米国や欧州で、銃の乱射というテロが続発している
しかし、一般の日本人にとって、銃を触った経験など無いだろう
ベトナム戦争当時のサイゴンで経験した、銃にまつわることを書いた過去ログである
ベトナム戦争における私の銃体験
カテゴリ:【ベトナム】 ベトナム戦争での思い出
銃社会の米国とちがって、銃所持が厳しく規制されている日本では 銃を手にしたり、実弾を発射したりの経験がある人は少ないだろう
しかし、韓国やハワイなどでは、実射できる場所(店)があるし ベトナムでも、ある場所で、実弾射撃が出来る有料射撃場があった
私は、ベトナム戦争の最中、
ベトナムのサイゴン(今のホーチミン)に駐在していたから
実射の経験もあるし、
撃たれた事もある(笑)
射撃には慣れっこになってしまった そんな、銃体験を思い出してみる
―――― ◇ ――――
戦時中のベトナムでは、宿舎がサイゴンの街の中心からは少し外れの
交通が激しく、警備の厳しい交差点に面していた
サイゴンから郊外に向かおうという街道である
実はその交差点では、警察と軍隊が非常線を張っていて 夜中には、何度も、警告射撃の音が響いていた
怪しいバイクを見つけると、兵士や警官がピ~~とホイッスルを吹く
止まらなければ、威嚇射撃なのである
それでも止まらなければ、実弾発射である
初めはビクッとしたが、すぐ慣れた
とは言え、私の二階の部屋の窓の下でバンバン撃つのだから 読書中とか、昼寝中にはびっくりする(笑)
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サイゴンは、そのころ
昼間は南ベトナム政府が
夜間はベトコン(南ベトナム解放戦線)が支配していると言われていた
権力の、武力の(笑)二重構造であった
こういう例は、世界史をひもといても、あまり例がないのではないか?
珍しい現象ではあった
つまり、南ベトナム政府は、南ベトナムのテリトリーを掌握しきてていなかった
ベトコンの跳梁を押さえることが出来なかった
そういう事である
だから、南ベトナム政府としては
サイゴンに潜むベトコンと北ベトナムのスパイ摘発に懸命だったのである
夜間はカーフュという夜間禁止令が出ていて
外出するものは、問答無用で射殺される
サイゴン病院にある日本人医師を訪ねて行ったら
ちょうど、夜間に撃たれた人間が運び込まれてきていた
日本人医師によると
腹部に何十発もの銃弾が撃ち込まれていたそうである
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事実、サイゴンの街の中では、プラスティック時限爆弾をつかったテロは
日常茶飯事だった
私が昨日、飲んでいたバーが
翌朝の朝刊でみると、時限爆弾で爆破され
米兵がひとり、死亡している
・・・などは、私の実体験である
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一度、宿舎の前の交差点の向かい側にあった仏教寺院で
僧侶達が反政府のデモをした
その頃は、同じ南ベトナム内部で
仏教徒達が政府に激しく対立していた時代である
ヘルメットに防弾チョッキ、
完全武装の兵士達が大勢駆けつけて
寺院めがけて自動小銃のオート・モードで大量の威嚇射撃をしていた
単なる威嚇だけでは無かった
あれでは、死傷者も出たのではないか?
銃撃は夜になっても続いていて
夜間になると、
兵士が発射する自動小銃の銃弾に含まれている
照準を修正するための照明弾が
赤いアイスキャンデーのように夜空の中の仏塔に流れた
私は、宿舎の門扉のところでそれを見物していたのだが
私があまりにも無責任で、楽しんで、見物モードになっていたのか(笑)
腹を立てたらしい兵士の一人が、私めがけて撃ってきた
ピュン!と弾丸が私の足下に着弾して
コンクリートがくだけて、煙のようなものが上がった
弾丸は厚い鉄製の門扉に当たって、ガキ~ンと大きな音を立てた
私は、慌てて、門扉にある小さな出入り口から中に逃げ込んで
あとは、小さな覗き穴から見物した
危ないところだった(笑)
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サイゴン郊外にあった建設現場
警備のために銃を持った兵士のアルバイトの警備員がいたのだが
一度、彼の、カービン銃を試射させてもらったことがある
十メートルほど離れたところに缶詰の空き缶を立てて
それをターゲットに撃ってみたのである
カービン銃というものは、騎兵銃とも言われる
ウィキで検索してみる
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カービン
本来のカービンとは馬上での取り回しを考慮し、
短縮軽量化の上で背負いやすいように吊り環の位置を変更するなどした小銃であった。
また、ボルトアクション式カービンではボルトハンドルが他の装具に引っかかりにくいように、
下方に屈曲させ、閉鎖状態で銃の側面に密着するようにしたものも多かった。
小銃に比べ小型軽量化されたカービンは取り回しが良く、
場所をとらないという利点がある一方、
射撃時の反動・マズルブラスト・発射音が激しくなり、
肝心の命中精度が低下するという欠点が生じ、銃自体の寿命も短くなるとされた。
現在ではおおむね「小型のライフル」を意味する分類で、
小銃を持たない下級将校や車両乗員、
空挺部隊など装備に制限のある特殊部隊、
市街戦や密林戦など至近距離での戦闘が想定される地域の兵士
などに装備されている。
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もともと、騎兵が使用した軽小銃であったとあって
私の認識では、馬上での使用に向いた、
反動の少ない銃だと思っていたのだが
上のウィキの説明では
反動が大きく、発射音も大きいという
しかし、私の実射での感想は
やはり、反動が非常に小さく、発射音も小さかった
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私は、二・三年前にベトナムを再訪した
サイゴンから数十キロの場所に「クチ」と言う観光スポットがある
そこにツアーにのって観光に行った
クチの郊外は、一見、一面のゴムの林である
しかし、ベトナム戦争当時は、ベトコンの主要根拠地のひとつであった
米軍の空爆が激しいので
地表上には建物を築けず
地下に恐ろしく長いトンネル網を掘った
これは、米国の空爆に悩まされた
北ベトナムそれにベトコンの対抗策である
クチのトンネルも、スケール的には、一つの地下都市のようなもの
指令本部・病院その他、いろんな施設が揃っている
そこから、トンネルを使って河に出たり
かなり離れた地点で地上に上がり
ゲリラ戦を仕掛けたのである
このクチのゴム林の奥にはジャングルがある
そこが観光スポットになっている
いろんなトンネルや
米軍の戦車の残骸などが残っている
ある場所に、銃の有料試射場があった
お土産のマーケットと併設である
米国人を含む観光客が撃っている
銃は、主にソ連製の自動小銃カラシニコフである
どんな粗い扱いにも耐えるシンプルな構造で
銃の歴史に残る銃である
いまだに世界中で使われている
米軍のM-16自動小銃もある
これも米軍を支えた歴史的な銃
ところで、この試射場での銃声がすごい
耳が痛いほどの銃声である
私が今まで経験してきた小銃の音は、これほどではなかった
ジャングルの中だから、さして反響しているわけでもない
おそらくカラシニコフが強力な銃だから音も大きいのだろう
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銃と言っても、ベトナム戦争で米軍によって使われたのは、M16という
自動小銃である
実質、軽機関銃のような威力を持つ
ただし、ライフルのように単発モードにしても使える
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個人が使う火器としては、ピストル・レボルバー・拳銃もある
サイゴンには、軍人ばかりではなく
民間人、いわゆる軍属もいた
そんはひとりのアメリカ人と私は、一時、友人だったのだが
一度、タクシーに一緒に乗って、サイゴンのバー街に飲みに行く途中
そのアメリカ人の友人がタクシーの運転手とケンカをして
タクシーの運転手は、鉄棒で殴りかかってくる
アメリカ人は、興奮してピストルを発射
サイゴンの一番の繁華街での出来事である
警官が駆けつけてきたら大変である
何しろ、戦時のサイゴンだから
問答無用で射殺されるかも知れない
その時は、とにかく、命からがら逃げた
そのアメリカ人の持っていたピストルは小型だった だから、撃った音も軽いものだった
彼の自宅を出る時に
彼がこのピストルを私に見せたのだが
その時は、まさか、実際に撃つ事態になるとは想像もしなかった
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一度、サイゴンの警官達がピストルを乱射・連射した現場にいたことがある
ある日の夕方、日本人の友人と繁華街のナイトクラブに向かっていた
ナイトクラブまで、あと十メートルぐらい・・・まで歩いた時
目の前を、ミニスカートの、
そのミニスカートから小麦色に焼けた美脚の
サイゴン・ガールが歩いて行く
そのガールは、すぐ目の前のバーに、入って行った
バーガールだったのである
彼女の、特に美脚が非常に魅力的だったので(笑)
私と友人は、そのバーに誘い込まれるように(笑)入った
バーのカウンターで缶ビールを開けて
まさに口元にもってゆき飲もうとした時
天地がひっくり返るような轟音が響いた バーの窓やドアも振動
外に出てみると、最終目的地だったはずの斜め向かいのナイトクラブが煙の中
さらに近づいてみると
ナイトクラブの壁が吹き飛んでいて
目の前の道路には
人体がバラバラに飛び散っている
既に死体なのか、まだ生きているのか?
腕や脚のようなものも撒き散っている
大きなサイレン音が響いて
米軍のMP《陸軍警察》(military police)のジープが何台もすっ飛んできた
後部座席に機関銃の回転銃座を据え付けた戦闘用のジープである
ジープから飛び降りたMP達が《腕の腕章でわかる》
道路に散らばった死体?を片っ端からジープに放り込む
サイレンを鳴り響かせながら、ジープが突っ走って行く方向は
私も患者の付き添いで寝泊まりのしたことのある、近所の
フランス系の「パスツール病院」である
しばらく興奮冷めやらぬ思いで道路に群衆とたたずんでいた私達だが
その群衆を取り囲み始めたのがベトナム人の警官達である
「パ~ン! パ~ン! パ~ン! パ~ン!」
警官達はピストルを上空に向けて、乱射するのである
私は、すぐわかった 彼らは、群衆を散らせようとしている
というのも、ベトコンは、テロのあとに集まる野次馬を 目標にした二次テロを実行するのである
このケースでは、例えば、
集まった野次馬相手に、さらに、爆弾を爆発させる
この状況でも、警官に逮捕されてはまずい
この戦時下だから、彼らは、少しでも怪しい人間はすぐ逮捕する
大量のスパイがサイゴンに入り込んでいるのは事実なのだから
サイゴンが陥落してわかったことだが
私の支店の現地スタッフの半分は、ベトコンまたは北ベトナムのスパイだった
私の彼女だった女性も、北の勝利に終わった終戦後、北の幹部としてカミングアウトしたという
道理で、ブランスのお嬢様学校卒でフランス語がペラペラと言う、普通のベトナム女性ではなかった
私は、利用されただけだったのか?
私の身体も、利用されただけだったのか?(笑)
この話は、別に詳しく(笑)
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逮捕だけですめばいいが、射撃される危険性もある
それに
私が、サイゴンの夜の歓楽街で連夜のように飲み歩いているのは
支店長には秘密である
私達は表通りは避けて、裏道づたいに必死に逃げて
ようやくタクシーを捕まえて宿舎に戻った
しかし、その途中でも、兵士や、MPや、警官などが
勝手に敷いている非常警備線で止められ
現金を挟んだパスポートを見せて
つまり、わいろだが
非常線を突破出来た
この場合の警官のピストルの音だが 音は小さくて、軽い音
一番、射撃音がすごいのは やはり、カラシニコフ
と言う結論かな?
次は、韓国か、グアムか、サイパンか そのあたりで、カラシニコフを撃ってみよう
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