2013年12月17日
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カテゴリ: 英語本

The Cask-【電子書籍】

 F.W.クロフツ 
The Cask

1920年発表のクロフツのデビュー作です。私の「古典を読もう」シリーズです。

この本は「東西ミステリー100」の33位に入っています。
しかし、私はこの作家さんも、この本も全く知りませんでした。

上のリンクはコボですが、私はキンドルで読みました。500円くらいでした。

パリから運ばれてきた樽が船から降ろされる時に落下してしまい、
落ちた拍子に割れ目が出来てしまう。その割れ目から、おが屑とイギリスの金貨が
出てきて大騒動になる。金貨がもっとあるかもしれないと思い、中を覗くと
なんと中には女性の手が見える。どうやら死んでいるようだ。


慌てて会社に連絡をとりに行っている間に、樽は消えてしまう。
調べると、レオン・フェリックスという男が持って行ったという。
怪しいので警視庁にその話をしにいくと、バーンリー警部が捜査に乗り出す。
捜査網に樽が運ばれたという情報が寄せられるのだが・・・。


とにかく一筋縄ではいかない話です。
消えた樽がすぐに見つかるのかと思いきや、全く見つかりません。
見つかってもまた消えてしまい、中々樽の中身が確認できずにちょっとイラっとします。

よく言えば丁寧、悪く言えば長すぎる感じです。
しかし樽が見つかってからはレオン・フェリックスの奇妙な話に始まり、
樽の発見、フランスでの捜査と怒濤の展開。

フランスでの捜査の結果、複雑になるプロット。
ハッキリ言ってまったくついて行けませんでした。
途中からメモをしておけば良かった・・・・。

樽が行ったり来たりするのですが、イギリスの地名はともかく、
フランスの地名がわんさか出てきて、さっぱり覚えられない・・・。
樽の行方は重要な要素なのですけど、途中であきらめました。

話の視点が次々と変わっていきます。
うまいというか、退屈しないというか、面白い構成です。

アリバイの証言をする人物がやたらと多くて、これも苦戦します。
プロットの複雑さと、人物の多さからも通勤の合間に読むのは
無謀でしたね。じっくりと取り組みたい作品でした。

退屈と評判のクロフツらしいですが、地道な捜査を丁寧に書いて
かなりリアルです。私は好感を持ちました。

樽を受け取ったレオン・フェリックスという人物がむちゃくちゃ怪しくて
こいつが犯人かなあ?、いや違うかな?
と読んでいるこちらの気持ちが二転三転します。

犯人は絞られていきますが、鉄壁なアリバイがあります。
ここを突破する過程が書かれていて、最後はページターナーです。

鮎川哲也さんの「黒いトランク」という作品は、
この「樽」に影響されて書いた、らしいですね。
そちらも読んでみたいです。

<英語の話>
単語は結構難しい。1920年の本だから、単語も古いのかもしれません。
言いまわしも時々分からない表現あり。
でも、古そうな単語以外は普通かも。
英単語の難しさより、プロットの複雑さで、読むのに時間がかかった感じです。


 樽 / 原タイトル:THE CASK (創元推理文庫)[本/雑誌] (文庫) / F・W・クロフツ/著 霜島義明/訳





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最終更新日  2013年12月17日 22時41分54秒
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