文化会館で世界バレエフェスティバルAプロを観てきた。♪ スターズ・アンド・ストライプス ヤーナ・サレンコ / ダニール・シムキン華やかな幕開きにあっている作品。1番バッターの緊張もあるのか、シムキンのサポートがイマイチでひやっとする場面もあったが、サレンコのテクニックで持ち直していた。二人とも明るいオーラがあるのはいい。♪ モペイ フリーデマン・フォーゲルコンテの難しさは、2度目3度目に観ても新鮮さ(おもしろさ)を感じるかどうかということ。そういうことではキツいかなぁ。フォーゲルの身体はきれいだ。♪ 「幻想~『白鳥の湖』のように」より第1幕のパ・ド・ドゥ エレーヌ・ブシェ / ティアゴ・ボァディン エレーヌ・ブシェの細やかなパ・ド・ブレが美しい。音楽の格調高さとダンサー二人のエレガンスさが際立っていて、一番好きな演目だった。♪ ドリーブ組曲 上野水香 / マシュー・ゴールディングパトリック・ド・バナとコンテを踊った時には、たおやかな女性らしさが表現されていた水香さんだが、張り切りすぎが裏目に出たか、乱暴に見えてしまったのが残念。静止は美しいはずなのに、アラベスク、アチチュードの上げた足先が雑に見えては、彼女のいい部分が感じられない。コンテを踊らせてやればいいのに。マシューはスポーツマンチックだが、まだ伸びしろがありそうなダンサーだ。♪ 扉は必ず... オレリー・デュポン / マニュエル・ルグリパリオペに魅力を感じない人にとっては“気絶演目”だろうな(笑)フラゴナールの〈閂〉の絵を知っているかどうかで、印象は全然違ってくる。二人の間に漂う熟成感が、酸いも甘いもかみわけたカップルにみえて、「大人の時間」を感じた。♪ 海賊 ポリーナ・セミオノワ / イーゴリ・ゼレンスキー なんで今さら海賊? とも思うが、ゼレンスキーを初めて観たのは20年前くらいの「海賊」で、髪をなびかせながら颯爽とマネージュする彼にときめいた。高さが高いだけではなく、ラインが美しく、シャープながら優雅だったのだ。20年の時を経て、彼もおじさんになり、芸監にもなってしまったが、省エネの踊りながら、往年を髣髴とさせる瞬間もあったのは、ファンとしてはうれしかった。枯れた芸にも良さを見出しちゃうのは日本人的見方だろうけど。ポリーナ、意外にゼレさんとお似合いね。♪ セレナータ ナターリヤ・オシポワ / イワン・ワシーリエフ 今彼らが踊りたいのは、こういう作品なのね。アクロバティックで、彼らほどの身体能力がないと無理そう。「パリの炎」をまた観るよりはずっと良かったが、ロシアバレエファンにはどういう印象なのだろう。♪ 瀕死の白鳥 ウリヤーナ・ロパートキナ 有難いものを観させていただきました。生で観られて感激ですわ。ソチ五輪の開会式にも白鳥でご出演の予感が・・・♪ ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ マリア・アイシュヴァルト/ マライン・ラドメーカー 愛らしいジュリエットと颯爽とした若々しいロミオ。ラドメーカーの芸風は清廉潔白で折り目正しいので、ちょっと劇団四季的。何もかもがわかりやすい芸風だった。全幕になるとまた違うかな。アイシュヴァルトは役柄によって全然違う人に見えるのが凄い。女優ね~♪ ジュエルズより"ダイヤモンド" アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス アニエス、ちょっと老けちゃったかな(ゴメン)威厳と貫禄で見せる作品であっているが、彼女にはクラシックチュチュよりも丈の長い衣装のほうが美しく見えるのでは、と感じた。ジョゼはリフトもあってご苦労様でした。♪ ディスタント・クライズ スヴェトラーナ・ザハロワ / アンドレイ・メルクーリエフお姫様でないザハロワのほうがいい。静かな悲しみが表現できるダンサーだと思う。何を踊っても綺麗だが、黒鳥やキトリよりはコンテのほうが向いてそう。メルクーリエフ、ザハロワを美しく見せることへの全力投球が清清しかった。♪ パガニーニ マルセロ・ゴメス ヴァイオリニストとのかけあいが楽しいアイデア賞ものの演目。ロンドンオリンピックで連日美しき肉体を目にしているが、マルセロ・ゴメスの非の打ちどころのない筋肉美に目が釘付け。「あのまま植木鉢にさしておきたい」と娘は言ってる。フィギュア集めるオタクの気持ちがわかるかも。♪ ラ・シルフィード 第2幕より タマラ・ロホ / スティーヴン・マックレー 細かい足さばきや爪先の美しさが際立つマックレーの魅力がよくわかる演目。ロホさんは、どうでしょう~ 素敵だが、もっと彼女のいいところを観たかった。履いているポワントのせいか、足音がけっこうするので、シルフィード向きではないのだ。♪ ブレルとバルバラ エリザベット・ロス / ジル・ロマン 「おじさん二人は尺が長いね~」by娘 (おじさんとは、ジルさんとマニュエルさんです)ちょっとフランス語をかじった娘はおもしろかったようだ。シャンソンの歌詞の意味がわかると印象も違ってくるみたい。私は全然わからないので、もう1曲分短かかったら・・・と思った。♪ 明るい小川よりパ・ド・ドゥ アリーナ・コジョカル / ヨハン・コボー ガラで一部を観て「あ~全幕を観てみたいなぁ」と思ってしまうのは、その演目は大成功だったということ。このパ・ド・ドゥはそうだった。音と戯れて踊っているようなコジョカルの軽やかな動き、相変わらず“カワイイビーム”が出まくっていて、ビームに照らされたコボーの動きも軽やか。いいコンビね。♪ カンタータ (世界初演) ディアナ・ヴィシニョーワ / ウラジーミル・マラーホフこの二人だと、ヴィシニョーワにばっかり目がいってしまう。マラーホフが視界から消えてしまうのよ、せっかくのマラーホフがもったいないな。♪ オネーギンより第1幕のパ・ド・ドゥ ポリーナ・セミオノワ / フリーデマン・フォーゲル オネーギンかどうかは別にして、タチアナが夢見る王子様ではあった、フォーゲルくん。どう見ても王子だよね、、、でも王子も貴重な戦力だよん。大柄なポリーナで、あの難しそうなリフトを危なげなくキめただけで合格です。♪ ドン・キホーテ オレシア・ノヴィコワ / レオニード・サラファーノフ 難しいことをサラっとやってるサラファーノフ。ノヴィコワも派手さはないものの、きめるところはちゃんときめて、息のあったいいパ・ド・ドゥだった。欲を言えば、ノヴィコワの衣装がもうちょっと豪華だったらよかったのに。最後のフィナーレの並び、豪華な面々でさすがバレフェスと感じたが、それと同時に芸監が多いなぁと。〈踊る芸監〉の多さにあらためてビックリした。次回3年後は、世代交代されるかもしれない。指揮:ポール・コネリー 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 チェロ:遠藤真理、ハープ:田中資子(「瀕死の白鳥」) ヴァイオリン:チャールズ・ヤン(「パガニーニ」)(8月3日 東京文化会館 大ホール)
2012.08.06
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表紙はボリショイのアンナ・ニクーリナ。2月の来日公演の「白鳥の湖」のパ・ド・トロワが激カワだったニクーリナちゃんだが、このオディールは美しさの80%くらいしか出ていない。まだ撮影に慣れてないのかしら、表情もかため。オディールだから、にこ~っと笑うわけにはいかないけれど。それに比べて、本の裏っかわ、資生堂広告のゴクミの美しさときたら相変わらず綺麗ね~今いくつ? もうアラフォーよね。広告だからいろいろテクニックも使っているだろうが、素材が良くないと、いくらテクってもこうはならない。ニクーリナちゃんだって美のポテンシャルはゴクミに負けてないはず。今度表紙になるときは、キラキラオーラをまとった写真になってほしいな。来年のパリオペラ座の来日公演、東京と名古屋の2ヵ所で「天井桟敷の人々」を上演。とーきょー と なごや~ 何で関西にけぇーへんの? どうしてさ?「ル・パルク」のときも来なかったじゃん。聞いてはいたけれど、活字で見て思いっきり不機嫌になっちゃった。
2012.07.28
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ミリアム・ウルド=ブラームがエトワールにノミネされた久しぶりの姫キャラエトワール、おめでとうございます!パリオペラ座って、“伝統の”“絢爛の”などの修飾語がつくわりに、古典の似合うお姫様なダンサーが少ないバレエ団。いい意味での個性派ぞろいなんだけど。彼女のアラベスクが大好きエリザベット・プラテル校長先生の流れをくむ、古典お姫様ダンサーになりうると思う。それに身長もそう高くないので、パートナー選びも楽そう。アニエスやジローさんはそりゃ~素敵なバレリーナだけど、170以上、175くらいクラスだとパートナーは限られるしリフトも大変そうで、観ていてひやっとすることがある。役柄も限定されてるし。バレエは残酷な芸術、背が低すぎても高すぎても、テクニックだけでは越せない部分がある。いつもひとりで踊れるわけではないものね。ひとりで踊れないといえば、、、世界バレエフェス、セルゲイ・ポルーニンは降板で、英国ロイヤルのスティーヴン・マックレーにキャストチェンジとか。いきなりロイヤルを飛び出し、女性ダンサーのことをよく言わなかったり、ダンスマガジンのインタビューで荒れてた原因は失恋だと語ったり、若気の至りだけでは片付けられないお騒がせクン。娘なんか「バレエ界の赤西仁」とまで言ってるセリョージャくん。ただひとりのパートナー、タマラ・ロホお姉さまにまで見捨てられたのかしら。NBSのHPによると、パートナーのタマラ・ロホとのリハーサル時間の調整ができず、十分なリハーサルが行えないことから、公演への影響を懸念したロホの提案により、全公演を降板することになりましたとあるからさ。お姉さまの堪忍袋の緒が切れた?才能あるのにもったいないなぁ。この間のNHKの「不思議の国のアリス」を観て、フィーリンにちょこっと面影が似ている彼に注目したのに。こんなことを招聘元のHPに書かれる事態にしてしまうなんて、踊りだけではなく何をやってもダメだと思うけど。キャンセルの理由としては最低の理由だもん、「受けた仕事の準備を怠っています」と書かれているんだから。ひとりっきりでは踊れない。周りの信用がなければ、ひとりでは何もできないのに。20代前半ではまだそういうことはわかんないか。
2012.06.20
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まさにニーナ祭り。グルジア国立バレエ団来日にあわせての総力取材。編集長M氏自らトビリシ(だよね?)に飛ぶという力の入れよう。ありがとう! 西宮のニーナを仕事の都合で観られないから、祭りはうれしいですわ。土曜日ではなく日曜日だったら行けたのに、、、シュツットガルトの西宮も土曜って、 え~~んバレフェスチケット代も払わなあかんし、ここはガマン・ガマン。M氏の常に上から目線調のインタビューはどうも苦手だが、そこさえ目をつぶればおもしろい対談で、海外のダンサーには「沈黙は金」という格言は存在せず結構ずばずば話すので、読みごたえがある。ニーナの対談記事を見て、玉三郎さんの舞台を観たくなった。前回のツボは、マチルド・フルステちゃんの表紙だったが、今回のツボは~ワジム・ピサレフが舞の海さんになってた、、、、 いや、舞の海さんのほうがスリムかも。17年前くらいのニーナのガラ公演のビデオが家にあるが、そこでは小柄ながらビュンビュン跳びまくり、540なんて荒業をきめていたピサレフがお相撲しゃん級になってるなんて・・・眠気もふっとんだ。
2012.05.31
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ベラ マリア・ヤコヴレワ ヨハン ロマン・ラツィク ウルリック マニュエル・ルグリ グランキャフェのギャルソン マーチン・デンプス リヒャルト・ザボ ドゥミトル・タラン チャルダッシュ 木本全優 ようこそ 関西へ ルグリ先生を地元で拝見できるのはいつ以来だろう、ジゼルの2幕を怪我で降板した時以来だから3年8ヶ月ぶり。踊る芸監は予想通り脇役でも主役、場を全部かっさらっていった。でも独り目立ちしないようアンサンブルを大事にし、楽しいおじさんキャラを演じていたが、動くと空気が違ってしまう彼の音楽そのもののような動きを観てしまうと、他のダンサーの動きがどうしても硬く見えてしまうのは、困った部分かも。インタビューでヴァカンスの話もせず、ワーカーホリック気味のイメージがあったが、やはりラテンのDNAがあるせいかコメディのセンスがあり、DVD化されているルイジ・ボニーノのウルリックよりはエレガントな仕上がりながらきっちりコミカルな狂言回しだった。牢獄の鍵ダンスを観られただけで、入場料のもとはとれたわ。満足ベラのヤコヴレワは1階後方からでもよくわかる演技表現、踊りも綺麗で良かった。欲を言えば、夫婦の倦怠期をもう少し濃く出してくれると、変身してからのギャップが楽しかったと思う。まだ若そうだから、そこは難しいかな。ヨハンのロマン・ラツィクは上背があり、リフトに安心感があった。この役は奥さんをほっといてふらふら外遊びをするだらしない役だが、彼が演じるとどこかに「いい人」の部分があるのは、彼自身の人柄からくるものかもしれない。前回のルグリ・ガラのときは、「7番センター木本くん」だった木本くん、少し進化して「サムライ」になっていた。すごく美しいラインの持ち主で、脚のラインが見えないチャルダッシュの衣裳でも、脚が綺麗なのがわかるほど。それに顔がちっちゃい~爪先も美しく伸び、踊りも正確だが、チャルダッシュはもうちょっと濃いめに踊ってもいいような・・・ ものすごく清潔で律儀な雰囲気、よく言えばナチュラルな美しさがあり、でも女性を5人か6人引き連れて踊っているのだから、もっとワイルド感が欲しかった。そこに同じようなチャルダッシュの衣裳を着たマニュエルが、食いだおれ人形のようなメイクで、“だいじょうぶだ~おじさん”のようにドスドス登場するのだが、食いだおれ人形のほうがセクシーに見えてしまった。木本くんを見ていると、サムライを連想した。抑制のきいた禁欲的な雰囲気、竹林のような清々しいナチュラルさは若い侍のようだ。そんな彼の長所の部分を生かしたコンテ作品にめぐり逢えたらいいのになと思う。見目麗しい男女のウィンナワルツは眼福見た目でだいぶ得してるな~客席は関西では珍しくシニアのおじさまが多かった。全体的に年齢層高めで、お子様は少ない。自分も行く道だからえらそうには言えないが、年齢が上がると咳きこむ人が多い。できればバサバサ音がしないように飴を取り出せるようにしておいてくれると有難い。少量をあらかじめジップロックに入れておくとか、工夫してくれたらいいな。マニュエル芸監期間中にまた来日するかしら。今度はぜひフェスティバルホールへいらしてください。(5月3日 兵庫県立芸術文化センター 大ホール)
2012.05.04
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マチルド・フルステちゃんが表紙なんだ!色々なバレエブログをのぞくけれど、あまりフルステちゃんのことを良く書いている人はいないのよ。自信過剰気味に感じるとことか~ 表現過多なとことか~そういうところが鼻についてしまうのかな。でもこの間のゆうぽうとの公演から、ちょっと見方が変わった。「ちゃんと踊ってて、可愛いやん」エレガンスこそ我が命! みたいなパリオペ軍団の中にいるから浮くだけで、ロシアならあの表現方法もアリだと思うけどな。表紙もね、フルステ節のこぶしが少しうかがえるけれど、可愛いよ、頑張ってね。広告に「ロイヤル・エレガンスの夕べ」という鎌倉芸術館での英国ロイヤルバレエの公演案内があった。キャパ600の劇場、というのにも驚いたが、それよりも驚いたのが「ファンミーティング」というイベント。「えっ! ファンミですか、 韓流みたい」 と思ったのは私だけかしら。いや、ファンミーティングは普通の言葉なんだろうけど、時節柄リンクしちゃったわ。学生時代の友人で、東方神起にガッツリはまっているのがいるから3日は西宮にウィーン国立バレエの「こうもり」を観に行く。楽しみ~
2012.05.01
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長いな~フェスティバルホールの開場まで、まだ一年。予定では2013年4月3日に開館で、こけら落としは「大阪国際フェスティバル」として華々しく行われるらしい。楽しみにしている、きっとこけら落としは魅力的なラインナップになるだろうから。どこが来るかなぁ、バレエは英国ロイヤルかな。「ロイヤルで〈眠りの森の美女〉なんてありそうじゃない」と娘と話していたら、ロイヤルのスケジュールに2012-2013シーズンに来日があると出ていると他ブログで見た。これはフェスティバルホールこけら落としが絡んでいるんじゃないかな。勘だけど。西宮の兵庫県立芸文とびわ湖ホールまで遠征かけなきゃいけないのも、あと一年で終われるかと思うとうれしい。どちらもいい劇場だけど、大阪に来日バレエ団の公演をうてる劇場がないという状態は、大阪人として悲しいかぎり。2008年末からもう丸三年、来日公演観るのは遠征ばかり。とくにびわ湖は京都を越えなくてはいけないので、実際の距離以上に遠さを感じてた。名神高速の蝉丸トンネルより東は、“近郊”ではなく“遠いところ”という属性なのだ。前の劇場と同じように音響がいい劇場だといいけれど、こればかりは建ててみないとわからないそうで、ギャンブルだそうだ。来年4月が待ち遠しい。
2012.03.20
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NBSのサイトに公演概要が発表になった。A・Bプロ両方は無理なので、どちらを狙うか迷ってしまう。「初出演」ではなくて「初出場」って甲子園みたいね~ と笑いながらメンバーを見ていて、あらっ! シルヴィ姐さんがいない・・・昨年いっぱい日本で踊ってくれたものねぇ。でも姐さんがいないのは寂しいわ。マニュエル先生とジル・ロマン氏は持久戦に突入で、ポルーニンはロイヤルはヤだけど日本では踊るのね。何だかややこしくてペアが組めない。男女の数があわないし。でも水香たんとマチューは決定事項かしら。あれこれ考えるのは楽しいけれど、チケ争奪戦は大変そう~NBSさん、いくら名前が長くて一行に入りきらなかったからって、エフゲーニャ・オブラスツォー はいかんやろ~ちゃんと「ワ」を入れて、エフゲーニャ・オブラスツォーワにしてあげてください。
2012.03.13
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男子入室禁止のような話題だが。先日BSプレミアムでパリオペラ座バレエ公演の放映があった。もう20年くらい前の来日公演で感激した「イン・ザ・ナイト」があり、観るのを楽しみにしていた。その「イン・ザ・ナイト」の3組目のカップル、デルフィーヌ・ムッサンとニコラ・ル・リッシュの女性のムッサンの衣装が気になって気になって~肩ヒモが長すぎ、今にもバストトップが見えそう・・・と思ってたら何度か見えてしまった。一瞬、ちらっちらっだけど。バストトップが見えるのはパリオペでは珍しいことではなく、コンテ作品では上半身何もなし!もあるし、ガルニエで観た「春の祭典」は左乳房全開だった。いいのですよ、芸術ですから!日々の鍛錬によって鍛え抜かれたダンサーの肉体はそれ自体が芸術。ダンサーは肉体をさらけ出すことに、何の抵抗もないだろう。草刈民代さんが写真集でヌードになったとき、「バレエで肉体をさらけ出していたから、裸になることに躊躇なし」と言ってたように。(あの新聞広告はビックリしたけどね。見たくない人もいるのに、いやおうなしに見てしまう新聞広告にヌードはちょっと乱暴に感じた。朝ドラで不倫が描かれただけでアレルギー起こす人がたくさんいるくらい、世間一般は意外に真面目だから)だから見えたことに驚きはないが、「イン・ザ・ナイト」のクラシカルなドレスで見えてしまうのはどうなんだろうか、と思ってしまうのだ。やはり場に合ってないし、衣裳の雰囲気にも合ってないと思う。見えるということは衣裳サイズがあってないのよね。DVDのアレッサンドラ・フェリのジゼルの1幕の衣裳、胸の部分が超薄の白い生地で、バストトップが完全透けて見えているのがあった。こうなると感覚の違い? 村娘のジゼルでスケスケは気になって気になってこれはサイズの問題ではなく、もともとのデザインの問題。フェリさんはイタリア人、パリオペはフランス軍団、この無頓着さはヨーロッパ気質なのか、ラテン気質なのか。話題は変わってジョシュア・オファルトがエトワールに任命された。2月のゆうぽうとの公演で、「もう任命も近いわね」と思っていたら、やっぱりそうだった。おめでとうございますまた日本に踊りに来てください。
2012.03.08
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オデット/オディール スヴェトラーナ・ルンキナ ジークフリート セミョーン・チュージン 王妃 エカテリーナ・バリキナ ロットバルト ウラヴィスラフ・ラントラートフ 道化 岩田守弘 王子の友人 アンナ・ニクーリナ/アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ ハンガリーの王女 オルガ・マルチェンコワ ロシアの王女 アンナ・レベツカヤ スペインの王女 チナーラ・アリザーデ ナポリの王女 ダリーヤ・コフロワ ポーランドの王女 アンナ・オークネワ娘の受験の付添いで行った東京。試験のない日の昼間、「ホテルからどっか行ってちょーだい」と娘に懇願され、急遽決めたボリショイバレエ観賞だった。アメリカのエンバッシーのような手頃なリビングルーム付きのホテルがあればいいけれど、東京で手頃な2部屋なんてないもんね、出ていくしかない。まぁ喜んで出て行ったんだけどグリゴローヴィチ版、2幕仕立てで上演時間2時間のスピーディーな展開。さすがボリショイバレエで、体型、踊りとも粒が揃っていて、A○Tのように「むむむっ?」というような人材は混ざっていない。オデット/オディールのルンキナは、彼女のたおやかな風情からオデット向きだと思っていたが、意外にもオディールのほうが良かった。インタビューでもオディールのほうが好きと答えていたので、強気な役が得意なのかもしれない。オデットはアームスの動きもひかえめで、表現もクールな印象。王子のチュージンもおとなしめなのでバランスは良かったが、もう少しもの悲しさが欲しかった。オディールは妖艶さのなかに勢いがあり、目力の強い悪女。ものすごく華奢な体型だが、強さを感じた。見せ場の32回転は、前半ダブルを混ぜ、後半はシングルで舞台奥からセンターラインをきっちり前にグイグイ迫ってきた。あのオディールじゃチュージン王子はひとたまりもないわ。韓国ユニバーサルバレエ→チューリッヒバレエ→モスクワ音楽劇場バレエ→ボリショイと“わらしべ長者ダンサー”のようなセミョーン・チュージンは、年齢不詳の王子様。若いんだか年くってるんだかわからない立ち姿だが、王子様ではある。折り目正しい踊りで、相手役を立てようとする舞台マナーには好感が持てる。この版はオディールの登場の場面で現実との隔絶を表現し、王子の心の中を描いているようなので、少し気の弱い雰囲気が出ていたのはいい。マネージュも美しいし基本に忠実な踊りだが、ただ一点気になることがあった。それは空中姿勢で足首から先が“かま足”になってしまうこと。骨格の問題でテクニックでカバーしようとしているが、何度か気になった。でも総合的には良かった。道化の岩田さんはボリショイ退団が決まっているので、ボリショイ団員としては最後のステージ。この日はマチネ・ソワレとも出演なさったようだ。渾身の踊りで客席は大いに沸いた。ロビーには岩田さんあてのルジマトフからの花が飾られていた。1幕のパ・ド・トロワは王子と女友達で踊られる。友人のアンナ・ニクーリナがめちゃくちゃ可愛いく、そしてうまかった。背中に花しょって踊っているような華やかなオーラがでており、彼女はオデットも踊る主役級なので、そのオーラは当然だったようだ。ロットバルトは従来のロシア版より踊るロットバルトで、オディールをエスコートしてくる場面の衣装は、今まで観たロットバルトのなかで一番素敵な衣装だった。私がオデットなら王子よりロットバルトを選ぶかもナポリやポロネーズの民族舞踊は花嫁候補が踊る設定なので、いずれの曲も女性中心。1幕のパ・ド・トロワは王子が、民族舞踊は女性中心なので男性ダンサーの活躍の場が少ないのが残念だ。ロシア版はハッピーエンドのことが多いが、この版は悲劇でエンディング。このラストが少々あっけなく、イマイチ盛り上がりに欠けたのは残念。演奏はボリショイ劇場管弦楽団。ジャンジャン賑やかなオケで、金管はまともでオディールの登場でかますようなヘマはなかったが、意外なところでボロがでた。スパルタクスで張り切りすぎてお疲れモードだったのかもしれないが、弦が危うく、黒鳥の場面の最後で音が微妙に上がりきってなかった。弦がねぇ、、、ああなるのは珍しいわ(2月9日 東京文化会館)
2012.02.22
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♪『ベニスの踊り』よりサタネラのパ・ド・ドゥ シャルリーヌ・ギゼンダナー / ヤニック・ビトンクールBプロ初日で幕開けなので少し緊張気味で固めに感じたが、堅実な踊りだった。若手注目株のビトンクールは手足が長くて恵まれたプロポーションの王子様体型。意外に優等生タイプの踊りだったので、素材の良さそのままにダンスール・ノーブルの道を邁進してほしい。パリオペは古典王子様がはまる人材が意外に少ないので貴重な存在だろう。♪『カラヴァッジオ』第1幕より ミリアム・ウルド=ブラーム / マチュー・ガニオ優等生といえば本家本元のマチュー・ガニオ。肌色パンツ一丁だろうが“清廉潔白”という四文字熟語が浮かんでしまうのは、いいんだか悪いんだか・・・相手役のミリアムも清潔感のあるダンサーなので、二人が絡んで踊るとセクシーさとかエロスを感じるよりも高い精神性とか理想なんて言葉がうかぶ。♪『コッペリア』第2幕より マチルド・フルステ / フロリアン・マニュネフルステさんは調子が良さそうで(笑) 長ぁ~いバランスを余裕できめていた。その技の見せ方とか表現過多気味のところがフランス的でないと見られるようで、鼻につくこともあったが、片足パッセですっと立っているポーズで、びしーっと1本線が入っていて凛とした佇まいを感じた。そういうとこは好きかも。それと「ここで踊っているいるのが楽しいの」という思いが伝わる笑顔で踊られると、多少「ん~にゃっ」と演歌調な表現も許せてしまう。彼女、パリじゃなくロシアだったらそれほど演歌調に感じないかもしれない。フロリアンはまぁ無難。サポートは上手そう。♪『椿姫』第3幕より イザベル・シアラヴォラ / バンジャマン・ペッシュバンジャマンは椿姫が好きなのね。これで紫・白・黒と三色揃ったが、うーーーん、、、エレオノーラとのコンビのほうが椿姫には合ってるように思えた。この二人からは刹那的なパッションというものが見えなかった。どちらも演技派だろうが、椿姫に関しては二人の相乗効果がなかったようだ。♪『ドン・キホーテ』第3幕より ドロテ・ジルベール / ジョシュア・オファルトふつうこの演目がトリにくるが、こないのがバンジャマン風構成か。ドロテは黒赤のキトリのチュチュがよく似合う。バランスを見せるのに固執したのが少々残念だったが、大輪の紅い薔薇のような華やかさだった。押し出しの強い「これぞ主役様」というキトリ。ジョシュア・オファルトもドロテに負けずオーラがでてきていたのにビックリ ルグリ先生のNHKのレッスン番組の頃には「わっダサっ」と感じるほど野暮ったかったのに。きっちり5番に入り、アンディオール、爪先ピンで溌剌と踊っているので、観ていて気持ちよかった。♪『ランデヴー』 イザベル・シアラヴォラ / バンジャマン・ペッシュこちらの二人は良かった。無声映画のような雰囲気で、シアラヴォラの美貌に凄みがあり、大人の時間。バンジャマンも女に翻弄される若者に見え、ふたりの役割がよくわかった。シアラヴォラの脚は芸術品というかありえない美しさで、足フェチ(!)のプティ作品ではその身体的特徴が最大限に活かされていた。♪『ミューズを率いるアポロ』 ミリアム・ウルド=ブラーム / マチルド・フルステ シャルリーヌ・ギゼンダナー / マチュー・ガニオ一昨年のガルニエで観ているマチューのアポロ。その時よりも良かった。セクシーさが足らないとかつい辛口になってしまうが、それは彼に期待しているから。踊りの美しさ端正さは比類なきもので、じゅうぶん完成されいるのはわかるが、あと一味何かが加わればいいなといつも思う。♪『スターバト・マテール』 ドロテ・ジルベール / バンジャマン・ペッシュバンジャマン・ペッシュ振付の作品、これが意外に良かった。(意外なんて言ってスミマセン)照明の変化や幕の使い方、あと宙づりで視覚的に変化をもたせて飽きさせない。さすがアーティスティック・オーガナイザー、物事を色々な方向から見ることができる人だと思った。じゃないと公演の企画なんてできないよね。でも~ ドロテクラスが踊らないと魅力ないかも。若手奮闘公演には向かない作品だ。♪『オーニス』 ジョシュア・オファルト / フロリアン・マニュネ / ヤニック・ビトンクール何でこれがトリだったのか。観ててそればっかり考えてしまって、笑えてきた。イケメン三人衆はいいんだけどさ、村の真ん中でイケメンが婚活もどきのフォークダンスを長々と踊っているようで・・・どこかでバージョン変わってフォークダンスから進化するのかと思ってたら、最後までそのままだった。サスペンダーは良かったけど。いつものエトワール・ガラより若手にシフトしていたが、じゅうぶん見ごたえのある公演。バンジャマン企画公演で ずんちゃっか ずんちゃっか ずんちゃちゃーかかずちゃちゃかちゃんっ と脳天気なコッぺリアの曲が流れてくるのも新鮮だった。昨日のNHKBSでも流れていたが、石巻へチャリティーレッスンに出向いたりと行動派の彼ら。そんな彼らに“ありがとう”の気持ちと“また来てね”の思いをこめて、いっぱい拍手してきた。(1月31日 五反田ゆうぽうとホール)
2012.02.02
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28日から公演が始まるパリオペラ座メンバーが無事来日したようで、公演前に予定されていた仙台と石巻でのバレエレッスンの記事が河北新報にあった。写真は石巻でのドロテ・ジルベールのレッスン風景。同じレッスン場で一緒にレッスンできた子供達には貴重な体験だっただろうな。一流のダンサーと同じ空気を吸えたら、テンションも上がり、しばらくは身体も引きあがりそう。背筋が伸びて5cmは引き上がるねLove from Paris という公演名に偽りなしだわ。
2012.01.24
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