山と川と花の記

山と川と花の記

2024.05.19
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孤高のブナを見に日光市足尾の中倉山に行ってきました。
尾根に立つ一本のブナは何故か凛々しく見えました。
樹齢はいくつなのか、どうやって生き抜いたのか、仲間はいなかったのかなど色々なことを考えさせられました。
ブナとして大木ではありませんが足尾銅山の精錬による亜硫酸ガスを生き
残ったのです。

私が孤高という言葉を知ったのは新田次郎著の「孤高の人」を読んだ20代の時でした。
あれから孤高とは全く縁がありませんでしたが、足尾の中倉山に孤高のブナの木があると知って、登ってみたいという思いにかられました。
渡良瀬川源流を渡り、治山治水工事用の車道を約50分歩いて登山口へ向かいます。
谷は土砂に埋まっていますが、この谷は草木が枯れて禿山となった山が崩れて谷を埋めた風景のようです。
ここには三つの川沿いにそれぞれ村があったそうですが、遠い昔、すべて廃村になったそうです。
一見すると緑に見える山も、治山治水事業によってすべて植えられた木々だそうです。

急登を約1時間登り、ようやくミズナラの門に迎えられて支尾根にたどり着きました。

傾斜は少しゆるやかになつても山は山で登りは続きます。
主稜線の展望場所に立ちました。
眼下の三角の山の向こうに駐車した場所が見えました。
路肩に駐車した車の帯がかなり伸びているのが見えました。
植林された山もあれば土砂がむき出しの山も見えました。

荒廃した斜面、山頂は近いようです。

およそ3時間半で中倉山の山頂に立ちました。

足尾銅山精錬所による亜硫酸ガスの影響を強く受けた山とそうでない山がこの1枚に写っているようです。
右が沢入山(そうりやま)、その左奥に見えるのは百名山の皇海山のようです。
南西に富士山が見えましたがカメラでは写りませんでした。


山頂から沢入山に続く稜線を少し下った鞍部に孤高のブナの木はありました。
地図を見ると1510メートル付近で、北側の谷は荒れていますが南斜面には疎らに木々が見えました。
孤高のブナは新緑でした。


木陰を見つけてブナの木を見ながら休みました。
北には男体山、南に富士山が見える尾根にブナは立っています。

荒廃した北側の谷とは違い、南側には木々が生い茂っていました。
新緑のなかに見える花はミツバツツジのようです。

疲れた体をヤマツツジの赤い色が励ましてくれました。

山を下り駐車場までの長い道のりを歩いているとダンプカーが砂ぼこりを巻き上げながら通り過ぎていきました。
足尾銅山による自然破壊を少しでも回復するための、山に木を植える運動は続いています。













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最終更新日  2024.05.21 07:21:54
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