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私の弟は、中度の自閉症と軽度の知的障害を持っています。
私が小学5年生の時に、
弟は私と同じ学校の「特別支援学級」に通い始めました。
当時、私は自分のことを「きょうだい児」だとは思っておらず、
歳が離れていることもあり、
弟ととても仲が良かったと思います。
私が初めてきょうだい児であると自覚したのは、
弟が入学してから1カ月ほどたった頃。
家庭訪問の予定表に
兄弟姉妹のクラスが一緒に書かれていたのです。
特別支援学級に通う弟のことが、
クラス中に伝わりました。
あまり話したことのない男子に
「お前の弟、障がい者なん?」
と聞かれたことを、今でも覚えています。
登校中に弟が動かなくなってしまい、
面倒を見ていた私も一緒に遅刻したことがあったのですが、
教室に着いた途端
「お前も障がい者だから時間が守れないんだ」
と笑われました。
クラスでの居心地が悪くなっていくのは、
弟のせいだと思いました。
それ以来、学校でも家でも、
弟とできるだけ関わらないようになりました。
弟と血がつながっている事実すら嫌になって、
異母姉弟だとうそをついたことさえあります。
クラスでのことは、
両親には全く相談しませんでした。
弟が入学する前、両親から
「弟と一緒の学校でもいい?」
と聞かれていたので、
「弟と同じ学校でいいと言ったのは自分だ」
という意識がありました。
両親に相談したら困らせてしまうと思い、
相談できませんでした。
しかし、私が体調を崩して不登校になり関係が変化しました。
学校に通えないことを負い目に感じている私に対して、
弟は弟なりに気遣ってくれたのです。
弟は私に全く否定的な言葉を言いませんでした。
そんな弟の優しさに救われました。
そうして弟の努力家なところや謙虚なところなど、
次第に長所を見つけられるようになりました。
知的障害があるにも関わらず毎日机に向かって努力していたり、
その努力を自慢しなかったりするところを尊敬しています。
今振り返ると、
私は弟の「障がい」の部分に
フォーカスしすぎていたのだと思います。
いつの間にか弟の他の個性を忘れてしまっていました。
歌がうまくて、力持ちで、なによりとても優しいのです。
私はある事情から黒い服にトラウマを持っているのですが、
それを知っている弟は自主的に学ランを隠してくれ、
そんなところに優しさを感じます。
今は、家で一緒に勉強をしたりボードゲームをしたりしています。
弟の服のおさがりを私が着ることもよくあります。
これから先、私はまた
きょうだい児としての悩みを持つことがあるかもしれません。
それでも、弟には弟の長所があることを決して忘れずに、
助け合える関係でいたいと思います。
高校生新聞社
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