テレ東番組「ワクチン普及は陰謀」 ゲイツ氏「全く逆」
朝日新聞デジタル
米マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏が取り組むワクチン普及活動を、テレビ東京のバラエティー番組が「世界人口管理の陰謀」であるかのように紹介したことに対し、日本マイクロソフトは同局に協議を申し入れた。ゲイツ氏も「事実は全く逆だ」としている。
番組は11月2日放送の「やりすぎ都市伝説スペシャル2012秋」。典拠不明のうわさを「都市伝説」として紹介するバラエティーで、案内役のタレントが「ビル・ゲイツが人類に仕掛けている恐ろしい計画がある」「ワクチンを使って世界の人口を調整しようとしているといううわさがある」などと約12分間放送した。「妊娠抑制ワクチンは可能」と語るワクチン反対派のインタビューや、「子孫を残せなくなってしまうのか」とのナレーションも流した。
だが、ゲイツ氏夫妻の財団によると、財団は2000年から世界の子ども3億3千万人にポリオや肺炎などのワクチンを接種する事業に協力し、550万人の命を救ってきたという。
ゲイツ氏は朝日新聞の取材に「ワクチンへの誤解を解消できれば何百万人もの子どもの命が救える。視聴者に事実を知ってほしい」とコメントした。日本マイクロソフトも「誤解を招くような内容が多く含まれ、大変残念だ」とし、テレビ東京に11月下旬、協議を申し入れた。12月に入り同局から「再放送やDVD販売の際に削除する」と回答があったという。
番組最後に 「話はあくまでも都市伝説です」
のテロップを映すが、フィクションだとは説明していない。今回の放送後、ツイッターやブログでは「不妊になる」との誤った理由で子宮頸がんワクチン接種拒否の呼びかけが相次いだ。医療関係者から「がん予防を妨げる」との批判が出ており、陰謀論に詳しいSF作家の山本弘さんは「バラエティー番組として限度を超えている」と話す。
テレビ東京広報部は「都市伝説を芸人が話術で表現する手法は、視聴者に一定の理解を得ている。指摘は今後に生かしたい」としている。
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