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自閉症や学習障害など発達障害の子どもが支援を受けながら、
障害のない子どもと一緒に普通学級で学ぶ「インクルーシブ教育」。
県は今年度、
小学校しかなかった発達障害のある子どもに個別指導をする
「通級指導教室」を中学校5校でも導入し、
今後も拡充していく予定だ。
就職や自立に大きな影響を及ぼす高校でも、
文部科学省の支援を受け、
障害に応じた補充指導を行う自立活動などを取り入れている。
発達障害の生徒のための「グロウアップ」の授業を担当する
原田裕太教諭(36)は
自閉症の男子生徒がゆっくり書き上げた授業の振り返りシートを見て、
「よく書けてる」と褒めた。
もう一人の広汎(こうはん)性発達障害の男子生徒は
「彼はうまく話せないけど、話せることはいっぱいあるよね」
とさらに持ち上げる。
箕輪進修高校(箕輪町)の2年生の2人の男子生徒は
通常の授業のペースについていけなかったり、
集団生活になじめなかったりして、
今年からこの授業を受けている。
自閉症の男子生徒は
「丁寧にゆっくり教えてくれ、楽しく勉強できる」
と言い、もう1人は
「人のペースは違ってもお互いにいいところがある。
カバーしあえれば」
と明るく話す。
同高の2部は授業開始時間が通常より遅く、
発達障害の生徒も通いやすくなっている。
10年前、特別支援教育を本格的に取り入れ、
教諭たちはスクールカウンセラーなどから
発達障害の子どもの特徴や対応方法を学び、
注意散漫にならないようにと
黒板の周辺に張り紙をしないようにしたり、
視覚で伝わりやすいように
授業でプリントを使ったりするなど工夫してきた。
2014年からは文部科学省の
「高等教育における発達障がい支援モデル事業」
の対象になり、生徒に応じて、
個別指導をする自立活動の授業を始めた。
原田教諭は
「人数が多いクラスだと気づかない、
生徒一人一人の特徴に気づくようになり、
通常の授業でも生かせる」
と語る。
昨年、2部に入学した生徒のうち、
発達障害は19%だったが、
今年は47%に増加した。
原田教諭は
「診断を受けていない子どもも他にいる。
支援を必要としている子どもはもっといる」
と指摘する。
県教育委員会によると、
発達障害と診断される子どもは年々増えているという。
03年の公立の小中学生の約20万人で
発達障害は836人だったのに対し、
15年は約17万人で5352人に増加。
信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部の
本田秀夫部長は
「以前は見逃されていた発達障害の子どもたちが、
今は特徴などの認識が高まった」
と説明する。
一方、自分だけが他の生徒と違う授業を受けている
ということで自尊心が傷つく子どもや、
社会に出てからも同僚に
「箕輪進修からはなぜ障害者が就職するのか」
と言われることもあるという。
原田教諭は
「以前に比べて理解されるようになったが、
偏見を持つ大人の言葉で子どもが傷つけられることもある」
と壁を訴える。
インクルーシブ教育がより普及するには、
社会全体の理解も必要だ。
[毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20170514/ddl/k20/040/003000c ]
こんなところにも本田秀夫先生の名、
思わぬ講演会での出逢いに感謝です。 🌠
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