2012年11月19日
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カテゴリ: 英語本

The Last Child-【電子ブック版】

「THE LAST CHILD」by JOHN HART
邦題「ラスト・チャイルド」ジョン・ハート著

内容(「BOOK」データベースより)
少年ジョニーの人生はある事件を境に一変した。
優しい両親と瓜二つのふたごの妹アリッサと平穏に暮らす幸福の日々が、
妹の誘拐によって突如失われたのだ。事件後まもなく父が謎の失踪を遂げ、
母は薬物に溺れるように…。少年の家族は完全に崩壊した。だが彼はくじけない。
家族の再生をただひたすら信じ、親友と共に妹の行方を探し続ける
早川書房創立65周年&ハヤカワ文庫40周年記念作品。
英国推理作家協会賞受賞。


「ラスト・チャイルド」読了。
いやー、とても良かったです。

誘拐をテーマにしたミステリーですが、
誘拐をきっかけに崩壊してしまった家族の話です。

妹が誘拐されて一年経ち、警察は手がかり無しで何も出来ない。
父親は失踪したまま連絡も無し、母親は薬物のおかげで何も出来ない。
13歳のジョニーは家を守り、妹の生存を信じて一人行動します。
その健気で一途な思いに胸を打たれます。

最初の方で、崩壊した家を必死に維持しているジョニーの様子で一気に引き込まれます。
13歳なのに車を運転して食料品を買いに行くジョニー。
家に出入りするケンは横暴で暴力をふるい、
ジョニーはケンが死ねば良いと思いつつも、暴力に耐えています。

物語はジョニーの話と、刑事ハントの話がほぼ交互に書かれます。
頑ななジョニーは親切にしてくれるハントにも心を開きません。
ジョニーの必死の捜索の中、ある日ジョニーは交通事故を目撃します。
そこから話が動いていきます。

次第に浮かび上がる犯人。と思いきや・・・。

犯人と思われる人間は最後の方で二転三転します。
そして、犯人は驚くべき人物で、その真相も驚愕の事実です。
犯人が分かった時は頭を殴られたかのようでした・・・。

そして物語の真相が分かった後も、爆弾が何度も落とされます。
えっ?えっ?えっ?と何度も驚きが待っています。
もう最後の方はページターナーで、夢中で読んでしまいます。

しかし描かれるのはどちらかというと悲しい事実で、
誘拐によって崩壊した家族の寂しさ、
ジョニーの孤独、親友のジャックの孤独、
そして母キャサリンの孤独、刑事ハントの孤独と
それぞれの孤独が丁寧に描かれます。
どのエピソードも胸にこたえるものばかりです。

死体がゴロゴロ出てくる上に、殺人もバンバン起きるのですが、
不思議と殺伐さは感じません。
終わり方もそうですが、とても暖かみのある小説でした。
ジョニーの思いがそうさせたのかも知れませんね。

英語の話。
英語は平易で、とても読みやすいです。
章も短く切られていて、通勤でも読みやすかったです。
スラングもほとんど使われておらず、長いことを除けば、
私のように単語力がない人間でも十分楽しめます。


ラスト・チャイルド 上 (ハヤカワ文庫HM) (文庫) / ジョン・ハート 東野さやか

ラスト・チャイルド 下 (ハヤカワ文庫HM) (文庫) / ジョン・ハート 東野さやか





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最終更新日  2012年11月19日 22時19分28秒
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