医療用医薬品 0
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言霊とは言葉を発すると悪いことが起こるので、口に出してはいけません。という日本の古代ではほんまに信じられていて行動原理にもなっていたものです。現在は気持ちの中には少し残っています。忌み言葉などです。結婚式に、意味的には全然関係ないのに切れるという言葉を避けるという風習です。この逆の使い方が出てきました。言葉が国を守っていると言うことです。例はあげません。それを行っている人には言霊という行動原理にとらわれているという行動認知ができていないからです。最近はCOVID-19に対して言霊を信じているとしか思えない人がいます。効果があるかどうか分からない部分があった、去年の4月ならいざ知らず、今からの政策でキャッチフレーズだけを発する人です。今までうまく押さえ込んでいる県は、時短よりも店のコロナ対策が実際に行われているかを身を動かして査察している県が多いことが分かってきました。それを取り入れている府はちょっと手遅れだったかもしれませんが、その手法を実行しようとしています。感染者は急激に伸び、まだ高水準ですが、伸び率は止まりつつあります。一方、自分たちはからだうごかせんへんもんね、いうこときかへんやつにはばっきんというしゅだんしかとらないところは今のところ感染はたいしたことはないので、助かっていますが、爆発したらどうすんねんという気持ちになります。どんな方法が今まで成功したかに関してもっと宣伝して。ロックダウンは役に立っているかどうかちゃんと宣伝して、ワクチンないみたいな言い方はやめて。といいっぱなしでは、誰も見ていないとはいえ、ブログなので、卑怯と思うので今からして欲しい対応策を書いときます。1)飲食店は時短ではなく、最大のキャパを抑える。2)換気チェックの助けになれないCO2検知器をただで配る。3)ウイルス専門家に頼んで、この政策をとればどれくらいの感染者数を目標としたら、いつぐらいに達成できるという目標を示す。できなっくたっていいじゃん 失敗理由を真剣に検討すれば。4)遺伝子分析の結果と特別疫学検査の結果を測定が終了次第公開する。ちょっとぐらいにゅうりょくみすがあってもええやん、それに気づいたらすぐていせいすれば。デジタル庁が国民を欲するのはこういうことを実現することも一つかと思います。生データも公開して、授業ができない大学の先生や生徒が自由解析できるようにしておく。結果は玉石混淆でしょうがその中からなら、今のウイルス専門家といわれる人も選択可能でしょ。
2021年04月19日
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プロ野球で予測が当たった場合に、「結果論」としてその予測を馬鹿にする人がいます。当たる、当たらないと無関係に手持ちのデータで先を予測することは政策立案で大切なことです。今のCOVID-19の感染拡大防止の議論がその最たる物ではないでしょうか。COVID-19の感染拡大と感染終息を2回は繰り返したと思います。その終息理由に関してデータを検討せず、間違った方向や思い込みで検討したことで、予想がうまく行かないと「想定外」というのが政府と野党の無駄な国会論議につながっていると思います。うまく行ったら「結果論」とか言うのではなくて、なぜうまく行ったことを検討するのが専門家と政治家の責任だと思います。今回の感染拡大の量だけ見れば、イギリスがワクチンの接種が行き渡ったので、屋外での食事(テレビ画像をみているとマスクなし)が解禁した際の10万人当たりの新規感染者数と死亡者数は保z簿一緒。抜き打ちのCOVID-19感染予防策の実施状況検査はもっと早くとは思いませんが、実施されることは歓迎したいと思います。日医工は抜き打ち検査を行わなければ、今も不法な製造方法と出荷時検査で後発性医薬品を出荷しており、小林化工のような事故を起こす可能性を抱えていたと思います。抜き打ち検査というのは、人が関与している場合には必要な検査であると考えます。国民総生産に占める社会補償費の占める割合に関しては、かつては毎年行っていました。その時はアメリカ、イギリス、フランスなどと同じぐらいでした。社会保障費が予算を圧迫しているので税収を増やす必要がある、消費税の増税が必要であるとの話が政府から出るようになってから、このデータが更新して、プレスリリースすることはなくなりました。国民総生産に占める割合が国際比較するためには一番良い指標と思います。軍事費なんかは必要な量はある程度どこでも同じなので、割合よりも絶対値の比較が適していると思います。日本の軍事力は資金だけで判断すれば、世界有数です。社会保障費が他の支出を圧迫しているというのは、国民総生産に占める社会保障費の国際比較のデータから考えると、政府が他の項目で無駄遣いしている可能性の方が高い事が分かります。その支出はないにかを探るのは私の仕事ではなく、興味のあるところではないので、このブログでは語りません。イデオロギー的な発言(ある仮説には従っているが、その仮説は検証することが可能なのにその仮説から演繹されることが事実であるかのように語ることと私は思っています。)をすれば、議員の歳費に使いすぎているのでは無いかと思います。一人4000万と考えて議員数は衆参合わせて742人 297億円。定員を半分にしても200億円しか減らないのか 定員を半分にすれば200億円も節約できるのかどっちをとるかな。少なくとも通信費に関しては、カードを渡して明細を公開することにすれば、少しは減るでしょう。秘書給与は、税金でまかなう人に関しては、秘書資格を使ってランダムに割り当てる事をしないと税金である秘書給与を党に寄付させるということが党ぐるみでやっていたことを、嘘をつき続くことができないと判断した議員は二人自殺しましたが、某立憲民主党立憲民主党副代表、同大阪府連合共同代表。立憲フォーラム幹事長、NPO議員連盟幹事長、児童擁護議員連盟会長を務めている人は自分の罪は認めて議員辞職をし、次の選挙でみそぎが済んだと立候補し、その後当選を続けている人は、人が辞職しても、次の選挙では当選させてはいけないと演説するぐらいなので、辞職後再選を果たしたことは後ろ暗かったのかと思っています。政策は比較的現実主義なので、共感することができるのですが、国会のパフォーマンスというか議論のやり方は損な方法を選んでいる木がします。
2021年04月13日
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場所を取らないということで、電子書籍を主に使っています。紙の書籍は電子書籍になっていないものだけです。文献もPDFあるいはHTLM版であれば無料で手に入る雑誌が増えてきたので、電子版しか使っていません。(紙の場合にはコピー代と配送料がかかるので、これが1日数編読むと馬鹿にならない)電子書籍も数が増えると電子書籍リーダーの動きが悪くなします。古本屋に売ることもできないし。インデックスがつくので、欲しい本を探し出すのは紙に勝ると思いますが、数に比例して2分ぐらいかから。初期は数秒でしたから苦痛。昨日アンドロイドの楽天koboソフトが本をダウンロードできなくなって困りました。ソフトに修復機能がついているのですが、これが5時間ぐらいかかっても終わらない。諦めて、現在のソフトをアンインストールして、新たにソフトをインストールしました。なんとか1時間で終了。本を2、3冊ダウンロードして通勤時間の暇つぶしは確保できました。抑うつ症状は、ジアゼパム(頓服)で大分ましになりました。銀行を通さない二次元コードで取引が給与支給に使えるかの議論が始まりました。街頭インタビューでは使っていない人は危険といい、使っている人は便利といいます。このあたり、導入のために世論調査するときにバイアスを自分の求める方向で取れること言うことです。統計でウソをつく法【電子書籍】[ ダレル・ハフ ]価格:1012円 (2021/4/7時点)楽天で購入無作為標本抽出はバイアスがかからないようですが、実は結果として、抽出後に抽出標本が偏っている場合がよくあります。2000人ぐらいでは例えば支持率が40%とすると95%信頼区間は38~42になります。プラスマイナス2%の変化は実際には検出できないことになります。(独立した2標本での検定を行っても有意差は出ない)世論調査で95%信頼区間を示していないのは日本ぐらいです。この世論調査の信頼性を知るために示してもらいたいためです。話がそれました。アンケートでバイアスを書けるときに質問を工夫することで可能になります。1)電子マネーは元金が保証されていません。現状では使えるお店は限られます。銀行に振り込まれたとき利息は付きません。電子マネーによる給与振り込みに賛成ですか?2)電子マネーは銀行の取引のように引き出し時間によっては手数料がかかります。使えるお店は今後増えていく傾向にあります。割り勘払いするときでも、電子マネーのシステムが代行してくれます。現在ではギャンブルには使用することができないのでギャンブル依存症の人に持たせても安心です。電子マネーによる給与瑠璃込みに賛成ですか。1)2)はデメリットだけ、メリットだけを記載しています。しかし、デメリット、メリットを両方書いても、メリットを先に書く、後に書く、混ぜて書く場合で賛成率が変わる可能性があります。電子投票に関しても、候補者の順番で得票率が変わるので、選択式が本当に民意を示しているかを議論する必要があります。そんなバイアスより、マイカードの読み取りでどこでも投票できるようになれば、最初は混乱すると思いますが、投票率を上げるためには最良の方法であり、コストも激減します。まだまだ先と思っているといつのまにかどこでもコンピュータ(©坂本健)は来年にも実現しているかもしれません。年齢は関係ありません。人間便利だと使うものです。単なる変革バイアス(新しいことにはとりあえず反対する)です。そうすると公約に関する評価システムが必要になります。この程度の約束を守れなかったことはたいしたことはない(©小泉純一郎)と発言する人が総理を務めていたのですから。参議院自民党がまとめた「民主党政権の検証」という文書が残っています。興味のある人はよんでください。ガリバー旅行記で笑える人は大笑いできることを保証します。冒頭の文書を一つだけ引用します。都合の悪い事実を隠蔽し、約束を簡単に反故にする体質によって、国民を裏切り続けてきた。さらに、総理・閣僚をはじめとする所属議員の度重なる不祥事によって、国民の政治に対する信頼を失い続けてきた。この文書だけ取り出して、どの政権に対する批判でしょうと問うたら安倍政権と答える人は半分超えるのではないですか。
2021年04月07日
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動物では病検体にならず、人にうつると病原体になるやっかいな細菌がいます。腸内細菌叢にも緑膿菌など普段は病原菌にはならないが、免疫が低下すると病原性を発揮するものがあります。動物にキスしたりして感染するのがパスツレラ菌です。猫の口腔内にはほぼ100%、犬の口腔内には75%ぐらいに常在しています。口の中に口内炎や傷があるとそこからパスツレラ菌が侵入して、増殖する可能性が高まります。予防としては市町村のホームページには「キスをしない」、「一緒に寝ない」とあります。しかし、家族扱いの猫や犬に対してキスは我慢できるかもしれませんが、一緒に寝るのを止めるのは大変です。横で寝ると可愛いですから。(私が飼っていた犬は私の側では寝ますが、布団には入ってきませんでした。珍しく布団の中に入ってきたときにはなくなっていました。)猫や犬が本気で噛んだときには感染の可能性が高まります。本気というのはかみ傷ができるほどと言うことです。その傷から菌が進入して増殖します。腫れだけでなく、皮膚潰瘍やリンパ管に炎症を起こす可能性もあります。炎症を起こすと発熱の可能性があります。まれに呼吸器で増殖し、肺炎を起こす可能性があります。ウイルスとは違い抗生物質が有効です。耐性菌の報告も今のところはありません。ペットが他人を噛んだときには、パスツレラ菌の感染も考慮する必要があります。時間がたってから腫れてきた訴えられることがあり得ますので、狂犬病のワクチンを売っているから、傷が治れば大丈夫と被害者に伝えるだけでは問題があるかもしれません。さて、厚生労働省の送別会です。同調圧力の働き方は、部署という狭い範囲では、法律よりも優先してしまうというのは社会学の研究対象として適切と考えます。この同調圧力に対して、個人が対応すべき問題かというのも心理学の研究対象かと思います。マスコミはこの同調圧力がどう働くかを全然考えずに、厚生労働省の送別会を糾弾し、市民の送別会禁止のお願いに対して、そのお願いを破ることはまるで罪のような報道をします。ワクチン摂取は自己判断で決めるべきだといいながら、全ての情報を流さない。厚生労働省は発表はしていませんが、ワクチンを申請するためにファイザーの申請資料を全て公開し、厚生労働省の疑問点とその回答、厚生労働省の内部機関である専門部会での疑問点とその回答、第三者期間である薬事審議会の資料と議事録を公開しています。その資料を読むことは市民に強制されることではありませんが、マスコミは専門家の話を、裏付けを取らずに垂れ流すのではなく、この資料を読み、疑問点は議員に問い合わせるなどの取材を行ってから、ワクチン接種するかどうかを市民が判断できるような情報を伝えるべきです。中立でなければならないということは、片方の意見を垂れ流すことではありません。全てのデータを解釈した上で(専門家の意見を聴くことは構いませんが、それを事実としてそのまま受け入れるのは間違いです。)、市民に伝えてほしいものです。こんな風に考えるのはマスコミに期待しすぎでしょうか。
2021年03月31日
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糖はダイエットにとって大敵というコピーをよく見かけます。それを信じて糖を取らなければ死にます。でも取り過ぎるとⅡ型糖尿病にかかるリスクが増えます。参考にはなりませんが、(書例報告なので)ゼロコーラを半年ぐらい毎日2リットル飲んだら、体重は5kg減りましたが、血糖値が600を超えて、ヘモグロビンA1Cが15を超えて、専門外来を訪れると即日入院となりました。2週間インスリンを食前と就寝前にうったところ、退院時には血糖値の異常上昇は無くなりました。その結果インスリン投与はなくなりました。(医師は退院時にもインスリン投与が必要になると考え、3日目から自己注射の練習をさせられました。)退院後4週間目の外来までに、糖尿病用の食事と1日1万歩の運動の結果、ヘモグロビンA1Cも6と正常値に服しました。主治医はとても喜んでいました。そのあとは心不全の持病があるので、外来はそちらの方に血糖値とヘモグロビンA1cの検査を付け加えて、退院時の抗糖尿病薬(DPP阻害薬)は継続しています。その後、自殺未遂を興して、半年ほど入院、今の作業所で働くことを条件に退院となりましたが、仕事(作業?)を食事をカロリー計算しながら食べるのがめんどくさくなり、運動も少なくなってきましたが、なんとか数値は保ってるので薬を止めたいが、外来が心不全を見ているので、言い出せない。徒しことはさておき、糖の種類によっては吸収速度が違う。運動時や頭を使う(脳が機能している)時には吸収の早い糖を取った方がいいです。ブドウ糖が一番早いかと思っていましたが、果糖も結構早い。運動せずに最低限の糖を取るなら食物繊維と一緒にとるのがお勧めかな。ところで「人工呼吸」マウスつうマウスの人工呼吸が救命処置として最初に文献報告されたのは1732年だそうです。気管チューブで呼気をいれても救命できることから、マウスつうマウスの人工呼吸が一次救命に大切であることが文献に載ったのは1958年(もう生まれているではないか)このようなことを知っているかというと奇跡について調べていたからです。奇跡には2種類あって今の科学を持って説明できないこと(死亡して埋葬された人間が復活する:ゾンビの話ではなくてキリストの話をしています)と今の科学ではそういうこともあるよなと理由がつくもののです。後者は旧約聖書の列王記4章の18節から37節です。初めて文章と残された人工呼吸だという説を採る人もいます。エリシャが死んだ子どもを生き返らせた奇跡です。今の目で見ると仮死状態にあった子どもを体を温めて、人工呼吸を行い蘇生させたことになります。LGBTの方々について知らなかったことを私の好きなコラムで教えてもらいました。このコラムによればLGBTは固定されたものではなく、時期によって変化するものであるということです。同性婚を認めないことが意見であるとの判決が地裁で出ました。これから判決が確定するまでは時間がかかると思います。違憲かどうかの判断は三審制になじまないと考えているので、憲法裁判所という別の組織が最終審となる一審制でいいのではないのでしょうか。違憲を訴える裁判では慰謝料請求などがないと裁判所は受け付けません。民事と刑事しか裁判所は判断しません。いま違憲であると訴えるには慰謝料請求を行われなくては門前払いになってしまいます。憲法に従っているかどうかだけを審判するためには憲法を変えなくてはなりません。憲法改正絶対反対論者はこのあたりをどう考えているのでしょうか。(考えていないよね、最高裁判所まで一喜一憂するのがどんなに金と時間を無駄にするかも気づいていないよね)憲法裁判所の裁判官こそ国民による審判を受けるべきです。今の最高裁では他にも色々やっているので、ほとんどの人が判断材料なしに○×をつけているだけでしょう。憲法裁判所の裁判官は違憲かどうかを判断するので、憲法を行政が勝手に解釈を変更して好きなように政策を行うことに関して歯止めにならないと考えます。
2021年03月26日
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熊本大学が微生物科学研究所と新しい農薬を見つけたと文献発表しました。Ishida, T., Yoshimura, H., Takekawa, M. et al. Discovery, characterization and functional improvement of kumamonamide as a novel plant growth inhibitor that disturbs plant microtubules. Sci Rep 11, 6077 (2021)土壌に含まれる放線菌が体内で合成する物質であるクマモミナド(熊本+アミド?クマモン+アミド?)を培養液上清から分離しました。この化合物をリードコンパウドとし、植物成長阻害をスクリーニング条件にして、安全性も考慮しながら最適化した化合物がKANDです。オリジナルは法戦記由来物質ですが、最適化は合成することによって行われました。比較的簡単な構造ですので、可能だったと思います。試験管内の実験では・植物細胞に必要な細胞内構造物である微小管とアクチンフィラメントに作用して細胞を死滅させていることが明らかになっている。・Hela細胞(人細胞の代表としてよく試験管内での実験に用いられる)の分裂、増殖に全く影響を与えない。ことから、新しい除草剤になる可能性があることを示されたと言うことです。プレスリリースに関しては作用機序は「植物細胞に必須な微小管を壊して細胞分裂を阻害する活性」と記載してあったので、「壊す」の意味が分からなかったので、元文献に当たって、ぼんやりと意味が分かりました。微小管はバラバラになっているものが、分裂の際に集合して細胞分裂が始まります。植物と動物でこの仕組みは変わりません。しかし、細胞分裂開始前の微小管の存在様式が植物と動物で異なることから、微小管に影響を与えることが動物に影響を与えない除草剤の可能性が出ています。微小管阻害剤として植物由来のタキサン系薬剤が制がん剤として販売されています。由来がどうあれそれだけでは人間に影響を与えるかどうかは分かりません。これから人間の組織毒性などが越える壁だと考えられます。万能幹細胞はこの毒性の有無に関して実際の人間に試す前に毒性の有無が分かるツールとして期待しています。人間に全く無害であることはなかなか証明することはできません。「洞窟のカナリア」のようにこのまま進むと毒にやられるという警句があります。現在ミツバチがあちこちで姿を消しているの警句を気にする必要があります。次にいなくなるのは人だと言うことです。ぱっと分からない毒性あるいは有効性を検出するためにリスク比が用いられます。例えば高血圧の薬を1万人を半分に分け、無作為に高血圧用薬を飲ませる群と飲ませない群を作り、5から10年観察を続けて、生死、脳血管障害の発生率、心血管障害の発生率を比較します。だいたい、高血圧症の人がそのままほっておいて死ぬのは(他の病気がない場合)200人ぐらいで、薬を飲めばそれが100人ぐらいになれば降圧薬を飲まないことのリスクは2倍になると言うことになります。しかし、0.2%の発生率が0.1%になった、治療を行わなくても9,800人は死んでいないことになります。当然人間には寿命があるので、それに対する補正することが必要ですが、あまりに絶対値が少なすぎると思いませんか? リスク比で効果を現しているものとか、ある症状(血圧、血糖、コレステロールなど)が上がるという場合にリスクが上がるというのは、専門的にその症状の問題性を引き出すためには必要な指標とは思いますが、その治療を行うのにインフォームドコンセントを取ることには使うことには、私は、向いていないと思っています。桜の便りが届いてきました。今年の桜の開花は気象庁が記録を取りだしてからは、一番早いそうです。だから、地球温暖化が進んでいるなんていう人には地球温暖化賛成派に入って欲しくないなぁ。桜は開花の前に適切な低温状態を過ごさなければ開花しません。従って、確かに3月に4月並の気温が記録されていますが、その前に寒い時期があったからです。これは地球規模では誤差範囲でしょう。季節外れの開花が報告される時には、開花の条件を検索してみるのも一興です。「羹に懲りて膾を吹く」が「緊急事態宣言に懲りて科料を科す」某小池都知事を評価しているようなきがします。羹にさわらず、膾も吹かず、ただ命令をだす かな
2021年03月25日
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少年法に関しては矯正を目的として刑罰が成人に比べて低いものとなっています。この少年法に対して厳罰化を望む意見があります。その主な理由としては、罪を償うべきということです。従前の矯正と罪を償うことに関しては、議論をする人の心情であり第三者的な議論になってはいません。これは少年法による矯正が本当にうまく行っているかということが検討されずに議論が行われているということです。例えば「綾瀬コンクリ殺人」元少年が刑期を終えた後に28年後に殺人未遂を行ったという一例だけを取り上げて、矯正がうまく入っていないという意見を出す人もいます。これはお医者さんが薬に関して目の前の患者の効果だけを見て効果がある薬と判断することや、副作用だけがでて効果が無いので薬価収載をしている厚生労働省はすぐ承認を取り消せと言っているのと同じです。(よけいに一般的でない比喩を使ってます?)(しかしめげずに)データの信用性は1例報告は最も低く、効果を予測してそれを検出できる例数検討し、その結果が予測と大きく変わらない(事前に予測した有効率の95%信頼区間の幅の中に入っている)ことで始めて、効果に関して判断することができます。少年法の矯正が効果があるかどうかに関してはこの視点が抜けていると思います。しかし、実際にそのようなデータを収集しても、大きなバイアスが存在します。少年法によって刑罰を受けたという事実が周りの目に影響を与え、周りの目との戦いにより、結局矯正効果が消えている可能性があります。そこまでデータで検討する必要があります。日本弁護士会などの矯正に意味があると主張している人はデータを取るべきだと考えます。費用は法律の実効性に対する評価という一面があるので、法務省が予算を立てて、税金を投入すべきだと思います。えん罪に関して、死刑囚の再審無罪などはニュースになって、名誉回復と国家賠償が行われます。しかし、逮捕で不起訴になった人や、一審無罪になった人に関しては名誉回復と国家賠償が行われている形跡はあまりありません。(国家賠償は拘束期間に応じた一定の金額になるので、再審無罪の場合には大金になりますが、不起訴や一審無罪に関しては微々たるものです。しかも請求して審議した上での支払いになります。)前にも書きましたが、マスコミは逮捕時に騒ぎますが、えん罪のために不起訴になった場合や一審無罪になった場合の報道は逮捕時に比べれば微々たるものです。前にも書きましたが、こういった人に対してマスコミは基金を作ってその中から慰謝料を払うべきかと思います。慰謝料を決めるのは法律に決める必要はありません。マスコミの自主規制で十分です。正しいかどうかは、それ専用のホームページを使って、いかに無実の人のプライバシーに踏み込んだか、親戚や会社に取材したかで慰謝料の額を決めればいいと思います。金額も支払先も明示すればいいと思います。その金に文句をいうような人はいないと思います。(いるかもしれないので、二次被害を引き起こす可能性は現状ではありませんが、マスコミが得意である世論誘導キャンペーンを行ってから始めれば、雰囲気も変わると思います。電通が力を落としているので無理かな)で犯罪者もえん罪も一種のレッテル貼りに終わっているから問題が出ていると思います。五輪の開会式のプロデューサーが渡辺直美を豚にしてオリンピッグとして扱った案を出して、1年前に却下されているのも、単純にレッテル貼りだと思います。(もしかしたらプロデューサーは開会式をやりたくないので、自分がニュースソースになったのかもしれませんが)検討会議の発言をここまで取り上げるのは問題かと思います。吉本新喜劇では自分の体型を豚に例えて、ギャグにしている座長もいます。吉本新喜劇とオリンピックの開会式を同列に扱うのは不謹慎という人がいるかもしれませんが、開会式で実際に行われれば問題ですが、案を出す段階であれば、吉本新喜劇からパックって出した可能性があります。(その理由だけでなく、開会式にふさわしい演出ではないと廻りから止められています。)案を出す段階の間違いがあそこまで叩かれるものでしょうか。あそこまで叩かれると吉本新喜劇の座長は今後もこのギャグをやることに対して圧力になります。笑いは正しい世界を描いているだけではありません。「白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき」と昔のひとは狂歌に読んでいます。
2021年03月24日
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国連は2021年版世界幸福度ランキングを発表しました。このランキングは、国連の諮問機関「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」が米ギャラップの世界世論調査「ギャラップワールドポール(GWP)」などに基づき、9年前から毎年発表してきたものです。幸福度を測る指標は国内総生産(GDP)や社会的支援、他者への寛容さ、寿命、自由度、国への信頼度です。個々の指標の変化や各国の幸福度ではなにが大きく関与しているのかも分かります。オリジナルはhttps://worldhappiness.report/に公開されています。COVID-19のパンデミックが大きく影響していることから、かなりの分析が行われています。特に注目をひくのがReasons for Asia-Pacific Success in suppressing COVID-19と言う書類です。理由としてはThe Asia-Pacific region was on the front line of the battle against SARS in 2003 and also was mobilized in the H1N1 (2009) and MERS (2012) crises. Southeast Asia is battle-hardened against dengue fever. SARS、ブタインフルエンザ、MERS、デング熱という感染症の経験がまず挙げられています。またマスクをしている人の割合が早くに立ち上がったことも理由に挙げられています。実際に成功したのはborder controls; face-mask use; physicaldistancing; and widespread testing,contact tracing, and quarantining (or home isolation) of infected individuals.という非薬剤的な政策が成功したということです。日本も成功した国の一つとして見なされていますが、最初から広範な検査は行われていなくて、第4波では、保健所の人手不足により濃厚接触者の追跡が行われなくなりました。だから10万人当たりの死亡者は0.01人程度であったのが、昨年12月には0.6人程度になっています。(欧米は5から8ですから、10分の1です)さて1位の国はフィンランドです。フィンランド他者への寛容さ、寿命、自由度、国への信頼度など経済以外の指標が点を稼いで1位になっています。フィンランドにはSISUとよばれるかなり困難な状況で発揮される特別な力で、エネルギーとも、通常よりタフな状況に正面から立ち向かう決心というふうにとらえられています。今村 源吉, 730. 現代日本のスキー (第2報) : 北欧 (フィンランド) のスキーについて, 体育学研究, 1968, 13 巻, 5 号, p. 365-より引用フィンランドといえば原発廃棄物処理場が最も進んでいる国でもあります。オンカラ処分場は2020年(少し遅れているようです)には使用済燃料のカプセル化と地層処理が始まります。日本は岩盤特性の研究さえ始まっていません。実際に研究を始めてこれでは10万年も保存はできないことを明らかにすべきでしょう。日本は文献調査をすることだけで反対が出て実施できていません。フィンランドの場合には6自治体でポーリングを行って4自治体に絞られ、より詳細な検査をおこなったところオンカラ処理場のあるオルキルオトしか通りませんでした。日本の地盤を考えるとどこも残らないと思います。テロに対する対策ができていなくて、原発の再稼働ができなくなった原発もあります。周辺住民が安全に避難できることが再稼働の条件となっていますが、書面上だけの計画でシュミレーションを行って確認した原発はありません。(小規模の避難訓練はシュミレーションに入りません。)テロ対策が実際に稼働しているかどうかを抜き打ち検査を行う必要があると思います。日本ではサリン事件以降はテロが行われていませんが、オウムとおなじ教義をもった宗教は、今はサリンを作るよりも、原発にテロを仕掛けた方が効率的であることを知っています。是非抜き打ち検査を行ってください。抜き打ち検査を行わなければ、日医工のGMP違反は見抜けなかったのですから。
2021年03月23日
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サプリメントの宣伝を見ていると、体内成分だから副作用はほとんどありません。と記載されているものを見かけます。体内成分であることは副作用の物質であることは直接結びつかないので、この宣伝文句は薬機法違反(虚偽の広告)恐れがあります。たとえば、コレステロールは体内で合成されるものですが、肝臓で過剰生産されると、動脈硬化の原因になる可能性があります。コレステロールが高い値を示しても、動脈硬化にすぐになるわけではありません。しかし、そのリスクは高くなります。従って、長期的な動脈硬化になる人の発症率はコレステロール値の高い人では高くなる可能性があります。ビタミンEでも短期的な副作用は報告されていませんが、ビタミンEとプラセボを長期間投与して、心血管障害の発生率を比べてみるとプラセボよりもビタミンE投与群で高いことが明らかになっています。これはビタミンEを摂取している人とそうでない人を後ろ向きに疫学調査した場合には心血管障害の発現率を比べてみると心血管系障害の発生率はビタミンEをサプリメントとして摂取している人で低くなっているのが前向の臨床試験では結果は逆転した事例として有名です。(このコラムでも何度も話に出しています。)比較的副作用が低い睡眠薬、新しい作用機序を持っている睡眠薬、体内時計を応用した睡眠薬として評価の高いロゼレム(メラントニン)も、長期的な副作用に関しては検討する必要があると思います。体内時計を睡眠の方向に向かわせる物質としてメラントニンは知られています。しかし、メラントニンは渡り鳥が長距離移動するときにも分泌が増えています。その理由は性腺を縮小させることが目的です。渡りをしているときには、卵を産んでいる場合ではないので、メラントニンを分泌する渡り鳥が生き残ってきたのでしょう。哺乳類でも同じような効果を持っていることが知られています。これを人に当てはめてみると、長期使用によって、精子や卵子の量が減る可能性があるということです。これに関しては長期試験は行われておらず、有害事象としてとらえるのは治験においても、市販後臨床試験や市販後臨床調査でも取り上げられる可能性が低いと思います。ロゼレムは医薬品ですが、サプリメントでもよい睡眠を取るためにメラントニンが売られています。これによって性腺が縮小しているかどうかは分かりません。状況証拠として、メラントニンのサプリメントとしての使用量と不妊治療の増加に相観があるなどのデータを取る必要があります。データを取ってみて関係なくても、無罪かどうかは確定できません。バイアスが一杯入っているからです。しかし、あまり深く検討する必要は無いと思います。しかし、怪しいという結果がでればメラントニンのサプリメントとしての追加の試験を行わなければなりません。このような試験をすることには多大なお金がかかります。有罪を確定するために試験はメーカーはやらないでしょうし、税金も投入する必要性は低いと思います。提案があります。メラントニンを販売している会社は利益の2%をメラントニン協会の基金として毎年収め続けるのです。その資金によって有罪かどうかの試験を行えばいいと思います。他の成分でもメラントニンのように生物学的活性から副作用、特に長期にわたる摂取により、ある測定を行えば分かるものに関しては、同じように基金を強制的に集めて試験を行うべきだと思います。
2021年03月22日
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来週にも一都三県の非常事態宣言が終了します。しかし、宮城県では県独自の非常事態宣言が開始されました。一都三県の非常事態宣言は医療の逼迫により延期されました。しかし、新規感染者はこの1週間では増加傾向にあります。だから、立憲民主党みたいに非常事態宣言の終了は早すぎるというつもりはありません。条件が満たされたのであれば非常事態宣言は終了しても構わないからです。しかし、また感染拡大が起こったら大変だということは理解しています。なぜ、非常事態宣言を解除すると増えているのかに対して政府はエビデンスに基づいた検討を行うべきです。宮城県の場合には県の独自政策としてGO TO イートを再開した結果、新規感染者が増加したといわれています。ここに因果関係があると断見して批判している人がたくさんいます。今回の非常事態宣言を招いたのはGO TO トラベルが原因と思い込んでいる人がたくさんいますが、本当でしょうか。非常事態宣言が出るときには、保健所の特別疫学調査が人員不足のために取りやめている県がある。抗ウイルス薬がなく、無作為のPCR検査を行わなかったため無症状感染者が隔離されなかった。軽症の感染者の隔離で自宅隔離を優先した。など、他の原因も想定できます。結局、思いつきで政府を追及することで気を晴らしているマスコミや野党は他の条件があることを忘れて、あたかもGO TO トラベルを止めれば感染の拡大が止まるかのようなフェイクとは言いませんが思い込み(エビデンスに基づかない)記事で世論を誘導しています。しかも、自粛しかもとめない某東京都知事のように、新規感染者が減ったときは自粛を求めた人のお陰、新規感染者数が増えると自粛しない都民が悪いというパフォーマンスしか行いません。一都三県で協力するなら、重症患者の受け入れを一都三県内で行う、あるいは議員会館を隔離施設に用いる、オリンピック村を隔離施設にする、飲食店でのPCR検査を拡充するなどの手段を執らなかった自分の責任に対して追求が及ばないようにしているとしか見えません。自粛がエビデンスをもって感染に有効だと明らかにするには、感染が増えつつある場所で限られた部分をロックダウンする現在のCOVID-19は感染症2類に分類されることから、治療は無料であることから、処方外治療を積極的に認める(後述しますが、簡単な方法があります)(これは各地で始まったようですが)街頭で無作為にPCR検査を行って、症状がなくて感染している人(他人に感染させる可能性がある)人の抽出を特別疫学調査として行う。特別疫学調査の目的は日本人がファクターエックスを持つかどうかの検証も可能です。プロトコールに関しては、統計学的な検討も必要なことから、感染症専門家、統計学専門家、に依頼してプロトコールを作成して、CROに実務を委託する。スポンサーは当然厚生労働省。これならば、保健所の仕事は増えるわけではなく、また感染拡大が起こっても中断する必要はない。また感染再拡大の理由がはっきりするかもしれません。政治家は今月中にやるということを決めれば、後は委託で試験は進むと思います。アビガン、イベルメクチンの適応症追加に関して、厚生労働省は筋論を押し通して、薬事審議会にかける必要があるとしています。学会、患者団体、個人が「未承認薬・適応外薬の要望」を出せば、厚生労働省は専門家(薬事審議会ではない)に相談することによって、適応未承認のまま、保険適用ができる仕組みがあります。COVID-19に関しては、健康保険の埒外なので、承認することは可能です。実際に適応外承認されている薬もたくさんあります。北里大学のイベルメクチンの治験は治療が忙しくて遅れ気味だそうです。しかし、治療が楽になる頃には治験対象者がいなくなるというアンビバレントな状況があります。どうしても必要とマスコミが考えるならば、COVID-19の患者団体はいないので、海外支局を使って、海外の治験結果を入手して「未承認薬・適応外薬の要望」を出すことも可能だと思います。野党の人でも出すことは可能です。ワクチンは有効でしょうが、時期が遅れれば感染が収まり不要になる可能性もあります。ワクチンが遅れたために感染の再拡大の可能性もあります。やるかやらないかは「政治的判断」ではなく、「科学的判断」に基づいて欲しいと思います。
2021年03月19日
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インポスター症候群とは1978年Clance, P.RとImes, S.AがPsychotherapy: Theory, Research and Practiceに投稿した文献で取り上げたものです。その文献では "impostor phenomenon"として定義されています。高い業績を上げた女性は自分はその業績をあげるのにたる人間ではないと考えてしまう現象を指します。そして最終的には自分が詐欺師と感じてしまいます。その後の研究(Clanceは女性のみのサンプルで検討していました。)でこれは女性に限ったものではない分かりました。世間や家族のステレオタイプな見方によりインポスター現象は発生すると考えています。自分のようなものが高い評価を受けるのは自分に才能があるからではなく、世間が騙されている、自分は詐欺師だという考え方に陥ることです。精神病としてインポスター症候群が取り上げられているわけではありません。しかし、最近の文献によると完璧主義働き過ぎ自分の成果に対する過小評価失敗に対する恐れ賞賛を認めないといわれる特徴があります。燃え尽き症候群になる理由の一つとしてインポスター現象があるのかもしれません。これは反社会的性格を持たない人が成功を収めたときに起こす現象かもしれません。以前にも書いたように思いますが、反社会的性格であれば自分が詐欺師であるかのような考え方は元々しません。ある種の直感で動くことから失敗に対する恐れもありません。少し話が変わります。マイノリティーに優先的な入学をゆるすなどの政策が行われることがあります。日本ではほとんどそういうことは行われていません。逆のことが行われいるのは東大や医大で女性の人数が少ないことから明らかでしょう。(女性をマイノリティーというのは語弊がありそうですが)アメリカなどでは人種差別撤廃の観点からマイノリティーに優先的な入学を許可する政策が実際にとられています。その政策で入学した人は、その大学で学んだことで成功を収めてもインポスター症候群になりやすいと言われています。チャンス平等で結果に関しては自己責任は特に問題はありません。しかし、チャンス平等を実現することに対しては非常に問題があります。議員になることに関して、応募制にしてチャンス平等を図っている党がありますが、それで当選した人の中には当選することが目的となって、自分の政治的目標の実現などは考えていない人がいます。ここで考えたいのは、もともとの原因が世間の見方、親の見方ということです。ADHDで多動が前面に出ているわが子を普通教室に入れることは、親としての希望は別として、普通教室に対する世間の見方、親の見方、療育教室に対する世間の見方、親の見方が現状のままでは、普通教室、療育教室どちらであっても、ADHDをわずらっている子どもたちの将来にはどちらが良いかははっきり分かりません。(親や教師のある子どもに対する成長記録は報告されていますが、それを集計する作業も見かけませんし、成人の状況から後方視点の疫学調査も日本では大規模に行われたことに関して寡聞にして見たことがありません。インポスター症候群からADHDの将来に対する疫学調査について述べてみました。
2021年03月10日
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表記の内容に関する文献が発表されていました。過去形で書いたのはオリジナルを読んだのがm3.comの臨床ダイジェストに臨床ニュースとして紹介されていたからです。オリジナルのリンクが張ってあったので、オリジナルを探すのが簡単でした。朝日や毎日、読売、産経、日本経済新聞及び時事通信ではこのリンクがはっていないので、オリジナルを探すのに苦労します。どこが見つけたのかである程度目星をつけて、それを英語に直して検索。あと記事からデータとして使えるのは発表日付ですが、これも書いていない記事が多い。海外の新聞では雑誌名が書載っています。日本ではランセットならば雑誌名がのっていますが、他の専門誌の場合には雑誌名も省かれています。あだしことはさておき既存疾患のない人では、アテローム性動脈硬化症リスクスコア、フラミンガム・リスクスコア、QRISK2リスクスコア調整後、SBPのAIDと心血管イベントとの関連が認められた(5mmHgごとのハザード比は、1.04、1.04、1.12)。と臨床ニュースでは記載されていますが、このハザード比は有意差はありません。「連続した血圧測定値に基づく知見から、SBPの左右差の正常値は10mmHgまでに下げることが示唆される」と著者らは述べている。これは前の文章で5mgのデータしかだしていません。オリジナルでは10mmHg以上ではリスク比に有意差がついたと記載があります。「連続した血圧測定値に基づく知見から」という訳の分からない文章は前の文章と矛盾することから無理やり整合性を取ったのかもしれません。この総説の意味は血圧値だけを見てはいけないということを試験を行わなければならないことをこれから臨床試験あるいは疫学調査を行って確認すべきと言うことだと思います。両腕の血圧差は一般的な測定項目ではありません。また、同時に測定することに意味があるかどうか分かりません。計ってみたら、そうなっていたという文章もオリジナルにあります。この差はなにによってできるかを調べなくては、差をなくすにはどうしたらよいか分からないと言うことになります。また、両腕の差をどのように測定するかどうかの問題が残ります。これからの血圧測定に対して、問題を提起するレビューではありますが、色々検討点が残ります。また、今後血圧がウエアラブル端末で連続測定できるようになったときにそちらの検討の方が重要かとも思います。自分の血圧は低いSBPは110(睡眠時が多い)で高いSBPは170ぐらい(食事中が多い)ので差は60もあります。大丈夫かな、シランケド。この文献では高血圧、糖尿病など他のリスクも記載されています。タバコは2を超えて一番高くなっていました。異常コレステロール症を見たわけではありませんが、コレステロール値は1を切っていました。
2021年02月25日
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COVID-19の治療薬として、既に薬剤になっているものを検討して効果を明らかにするという手段があります。この方法は前臨床試験のうち、毒性試験が省略できるので、効果を前臨床試験で明らかにすれば、臨床試験にうつることができるので、比較的早く臨床試験が行えます。日本発の薬剤としてはアビガンとイベルメクチン(発売は日本の会社ではありませんが)があります。アビガンは抗インフルエンザ薬として承認を受けています。生殖毒性がマウス、ラット、サルで認められていることから、日本では他に抗インフルエンザ薬があるため、製造はインフルエンザのパンデミックを起こした場合のみに用いるために、備蓄用しか認められていませんでした。しかし、COVID-19に対しても効果を示すことが分かったため、緊急使用するために製造が認められて、限られた医師での使用が認められました。一部の大学で臨床試験が行われましたが、第2次感染拡大が収まったところに重なったためにプラセボと有意差を出すことができませんでした。そのため、製造販売元である富士フイルムは厚生労働省(実際の窓口は医療用医薬品医療機器総合機構)と相談の上、臨床試験が早く進めるために淡盲検比較試験で第Ⅲ相試験をやり直すことになりました。その結果が出たので、厚生労働省は検討の結果、承認できると考え、医薬品・食品審議委員会下にある薬事審議会にデータを提出して最終的な確認を行うことにしました。その結果は議長の「この会合は承認ありきではありませんね」とこの会議で委員から離れる人から「私の後悔はアビガンを承認したことです」との言葉から推定すると(議事録が公開されていますが、ほとんど伏せ字です。しかし、この部分は残されています。)サリドマイドの薬害がトラウマとして残っているのか、薬事審議会は催奇形性のある化合物に関して承認は非常に慎重です。サリドマイドの薬害により、動物実験で催奇形試験が必須であることになりました。サリドマイドはその後一部のがんに効果があることが判明して、世界中で見直しが行われ、使用することができるようになりました。その際にも日本が一番後になりました。これは厚生労働省が臆病であることが原因ですが、サリドマイド薬害被害者が反対したことも原因の一つです。サリドマイドの被害者の方は十分な補償というものが、できないことは分かりますが、実際問題としてその団体の反対により、延命するはずだった(あるいは治癒するはずだった)がん患者の命を奪ったということも知ってもらいたいと思います。アビガンは追加資料を提出することで継続審議となりました。外国で行われている第Ⅲ相試験の結果をもって再審議するということです。薬物を評価するためには二重盲検比較試験が質の高いデータを得ることができるということは理解している人は多いですが、日本で二重盲検比較試験を行う場合には、その試験に参加する人々は元々治療のために主治医のところに来た人がほとんどです。他に治療法がなければ参加していただける場合がありますが、そうでなければ治療費がただになることからぐらいしか治験に参加する意識はありません。そのため、日本で二重盲検比較試験を行おうとすると、プラセボに当たるのが嫌だからと同意が取れない場合が多々あります。COVID-19のワクチンに関しても、様子を見てから接種を決めるという言葉が普通に出てきます。副反応が出るかどうかは、個人に取って出るか出ないかの二つの結果しかありません。今のところCOVID-19でアナフィラキシーショックが起こる確率(特効薬が準備されている接種場所では死者は出ていません。いまのところ全ての接種場所で用意されているので、死者は出ていません)は10万人に1人とするとこれは年末ジャンボ宝くじで1000万円当たる確率とほぼ同じです。(マスコミも専門家の話をそのまま流すのではなく、どれぐらい小さいものであるかの例示をおこなった、読者に判断基準を与えることが必要と思います。)それでも当然、接種を拒否する権利はあります。しかし、その権利を行使する理由で「もう少し待ってから」というのは引っかかります。既に市販されていることから、その結果をみるということなのかもしれませんが、第3相臨床試験に参加してプラセボに当たった人に失礼かと思います。二重盲検比較試験は本来ボランティア精神で参加するものです。例え、効かなかったとしても、重大な副作用がでてもそのデータが今後の役にたつという考え方で参加すべきものです。そのため、日本以外では主治医は(患者から聞かれた場合は別ですが)臨床試験に参加を勧めることはヘルシンキ宣言に違反するので、行いません。ヘルシンキ宣言に違反しても罰則があるわけではありません。倫理だけです。長くなりましたし、腹も立ってきたので、ここらで1度話を切らせていただきます。
2021年02月15日
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免疫チェックポイント阻害剤の副作用としては自己免疫疾患のⅠ型糖尿病など起こると非可逆ですが、頻度は化学療法剤に比べれば低いと思っていました。こんな記事がありました。「重症な下痢を引き起こすあのメジャーな降圧薬」という表題でさまざまな薬剤性腸炎を取り上げています。参考までにメジャーな降圧薬というのはオルメサルタン(商品名オルメテック他)やバルサルタン(ディオバン他)です。頻度は比較的低いですが、降圧剤の使用頻度は非常に高いことから、下痢がでたら降圧薬も注意しておく必要があるということです。私の興味をひいたのは癌の専門医でないとあまり使う機会はないでしょうが、免疫チェックポイント阻害薬が大腸炎の原因となることが、最近話題になっています。症状としては、下痢や腹痛、血便などが挙げられ、重症化することも少なくありません。重症度が高い場合には、免疫チェックポイント阻害薬の投与延期あるいは中止、ステロイドを用いた治療が必要になります。ステロイドが無効のケースでは、炎症性腸疾患に使われるインフリキシマブ(レミケード他)の使用が適応外ながら推奨されています。薬剤としては、イピリムマブ(ヤーボイ)とニボルマブ(オプジーボ)併用例で大腸炎が起こりやすいと言われています。海外の報告によると、大腸炎の発生率はイピリムマブ単独療法で9.1%、ニボルマブ、ペムブロリズマブ(キイトルーダ)、アテゾリズマブ(テセントリク)いずれかの単独療法で1.3%であったのに対して、イピリムマブとニボルマブの併用療法では13.6%と高率に大腸炎が発生することが報告されています4)。4)Wang DY,et al. Oncoimmunology.2017;6:e1344805.ヤーボイはCTLA-4を標的としており、その他の薬剤はPD-L1を標的としています。そのため、免疫チェックポイント阻害剤を併用する場合はヤーボイとキトイルダーやオブジーボとなるので、この副作用は無視できません。しかも免疫関連副作用であることから、化学療法剤のように薬剤を中止だけでは副作用が治まらないということが問題です。併用におけるは成立が13.6%ということは、CR(腫瘍消失;complete response)と同等ぐらいになるのではないでしょうか。中止しても下痢が止まらないので、継続してもよいことにはなりません。中止+ステロイド療法それでもダメなら、インフリマキシブ(炎症性大腸炎治療薬、コストは高い)を使うことになります。もう一つ危惧するのは、効果と大腸炎の発生が相関していないかということです。化学療法剤のフルオロウラシルの誘導体の開発に係わったことがあるのですが、その際に白血球低下(危険ラインに入るかどうかは別)と腫瘍縮小は明らかに相関していました(TS-1ではありません)。免疫チェックポイント阻害剤は生体の免疫抑止機能に対して働くことから、腸管では比較的高頻度にその影響が出ているということでしょう。がん細胞のシグナルを抑えることと、生体のシグナルを抑えることはどちらでも効果があるということですが、大腸炎ではどうでしょうか。PD-1阻害薬では大腸炎発生率は横並びですので、そこはあまり関係ないかもしれません。ターゲットとしてCTLA-4を選ぶとリスクが増えると言うことかもしれません。下痢は患者のQOLを下げるので、できれば避けたい副作用です。しかも、薬剤中止で収まらないというのは問題です。このあたりは副作用防止のための対策を立てるべきだと思います。ちなみに国産のフルオロウラシル製剤であるティーエス-ワンは、フルオロウラシルの下痢を抑えるために、腸管選択的にフルオロウラシルの活性化を抑えるオキソン酸が配合されています。古本だと200円ぐらいです。S-1誕生 国産初の世界レベル抗癌剤開発秘話 [ 白坂哲彦 ]価格:2090円(税込、送料無料) (2021/2/9時点)楽天で購入
2021年02月09日
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表記の記事がプレジデントオンラインに掲載されていました。今日本で一番平均寿命と健康寿命が高いのは長野県だそうです。その原因について考察されているのですが、突っ込みどころ満載です。そのため昭和40年代(1965~1974年)の長野県では、塩分摂取量が全国で4番目に多く、高血圧・脳卒中による死亡率が高かったのですが、その頃、圧倒的に寿命が長かったのが沖縄県でした。50年の間に、沖縄県と長野県の立場は完全に逆転してしまったのです。1945年に佐久総合病院に若月俊一医師が赴任、59年に佐久市の国保浅間総合病院に吉澤國雄院長が赴任し、長野県は農作業が忙しく、交通の便も悪いので、吉澤院長が公民館に出向いて「脳卒中になる理由は塩分の摂り過ぎであることを知ろう、そして予防しよう」「そのために足元の生活を見直そう」「自分で自分の健康を守る意識を持とう」と根気強く説いて回ったそうです。その活動が、80年には長野県全体の「県民減塩運動」につながって、当時1日の塩分摂取量が15.9gだったのが、83年には11gにまで減ったそうです。で、83年度に11gまで減ったのですが、都道府県別の塩分摂取量は全国1位のままです。食事にかける時間の長さです。長野県のそれは1日平均104分と、全国第3位の長さです。これはよく噛んで食べていることを意味します。よく噛むと、食べ過ぎを予防し、肥満を抑えます。その結果、長野県は全国でも、病気のもととなる肥満の割合が少ない県の一つです。1位ではないんですよね。野菜摂取量の多さです。野菜が身体によいことは常識でしょうが、どうしてなのかは専門家の間でも答えがわかれるところで、今では野菜に含まれる「適度な毒」が、ストレスへの抵抗力を強くする、という考えが主流になってきています。この記事には引用文献がありません。はあそうですかとしか言えないのです。具体的なデータも分かりません。味噌もキノコも、生産量だけでなく、人口当たりの消費量も長野県が全国第1位です長寿で健康であればいいのですが、認知症の65歳以上の人の罹患率は2.6%と全国8位なんですが。ちなみに一位は滋賀の2.99%です。Shibata H.etal.Nutrition and Health 8:165-175,1992によると100歳以上生きている人の食生活の特徴は肉をたくさん食べていることです。人生100年時代には長野モデルでは無理なのかもしれません。この原因は「第2回日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会 資料」では90歳以上になると低アルブミン血症の発現率が18%ぐらいとなり、85歳から90歳の6%前後と大きく異なることが原因と推定されています。長野県が長寿県となり、沖縄県がかつての長寿県から脱落したことに関しては色々原因が考えられます。しかし、この記事のようにええかげんな根拠を上げることは、訪中央病院院長の鎌田實先生にも失礼だと思います。あるいは、日本人にとって11gまで減塩すれば十分であると主張するのですかね。(私はそれに賛成ですが)
2021年02月08日
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ウイルスに対する人間の排除機能としては粘膜免疫と体性免疫(液性免疫)があります。粘膜免疫とは、鼻の穴からのどにいたる粘膜と、口の穴からのどの面膜によるウイルス排除機能のことです。ウイルスを粘膜でとらえて細胞内に侵入するのを防ぐ仕組みです。粘膜免疫ではウイルスを不活化する機能はほとんどありません。粘膜上のウイルスはくしゃみや鼻水によって体外に排出されます。鼻腔内炎症がある場合には、この粘膜免疫がうまく働かないので感染しやすいという仮説と炎症に酔って、集合している白血球によってウイルスが不活化されるために感染率は落ちるという仮説があり、どちらが優勢であるかに関して検討した臨床試験を見つけることができませんでした。コロナが治まれば、オランダやスエーデンなど疾病データベースがちゃんと動いている国から研究成果が出ると思います。日本ではCOVID-19の全国民的なデータベースは存在しないので、期待は薄いです。(なのに疫学調査の担い手である保健所の人たちは、疲弊しています。)さてマスクの話です。ワクチンを打つと体内に中和抗体ができて、体内に進入したウイルスは不活化されます。しかし、粘膜免疫に関してはワクチンは関与しません。ウイルスを飛沫に載せてばらまくのは、体の中でウイルスが増殖している人だけではなく、粘膜免疫でウイルスを排除している人もばらまく可能性があるということです。従って、ワクチンを摂取しても体内でのウイルス増殖は阻止できるかもしれませんが、粘膜で止まっているウイルスに関してワクチンはなにもしないので、飛沫の中にウイルスが存在する可能性があります。この飛沫感染の予防にはマスクが必要になります。現在の実験では飛沫は布マスクで拡散は防ぎきれないとの結果が出ています。粘膜免疫でのウイルス飛沫はウイルス量が少ないので、実験結果を演繹すると十分であると思います。結論はワクチン接種が日本で打ちたい人に行き渡り、感染者数が全国で2桁になれば外しても良いかもしれません。今年はインフルエンザに感染した人が非常に少ないと言われています。これは、COVID-19が有意になったからと説明する人がいます。しかし、マスクが広く行き渡ったことが理由の一つとして考えられるので、毎冬、COVID-19予防だけでなく、インフルエンザや感冒(ウイルス感染と言われています)を予防するために飛沫が広がるような場所でマスクをした方がいいかもしれません。
2021年02月08日
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昨日、チェストに査読前で公開された文献に関して書きました。なぜおかしいのかに関してもう少し詳しく書きます。この論文ではトリアージに賛成する人が多いことから、行ってもいいのではないかという論調になっています。そのアンケートがくせ者なのです。新聞社の世論調査がよく批判されることから、最近質問を公開しているところが増えてきましたが、誘導していることが見え見えであるのに公開するというのは、誘導しているつもりがないからだと思います。この文献でもまったく誘導していないかのチェックが行われているような記載は無いことから、査読によって消えてしまうのではないかということです。誘導質問に関する文献から引用しながら説明します。①文脈誘導:質問の一部に情報を加えることにより回答を歪曲させる。②仕組まれた質問:情緒性を含んだ語句を用い特定の回答選択肢を選ばせたり回避させたりして回答を歪める質問③回答選択肢に制約が裳オ受けられた質問:回答者にとり適切な選択肢を除去し、所与の選択肢の範囲内で回答を求める質問 Gordon,R.L,1975,Interviewing;Strategy, Techniqes. Tactics,Revised EditionHQmewoodIll;Dorsey Press 357-358論文では明らかに情報を与えた上で設問しているので、①に当たると思います。状況を知った上で質問に答えて欲しいという著者の気持ちは否定できませんが、その状況を知らせるということが回答を誘導している可能性があるということです。これを回避するならば、質問をの前にランダムに身内でこうなった場合に許せますか?という設問をつけて、その付け加えた文章のあるなしで意見がどの程度変わるかの考察をつければいいことだと思います。最終的にトリアージの責任は医師が負う必要の無いことには諸手を挙げて賛成しますが、トリアージをしなくてはならない状況におちいらないように何かをしていることがだれでも分かるようにすることは政治の責任はもちろんありますが、医師の責任もあると思います。後者の場合には一個人の医者ではなく、医者という職業に関連する人の中でドリアージにならないような作業が行われているかということをもっと考える必要があると思います。この論文でも病床数が高いのに、アメリカやイギリスに比べれば入院患者が10分の1程度にあるのに、アメリカやイギリスではトリアージは(イギリスではそろそろ出てきている地域もあるそうですが)問題になっていないのに、日本で問題にしなければならない理由についてチェストの文献に加える必要があると思います。「ぼくちゃん どうぐが ないから ちりょうできないもんね」 では困ります。感染病床を駐車場や空き地、大学構内に作ることはそれほど難しいことでしょうか。自衛隊に教えを請えば建ててくれるのでは。(そんな方法知らないという自衛隊は、生物兵器の対応策を考えていないことになるので、これを機会に作ることを三菱なり、日立なりと協力して作ればいい。なんせ非常事態なのだから)保健所の人が足りないければ、増やせばいいという意見に対して、スキルがいるからそれほど人が集まらないという保健所の所長が答えるのを聞いたことがあります。「あほか」、民間警備会社に業務委託すればいいじゃない。あんたより疫学調査のスキルが高い人はたくさんいます。給付金の相談窓口の電話受付に関しては、下請けに出していることは明らかです。それこそ、面談もしないで、向いていない人までOKを出したのはあなたではないかもしれないが、あなたと同じ部署にいる人です。自宅待機者にパルオキシメータの貸与を進めている自治体もあるそうですが、これでは不足です。スマートウオッチにパルオキシメータと同じ作用ができるものが、この世に存在します。早急にこれを貸し出し、血中酸素の値を中央管理し、問題があれば、すぐにその人の居場所にいけばよい。血圧も脈拍もわかり、心電図も分かるのだから、一日一回病状確認をするよりも、もっと適切に動けるはずです。アップルでも立石でも、ソニーでも、サムソンでもそれに対しては会社の社会貢献のため協力してくれるはずです。やれないことの言い訳を考えるよりはやれることを見いだすというのは自分に対する言葉と考えます。小池知事
2021年01月29日
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COVID-19の感染拡大により日本医師会は医療崩壊につながる可能性があるといわれています。ほんまか?医療崩壊につながるのは・COVID-19患者には第二種感染症対応として、普通の重症肺炎に対応するよりも看護婦などの医師以外の医療従事者が必要になる。・公的病院だけがCOVID-19を受け入れている。だから私立病院に協力金を出して病床を確保したいしかし私立病院は協力してくれない。ゆえに私立病院が要請に応じれば、医療崩壊は防げる。よって応じない私立病院が悪いという論調が目立ちます。ホンマか?さくら総合病院病院長(私立病院の院長)の記事では以下のごとくそんなことない と言われています。・民間病院の多数を占める小規模病院はリハビリテーション病床や介護療養病床が多い。これらの病院は日頃から急性期医療を手掛けておらず、COVID-19患者を受け入れるのはソフトもハードも不可能である。・ヒトもモノもそろった病院であっても、COVID-19患者を受け入れることはもっと単価が見込める通常の急性期病床を潰すことでもある。・財政的に守られていない民間病院に「さらに経営を圧迫して、かついろいろなリスクを背負ってCOVID-19に対応しろ」と求めること自体に無理がある。・一般病床でCOVID-19患者対応を行った場合の助成金や県からの応援金は、「感染管理に関する物品を購入した場合の実費補填」に限られる。また、感染管理を目的に新たに雇用する従業員の給与には充当できるが、現行の従業員がCOVID-19エリアで従事した際は追加手当のみそこからの支払いが許されるなど、病院の減収の補填や既存の従業員の給与への充当が認められていない。・公的急性期病院は「7対1看護基準」が中心な中で、未だ多くの民間急性期病院は「10対1看護基準」が多いため、そもそも勤務している看護師の数が少ない。数の少ない看護師で人手が通常より多く必要になるCOVID-19患者の受け入れをするためには、COVID-19受け入れエリアの看護師だけでなく、他の病棟の看護師にも多大な協力が求められ、その負担は大きい。強調した文字にしたのは私。これを読めばやれるところはやっているということになります。大阪のように専門センターを作るしかないのでしょう。(全国を見れば、対応してくれる病院はあるでしょう。特に感染者対応病床を既に持っているような、比較的大きな病院に限られるかもしれませんが)今、病床を感染者用病棟に変更することは、私立病院はリスクが高いことだと思います。つまり、COVID-19が収まったら、その病床は空きばかりで、赤字要因になる可能性が高いからです。「多数を占める小規模病院」に関しては、COVID-19感染により外来患者数の減少により、財政が苦しくなっています。もう一つは、無症状患者の隔離がうまく行っていないという問題があります。何度も書いていますが、閑古鳥が泣いているホテルや旅館は、犬と一緒に泊まれるプランなどを考えるよりは、無症状患者の隔離施設として手を上げるべきだと思います。というか、政府がそのような施設の私有権を制限して「適正な補償」のもと、ホテルごと隔離施設にすることを強制的にやることができる法律を立案するべきです。その隔離施設は近隣の小規模病院の医師と看護師がローテーションで廻り、保健所は日常作業として隔離施設の選択などに業務を執られることがないほど、施設数を増やすことが必要です。クラスターが発生した高齢者用の施設に関してはその施設そのものを高齢者受け入れ施設として変更を行い、小規模病院の医師を派遣することが必要です。上記のことを含み、罰則を定めないCOVID-19に特化した法案の立案を提言します。あと、感染が治まった後に、追加した感染病床をどうするかに関してもきめておくことが、可能であるがリスクがあるので、参加しない施設を参加させることに繋がると思います。
2021年01月20日
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東大で実際のCOVID-19を用いた人形で飛沫の拡散やマスクの効果を検証していることがプレスリリースされ、これであたかもマスクの効果が実証されたかのように報道しているマスコミもありました。これはエビデンスレベルで言うと動物実験で効果があった程度だと思います。今週のゴーセンでいっているように突っ込みどころがたくさんあります。文句つけているだけでは、学問になりません。どうすればマスクに効果があるかどうかが分かるのでしょうか。マスクをつけるという介入がCOVID-19の発病に対してどのような結果を生むのかは「エビデンス」でいうと二重盲検比較試験を行うことです。残念ながらマスクをつけるかつけないかは盲検下できないので、無作為にマスクをつける人とつけない人に割り付けてCOVID-19の発症率を比べることが今考え得るエビデンスの高い試験ということになります。実際にはオランダでその試験が行われました。実施されたのは2020年の4月から5月。3,030人がマスクをする群に、2,994人がマスクをしない群に割り付けれました。結果はマスク群で1.8%、非マスク群で2.1%の感染が見つかりました。54人と63人です。有効率(マスクをしなかった感染者-マスクをした感染者)÷(マスクをした感染者)は12.7%とワクチンとは比べものになりませんが効果はありました。この試験の問題点は1)全体としての感染者数が少ないことから、マスクによる効果が低めに見積もられる可能性がある。2)感染の定義が抗体検査で行われている。抗体検査は症状+PCR検査で感染者を定義するのに比べて17%低くなる可能性がある。3)マスクをつけた群とマスクをつけなかった群の介入遵守率が不明。4)結果として地域によってマスクをする人が多い地域や少ない地域があるので、統計学的な検出力が落ちている。ランダム化しても患者背景に差が存在する場合もあります。それに関しては統計学的にその差を取り除くことは可能ですが、そのぶん統計学的有意差がつきにくくなります。(パワーが減ります)5)試験が始まった4月後半からマスクをつけることが世界中でリコメンドされるようになったことから、マスクをしなかった場合の感染率が低くなった可能性が生じる。ということです。比較試験は試験計画をきちんとたてないと、エビデンスとしては評価できない可能性があります。この試験では手術用のマスクを使用しています。疫学的には布マスクでも予防効果があることがいくつか報告されています。マスクはした方がいいけれども、マスクをしていない人をまるで人非人かのように批判するのも問題があると思います。無症状のウイルス感染者がマスクをしていても人にばらまく可能性は0にはなりませんから。GOTOで経済と感染拡大をどちらを優先するかは政府だけで決めてもいいものでしょうか。地方によっては、感染が大きくなっていないところもあります。また、出る方を抑えるのか、来るのを抑えるのかどちらが効果があるかも分かりません。感染が広まっている地域に関しては、感染を優先するというのは本当に正しいでしょうか。重症感染者の数は医療機関で問題になるのは分かっています。しかし、本当の重症感染者(人工呼吸器が必要)と、高熱はでていて患者は苦しんでいるが抗体検査で抗体ができており、検査によってその抗体がウイルス排除に働いている人に関しては、同じような扱いでいいのかも疑問です。この事に関しては第1派のCOVID-19の状況を総括すればある程度国民に説明できるのではないでしょうか。海外の総括から小学校・中学校の閉鎖は不要であったということを明らかにしてお母さんたちを安心させることも重要だと思います。参考文献Bielecki M, et al. Social Distancing Alters the Clinical Course of COVID-19 in Young Adults: A Comparative Cohort. Clin Infect Dis. 2020;doi:10.1093/cid/ciaa889.CDC Scientific Brief: Community Use of Cloth Masks to Control the Spread of SARS-CoV-2Updated Nov. 20, 2020Facial Masking for Covid-19 — Potential for “Variolation” as We Await a VaccineGandhi M, Rutherford GW. N Engl J Med. 2020;doi:10.1056/NEJMp2026913.Bundgaard,H.Effectiveness of Adding a Mask Recommendation to Other Public Health Measures to Prevent SARS-CoV-2 Infection in Danish Mask WearersFREE. Ann Intern Med. 2020;doi:10.7326/M20-6817.Russell.School closure and management practices during coronavirus outbreaks including COVID-19: a rapid systematic review The Lancet Child & Adolescent Health Published:April 06, 2020DOI:https://doi.org/10.1016/S2352-4642(20)30095-X連休で読んだ漫画AIの遺伝子AIというものをSFエッセイのように描いたもの一気に全冊読んでしまいました。楽天koboで売っていなかったので、book walkerで購入https://bookwalker.jp/de93f13a97-75c1-476c-aedc-dbf6e5204894/で続きのAIの遺伝子RED QEENも買って読みました。一気にストーリーものに多重人格の逆で1つの人格が複数の体を持ったらというのがキーノーガンズノーライフの味わいでもっとSF臭がこい。
2020年11月24日
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吃逆という漢字が読めなくて調べているうちに、しゃっくりでも薬物治療が必要なものがあることを知りました。ちなみに漢字は「きつぎゃく」と読みます。ATOKは賢い。「きつぎゃく」で変換すると吃逆としゃっくり((標準病名))と候補に出てくる。医療用辞書を入れているからかもしれないので、やってみてできないってJUSTにクレームを入れないでくださいね。話がそれました。しゃっくりの治療のお話しです。福岡県の薬剤師協会のホームページのくすりQ&Aにのっていたしゃっくりの治療方法にそって話を進めます。まず、しゃっくりの定義は「横隔膜、肋間筋、前斜角筋などの呼吸筋の間代性痙攣によって、急激に空気が気管内に吸い込まれ、その際、声帯筋が収縮し、閉鎖した声帯を呼気が通過するため”ヒックッ”という独特の音声を一定の間隔で発する現象である」です。返って分からないような気がします。間代性痙攣がまずなじみがない言葉です。日本緊急医学会の用語集によれば「拮抗筋が交互に痙攣する場合を間代性痙攣といい,筋収縮が持続的に一定時間続くものを強直性痙攣という。」とのことです。間代性痙攣はピクピク動く痙攣でその反対は剛直性痙攣といいつっぱっている状態です。定義よりも治療が必要なしゃくりです。胃食道逆流症などの食道疾患が原因で起こるのが持続性・難治性吃逆です。他には心因性や器質性(中枢神経系、末梢神経系、薬剤性、感染症、代謝性)および訳が分からない突発性の吃逆があります。まずは物理学的な刺激を与えて吃逆を停めることを試みてから薬物療法を行います。一般的なしゃっくりの治療法を医学的に書くと以下のようになります。・スプーン1杯の粒状砂糖の嚥下(粉砂糖をのむ)・舌の牽引(舌を引っ張る)・口蓋垂や鼻咽頭の刺激(喉の奥や鼻をこよりをあてる)・氷水の急激な飲用・外耳道の圧迫・眼球圧迫(ほんとに効くのかな?)・胃部冷却・総頚動脈圧迫法(続けると死にそう)・深吸位での呼吸停止・再呼吸・紙袋で5分間呼吸(パニック障害の治療にも用いられます。はく息に含まれている二酸化炭素によって痙攣を停める作用があるそうです)・驚愕(びっくりさせること)治療的な物理療法としては神経ブロック法や横隔神経の切断も行われるそうです。一般的な物理学的治療が奏効しない場合に薬物治療が行われます。吃逆の治療で健康保険に対応している薬はクロルプロマジンという向精神薬です。クロルプロマジンの適応は「統合失調症、躁病、神経症における不安・緊張・抑うつ、悪心嘔吐、吃逆、破傷風に伴う痙攣、麻酔前投薬、人工冬眠、催眠鎮静鎮痛剤の効力増強」です。話題がそれますが、人工冬眠って保険適用なんですね。といってもSFに出てくるような、治療法がないので、未来に治療法が開発されることを期待する人工冬眠の意味ではありません。麻酔薬などを用いて仮死状態にした上で手術を行うことを指します。重度な麻酔と思えばいいでしょう。また話が横にそれましたが、定型精神病薬が使われているということです。しかし、クロルプロマジン以外には吃逆の適用を持っていません。定型精神病薬の代表であるハロペリドールはクロルプロマジンが効果を示さない時に使われます。その他抗てんかん薬や消化剤、プロトンポンプ阻害薬、カルシウム拮抗薬、抗不整脈薬などが効果があると考えられますが、保険適用はありません。健常人が向精神薬を飲むとふらつきが見られますが、精神病の人は出ない、だから、第一相試験で精神病のスクリーニングができるとう製薬会社の冗談を思い出しました。私はくしゃみをするとしゃっくりはとまります。
2020年11月18日
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しゃっくりを横隔膜の痙攣と思っていたのですが、それは古いそうです。しゃっくり外来を開いている友愛記念病院の近藤司氏のインタビューによるとしゃっくりは「鼻咽頭背側への刺激が引き起こす吸気系の反射運動」と言うことです。しゃっくりには横隔膜と声門閉鎖運動が同期して起こります。原因はさまざまな刺激が舌咽神経を回する吃逆中枢に伝えられて、そこからの指令で起こるとのことです。この結論に関しては難治性しゃっくりの治療に長年かかわってきた近藤氏が動物実験から始めた研究からの結論だそうです。さらに脳内のγアミノ酸によって、しゃっくりが抑制することが分かっています。これは幼児期にはしゃっくりが出やすいが、大人になるとしゃっくりは出にくくなることと合致していますし、お酒の酔いが回るとγアミノ酸の効果を下げることで、しゃっくりが出やすくなると言うことも説明がつきます。病的なしゃっくりはきちんと治療する必要があります。腫瘍がしゃっくりの原因となっている場合があるそうなので、しゃっくりが止まらない場合にはがんを疑っていいかもしれません。(膀胱癌を疑って、泌尿器科に回し、早期癌の段階で治療を行うとしゃっくりが治ったそうです。(文献未発表))睡眠にはしゃっくりを改善する効果があるそうですが、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の場合にはγアミノ酸による刺激を強めるのでしゃっくりが出やすくなっている可能性があります。睡眠薬を見直すのもいいかもしれません。急なしゃっくりでは水を飲むとかいろいろ言われますが、両側の耳に人差し指を入れて30秒ほど圧迫すると70%程度は酔っ払ったときにでるしゃっくりは止まるそうです。参考「しゃっくりは「横隔膜の痙攣」だけで片付かない」http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201712/554179.html
2018年01月04日
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受動喫煙にかんして、本日のそこまで言って委員会では日本人は分煙をある程度許容しているのに、アメリカ人の論客二人は絶対にダメと言うことで議論がかみ合わなかったのはなぜかと少し調べてみました。飲食店でたばこを吸わないヒトが受動喫煙によってがんにかかる可能性が高くなるということに関して、本当にどこまでデータがでているのかということです。真剣にPubMed等で探し直してはいないのですが、受動喫煙のデータって本当に受動喫煙しているかどうかではなく、職場が喫煙可能、家にたばこを吸うヒトがいるということで受動喫煙者に判別されているのがほとんどです。実際にどれぐらいの量が受動喫煙されているかは分からないのが実情と思います。さて日本のデータで受動喫煙にかんして一番問題とされている乳がんの発生率の疫学データでは、受動喫煙のリスクは家庭<仕事場になっています。また受動喫煙に関しては閉経まで切り抜ければリスク比は下がります。喫煙も同様です。肺がんの方が問題と言われます。受動喫煙に関しては資料を持ち合わせていないのですが、白色人種に比べて黄色人種あるいはハワイ島の出身者はリスク比がひくいです。このあたりが白色人種の出演者が声高だった理由があるのカモしれません。基本的人権の中には公共にたいして害をなさない限りは、何をしてもよいという考え方があります。(愚行権)個室でたばこを吸ってがんになる可能性が10万人に30人から150人になったところで吸いたいから吸ってもいいのではないか、税金もたくさん搾取できることですからというのが今の日本政府の考え方です。税金が減るからある程度の場所で、喫煙を許してもいいと言い換えてもいいでしょう。部屋の中では確実に禁煙あるいは分煙(きちっとした喫煙室をつくる)が必要で、屋外では人混みは吸ってはならないが、人通りの少ない場所で吸い殻を捨てないことを条件に喫煙可というのが世界基準ではないでしょうか。世界基準は屋内は禁煙かな?禁煙すれば、肺がんのリスクが元にもどるCMで流れていたような気がしますが、先ほどの人種差を記載している資料では9年間ではリスクは下がらず、10年目から減り始めて、20年でやっと非喫煙者と同じになるというデータになっています。
2017年12月17日
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私は知りませんでした。知ったのは慶應義塾大学のプレスリリース「生まれつき目・耳など感覚器の障害を持つCHARGE症候群において 胎生期に細胞の遊走障害が生じていることをiPS細胞技術により解明 -感覚器などの頭部形成に関わる神経堤細胞の病態解析モデルを構築-」です。CHARGE病という神経堤細胞の異常による病気の成因を明らかにしたものです。CHD7遺伝子の異常である事は分かっていましたが、どのような影響を与えているのかを解明した発表です。(こういう研究が私は大好きです。遺伝子が実際のタンパク質生成や組織生成にどのような影響を与えているかという研究。)内容はちょっと論じるには知識が不足しているのですが、CHARGE病という出生時に特定の臓器の発達が遅れている病気に対して、治療のアプローチ方法の可能性を示した内容です。また、原因究明に関しての毒性物質のスクリーニングにも使える可能性があります。(当然遺伝毒性のチェックにも用いる事ができます。)神経堤細胞そのものも成人になって存在することが分かっています。ES細胞やiPS細胞ほどの万能性はありませんが、一定の組織の幹細胞として働く可能性があると思います。この細胞の培養技術が確立すれば、自分の細胞から誘導できるので、拒絶反応も気にしなくていいのかもしれません。参考脳科学辞典 神経堤長船健二 「iPS 細胞による再生と臓器移植」移植 Vo.52 No.1 1-6 (2017)
2017年11月29日
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現在、新規効能追加では薬価算定は行われず、急激に患者が増えたりした場合にそれが大きく財政に影響を与える場合のみ年2回検討会を行って薬価を引き下げることになっています。オプジーボが稀少疾患に近いがんを最初にターゲットにして次に肺がんをターゲットにすることによって大儲けしたことに対する対抗策で年2回検討会を行うことになりましたが、今までもがんの世界では同じようなことが行われてきています。比較的例数の少ないがんで最初に薬価を取り、次に患者の多いがんで効能追加をして大幅な利益を生むという方法です。新薬開発は臨床試験の途中で問題が見つかって開発中止になった場合には膨大な開発費に損失が出ます。そのリスクは新しい作用機序を持ったものほどリスクが高まります。そのため、新しい作用機序を持つものに関しては原価に基づき薬価が算出されます。このときに患者数が少なければ薬価が高くなることになります。原価以外の薬価算定方式が会ってもおかしくないかもしれません。例えば、医療経済学に基づいて、その薬を使うことによって得られる利益の比較で既存の薬剤から薬価を算出するのも一つの手段ではあります。しかし、新しいがんの治療の場合にはプラセボ対照二重盲検比較試験が多く、比較できないなどの問題があり、癌化学療法の評価のガイドラインの変更が必要です。今すぐできるのは、最初に原価で薬価算定を行った薬剤が効能追加を行った場合には、その時点で薬価算定をやり直すことでオプジーボのような問題はなくなると思います。
2017年11月17日
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加計問題の国会審議で審議会の議事録が「自由な発言を抑える」ことから作られていない(公表しないだったか)という答弁がありましたが、これはおかしい。有識者会議の議事録が公開されているが、「獣医学部の必要性に関して何度も期限を切られているのに、他の省庁と折衝してと明確な回答をさけて、議長を怒らせている。文科省としての意見を聴いているので、他の省庁は関係ない、認可するのは文科省でしょうとまで言わせている」厚生労働省はソリブジンの問題から、新薬承認の審査段階での質疑を審査報告書として公開しています。さらに最終的な承認を与える医薬部会の議事録を公開しています。なかには「この程度のデータで承認していれば、今回の承認する適応症では全く検討されずに承認される病態が存在する、そのような例は我々専門家に回ってきて、何かあった場合には我々が責任を問われることになる」とまで発現しているのが議事録に残っています。自由な発言に対して、認可適当であると説明する(上記の場合には、稀少疾患であるので、我慢して下さいとの回答)ものがあれば、国会の審議ではそれを読み上げれば済むことです。日本では現在の民進党、立憲民進党、希望の党の人たちは議事録を作ることを非常に嫌っていました。国家機密法は大前提としてすべての決定事項は議事録があり、それを今すぐ公開するには問題があるので機密とする。ただし、永久に機密とすること問題があるので、50年を最長に公開日を決定する。というのが主権在民の国の国家機密法の主たる法律精神です。だから、沖縄返還時に基地の核を撤去する必要はないという密約が、アメリカでは秘密機関がすぎて公開されているます。日本はあとでばれると困るので、議事録を作らないという政治家、官僚が多すぎます。厚生労働省の場合には薬害という人の命を奪う事件がありましたが、私立の学校の認可に対して国が口を出すのは本来は憲法89条に違反していると思っています。現状では「私立学校法」、「私学振興助成法」の文部科学省が出した法律によって、法的には合法ですが、違憲である事は間違いありません。急をようするものから改憲すべきであるという意見もありますが、今の憲法と明らかに矛盾しているのに、合法化している例から改憲すべきと私は思っています。
2017年11月16日
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株式会社シグナルトークは2017年11月10日に「ピーマンと頭痛症状の関連について」日本頭痛学会にて発表 」というプレスリリースを行いました。株式会社シグナルトークでは、「my healthy」の基礎データとして、クラウドソーシングに登録された男女600名以上から食生活、運動に関する質問688問、頭痛など身体症状に関する438問の質問を元に生活習慣と身体症状に関するアンケート調査を行いました。さらに、健康情報アプリ上で同じ質問セットによるアンケートを行い、有効回答者数3,941人、有効回答283,308通りの組み合わせデータを取得しました。取得した回答データは、医薬品開発などの医療統計でも使われるZ検定という手法を用いて検証し、統計量2.58以上(信頼度99%以上)となった組み合わせを抽出しました。続いて、ある症状の要因を洗い出すことが可能な統計学手法であるオッズ比を算出しました。統計による解析から、生活習慣については「週に1回以上、ピーマンを食べていますか?」に対して「はい」と答えた人、症状については「頭が波打つように痛むことは多いですか?」に対して「いいえ」と答えた人の組み合わせについて、全3,557件の回答を得て、信頼度99%、オッズ比1.468という結果となりました。オッズ比が1以上であることは、「ピーマンを食べることが少ない」という行動は「頭が波打つように痛むことが多い」という健康状態のリスクとなり得ることを示します。まず、Z-検定を用いているのが不思議。一般的には疫学的なデータを解析する場合には、例えば頭痛に関する人ですべてに要因分析を行い、条件を抽出すべきです。Z-検定では、対応する条件によって多重性がでてきます。(そのため、Z=2.58、P<0.01)としたのでしょうが、例えば6個の原因が解析対象になったとすると(1-0.05)^6=0.0000003以下でないと信頼性が95%とおけません。オッズ比に関しては多分データが示されていないだけなのでしょうが、「週に1回以上、ピーマンを食べていますか?」に対して「いいえ」と答えた人で「頭が波打つように痛むことは多いですか?」がいいえと答えた人、「はい」と答えた人、「週に1回以上、ピーマンを食べていますか?」に対して「はい」と答えた人で「頭が波打つように痛むことは多いですか?」に「はい」と答えた人がのデータがあれば、オッズ比を確認することができますが、上記のデータだけで信頼度99%(P=0.01)でオッズ比1.468を求めるのは無理だと思います。回答の組み合わせは283,308通りと多いように見えますが、対象になった例数は600名前後ですから、ビックデータとよばれるほどのものではありません。大規模二重盲検比較試験の患者背景と時系列の主要評価項目、時系列の検査データ等を組み合わせた程度の数字です。名前の出ている先生はどちらも頭痛の対価ではありますが、疫学的な手法に関して論文を出されているわけでもなく、調査手法に関しては統計学の先生に相談した方が良かったのでは無いかと思いいます。素人の私もなんか変という気がするのですから。
2017年11月12日
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体内時計に関する研究がノーベル賞を受賞する随分前に「体内時計」は登録商標だったのですね。登録したのはロート製薬。「再生美容」や「機能性素材の探索」をメインテーマとした「ロートリサーチビレッジ京都」を作るぐらいだから、サーカディアンリズムを応用した製品ができたときに「体内時計」シリーズの化粧品ができた時のために商標登録したのでしょうが・・・体内時計の原理を応用した医薬品や化粧品、サプリメントに他社は体内時計調節なんとかという名前はつけられないようにするのは分かるのですが、学術用語として一般的になっているものを商標登録するのはなんだかひっかかります。商標に関して何も知らないので、体内時計という言葉を使って文章を作ることは問題ないとは思うのですが。名前で言うとカナグルとテネリアの配合剤がカナリア錠というのも、こんな名前つけても構わないの?と医薬品第一部会の議事録に載ってまして。結論はここで検討することではないけれども、問題はないということでした。大塚製薬のエビリファイのポストとして申請した「ブレクスピプラゾール」もかなり自信がある命名ですね。
2017年11月10日
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Choosing Wisely 「5 QUESTIONS to Ask Your Doctor Before YouGet Any Test, Treatment, or Procedure」は関西では結構たくさんの人が口にしているような気がします。質問は以下の通りです。Do I really need this test or procedure?What are the risks?Are there simpler, safer options?What happens if I don’t do anything?How much does it cost?関西弁ではホンマにそんなことせなあきまへんか?そんなんしてあぶないことありまへんか?もっと茶々とやれるやり方おまへんか?ちゃんとなおりますんか?なんぼしますねん?これは結構病院、特になじみの開業医さんには聞いているような気がします。で、都道府県別、診療種別、地域差指数(年齢補正後)の入院外+調剤料の関西各県のデータを見てみると京都16位、大阪6位、兵庫県13位、奈良県36位、和歌山県20位と比較的上位に入っています。医師の方が商売上手(笑)。
2017年10月17日
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化学療法剤は副作用が強いというイメージがあります。化学療法剤(ひとくくりにしてはいけないかもしれませんが)でもっとも命にかかわる副作用だったのは白血球減少です。過去形で書いたのは白血球減少の対策をまとめたG-CSF製剤適正使用ガイドラインが公表されることによって、白血球減少症に伴う感染症の合併率が明らかに低下したからです。その他の副作用に関しても副作用対策マニュアルが厚生労働省や医薬品医療機器総合機構、開発メーカーなどから出されています。プラチナ系の薬剤の嘔吐に関しても予防・対応する薬剤がたくさん出ています。下痢に関しては個々の薬剤の作用機序によってなるべくするなくできる可能性が出てきたところです。化学療法剤の副作用で、廃用症候群にいたる可能性が高いのが食欲不振です。食欲不振に関しては栄養を与えればいいだろうという判断で栄養輸液が使われますが、これだけでは不十分と思います。そんなことを考えていときに見つけた論文が「医療者の認知度が低い副作用の発見・評価・予防対策による がん薬物療法の質的向上」です。医療薬学 42(3) 137―144 (2016)癌化学療法の患者さんには味覚異常とそれに伴う嗅覚異常が存在することを指摘しています。食欲不振の原因の一つに味覚異常や嗅覚異常が関係しているのではないかというのが私の仮説です。癌化学療法における味覚異常や嗅覚異常が、味蕾細胞のターンオーバーは10.5日、嗅覚細胞のターンオーバーは1か月で4%である事を考えるとアプローチ方法は変わると思います。また味蕾が味を感じるためにた唾液が必要です。唾液を増やすだけである程度改善される可能性があるのではないでしょうか。また味覚障害には亜鉛が関与することが知られています。(亜鉛含有の消化剤が味覚治療に対して治験を行っていました。いまゼリア新薬のパイプラインに掲載されていないので、中止になっているかもしれません。)食欲不振の副作用に関する違うアプローチについて考えてみました。【参考】β-Catenin Signaling Biases Multipotent Lingual Epithelial Progenitors to Differentiate and Acquire Specific Taste Cell Fateshttp://journals.plos.org/plosgenetics/article?id=10.1371/journal.pgen.1005208
2017年09月10日
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サプリメントも薬の効能すれすれの表示内容を唱うものが増えてきました。睡眠サプリもその代表の一つでしょう。人の睡眠に関与する栄養素としてはテアニングリシントリプトファンGABAといったアミノ酸がまず浮かびます。グリシンは味の素さんが「グリナ」という商品名で発売しています。他の睡眠サプリは上記のアミノ酸にラフマ葉、月見草、クワンソウなど、漢方で睡眠効果があるとされているものを加えているものが多くなっています。薬剤としては睡眠導入薬や抗うつ剤、抗ヒスタミン薬(かゆみ止め、花粉症の薬で古めの薬)が眠くなります。抗ヒスタミン薬はヒスタミンレセプターを阻害するものですが、ヒスタミンレセプターには多くの種類があり、神経ではかゆみ、血液では炎症、消化器では胃液を出す役割があります。それが過剰に働いてアレルギーや胃潰瘍が起こります。その時にヒスタミンレセプターの阻害剤が使われます。どのヒスタミンレセプターを見境なく抑えてしまうと、胃潰瘍に使ったつもりで眠くなるという副作用を起こしてしまいます。一つの成分のサプリメントであれば、副作用はある程度予測可能です。しかし、最近のサプリメントはいろいろな成分が配合されており、効果が高まるという言い方をしている場合があります。薬の分野で配合剤が最も議論を呼ぶのが成分の相互作用です。特に2足す2が4になるような相加作用と2かける2が4になる相乗効果と2-2が0となるような相互作用も実際には存在します。効果が0になって副作用が相乗効果になるようでは薬としては失格です。いがいとサプリメントではこのあたりが検討されていない。漢方では成分の証など0になるような配合はしない方法論がありますが、西洋ものと漢方ものを混ぜて、さらにアミノ酸を混ぜたようなサプリメントは効果としてどのようなものがでるかは危険を感じます。このあたりは口コミが抑止力として働いていることを期待します。 医薬品でも高薬価だから効果が高いというわけではありません。病気の分野で効果の違いがあるからです。例えば新聞でも話題になっているオプジーボ点滴静注100mg 10mLは1本数十万円し、何本も打たなければなかなか効果が出ませんが、がんが消えることは滅多にありません。 抗菌剤はそれこそ1,000円以下ですが適正に使えばほぼ100%菌は消えます。 この比喩はもちろん飛躍しすぎですが、いろいろ入っているから高くなっている睡眠サプリが必ずしも一つの成分しか入っていないものよりもよく眠れるというのは、事実として確かめられたものではありません。この場合は口コミは役に立ちません。比較できないからです。 サプリメントで臨床試験済をうたっているものもありますが、臨床試験済がいいことではなく、臨床試験で効果が実証されていることが重要です。 コエンザイムQ10はかつては医薬品でしたが、再審査で薬としての効果が実証できなかったために、サプリメントに道を見いだしているというようなものもあります。(臨床試験では対象を間違えると効果が実証できない場合もあるので、コエンザイムQ10が効果がないと行っているわけではありません。)
2017年09月06日
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平成19年9月28日に薬食審査発第0928010号「国際共同試験に関する基本的考え方」というものが発出されています。 ICH-E5の拡大版といった感じです。ドラッグラグをなくすには、日本人を含めた形で試験を実施してしまえば、文句はなかろうという発想です。 第Ⅰ相試験はさすがに日本人で実施する必要はあります。用量設定試験から国際共同治験を勧めています。代謝、有効性、安全性に関して、民族的な違いは存在することは判明しています。これはほとんど遺伝子レベルの違いなので、民族的という括りは確かに存在しますが、血液型が民族によって偏るのと同じで同一地域で暮らしているとその違いが鮮明になるということだと思います。 そう考えると、日本人は黄色人種の括りですが、動的な人的移動が極端に少ないので、特殊な集団になっている可能性があります。 第Ⅲ相試験の結果を判断するのは、全体集団とそのうちの日本人集団で一貫性があることが、日本での承認に必要になります。 希少疾病の場合にはそもそも例数が少ないので、全体集団でも有効性にお1ける優越性が難しいですが、さらに全体集団と日本人集団で一貫性を見いだすことは、1例、2例の値の違いでひっくり返るので、見た目を整えるのはとても、運がよくないといけません。 武田のニンラーロカプセルの審査報告書を眺めると、まさに一貫性を保つには運が必要である事が分かります。対象疾患は多発性骨髄腫、第Ⅲ相試験に一般治療+ニンラーロと一般治療+プラセボで無増悪生存期間を比較しています。 全体集団ではプラセボに対してハザード比071(95%CI0.71~0.91)、中央値20.6か月対14.7か月でプラセボに対して優位性が示されています。(評価例数348例対353例、増悪数123対156) ただし、機構から追加で求められた全生存期間は評価例数360例対362例で死亡数は81例対80例と注大内で比較することもできずKapkan-Meier曲線のぱっと見ではプラセボの方が良く見えたりします。(これが原因で欧州ではいったん差し戻しになりましたが、結果としては、全生存期間の最終データを記載することで許可になりました。) 日本人集団のPFSは3.95)ハザード比1.32(95%CI 0.44~3.95)とプラセボに対する優越性を示すどころかぱっとみぃは負け。Kaplan-Meier 曲線も見栄がよくありません。中央値はカットオフデータを用いているので算出は可能ですが、実際に死んでいるのが40%にも満たないので、95%信頼区間は目も当てられない数値になっています。 統計手法を用いて、例数を増やした場合の推定値を求めた回答を記載していますが、結局はよく若欄ので、製造販売後の調査で確かめてということになって、承認されて、発売になっています。(PKは変わらない、一般的な治療の差がないこと、少なくとも日本人患者の忍容性は認められることがその理由です。) (この審査報告書では副作用の項目に塗りつぶしがあります。これはいいのでしょうかね)審査報告書に目を通すのが面倒という方は以下を御覧ください。ニンラーロカプセル(抗腫瘍剤)について
2017年09月04日
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厚生労働省から製造販売許可を得るときに、条件として指示されるものはいいのですが、販売促進のための製造販売後臨床試験あるいは医師主導の製造販売後臨床試験というものが存在します。 例えば、既存の標準治療(何かもっと患者さんが効果があるなというネーミングが必要では。なんとなく中ぐらいにしか効果がない治療という語感があります。データ上一番効く治療法は長すぎますが)と新しく認可された薬の無作為比較試験などです。 米国ではスポンサーが国立がん研究所(NCI)になる事が多いので、比較的GCPに沿った形で行われます。日本では資金不足から製造販売後調査のレベルの研究を行っているのが現状です。 ある外資の製薬会社では日本以外は臨床試験で同じプロトコールを調査で行っているところがありました。 一番の違いは臨床試験では患者さんがボランティアである事を尊重されるかどうかです。調査の場合は実際の治療を行ったときのデータ(主に副作用)を収集することが目的ですから、調査のスポンサーは事務処理のために病院と契約を行い、必要な資金を提供します。 臨床試験の場合には参加する患者さんはボランティアですから、治療費は当然無料で、検査も無料となります(本来必要のない検査を行う場合もあるため)、さらにその施設に向かうまでの交通費もスポンサーの負担です。 日本では臨床試験においては患者さんはボランティアという意識がとても薄いと思います。スポンサーが製薬企業であっても、医師であってもこの意識は絶対に必要です。 本当に降圧剤を飲んでいれば、心血管性の病気になる確率がどれぐらい減るかなどにかんして、データを出しているのはほとんど、海外です。 日本でも政府主導で税金を使ってこのようなデータを積み上げていくことが大切だと思います。すべての薬剤で必要とは思いませんが、標準治療に取って代わろうとする薬、サロゲートエンドポイントで許可を受けた薬(高血圧薬、抗糖尿病薬、脂質異常症薬)には、ビックデータの仮説を検証するために、前向きの試験が必要となります。ビックデータがまだ出ていないうちに議論が早いかもしれませんが、トップを取るのは早いところが勝と思います。 再審査資料にそのようなデータが入っているならば、再審査期間の延長という製薬企業に対するえさを与えるのは一つの手かもしれません。(上記の試験を実際に行えば、最低10年かかる可能性があるので、その期間は再審査期間にするのも手です。必ず年次報告が必要ですが。)
2017年07月18日
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2,000年に骨髄細胞が肝細胞に変化することが報告されています。(Theise ND, et al. Hepatology. 2000; 32: 11-16)女性の骨髄幹細胞を移植された患者の肝生検を行ったところ、女性の骨髄幹細胞から増殖したとみられる肝細胞が発見されました。これはiPS細胞細胞の発見(2,006年)に先立つものです。この論文を読んだ肝臓外科患者から肝臓がんは比較的大きく切除できるが(再増殖が盛ん)、肝細胞癌の場合には広範に広がっているので、もう少し切れたら完全切除のところで切り残しができてしまう。骨髄細胞から肝細胞が作れないかと相談を受けたことがあります。研究所に相談を回しましたが、量的な問題や基礎的な研究が必要なので、優先的にはできないとお断りしました。現在、自己骨髄幹細胞を肝不全患者の肝臓に移植する研究が人で行われています。(肝細胞研究会:骨髄細胞の臨床応用(http://hepato.umin.jp/kouryu/kouryu06.html) )その中で骨髄間葉系細胞はさまざまな細胞に変化することが判明しているが、実際に骨髄幹細胞が直接その他の組織の細胞に変化しているのか、いったん各組織の幹細胞に変化するのかは不明です。しかし、後者の場合には、万能幹細胞が組織的な幹細胞に変化した後にまた万能幹細胞になり、組織の刺激に寄りその組織の幹細胞になっている可能性があります。刺激のみで別の幹細胞になり得る可能性があるということです。STAPは普通の細胞を刺激することによって万能幹細胞を作ろうとする試みでしたが、特定の組織の幹細胞は刺激によって万能幹細胞に戻る可能性もあるということは事実である可能性があります(骨髄間葉系細胞だけかもしれませんが)一般的な細胞から万能幹細胞に戻すiPS細胞に比べると、組織的な幹細胞を使用する必要があります。一方iPS細胞にくらべて、違う組織に幹細胞を移植するだけで組織培養の必要がない可能性があります。骨髄間葉系細胞が(経路は別として)肝臓、上皮細胞、心筋、筋肉、神経、脂肪組織、血管の各細胞に変化することは知られています。
2017年05月10日
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幹細胞とはカラダの各部位において、必要な細胞に分化することによってカラダの構成を支えている細胞を指します。ES細胞のようにあらゆる細胞のもとになる幹細胞(iPS細胞も含まれます)はさまざまな制御ををうけて胎児となります。大人になってからも、骨髄幹細胞のように血球成分のもとになる幹細胞が存在します。精子は幹細胞が分化することによって新しく精子が作られますが、卵子は元となる卵母細胞(卵子にしかならないので幹細胞ではありません。卵母細胞は人間では成熟するまでに発生後10年以上かかります)。癌幹細胞は仮説としてその存在が予想されていましたが、実際に見つかったのは1997年の急性骨髄性白血病の細胞から見つかりました。幹細胞の特徴としては同じ細胞として分裂するだけでなく、違った性質を持つ細胞にも分化して変化することから癌にも幹細胞があり、血管やリンパ系に浸潤し、転移も起こしているということが実際に見つかっています。癌幹細胞がなぜできるかという研究はまだまだですが、癌幹細胞をターゲットにした薬剤は第Ⅱ相試験まで進みましたが、期待した結果は得られていません。摘出手術中のがん細胞の取り残しを検査するために5-アミノレブリン酸(5-ALA)による検出が行われています。癌幹細胞はこの方法では検出できないとする論文も出ています。(代わりに鉄キレート剤DFOにより検出可能でDFOは承認済み:鉄過剰症及び鉄中毒の治療薬)ですので、早急な診断薬としての適応が求められるところです。(ただし、この研究は神経膠芽腫での発見ですので、他の癌腫で効果があるかどうかは不明です)癌幹細胞が多くの癌で見つかっているのは事実ですが、癌幹細胞が最初にあって癌が発生しているかはまだ断言できる状態では無いと思います。腫瘍には悪性腫瘍と良性腫瘍があることは事実です。また悪性腫瘍の患者さんで大腸がんになった後、前立腺癌になったり、喉頭癌になったりする人がいる一方、いったん癌にかかると他のがんにも罹らない人、一生癌にかからない人(この中には症状が全くでなかったが、献体などで癌が見つかる人も統計上では含まれます)もいます。それから考えると癌幹細胞が最初にありきではなく、発癌抑制遺伝子による抑制から逃れてがん細胞になった細胞が免疫に選る攻撃を何らかの理由で免れて、細胞の固まりとなり、最初にできた部位ではこれ以上増えることができなくなった時に何らかの刺激をうけて癌幹細胞ができ、遊走や、周りの正常細胞と置き換わることによって悪化していくという仮説も立つような気がします。これはごく希にしか起こらないことであるので検証は難しいものです。STAP細胞仮説が再現できればとっかかりができたような気がします。(逆にSTAP細胞仮説の再現性は非常に難しいものであることの説明になるかもしれません)
2017年02月25日
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現在、特定の乳酸菌が含まれている食品が販売されています。寒さに強くなるとか、アレルギーを改善するとかギリギリの感じのCMが流れています。確かに比較試験で効果を見ていますが、特定の乳酸菌の比較相手はプラセボです。特定の乳酸菌が効果があるとすれば他の乳酸菌との比較試験を行うべきと思います。確かにアメリカでは制がん剤の比較試験で以前はプラセボを用いていましたが、最近は標準治療との比較になっています。特にファーストラインの使用ではそれが求められます。PD-1抗体はそれで失敗しました。他の乳酸菌製剤との比較が必要かと思います。また、乳酸菌製剤の比較試験では使用終了6ヶ月で腸内細菌叢はもとに戻ってしまいます。腸内細菌叢を望ましい状態に保つために毎日のむ必要があるのか、1週間に1度でいいのか、月に1度でいいのかは第三者の研究が必要と思います。いろいろな病気の予防に役立つのであれば、乳酸菌飲料協会が音頭を取ってこの点を明らかにする必要があると思います。
2017年02月06日
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筑波大学、筑波大学などの研究グループはマクロファージが炎症を起こすだけではなく、炎症を抑える働きを持っている事を明らかにしました。生活習慣病の発病には慢性炎症が深く関わっているといわれています。糖尿病では最終糖化物による刺激が慢性炎症を引き起こし、インスリン受容体の働きを弱めることから発症するということがいわれています。肥満も慢性炎症による脂肪の蓄積が原意ということがいわれています。高血圧については諸説ありますが、脂質が関与してい場合もあることが知られていますし、慢性炎症部位が狭くなることによる物理的な血圧上昇が知られています。脂質異常症に関してはコレステロールに関しては肝臓によるコレステロールの合成過剰が原因である事はスタチン系薬剤の効果から推定されています。高トリグリセライド血症は脂肪蓄積細胞の慢性炎症が原因であるともいわれています。マクロファージは病原体が感染すると炎症を起こして熱による病原体の排除を行うことはよく知られています。しかし、マクロファージが炎症物質を出しっ放しにしているのではなく、炎症を抑える不飽和脂肪酸を活発に合成することにより、炎症を抑える仕組みを持っている事をマウスで明らかにしたのが今回の研究です。その不飽和脂肪酸とはEPAやDHAであり、引き金となるのはSterol responsive element binding protein(Srebp) 1 であることが明らかになりました。今回の研究は動物実験ですので、ヒトでの確認が必要ですが、Srebp1の濃度を測定することができれば、生活習慣病の有無や、若年層で測定しておき、予測因子になるかどうかの疫学試験などいろいろ面白いことが分かるかもしれません。EPAやDHAは薬剤としてもサプリメントとしても使われていますが、この作用にはどれぐらいの量が必要かも検討が期待されます。(上限値の必要性がいわれていますが、根拠が見つかっていないので、栄養摂取量の規定ができていません。)直接マクロファージにSrebp1様作用をして、生活習慣病の治療ができるのが最大のテーマである事は間違いないでしょう。
2017年01月11日
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フラストレーション症候群とは、フラストレーション(非達成による不満感)と治療耐性のさまざまな症候を持つ症候群と最近定義されました。具体的にはめまい、頭のふらつき、皮膚の紅潮とかゆみ、消化器症状、慢性の痛み、骨や関節の不具合を示します。このような症候を示す患者には共通してトリプターゼというアレルギー反応に関係することが多い血中蛋白の量が多いことが分かっています。フラストレーション症候群のない人、ややその傾向のある人、いくつかの症状発現しているヒトのNIHの研究グループが遺伝子解析を行いました。その結果、症状の進行に従ってトリプターゼの変異が多い傾向があることが分かりました。遺伝的にフラストレーションに弱いヒトがいて、その遺伝子変異はトリプターゼの変異に関係していることが明らかになりました。血中のトリプターゼの量は自律神経失調症(起立性頻脈症候群)でも高くなる事が明らかになっている。遺伝子変異の場合にはトリプターゼの何に影響しているかがあまり明確にしていない場合があります。今回の場合には量が増やしているので、生産抑制が効いていない(ネガティブフィードバックが係らないのか、トリプターゼタンパク質そのものに一部通常のトリプターゼと異なった部分があり、その結果症候群が発生しているかは明らかではありません。後者の場合にはトリプターゼの量が増えているのかどうかは検査法の精度に係ってきます。タンパク質を構成している一つのアミノ酸が変化しているだけで、タンパク質の働きは変わると思いますが、低量できているかは不明です。遺伝子、遺伝子変異が見つかっても、なかなか製薬に結びつかないのはこのような事象が多いからだと思います。また、すべての遺伝子が判明しているという現代でもその遺伝子がどのようなタンパク質の動きにかかわっているかが分からないものもあり、どのタンパク質をコードしているかは分かっているが、そのタンパク質は製造の過程で、廃棄されている場合があることも事実として確認されています。
2016年10月18日
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緩和ケア病棟とは主にがんの終末期を安らかに過ごす場所とのイメージがありますが、それは間違っています。間違った定義からは緩和病棟ケアから生還することはありません。緩和ケア病棟で実際に行われていることとは「がん患者のつらい症状(痛み、悪心、嘔吐、下痢、うつなど)に専門的に対処すること」です。症状が取れれば、退院も可能となるので、おうちで過ごすことも可能になります。また、がん治療や手術が可能になる場合があります。がんは最後の1ヶ月前までは特に健康上の問題がない場合があります。がんそのものの位置が正常臓器にあまり影響を与えない場合には自覚症状としては何もない場合があり、いくら大きくて、転移があってもあたかも健康人のような生活を送っていて、ある日、正常臓器に影響を与え始めるとあっという間(1週間ぐらい)でなくなる場合は少なくありません。転移巣がある場合には手術のリスクが、放置のリスクを上回る場合があるので、観察だけしている、あるいは比較的副作用の少ない制がん剤を与えるなどの手段が選ばれます。この場合には余命半年(あるいは3ヶ月)と宣告されますが、その余命宣告はあまり当たりません。がんの薬剤療法を行わなくても、急激に痩せる、悪心・嘔吐がでる場合があります。これはがん悪液質による症状といわれています。この場合には緩和ケアを行うことで、回復する場合もあります。本当のところ、がんが大きくなったり、転移したりすることに関しては細胞レベルで仕組みが判明しつつありますが、いくつかの説が存在し、その中の一つが主なのか、複数の説による現象が起こることによってがんが成長するのかはまだ、明らかになっていません。一つの説に基づく化学療法剤や免疫抑制剤が発売されており、併用療法が効果を示していることから複数の現象が起こっていると考えるのが有効かもしれません。あるいは我々のまだ知らないものがあり、それが原因になっている、がん種や個人に遺伝子異常によって、原因が違うのかもしれません。テイラーメイド治療に関しては、第三世代の分析器により遺伝子異常を比較的早いうちにとらえることができるようになっていますが、その遺伝子異常がRNAをとおして人体にどのような影響を与えるかが分かっているものの方が少数です。AとBとCの遺伝子異常を持つヒトががんになりやすいとかがんが進行しやすいということが、多人数の検査を行えば自ずと分かってくるかもしれませんが、各々の遺伝子異常が細胞内、あるいは生体でなにを起こしているのかに関しては、データを頭の中に入れた上で、インスピレーションが必要となると思います。AIが応用するまでは分からないかもしれませんし、ある人が思いついて明日にも明らかになるかもしれません。
2016年09月29日
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1957年から1970年生まれの世代は団塊世代と団塊ジュニアの狭間の世代はあまり考察の対象になっていない。 うまく行った親とバブル崩壊でうまく行かなかった親に育った格差を最初に感じた世代のような気がします。 人口は団塊世代より少なくそのため受験は楽をしたけれど 大学に入ってからは成功した人の子供は楽をして失敗した人は授業料からなにからバイトをしなければ大学にとどまることも出来ない。奨学金は大学院に入るコトガデキテ初めて生活が出来るようになる 小学生までは母親は内職 小学生になれば働きに出て鍵っ子になる。 就職は氷河期の始まり 同窓会は来ない人のほとんどが自殺 団塊はざま世代で生き残っている人は 親がバブル崩壊を切り抜けたのでぼんぼん 失敗した人の中で親が自殺しなかった人は愛情不足でメンヘラ 自殺した人は自立心がついている と バラバラの世代
2016年07月13日
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アンチエイジングという言葉がはやる出して数年たちますが。ある程度は実現しています。 皮膚とか毛髪とか、殺細胞性の制がん剤が副作用を示す臓器に関してh元々年をとらずに3ヶ月単位で入れ替わっていますから、老廃物を丁寧に取り除けばアンチエイジングはほぼ実現段階でしょう。 血球とランゲルハウス島異種移植が認められたので数年でアンチエイジングが実現するでしょう。各臓器に関してもウイルス感染の可能性があるミニブタと人工幹細胞でのがんのリスクを消すことの実験的な臨床試験では前者に軍配があがると思います。 しかし、本当にミニブタのウイルス感染のリスクは0になったのでしょうか。マイクロRna中にウイルスとして働く可能性のるものは0にんったのでしょうか 不安とは別に楽しみなことがあります。象はその大きさからがんにんる可能性はたかいはずです。事実はそうではありません。せいがん遺伝子P450のバライティがすごいのです。どうやって取り入れたかはわかりませんほかの動物のP450をてにいれているのです この仕組みがわかれば自己免疫疾患のリスクのある免疫チェックポイント薬剤期待できるかもしれません。
2016年05月31日
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「危険ドラッグ」のネーミングに関して、あるニュース番組で新聞の論説委員をしている人が、「こんなことしているお金があるのならば、もっと具体的な行動をやれ」と言っていました。 番組を見ているときはもっともと思いました。 今日、たまたま東京都福祉保健局のホームページを見る機会があり、ここでは違法(脱法)ドラッグという名称が使われていました。東京はネーミングも独立なのかなと思い少し調べてみました。 無知(私のことです)は怖いです。 2005年11月25日にすでに脱法ドラッグという名前は誤解を与えるので、違法ドラッグと名前を変えることが「脱法ドラッグ対策のあり方に関する検討会」で厚生労働省に答申が行われていました。 具体的な対策として 薬事法は、いわゆる「目的規制」の体系を採用し、有害性の程度や表向きの標榜等の如何によらず、「人の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物」を全般に規制対象としていることから、麻向法に比べて格段に迅速かつ広範な規制が可能である。 しかしながら、現行の薬事法では、で述べたように、医薬品への該当性を立証しにくい場合が多いほか、乱用に供する目的が疑われる段階での規制や、個人的に使用するためとして輸入される違法ドラッグへの規制が困難である。 こうした現行の薬事法における規制の問題点について改善策を講じることによって、違法ドラッグに対する取締りに、より一層の機動性、実効性を持たせることが可能となるものと考えられる。具体的には、以下の事項に関する法的整備を検討すべきである。 (1) 規制根拠の明確化 違法ドラッグの有効成分として使用(乱用)実態が認められる物質又は物質群(植物及びその加工品等を含む。)をあらかじめ明示し、それらを正当な理由なく含有する製品(=違法ドラッグ)は、表向き人体摂取を目的としない旨を標榜していたとしても薬事法の規制対象となることを明確にする。 (2) 製品の違法性が疑われる段階での対応 違法ドラッグの有効成分とみなされる物質を含有する可能性がある不審な製品が輸入や販売をされている等、乱用に供する目的で流通していることが疑われる場合には、保健衛生上の危害を未然に防止するため必要な措置を採ることができるようにする。 (3) 流通(輸入)の規制強化 違法ドラッグについては、販売等に対する取締りに加え、個人が外国から直接購入すること(個人輸入)に関しても一定の規制を行い、その入手機会を可能な限り制限する。 が提言されている (2)がせめて、提言から5年後までに法制化していたら、今年起こったような事故は起こっていなかった可能性があります。ちなみに2005年11月25日以降の総理大臣と厚生労働大臣は以下の通り第3次小泉内閣 2005年10月31日~2006年09月26日 川崎二郎第1次安倍内閣 2006年09月26日~2007年08月27日 柳澤伯夫 改造内閣 2007年08月27日~2007年09月26日 桝添要一福田内閣 2007年09月26日~2008年08月02日 桝添要一 改造内閣 2008年08月02日~2008年09月24日 桝添要一麻生内閣 2008年09月24日~2009年09月16日 桝添要一鳩山内閣 2009年09月16日~2010年06月08日 長妻昭菅内閣 2010年06月08日~2010年09月17日 長妻昭 第1次改造 2010年09月17日~2011年01月14日 細川律夫 第2次改造 2011年01月14日~2011年09月02日 細川律夫野田内閣 2011年09月02日~2012年01月13日 小宮山洋子 第1次改造 2012年01月13日~2012年06月04日 小宮山洋子 第2次改造 2012年06月04日~2012年10月01日 小宮山洋子 第3次改造 2012年10月01日~2012年12月26日 三井辨雄第2次安部内閣 2012年12月26日 田村憲久危険ドラッグどころではなかったのでしょうか?
2014年08月07日
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