東京フリー・メソジスト教団付協力牧師 甲斐慎一郎 説教要約

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2021.06.05
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「力と愛と慎みの霊」   2021年6月6日​
インターネットのテレビ局CGNTV(⇒みことばに聞く⇒関東⇒
東京B)の番組に当教会の牧師が出演しました。
2018年11月29日放映「​ 日々新たにされる内なる人 ​」 
​「力と愛と慎みの霊」​
        甲斐愼一郎
         テモテへの手紙、第二、1章3~14節
「神が私たちに与えてくださったものは、おくびょうの霊ではな
く、力と愛と慎みとの霊です」(7節)
ジョン・ウェスレーは、その注解において「力と慎みとは両極端
である。愛はその中間にあり、両者の結合帯また調和である」と述
べています。言い換えれば、力に偏れば無謀になり、慎みに偏れば
萎縮しますが、愛は、両極端の二つのものを均衡と調和が取れた状
態にして、両極端の過ちを防ぐのです。 
「健全」というのは、それ自体は良いものであっても互いに相反
する二つのものが均衡(バランス)と調和(ハーモニー)を保って
いる状態のことを言うのです。
 実際生活において私たちは、この健全さに欠けるなら、純粋な動
機で物事を行っても、極端に走ってしまうので、自分が失敗したり、
他の人に迷惑を掛けたりして、様々な問題が起きてしまいます。神
は、私たちに純粋な動機である愛を与えるとともに、均衡と調和の
取れた力と慎みを与えてくださるのです。
​ 一、健全な思想や考え方――神の恵みと人間の働きの調和(9節)​
  9節には、神の恵みと人間の働きとが対照的に記されています。
ピリピ人への手紙にも神の側の働きかけと人間の側の救いの達成に
ついて記されています(2章12、13節)。
「神の恵み」は、神の力の現れであり、私たちを高い所に引き上
げるものですから、言わば「神の理想の方向」と言うことができま
す。これに対して「人間の働き」は、人間の力の現れであり、神の
力がなければ、弱く罪深い人間にとって、それは私たちを低い所に
引き下げるものですから、言わば「人間の現実の方向」と言うこと
ができます。
  神は、私たち一人一人にふさわしい理想の姿を求められますが、
同時に人間にもその人なりの現実の姿というものがあります。です
から私たちは、人間の現実を無視して、神の理想だけを追い求めた
り、反対に神の理想を無視して、人間の現実だけを肯定したりして
はなりません。神の理想と人間の現実の両者が均衡と調和を保つ時、
私たちは健全な思想や考え方を持つことができるのです。
​ 二、健全な品性や人格――喜びと悲しみとの調和(4節) ​
  4節には喜びと涙、8節と12節には苦しみが記されています。喜
びは私たちを高くし、高揚させますが、悲しみは私たちを低くし、
謙虚にさせます。しかし何の悲しみもなく、喜びだけが与えられる
なら、軽薄になるだけでなく、有頂天になり、ついには高慢にふる
まってしまうことでしょう。反対に何の喜びもなく、悲しみだけが
与えられるなら、陰気になるだけでなく、失望落胆して、ついには
自暴自棄に陥ってしまうことでしょう。
神は私たちに喜びと悲しみの両方を与えられます(ピリピ一章29
節)。賛美歌285番3節に「主よ飲むべき わが杯 選び取りて
授けたまえ 喜びをも 悲しみをも 満たし給う ままにぞ受けん」
とあります。
ですから私たちは、神から喜びが与えられたなら、心から感謝す
ることです(第一テサロニケ5章16~18節)。また悲しみが与えら
れたなら、逃避することばかり考えず、神のよしとされる時まで耐
え忍ばなければなりません(ヤコブ五章7節)。喜びと悲しみの両
者が均衡と調和を保つ時、私たちのうちに健全な品性や人格が形造
られるのです。 
​三、健全な行動や働き――大胆さと注意深さの調和(12節) ​
12節には神にゆだねて確信した大胆さが、14節には聖霊によって
ですが、自らを守る注意深さが記されています。ゆだねることは、
私たちに確信と大胆さを与え、注意深さは、私たちに勤勉と責任感
を与えます。しかし大胆さが行き過ぎるなら、無責任や怠慢や不注
意になり、反対に注意深さが行き過ぎるなら、小心や臆病や不信仰
になるでしょう。
  神にゆだねた大胆さと自らを守る注意深さの両者が均衡と調和を
保つ時、私たちは健全な行動と働きをすることができるのです。
甲斐慎一郎の著書→​ 説教集
久米小百合氏司会「本の旅」→「​ 使徒パウロの生涯 ​」
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Last updated  2021.06.05 21:23:24
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