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潤樹さんは入学前、
生野京子校長(56)ら教諭5人の前で、
約30分間の「プレゼン」をした。
パソコンで資料を作り、
読み書きなど苦手なことを説明した上で、
パソコンやスキャナーなどの機器使用
▽一度にたくさんのことを言わないでほし
い▽明朝体でなく、ゴシック体を使って-など、
10項目の配慮を求めた。
そして、こう訴えた。
「できないからやらなくていい
と言われてもうれしくないです。
できないなら、どうすればできるか、
僕にできる方法はないか考えたいです。
そして、もしかしたら
みんなと違うやり方かもしれないけど、
僕ができるやり方で
みんなと同じことがしたいです。
なので先生には
それを一緒に考えてほしいです」
潤樹さんは幼少期から集団生活になじみにくく、
小学校入学後は読み書きが苦手という特性が現れた。
漢字の書き取りは
何時間かけてもノートのマス目に入らず、
音読はたどたどしい。
しかし、
母親が読み聞かせると内容はすんなり理解できた。
算数の文章問題も読み上げてもらえば、
すらすら解けた。
小3だった2013年、
IT機器を活用した学習方法などを学ぶプロジェクト
「DO-IT Japan」
(東京大先端科学技術研究センター主催)
に参加した。
夏休みに東京で開かれた小中学生向けプログラムで、
機器を使って授業を受けた。
タブレット端末が文章を読み上げてくれ、
黒板はカメラで写し、先生の話はICレコーダーで録音する。
自らの困難に自覚がないまま参加した潤樹さんだが、
「苦手なことがたくさんあって嫌になることがあったけど、
大丈夫だと分かった」
という。
主催する同センターの教授が小学校を訪れて後押ししたこともあり、
小4の時は授業でパソコンを使えるようになった。
すると、一言二言しか書けなかった作文がすらすら書き上がり、
コンクールで入賞した。
潤樹さんは「僕はばかじゃなかったんだ」と喜んだ。
ただ、担任が替わるとパソコン使用が制限された。
パソコンを使うと「ずるい」と責めるクラスメートもいて、
学習がままならなくなり、
不登校になった。
機器使用などが認められた中学では一転、
数日しか休んでいない。
成績はトップクラスといい、部活動や体育も全力で臨む。
好きな生き物の研究にも力を入れ、
研究成果は専門家に交じって専門誌に掲載された。
文部科学省は、
情報通信技術の活用は発達障害などで
学習に困難を抱える子どもたちの可能性を高めると期待し、
「通常学級でも必要なこと」とする。
竹中中の生野校長は機器使用について
「一人一人に合わせて対応したい」とするが、
同中は生徒数25人で、
校区外からの通学を認める
市内唯一の小規模特認校の中学校でもある。
市教育センターは
「1人だけに機器使用を認めるかどうかは、
集団生活なので他の子どもへの影響も考える必要がある」
とし、
一律に認められるかは不透明だ。
潤樹さんの母親は
「パソコンなどの支援機器を使えば、
勉強が楽になる子はもっと多いはず。
子どもたちのありのままを受け入れて伸ばす環境が
小中学校に広がれば」
と願っている。
=2017/07/27付 西日本新聞朝刊
https://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/346191/
=
パソコンとノイズキャンセリングヘッドホンを使って
数学の授業を受ける甲斐潤樹さん(左)
今では、小学校からでもパソコンの授業が入ってきています。
ただ、授業数が少なく、
他の科目に重視する傾向が強いようです。
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