naruto-hinataのPhoto&Cinemaブログ

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2022.02.18
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カテゴリ: 映画批評
「ドライブ・マイ・カー」


やっと観た「ドライブ・マイ・カー」
約3時間にも及ぶ長編映画だが、時間をもて余すことはなかった。
全編日本語、英語、韓国語、そして手話などを交えた会話で進行する"多言語劇"が面白いし、バックに音楽は流れない。
それがかえって、画面に引き込ませる効果を持っているのかもしれない。
少なくとも安っぽさは微塵も感じなかった。

プライドなのか、気弱なだけなのか、、妻との一見幸せそうな生活を味わっているようだが、実は妻は自分以外の男とも、、、
しかもその事を何事も無かったようにいなしてしまう演出家の夫。
そのことは脚本家である妻もわかっていて、徐々に破綻に向かいそうな兆しが出たときに、妻は急死する。
やり切れない気持ちで、広島に出向いて依頼の舞台を演出する所から本格的に話はすすむ。
その舞台には、性格破綻者で、元妻と関係のあった俳優も参加することとなる。というか夫が彼を配役に選んだのだけど、、
そして舞台稽古場と車で1時間ほど離れた宿との往復は主催者側に雇われた若い女性ドライバー(無愛想)。
主な登場人物はこんなものだが、その俳優たちが、なかなかハマった演技をしていたと思う。
劇中劇では、あの「ゴドーを待ちながら」とかチェーホフの「ワーニャ伯父さん」などが登場するが、その辺りに疎い私でも違和感は感じなかったし、むしろ現実と劇の絡ませ方がとても上手くいっていたように思う。
「語り」中心の映画は新鮮ではあるし、そのことで観客に"感じること"を求める挑戦映画でもある。
また、SAAB 900ターボを広島から北海道まで走らせるのは、途中で壊れないか正直ハラハラした。

原作が村上春樹というのが、海外受けもいいだろうし、映画の内容も素晴らしい出来だった。
そういう意味では、「今年ベスト!」でもおかしくないのかもしれないが、なぜか私は昨日観た「HOME STAY」の方が好きだよ。
評点:79点(もちろん暫定です)

追記
主役の一人となる女性ドライバー役の女優さんが私の大好きなTVドラマ「鈴木先生」の樺山役の女の子だとは、全く判らなかった。ただ、今更ながら酢豚が大好きな樺山さんを好演していたことを思い出す。
このドラマからは土屋太鳳、北村匠海、松岡茉優など立派な俳優さんが育ったが、彼女もその一人だったとは、、
また、彼女は歌手でもあり、「天気の子」で紅白歌合戦にも出演しているマルチ俳優です。
https://www.youtube.com/watch?v=XGDF6oBgf0w

https://www.youtube.com/watch?v=0JuI1v1eIuM

再追記
この映画で気になる部分は幾つかあるが、基本的に素直にみれば"腑に落ちる所"は多い。
ただ、ラストがなぜ韓国?
そして赤いSAABとペットの犬は?
・両親もしくは母が韓国出身で自分も親の出身地で再出発したかった。(多分、これが妥当)
・元々この映画は韓国ロケをふんだんに使う予定だったがコロナで断念したので、せめてラストだけは韓国で、、、妥協の産物。(身も蓋もない)
・家福は緑内障でいずれ車の運転が困難になるということで、SAABをみさきにプレゼントした。
・家福とのドライブや会話した思い出がみさきの生きる糧となったので、同じ赤いSAABをみさきも購入した。
・家福も韓国で劇場公演をしており、車は家福のSAAB。(可能性は低い)
・ペットの犬は広島の夫婦があまりにも素晴らしく、彼らの飼っている犬をみさきも欲しくなった。(多分
そうだと思う)





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最終更新日  2022.02.26 11:49:45
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