◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 0
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 0
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆. 0
.◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 0
全97件 (97件中 1-50件目)
商品を見る→快楽主義の哲学:澁澤龍彦 726円人間の生活には、目的なんかないのです。食って、寝て、性交して、寿命が来れば死ぬだけの話です。誰かにそんな風に言われると辛い時でも、生きていくのが恐くなくなるような気がする。『快楽主義の哲学』は私が生まれる10年以上前に発行された本ですが今読んでも面白く、特に気分が落ち込んだ時には笑える部分もあって気分転換になる。タイトルに哲学なんて言葉が入っているけど、有名な哲学者の言葉も分かりやすく説明してくれていてとても読みやすい。ソクラテスがめちゃくちゃにけなされていてそれが面白かった。著者の博学に圧倒され多才ぶりに敬意を表し、かっこ良さに惚れた。私はこういう軽い言いまわしが好きだし小むずかしいのが苦手な私にはこういう類が性にあう。でも若い時にがっつりと澁澤を読んだ人たちはこの軽い口調に違和感を持つかもしれないですね。自分の生き方に迷い悩んでいる人にとって『生きることに意味なんていらない』のひと言が救いになるのではないでしょうか。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2024/04/14
コメント(26)
商品を見る→国家の品格 藤原正彦 836円『国家の品格』の著者、数学者の藤原正彦さんが好き。新聞で彼の名前を見つけると切り抜いて何度も読み返す。新田次郎と藤原ていの血筋からか文章が簡潔で適度にユーモアがあり、とても読みやい。『国家の品格』では数学者である著者が「論理よりも情緒が大事だ」と論じており情緒を育む形が武士道精神だ。今の日本はこれが廃れてしまったと言っている。彼の考えに違和感がある人がいるかも知れないが私が保守的なのかそれとも剣道一家の人間だからなのか共感できることが沢山ある。彼は『弱い者がいじめられているのを見て見ぬふりをするのは卑怯だ』と父親から常に言われていたので弱い者いじめを見たら身を挺して助けに行ったという。父の教えが良かったのは『それには何の理由もない』『卑怯だから』でおしまいだったことで藤原氏は、ひたすら父の教えを守ったという。卑怯を憎む心をきちんと育てないといけない。法律のどこを見たって【卑怯なことはいけない】なんて書いてない。だからこそ重要なのだ。という彼の言葉に深く頷いてしまう。『卑怯を憎む心』を多くの日本人がもてば、世の中は変わると思う。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2024/03/23
コメント(57)
商品を見る→真昼の悪魔 遠藤周作 605円暖かいカーディガンを羽織り好きな本を広げるだけで幸せな気持ちになれる。今読んでいるのは遠藤周作の【真昼の悪魔】遠藤周作さんの小説には珍しいミステリーで背中がぞくっとする怖さだ。主人公は優秀な成績で女子医大を出た、若くて美人の女医。彼女は中学生の頃から胸に巣くう空虚感が消えず恋愛の真似事をしても酔うことができない。何が善で、何が悪か実感を持ってつかむことができない彼女は世間が悪と見なしている行為をしてみて良心の呵責という痛みを感じるかどうか自分自身の心を実験してみる。その方法がね・・・おぉー、こわ!実験用のハツカネズミを掌で握り殺した彼女は入院中の知恵遅れの男の子に同じことをやらせて自分の手でハツカネズミを殺す快感を植え付けてしまう。そして、ハツカネズミにやはり知恵遅れの女の子の名前を付けてしまい・・・『京子ちゃんが動く、動く・・・動かなくなった手を開いてごらん、動かなくなっているね、京子ちゃんが面白いでしょう・・・』これからどうなるのか?おぉ、考えるだけで武者震いするような怖さだ。美しく優しい面を見せながら氷のように冷たい心を持つ女医。どんな人間にもこういう一面がどこかに潜んでいるのだろうか? ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2024/03/14
コメント(28)
商品を見る→デカ文字文庫 森鴎外 高瀬舟 638円私は森鴎外の高瀬舟を時々思い出したように読む。島送りになった罪人の喜助と、護送する同心の庄兵衛。ふたりが高瀬舟の上でしみじみとした会話をする場面が好きなのである。弟殺しの罪で島に送られる喜助はこれまでの貧しい暮らしと決別できると顔をほころばせ遠島を申し渡された際に与えられた二百文の鳥目をふところにした幸せを同心の庄兵衛にしみじみと話す。喜助の弟は病気で働けず、兄の負担になることを苦にして剃刀で自害するのだが死にきれずに『待っていてくれ、お医者を呼んでくるから』という兄の喜助に『医者が何になる、ああ苦しい、早く抜いてくれ、頼む』と剃刀を抜いてくれるよう兄に懇願する。弟はかみそりを抜いてくれたら死なれるだろうから抜いてくれと言った。喜助は弟の苦しむ姿を目の前にして、苦しみから救ってやろうと思って剃刀を抜き死なせたのである。『これが果たして弟殺しというものだろうか人殺しというものだろうか』同心の庄兵衛は本当に弟殺しと言えるのだろうかと思えてならない。弟はかみそりを抜いてくれたら死なれるだろうから抜いてくれと言った。それを抜いてやって死なせたことで弟を殺したといわれる。早く死にたいといったのは苦しさに耐えられなかったからである。喜助はその苦を見ているに忍びなかった苦から救ってやろうと思って剃刀を抜いたそれが罪だろうか。鴎外はこの小説で『安楽死や自殺幇助は罪なのだろうか』と疑問を投げかけておりそれを同心の庄兵衛の感慨として書いている。安楽死については議論があるところだ苦しむ弟を楽にしてやったと喜助は自分を納得させていた。はたして、もしもこの場面に立たされた時私は、そして他の多くの人々はどうするだろう・・・●高瀬舟を耳でも楽しんで下さい● ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2024/01/06
コメント(22)
商品を見る→一房の葡萄 462円日本の名作を読むと日本語は美しいなあと改めてそう思う。有島武郎の『一房の葡萄』も子供向けの短編だけれど何回読み返しても物語と同じくらい言葉の美しさに感動する。子供を対象に書かれた作品でも優れたものは年代に関わらず深い余韻を残してくれる。子育て中のお父さんとお母さんそして子供達と毎日接している先生などきっと一度はこの作品を読んたことがあると思う。絵を描くのが好きな主人公の少年は自分の絵の具ではどうしても目で見たままの景色が描けない。級友のジムが持っている西洋絵具さえあればうまく描けるのにと、羨ましくてたまらない。ある日、誰もいない教室でジムの持っている藍色と洋紅色の絵の具を盗んでしまう。しかし、すぐにジムやクラスメイトに知られて大好きな先生の前に突き出されてしまう。先生は少年を叱らずに静かに諭し一房の葡萄を与えて明日は必ず登校するように言う。次の日、憂鬱な気分のまま少年は登校する。すると、待ちかねていたようにジムがやってきて少年の手を握ると、昨日のことは忘れたかのように親切に先生の部屋まで連れて行く。キツネにつままれたような少年。先生はにこにこしてこう言うのだった。『ジム、あなたはいい子。よく私の言ったことがわかってくれましたね。ジムはもうあなたからあやまって貰わなくってもいいと言っています。二人は今から、いいお友達になればそれでいいんです。二人とも上手に握手をなさい』そう言って先生は一房の葡萄を二つに分けそれぞれの手に持たせてくれた。このお話を読むと色が見えてくる。西洋絵の具の藍色、洋紅色。そして先生の白い手に乗るむらさき色の葡萄。どの色も鮮やかに目に浮かんできて映像はなくても登場人物の姿まで見えてきます。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/12/29
コメント(46)
商品を見る→唯川恵:永遠の途中 660円広告代理店に勤める薫と乃梨子は同期入社の総合職。薫は結婚退職して主婦として乃梨子はキャリアウーマンとしての道を歩み始める。同じスタートだった2人の女性が結婚で少し違った人生になっていくことから始まる作品はふたりの27才から60才までの生き方が描かれている。主婦の薫は自分があんなふうにバリバリと仕事ができればいいのにと独身の乃梨子を羨みキャリアウーマンの乃梨子は好きな人の帰りを待つ人生が選べたらと主婦の薫を羨む。仕事を選んで独身で生きる女と家庭を選んで主婦として生きた女の対比で構成されている。『安定した生活で幸せだけれど物足りない』『仕事が好きで充実しているが孤独』お互いを少し羨ましく思いかつ相手に対して優越感もある。多かれ少なかれ感じたことがある女は多いと思う。女にとってどちらの人生が幸せなのかなんて感情移入しながらどの世代の女性でも面白く読める本だと思う。親友でありながら相手を妬んだり、同情したり、優越感を感じたりする。私にもそういう気持ちがよく分かる。親友というのは、すごく理解しあっているようでホントのところでは理解しあえていない部分を理解しようと努力している関係なのかも。ふたりの生き方や葛藤が年齢と共に変化していく様子もおもしろくて共感を覚えるのだけど薫の娘、紗絵も仕事か?結婚か?の二者択一で迷うのは違和感ありです。薫と乃梨子とは違う新しい生き方を提示して欲しかった。女にはもっと違う道もあるでしょと思った読者は沢山いたと思う。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/12/13
コメント(32)
商品を見る→夏目漱石 こころ 407円今日は『漱石忌』ですね。12月9日は、夏目漱石が亡くなった日であり俳句の世界では『漱石忌』は冬の季語になっています。明治から大正時代にかけて活躍した夏目漱石の代表作は『吾輩は猫である』、『坊っちゃん』など馴染みの深い小説がありますが私が一番好きなのは『こころ』です。これは中学生の時の『こころ』の読書感想文です。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・先生は学生の頃、信頼している叔父に裏切られて財産を取られてしまった。そのことで、人間そのものへの猜疑心を持ち一種の神経衰弱になってしまった。いつの時代にも、裏切りや背信行為は日常的に行われている。だから、たった一度の裏切りによって、『彼らが代表している人間と言う者を一般に憎むことを覚えたのだ』という程の人間不信に陥ったのは先生が潔癖な理想主義者だったからではないかと思う。私がもし、信頼している人間に裏切られたら先生と同じように人間不信に陥るのだろうか。新聞紙面を賑わしている政治家の裏切りよりも信頼している身内や友人の裏切りの方が我々にとってはむごい仕打ちと言えるのかも知れない。先生の人間不信は、【初対面の時から人を信用する】下宿の奥さんとお嬢さんによって一度は拭われた。ふたりは、先生の疑い深さに最初から取り合わなかったので神経がだんだん静まってきたのである。先生はそのお嬢さんに対して、ほとんど信仰に近い愛を持っていた。先生は苦学生の友人Kを下宿に連れてきて同居を始めた。抽象的な学問の世界のみを追求するKは精神的な向上にすべてをかけることによって自分の生きる証と誇りを持続している。Kは手首に数珠をかけ、親指でひとつ、ふたつと勘定する。輪になっているものを一粒づつ数えてゆけばどこまでいっても終局はない。この情景は、精神的向上を志向するKの内面の象徴でもある。Kの禁欲的な姿勢は先生以上であった。数珠の珠をを無限に数え続けるというKの世界を少しでも知りたくて、私もその真似をしてみた。無言で数珠をつまぐっていると、自分の気持ちが内へ内へと向かっていくように感じられた。Kの関心はすべて自己へ向かっていたが、もしかしてこの性癖がそれを助長していたのではないだろうか。Kが下宿先のお嬢さんに恋をしたときKは自分がこれまで否定してきた弱い人間であることを自覚したのだと思う。若い男性が、女性に興味を持つのはごく自然なことだ。しかし、禁欲的な理想主義者で世俗的なものを拒否しているKにとっては異性に惹かれること自体が挫折だったのだと思われる。自分の内面をさらしたことのないKが『お嬢さんのことを好きだ』と先生にうち明け自分の弱点をさらけ出して先生の意見を求める。しかし、先生はKを裏切ったのである。先生は仮病を装って奥さんと二人になる機会を作りKを出し抜いて結婚の申し込みをした。Kは奥さんの話によって先生の裏切りを知りその二日後に自殺をした。Kが残した遺書を見れば明らかなように友人の裏切りや失恋が、根本的な自殺の要因となった訳ではない。精神主義を貫徹し得なかった無力感と空虚の意識そして人間に対してあらゆる面で絶望したからだと思う。Kは小さなナイフで頸動脈を切ってひといきに死んでしまった。モノクロ映画のように静かな物語の中で闇夜に迸ったKの血潮にだけ色を感じた。唐紙の血痕、そして、Kの首筋から一気にほとばしった血潮は無彩色の風景の中で、そこだけが真っ赤に見えたのである。人間の血の勢いの激しさに驚いた先生はこの時、自分の運命の恐ろしさを深く感じたのではないだろうか。お嬢さんを手に入れることは先生に至福の状態をもたらす筈だった。しかし、思いが叶って彼女を手中にすると夫婦生活には黒い影がついてまわった。お嬢さんを奪ったあげく自殺に追いやったKの黒い影である。先生は自らの生涯を『私』という学生に宛てた手紙の遺書によって告白し、自分の命を絶った。先生は、罪と良心の間の葛藤に苦しんだあげく最終的な償いとして自殺を選んだのだろうか?『Kの歩いた道をKと同じように辿っているのだという予覚』を持ちつつ、Kに殉じたのだろうか?私は、先生の自殺はKを死なしめた罪悪感からではないと思う。結局、Kも先生も孤独の果てに死を選んだのだと思った。それは、ひとりぽっちの孤独ではなく人間が生存していること自体による理由のない孤独なのだろう。『さびしい、さびしい、さびしい』と、二人の悲鳴が聞こえるような気がする。Kと先生にとって死ぬことは安息だったのではないだろうか。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/12/09
コメント(31)
商品を見る→大人の流儀 1026円伊集院静さんの訃報を知って真っ先に思ったことは彼が新聞紙上で書いていた新成人に送るメッセージが読めなくなる寂しさだった。成人式と社会人一年生のスタートの4月1日にはイラストレーター・長友啓典氏とのゴールデンコンビによる若者へのメッセージが掲載されるので私は必ず、そのメッセージを切り抜きしていた。伊集院静のエッセイ集『大人の流儀』も大好きでした。ストレートにグイグイ押してくる痛快さが私の性にあっていて、好きな箇所にタックシールを貼って何度も読み返していたのです。『大人が人を叱る時の心得』若い人、新人・新入社員・見習いなどには遠慮はいらない怒りなさい、叱りなさい、どやしつけなさい言い方に気を配ることなどさらさら必要ありません。自分の言葉で、ダメなものはダメだと言いなさい。ホントその通りですダメなものはダメと言い切れる男が減ってるから好き勝手する人が増えてるのかもたしかに一理ありますね。春・夏・秋・冬と4つの章に分かれていて最終章では死別した夏目雅子さんとの想い出を書いている。これまで夏目雅子さんについて書いてこなかった伊集院氏が愛する妻が亡くなってから25年目にしてやっと書いた手記だ。出会い、闘病、死別について書かれた文章は普段は他人に見せない伊集院氏の優しさが出ていて心を打たれた。親しい人の「死」というのはどこか自分の力が足りずに死なせてしまったと悔やむ人が多いはず…と文中にあった。最後に映画の台詞を引用して、大事な人を亡くされた人へのメッセージで結ばれていた。『あなたはまだ若いから知らないでしょうが哀しみにも終わりがあるのよ』この言葉に救われる人は多いでしょう。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/11/30
コメント(32)
商品を見る→ちきゅうはみんなのいえ 1430円地球が誕生してからの46億年を1年に例えて1月1日午前0時に地球が誕生したとすると最初に生命が誕生したのが3月下旬恐竜が現れたのが12月半ば人間の祖先が生まれたのは12月31日の午後11時37分人間が文明を持ったのは12月31日の午後11時59分人の生涯は0.6秒だそうです私たちは地球にとって新参者ってことになる訳で大宇宙の中の小さな地球で人間の一生なんて1秒にも満たないことを知った。そんなガラにもないことを思った理由は『ちきゅうはみんなのいえ』という絵本を読んだせいかも。『ちきゅうはみんなのいえ』は、豊かな自然に恵まれた地球をひとつの大きな家に見立て地球は決して人間だけのものではなくともに生きるみんなのものと私たちが仲間とともに生きていることの大切さを教えてくれる。雨・太陽・土・風・空・星・月すべてのものが美しく表現されていてみんな仲良く住んでいる姿がとてもいい。自分達の大切な家である地球を大切にしたい絵本を読んでもらった子供はきっとそう思うだろう。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/11/27
コメント(36)
商品を見る→夫のちんぽが入らない 660円『夫のちんぽが入らない』は主婦ブロガー・こだまさんの実体験を元にした私小説。衝撃的なタイトルに驚かされますがエロスは一切なく壮絶なエピソードが淡々と綴られている。彼女は先輩と付き合うが初めてベッドを共にしたとき彼のちんぽが入らなかったのである。初体験の相手とは問題なくできたのに。オイルを塗っても激痛が走りシーツが血まみれになるのでどうしてもダメ。それでもいつかは入るという願いを込めて彼女は先輩と結婚する。しかし、それは壮絶な結婚生活の始まりだった。夫は風俗に、彼女は不倫に走るなど悩み苦しみ困難に直面する夫婦。しかし、最終的には2人だけの夫婦のかたちを見つけだしていく。普通の人が普通にできることが出来ないことに苦しみながらやがてありのままの自分を受け入れ性的な繋がりを求めないことで夫との強い絆を深めていく自分の生き方・家族観を見つめ直すきっかけになりありのままの自分を受け入れることなどこの本は多くのことを教えてくれる。この本のタイトルから性の話を描いていると先入観を持っている方がいましたら作品を読めばそういった誤解は溶けますので多くの人に読んで欲しいと思います。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/11/02
コメント(28)
商品を見る→伊集院光【のはなし】 328円伊集院光【のはなし】シリーズがオモシロ過ぎる。ベットに入って2~3編読んでから寝ようと思うんだけどついつい、あとひとつ、あとひとつ、って止まらなくなってしまう位吹き出してしまうような可笑しさがある。ラジオ番組【深夜の馬鹿力】を聞いて彼のファンになった。テレビに出ている伊集院しか知らない人は『雑学に強いデブ』くらいに思っているだろうがラジオではテレビの世界では見せない変人ぶりをいかんなく発揮してその話の面白さは売れっ子の漫才師の比ではない。エッセーでは、ラジオの毒は多少抜けているけれど彼の変人ぶりは健在だし高校中退のブスのデブというコンプレックスを逆手にとった話の旨さは三遊亭楽太郎の弟子として落語家修業をしていたからだろう。例えや比喩の面白さはピカイチなのだ。しかし、テレビで伊集院を見るたびに思う。オイオイ、こんなに善人ぶっちゃってさラジオの中の屈折した人格はどこに置いてきたんだよ?一番好きなのはジャイアント馬場のエピソード。伊集院が落語家の修行をしていた時師匠のお使いでジャイアント馬場さんのオフィスに伺うといきなり『・・・足・・・でかいな・・・』と言われ伊集院が『31センチ』と答えると『靴、たいへんだろ』と言った馬場さんがどこかへ電話。『もしもし馬場だけど、1足お願いしたいんだ。黒の革靴31センチ』馬場さんは初対面の伊集院のために靴をオーダーしてくれたのだ。1ヵ月後にできあがるから取りにいきなさいと地図を渡してくれたのだがオフィスを出て地図をみると、目印が空港になっている。あれれっ??と思って地図をよくよく見るとなんとオーダーしてくれたのはハワイの靴屋で、目印はホノルル空港だった。馬場にとってすぐそこの行きつけの靴屋はハワイにあった。結局、師匠の三遊亭楽太郎さんがハワイに旅行に行ったついでに取ってきてくれたのだが馬場がお金をだして、師匠が取りにいってくれた靴はまぶしすぎていまだに履いていないという。小学生の伊集院が水泳の試験に挑む際、どうしても息継ぎができず「出来ない息継ぎを練習するより、息継ぎなしの限界を突破する」と考え、ついに呼吸なしでの25mを達成した話も好き。私も小学校の水泳の授業はスイミングに通っている子との差が大きくて大嫌いだった。伊集院も私も同じような経験をしているのだけどこの手の話も伊集院の手にかかるとこんなにおもしろくなる。書き手の力量と言われればその通りなのだけど伊集院独自のフィルターを通して見る世界感に引きこまれてしまうのだ。自分を『ダメ人間』と思いこんでいる伊集院のネガティブな視点で見る日常はなんてことないワンシーンまでが、豊かでおもしろい。テレビの伊集院光しか知らないなんて、勿体ないですよ~さらっと読んで、思わずクスッとさせてくれるエッセーは何度も読み返したくなるハズです! ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/10/07
コメント(40)
商品を見る→私以上でもなく、私以下でもない私 376円在日韓国人3世の朴慶南(パクキョンナム)さんの『私以上でもなく、私以下でもない私』は、私自身もこれからどうやって生きていけばいいのかを考えさせてくれた珠玉のエッセー集だ。自分を誰かと比べて上にも下にもなることはない。自分は自分のままであるだけで良い。自分に自信をなくした時今のままでいいんだよと、誰かにそう言ってもらうと不思議なもので肩の力がスーッと軽くなる。本の中の逸話で一番好きな話は著者の友人で、養護学校の教師をしている女性の体験。JRの車内で乗客に暴力を振るっているヤクザ風の男性を止めようとして彼女は『大丈夫、怖くないからね』と男を抱きしめた。彼女が抱きしめたのは、殴られている乗客ではなく殴っているヤクザ風の男性の方である。すると、50代とおぼしき巨漢のその男性は声をあげて泣き始めたというのだ。その養護学校の教師は『養護学校で不安や悲しみがあると暴れる生徒と暴れているヤクザが重なって見えた』と朴慶南に語ったという。この、ドラマのような逸話を読んで私もボロボロと泣いた。このくだりは何度読んでもボロボロと涙が出てしまう。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/09/21
コメント(31)
商品を見る→橋ものがたり 2640円藤沢周平の『橋ものがたり』を読んでいる。収録されている10篇の中でも『約束』は傑作中の傑作だと思う。この物語を読むのはもう3回目になる。奉公している幸助のもとに幼なじみのお蝶がたずねてきたのは五年前のこと。お蝶は深川に引っ越すからと別れを言いに来たのだ。その時に五年たったら萬年橋で会おうという約束をした。幸助は16歳、お蝶は13歳だった。「約束」だけを心の支えに五年の歳月を送った二人にようやく再会の日が訪れる。しかし、お蝶は暮らしのため家族のために身を売っていた自分を恥じ萬年橋に行こうとしない。幸助に会えば5年の間に汚れてしまった自分を見せることになる。そんなお蝶の気持ちが哀れで私の心まで激しく揺さぶられてしまう。しかし最後には出かけて行きふたりが逢った時の会話がすばらしい。江戸の庶民が必死に生きていく姿の健気でまっとうな生き方はとても美しい。藤沢作品はそのへんの描写がうまいので読み手の琴線に触れるのだ。一夜明けて・・・会えただけで幸せだったと自分に言い聞かせるお蝶だが心の中は何かがぽっきりと折れてしまった。その時「入っていいかね」と朝の光の中で幸助が微笑して立っているのである。いいなあ、女としてこんなに嬉しいことはないよね。相手の過去をすべて受け入れる覚悟の幸助の愛情が感じられてこの物語の中では、この場面が一番好き♪とにかく二人はもう離れちゃいけないんだ・・・幸助の言葉を聞いて台所に姿を消したお蝶だがなかなか戻ってこない。幸助が声をかけようとしたとき、お蝶の忍び泣く声がした。声は、やがてふり絞るような号泣に変った。とにかく、『約束』は最後がいいんです。幸助って、『ヨッ!男だねぇ』と思わず肩を叩きたくなるようないい男。イメージからすると、うんと若い時の高倉健かな幼なじみものって、泣けますねぇ・・・ ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/09/06
コメント(28)
商品を見る→寝る前に読んでください 660円まとまった時間が取れずに細切れの時間で読むにはエッセーのように、短い文章のものがいい。黄色い羊のイラストが可愛い表紙の佐藤光浩さんの『寝る前に読んでください。』は心がほっこりするような実話を世界中から集めた本です。毎日数話ずつ読んでいますが、読み終わると優しく穏やかな気持ちになれるので子供たちが訳のわからないワガママを言ってもキーキーしません100万分の1の確率といわれる臓器移植が適合した奇跡のカップル。行方不明の赤ちゃんを救ったネコたち。喜劇王チャップリンが残したポジティブな名言。自らの命を犠牲に少女に救命胴衣を譲った宣教師。クリスマスツリー誕生に秘められた温かいエピソード。どのお話しも思いやりと優しさに溢れていますが私が一番好きな話は強盗に襲われた男性と強盗をした少年とのエピソード。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ナイフを突きつけられて財布を奪われた男性は逃げていく少年を呼び止め『これを着ていたほうが暖かいよ』とコートを渡す。さらに男性は少年を食事に誘うのだが男性に興味を持った少年は好意を受け入れてふたりは一緒に食事をし、楽しいひとときを過ごす。食事が終わり支払の時になって男性が『財布を返してくれたら僕が君におごることができるんだが』というと、少年はあっさりと財布を返した。支払を済ませた男性は20ドル札を出して少年の手に握らせる。そして『これと引き換えに、君の持ち物をひとつ僕にくれないかな。そう、あのナイフがいいんだけれど』という男性に少年は素直にナイフを渡したという。本の最後に収録されているこの実話を読んでワルのレッテルを貼られている人にこそこうした接し方をすることで生き方を変えることができるんじゃないかと思った。このお話は何度読んでもボロボロと涙がでてしまう。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/08/24
コメント(22)
商品を見る→驟り雨・はしりあめ 737円藤沢作品の長編小説では「蝉しぐれ」が有名ですが彼の短編も心に浸みる秀作が多く『驟り雨・はしりあめ』も大好きな作品です。嘉吉は数年前に愛する女房とお腹の子を一度に失ってから自暴自棄になり、幸せな者を恨むようになった。心の奥に暗い怒りをかかえて幸せそうな家に忍び込んでは金を盗むようになる。小やみなく降る雨の夜通り向いの大津屋に忍び込む機会を窺いながら神社の軒下で雨宿りをしている嘉吉。その嘉吉の目の前に入れかわり立ちかわり雨やどりに来る人々・・・道楽息子と、その息子におもちゃにされているらしい奉公人の娘の二人連れや博打打ちがふたり来て、金を巡って取っ組み合いをしたり闇の中で、繰り広げられる人間模様をじっと息をひそめて聞く嘉吉。今度は小さな娘に抱えられた母親が雨宿りに入ってきたふたりの会話が切ない・・・女の亭主は、若い女を作って女房と子供を捨てて出ていった。残された病弱な母親は食べるにも困り家賃を払えない母娘はとうとう長屋から出ていくように言われる。ふたりは自分達を捨てた亭主に金の無心に行って追い返されての帰りだった。小雨になって神社の軒下から出ていくふたり小さな娘に手を引かれた母親は力つきたように膝をついて倒れる。嘉吉が駆け寄って助け、送っていくと言うのだが警戒した母親は嘉吉の申し出を断って歩きだすもののまたも跪いてしまう。嘉吉はむりやり助け起こして母親を背負い娘の手をひいて歩きだした。女房とお腹の子を亡くした嘉吉は以前にもこうして3人で夜道を歩いたことがあったのではないかという錯覚に陥る。『おれでできることなら助けになるぜ』という嘉吉の言葉に母親もいつしか嘉吉の気持ちを素直に受け止め背中に身を預ける。嘉吉は女の重さをしっかりと受け止めて3人で夜道を歩きながら盗みにはいろうと闇夜に息をひそめていたことなどすっかり忘れていた。もうすぐ夜が明ける・・・幸せを予感させるラストは、読んでいる者を嬉しくさせる。この不幸せな母娘のために真面目に働きだした嘉吉の姿が浮かんできてじんわりとしたものが胸に込み上げてきた。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/08/19
コメント(20)
商品を見る→愛と同じくらい孤独 328円2004年秋にフランソワーズ・サガンは69歳で亡くなった。『悲しみよこんにちは』は世界的なベストセラーだが私はインタビュー形式で自分の人生を語る『愛と同じくらい孤独』を何度も読み返している。古本屋で『愛と同じくらい孤独』の背表紙を見つけた時何かビビビッとくるものがあってつい手に取ってしまった。タイトルのセンスがいいのもサガンの詩的感性が素晴らしいからだと思う。『愛と同じくらい孤独』はサガンが四十歳の頃にまとめられたインタビュー集で、翻訳をされた朝吹由紀子さんは『悲しみよ こんにちは』を翻訳された朝吹登水子さんの娘さんです。私が持っているのは〔発行 1976.8.5:9刷 1976.10.10〕ですからたった2ヶ月でこんなに版を重ねたことになる。それだけ人気作家として注目を集め人気が高かった証拠だろう。心に響く言葉にマーカーを引いて時々そのページだけ読み返しているが年齢と共に深いなあと思える言葉とウーンちょっと違うかもと思わされる部分もある。彼女の正直でごまかさない告白は迫力満点の自伝といえるだろう。彼女は、40代半ば以降、金銭問題やアルコール依存、薬物依存で身体が蝕まれ、徐々に歩くことも困難になった。晩年のサガンがベッドの上で何を思っていたのかは分からないが自分の人生を悔やむことはなかっただろう。『年を取ると喜びは減りますが興味の方は深くなります年取ることを私は恐れていません』こんなことをサラリと言える大人ってやっぱりお洒落でカッコイイなあと憧れる。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/08/07
コメント(22)
商品を見る→わたしの出会った子どもたち 328円灰谷健次朗の『わたしの出会った子どもたち』は幾度となく読み返した本であるとともにほかの方にも『是非読んでみて』とお薦めしたい一冊です。この中に収録されている彼の17年間の教師生活の中で出会ったこどもたちの詩は感動させられるものばかりです。両親に捨てられた6才の子どもの作品を読んだ時は涙があふれて暫くの間読み進むことができませんでした。その男の子が学校から帰ったら家の中はからっぽで、両親は兄と弟を連れてその男の子を置き去りにして引っ越しをした後だったのです。ひとり残された子どもの絶望と悲しみは読んでいる者の胸の奥まで突き刺さりお湯のような涙がボロボロ流れて止まりませんでした。中には万引きした子も問題児と呼ばれる子もいますがその子たちの書いた詩があまりにも伸び伸びと表現されているのに目を見張る思いでした。その詩からは担任の灰谷健次朗に心を開いている子どもの様子が容易に想像できます。灰谷さんの、子どもや教育に対する考えや姿勢に共感し思わずハッとさせられる事もあり胸にズンとくる言葉が沢山あります。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/07/28
コメント(29)
商品を見る→三島由紀夫 肉体の学校 682円タイトルからは何やら隠微な物語を想像してしまいますが中年にさしかかった妙子が美形のゲイ・ボーイに心底惚れこんで恋のかけひきをするというようなお話です。裕福で自由な生活を謳歌している3人の女たちの月に一回の例会【豊島会】での話題は男の品定めである。主人公の妙子は旧華族の元夫人であるが上流社会に食傷気味。ある日話のネタに訪れたゲイバーで野性味溢れる青年「千吉」と出会う。妙子はこの美しい青年にどんどん引き込まれてゆく。三島作品で描かれる女性像は華麗でそのファッションを想像するだけでも楽しい。妙子のある日のファッションがすごい。灰青色の絹のブラウスに黒サテンの縁取りのシャネルスーツ。黒真珠のネックレスとブレスレット長手袋をひじまではめて、その上からダイヤの指輪をし黒エナメルのパンプスを履きシルバーミンクのストールをかけて香水をふりまいているというから実際にこんな女が歩いていたら口をあんぐりあけて見てしまうだろう。千吉のどこか憎めない少年のような粗暴な振舞いやはち切れそうなGパンの太ももの膨らみに命の輝きを感じて、彼に惹かれていく妙子。今までは自由に大人の恋愛を楽しんでいた妙子が初めて本気の恋をしたのだが千吉を独占したくなった妙子は・・・ ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/07/10
コメント(14)
商品を見る→直筆で読む 人間失格 3980円太宰治の『人間失格』が好き。私が好きな場面は「淫売婦」が登場するところ。葉蔵は「淫売婦」のふところの中でしか安心してぐっすり眠ることができなかったという。白痴か狂人のようにしか見えない「淫売婦」はもしかして男性の理想なのかな?なんてちょっと思ったりする。その白痴か狂人の淫売婦たちにマリヤの円光(母性)を見たのだから結局、男性が求めているのは母親なのかなあ?太宰ブームの中で私が一番興味を持ったのが直筆原稿を写真版で完全収録した『直筆で読む 人間失格』原稿用紙の太宰本人の訂正、書き込みのすべてが見られる。この傑作を太宰本人の筆跡によって味わうことができるなんて考えたこともなかった。ハッキリ言って字はヘタだし、原稿はきたないし抹消されてたり、ちょこちょこと書き足しがあったりだから本来の内容と比べてしまうと肝心のストーリーをそのまま楽しむことはできない。商品を見る→直筆で読む 人間失格 3980円太宰がどこで悩んで書き直したのか分かるのが面白い。草稿に手直しされる度に葉蔵がより卑屈な人物像になっていく様子も興味深い。文字を書くことがイコールキーボードを叩くことになってしまった現在は文章を書くという意味あいが手書きの時代とは変わってきたように思う。こんなデジタルな時代だからこそ直筆原稿の圧倒的な迫力に気圧され天才太宰も迷いながら原稿を書いていたことが分かり人間太宰が見えてきて、本当に面白い企画本です。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/06/22
コメント(0)
商品を見る→大人のため残酷童話 506円10年ぶりの最強寒波襲来で東京の我が家の水道も凍ってキッチンの水が出なくなった。本当に寒いです。亭主も子供達もワンコもこたつに入って動かなくなった。いつまでもダラダラとテレビを見ているのでお尻を叩いて二階に行かせるとここからが私の時間だ♪♪お風呂に入って温まったらワインとチーズを用意してこたつに入る。良く冷えた白ワインはフルーティな香りとスッキリした甘さで口当たりが良いのでクイクイッと喉を通り、すぐにほろ酔い気分になった。こんな時に読んでみようかなと思うのが倉橋由美子の『大人のための残酷童話』耽美で毒を含んでいてエロティシズムに満ちている。そして、ハッピーエンドでは終わらない残酷な結末。国内外のおとぎ話を風刺を効かせてアレンジした大人向けの童話は寒い夜に好きなお酒をチビチビやりながら読むにはピッタリ。でも、倉橋由美子のクセのある文体と不思議な世界観に拒否反応を示す人もいそう。毒のある話が好きな人に向いてる本かもしれないが毒気の抜けてる人には辛いかなあ・・・『大人のための残酷童話』は子供向けの童話を大人向けにアレンジしているので性的な描写も沢山登場する。ほろ酔いで読むと物語の世界にどっぷりハマってしまうかも。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2023/01/27
コメント(0)
商品を見る→大人のための残酷童話 506円私は倉橋由美子さんの『大人のための残酷童話』が好きで何度も読み返している。最初に読んだのは高校生の時。耽美なちょっと毒を含んだ文章と残酷な結末にハマリましたね。国内外の名作童話を風刺を利かせてアレンジした26編の短編集はエロチックで残酷で決してハッピーエンドで終わらない皮肉な結末。きれいごとじゃない童話ってこんなに面白いのねと夢中で読みました。難病である拡張型心筋症により69歳で没した彼女の遺作となったのは『新訳 星の王子さま』商品を見る→星の王子さま 倉橋由美子 517円この新訳は『大人のための…』と銘打ってあり童話としての「星の王子さま」の固定化したイメージとはひと味違う大人のために書かれた悲しい物語になっています。内藤訳を読んでいる人が倉橋訳を読むとその文体の簡潔さが新鮮だと思う。それって私だけかしら?中には深みがないと感じる人もいるかな?メルヘンチックな空気がなくなった分より大人向きの星の王子さまになっていて『大人のための残酷童話』にも通じる切なさが漂う翻訳は私好みです。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2022/10/22
コメント(0)
商品を見る→8050問題の深層 「限界家族」をどう救うか 880円『8050問題の深層 「限界家族」をどう救うか』を読んだ。高年齢ひきこもりに大きな注目が集まる今全国規模の調査・リポートをもとに親子共倒れから脱する具体的方策を提言している。現在、40~64歳のひきこもりは61万3千人と言われる。引きこもりをしていた当事者が老いて亡くなった親の死体と暮らしていたというニュースを聞くこともある。以前まで、ひきこもりは『ニートの若者』や『不登校』のイメージがありましたが近年は50代以上の高齢者のひきこもりが多いようです。厚生労働省は現在の8050問題が深刻化した場合の「9060問題」が本格化することを懸念しています。これは、引きこもりの子が60代となり親が90代になってしまった家庭を指しています。90過ぎの高齢者が子供の将来を案じているなんて辛すぎます。こういうご家庭が支援団体などを利用するハードルを下げて一歩でも解決に向かうために何ができるかひとりひとりが考えていきたい問題です。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2022/10/19
コメント(0)
2022/09/21
コメント(0)
商品を見る→中川翔子:死ぬんじゃねーぞ!! 1320円9月1日は、10代の学生の自殺が多くなる。いじめで学校に行くことが辛くて死を選んでしまう子がいるのだ。タレントの中川翔子さんもいじめにあって『死にたい』とまで思い詰めたことがあったそうだ。そんな切実な体験から出版されたのが『死ぬんじゃねーぞ!!』である。副題は『いじめられている君はゼッタイ悪くない』この本では『ゼッタイに、死を踏みとどまってほしい』という気持ちを込めて自身の体験を語っている。タイトルの「死ぬんじゃねーぞ!!」は中川さんが自分のライブで叫んでいる言葉。中川さんは10代の頃にいじめられて不登校になりかつては自殺を考えるほどいじめに苦しんだ。その時、逃げ道として絵を描いたり歌を歌ったりゲームをしたりしたことが現在のタレント活動にめちゃくちゃ役にたったという。苦しんでいた日々が、未来に夢をかなえるための準備になったという体験をもとに自身が描いた漫画と文章でいじめや不登校、自殺防止を呼び掛けている。中川さん自筆の漫画も約30ページ掲載されている。遠回りだったけど、想像を超える嬉しい結果となってあのとき、『死ななくてよかった』と思えているので現在生きづらさを感じている子供たちにそのことをしっかりと伝えたいという。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2022/08/31
コメント(0)
商品を見る→カラスの親指 道尾秀介 946円人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。意気投合した二人は今日も人様をペテンにかけるのだ。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。何かの縁で過去に傷を持つ五人が一軒家で一緒に暮らすことになる。『家族のような他人』というのは奇妙でも何かしら優しくて良いものだと思わせる場面も・・・残酷な過去を持つ彼らは各々の人生を懸けて大計画を企てる。道尾秀介さんらしい緻密な構成で、伏線に次ぐ伏線は単行本424ページというボリュームを一気に読ませて感動の結末を迎えます。本書の魅力は何といってもラストにあります。最後に何が伏線だったか明かされる驚愕の逆転劇にも違和感を抱くことはありませんでした。息もつかせぬ道尾秀介さんらしい緻密な構成にあなたも騙されてください。でもね、嫌な騙され方じゃないですよ。私はハッピーエンドの物語が好きなんですが同じ指向の方は爽快な気分で読み終わることができるでしょう。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2022/05/10
コメント(0)
商品を見る→浅田次郎 月のしずく 748円浅田次郎の『月のしずく』を読んでいてアッと思った。主人公の『タッつぁん』こと佐藤辰夫43歳が『高倉健』とダブってきたのだ。読み進めていくうちにそれは確信となって『タッつぁん』=『高倉健』以外のシチュエーションはないと思えた。ある十五夜の夜ふとしたことからリエという傷をおった女を自分の家に連れ帰ることになり、奇妙な共同生活が始まった。お金もプライドもない、だけど悲壮感もないいなせで無骨なタッつぁんのテンポのよい会話に引き込まれて『いい男だね~』と大向こうから声を掛けたくなるほど彼は魅力的だ。不器用な男ほど人間的なやさしさや思いやりが深いんだと納得できてこの話好きだな~と心地よさに酔わされました。タッつぁんがリエにお腹の赤ちゃんを産んでくれと懇願する場面では胸が熱くなって彼の恋が成就するようにと祈りながら成就する予感がしてきたのです。そして最後の2行を読んだ時私の予感は確信に変わりました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『月のしずく』は沢山の俳優さんがYouTubeで朗読されています。本を読む時間がない方は耳からの読書を楽しんでください。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2022/04/22
コメント(0)
商品を見る→極上の孤独 下重暁子 858円『極上の孤独 下重暁子』を読んだ。孤独には『孤独死』などのマイナスイメージがあるがそれは全くの誤解であり著者は『孤独=悪』ではなく孤独とは自分と向き合うことであるという。著者は小学2年生で結核にかかりそれからの2年間は自宅の一室で安静にしていた。友達と遊ぶこともできない孤独の毎日だったが彼女は幼くして孤独の楽しさを知ってしまったのだ。周りから見ればひとり本を読み、妄想にふける子供を可哀想な子と思うものだが彼女は誰に惑わされることなく自分と向き合う『極上の時間』だったという。これが最初の1ページ目の述懐。8歳の女の子がこんな境地になれるものかと驚いた。今、著者には家族も友人もいて、充実した仕事もある。本当に家族も友人もいない人が現実に『孤独は愉しい』と言えるものだろうか?と思ったんだけど、彼女が言いたかったのは人付き合いも大切だけどひとりになって自分と向き合う時間が必要ということなんでしょう。山口百恵が美空ひばりに似ているのではと聞かれた時のコメントが胸を打った。『似ていて欲しくないですね。あそこまで孤独になってしまいたくない』これは孤独を知っているからこそ出た言葉なんでしょう。『孤独を知らない人に品はない』『素敵な人はみな孤独』等々著者の言っていることは百恵さんに当てはまっているなと思わずにんまりです。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2022/03/17
コメント(0)
商品を見る→空撮絶景 510円空撮絶景:マガジンボックスこの写真集は世界遺産を中心にさまざまな自然や建築物などの空から見た写真を紹介するビジュアルガイド本。コロナ禍で旅行も出来ない状況なのでこの本を眺めて現地に行ったような気分になっています。『見たことがない景色』や『見ることができない景色』が空からの雄大で幻想的な光景として目にすることができます。誰もが知っている世界遺産のよくある景観ではなく空撮することで『見たことがない景色』が見えるのがとっても興味深くて楽しいです。夜、何も考えずにボーッと眺めていると心が静まってきて嫌なことや腹の立つことも『まぁ、いっか!』って思えてきちゃいます。この写真集で日銀の建物の屋根が円という漢字の形に見えることを初めて知りました。設計者が意図したのか偶然できあがった形なのかハッキリしないそうですが私には、設計者の遊び心が透けて見えてきてわくわくしながら眺めました。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2022/03/16
コメント(0)
商品を見る→神様のボート 江國香織 605円神様のボート:江國香織『昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をしその結果あたしが生まれた。』恋愛の静かな狂気に囚われた母葉子とその傍らで成長していく娘草子の遙かな旅の物語。必ず君を見つけ出すと言い残して消えた恋人にいつか会える事を信じて疑わない母。消えたパパを待って、母と娘は『あのひとのいない場所にはなじむわけにいかない』と、引っ越しを繰り返す。主な登場人物は、母の【葉子】娘の【草子】消えた母の恋人【あのひと】元夫の【桃井先生】はたして骨ごと溶けるような狂気じみた恋ができる人ってこの世にどれくらいいるんだろう?そこまで人を好きになれるなんてただただ羨ましいと思う。『あのひと』を愛し『あのひと』の言葉を信じつづけることを決意したとき葉子と草子を乗せた【神様のボート】はゆっくりと現実から切り離されあてもなくさまよいはじめた。そのボートが最後には二人をどこへはこんでいくのかぜひ本書を読んでたしかめてもらいたい。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2022/03/05
コメント(0)
商品を見る→きれいな色とことばおーなり由子 880円私はエッセイが好きで良く読むのだけど著者の生活が見えてくるのが面白い。漫画家であり絵本作家であるおーなり由子さんの『きれいな色とことば』は水彩イラストの挿絵がとても美しくて詩的なエッセイは読んでいるとほのぼのと温かい気持ちになります。『失恋の色』や『夢の色』など世の中には目に見えない色もたくさんあるんですね。生活の中の色は様々あるけど私はやっぱり空の青が好き。空を見上げて『きれいな空だね~』なんて、つい言葉に出してしまうけど隣にいる子供たちは『ほんとだ』と同調してくれながら本当は空の色には無関心なのだ。私にとっての色。怒りは赤。悲しみは青。喜びは橙色。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2022/02/19
コメント(0)
商品を見る→赤毛のアン 1870円毎週日曜日の午後11時からNHKで放送されている『アンという名の少女』というドラマにめちゃくちゃハマッている。演じている子役さんがアンのイメージそのもので美しいプリンスエドワード島の景色とアンの活躍が楽しみでたまらない。そんなことから原作の『赤毛のアン』が読みたくなって子供の頃に読んだ絵本を引っ張りだしてきて久しぶりに読んでみた。『赤毛のアン:徳間アニメ絵本』はテレビで放送されていた「赤毛のアン」のアニメを絵本にしたものでアニメで見たそのままの絵で安心して読むことができる。テレビアニメのダイジェスト版とはいえ110ページの絵本は要所要所を押さえてあり大人も楽しめる構成で泣ける場面もあって物語の展開に、涙が止まらなくなることも・・・男の子が欲しかったカスバート兄妹の元に間違って女の子のアンが来る所から物語は始まります。マリラは施設に帰そうとしますがまずはマシュウが受け入れます。やせっぽちで、そばかすだらけで、おまけに赤毛。だけどアンはあふれる想像力と豊かな感性でいつしか誰からも愛される素敵な女性に成長していくのです。私はマシュウの優しくて思いやりあふれる性格が大好きでその温かさに涙が止まらなくなることも度々でした。本当に、あたたかい素敵なお話だと思います。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2022/01/30
コメント(0)
商品を見る→内田麟太郎:十二支のおはなし 1320円今年はトラ年ですね。次男はトラ年産まれなので誕生日がくると12歳になります。私はウサギ年の生まれなので、同じ干支の祖母の年齢は自分年齢+48にして数えてました。そういう数え方をしてる人、身の周りに結構いますね子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥十二支の順番を間違いなく言えますか?私は、ネ・ウシ・トラ・ウ・タツ・ミまではスラスラ出てきても途中からはちょっと考えながらになります。十二支の順番がどうやって決まったのかどうしてネコが入っていないのかその理由がよく分かるのがこの絵本です。『十二支のおはなし:内田麟太郎:岩崎書店』読み聞かせてをしてあげると興味津々で聞いていた子供たちは『ねずみはずるい』と言って怒りウシさんもネコさんも可哀想と同情してました。でも、この本には書かれていない事情もあったという説もあるんですね。前の晩から神様の御殿を目指して出発したウシさんを出し抜いたのもネコにウソを言って遅刻させたのも神様と交わした約束のためという説もあるようです。神さまは、ネズミにこう言ったそうです。『一番小さなお前を最初のリーダーにしたい。小さな動物に勇気を与える事と小さくともリーダーに従わなければいけない事を示したい。何としても1番になれ』神さまの気持ちがよーく分かったネズミは、『何としてでも1番になります』と答え『嫌われてもしょうがない』と、覚悟を決めたそうです。十二支の順番を決める童話は有名ですがこんなに奥の深いお話が潜んでいるなんて・・・リーダーになるためにはこれだけの覚悟が必要なんですね。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2022/01/21
コメント(0)
商品を見る→暴走老人 藤原智美 527円人を美しく見せるのは顔の作りそのものよりも表情なのだと思うもって生まれた顔立ちが同じでも表情でまるで別人のようになる。知り合いの89歳の女性はシワシワだけどきれいなおばあちゃんだ。穏やかで優しい言葉と表情をしているからだろう。人間、年をとると穏やかに丸くなるというのは私たちの思い込みに過ぎないと思う。町中でもニュースでも困った老人を見かける機会が多くなった。どうして困った老人が増えたんだろう?世の中の進歩についていけなくなったり情報社会を受け入れられなかったりそんな疎外感を感じてイラついているのかな?そんな思いを抱いている時に読んだのが藤原智美さんの『暴走老人』本屋でタイトルを見て、思わず手に取ってしまった。過激なタイトルの付け方はウマイなあと感心する。本を読み始める前は、いったいどんな事例があるのかと変な期待感が大きかったんだけど、暴走老人の話は冒頭だけであとは著者の社会文化論が展開されている。社会のルールに適応できない老人たちの社会背景にまで切り込んでいるけど私が想像していたのとは、ちょっと内容が違っていた。もっと沢山の暴走老人のケースが読みたかったのにそれが残念。この本の「透明なルール」という言葉がとても印象に残った。日常生活を送る上での「暗黙のご了解」という秩序に順応できなかったりそういうルールを理解できずにまごついている老人が多い。エスカレータでは左に立ち右側は歩く人用に開ける。エレベータに乗ったらボタンに一番近い所にいる人がボタンを操作する義務を負う。スーパーのレジでは小銭を用意して待つ。スタバに入ったら列に並んでいる間に自分の注文するものを決めておく。この「透明なルール」が老人たちを不自由にしストレスを与えているのだからレジでマゴマゴしてるお年寄りがいても『チッ!』なんて舌打ちしちゃいけませんよ。だって、自分達の未来の姿なんだもん。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2021/12/19
コメント(0)
商品を見る→松井今朝子 吉原手引草 660円松井今朝子の『吉原手引草』が面白い。吉原一の花魁 葛城が絶頂期に忽然と姿を消してしまった。彼女と関わった人間が問われるままに彼女の人となりを語り始める果たして彼女が姿を消したのはなぜなのか。吉原という特殊な世界のしきたりや仕組み人間関係を緻密に書きこみ失踪の謎を解き明かしながら読者に理解させる仕掛けはまさに吉原の手引き書になっている。事件に興味をもって謎を解き明かそうとする主人公の目線が読者の目線になっているテクニックもかなり上級と思う。何が嘘で何が真実なのか?葛城に関わりのある人物それぞれの視点からの語り口が最高に面白い。真相が少しずつ見えてくる過程にワクワク感も湧いてきて失踪の真実が知りたくてたまらなくなり一気に読んだ。ネタばらしをすると、仇討ちだったわけで吉原の花魁が武士を刺し殺して逃げたということなのです。ただ、仇討ちを明確に語っている人はいないので仇が誰なのかが最後の最後までわからないところはあっけなく、ちょっと尻つぼみという感もあった。一度も登場してこなかったヒロインの花魁 葛城の清冽な生き方は同じ女性として泣けてきます。そして、私の脳裏には吉原の情景と花魁姿の葛城があでやかに浮かんできました。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2021/11/22
コメント(0)
商品を見る→沈黙 遠藤周作 649円秋の夜長にはやっぱり読書がいちばん。わざわざ本を買わなくても、本棚には愛読書がいっぱい並んでいる。遠藤周作の『沈黙』を読むのは3回目くらいになる。私が『沈黙』の中で心を惹かれたのはキチジローという人物である。恥知らずな行為を悔いながらも踏絵を繰り返す裏切り者のキチジロー。『俺は生まれつき弱か、心の弱か者には殉教さえできぬ。どうすればよか』キチジローは、自分が転ぶのは弱さの為だと弁解しているがはたしてそうだろうか?私は逆に、キチジローに逞しさや強さを感じてしまう。弱い人間は弱い人間なりに生きる方法を身につけて生き抜いていくしかないのだ。自分の弱さに居直っているようなキチジローが私はなぜか憎めないのである。最初、ポルトガル人の司祭ロドリゴ神父は信仰者の中の信仰者と思っていた。しかし、読み進むうちにロドリゴもまた、不完全で弱い人間つまり、当たり前の人間だということが分かった。拷問の末に踏絵を踏まされる隠れキリシタンたちの苦痛に対する『踏んでもいい、踏んでもいい』という彼の叫びはきわめて人間的である。信者たちの上に次々と降りかかってくる迫害、拷問相次ぐ犠牲にもかかわらず、神の救いは現れない。いつイエスが現れて救ってくれるのかいつ奇跡が起きるのかと期待しながら読んでいたが絶望と暗黒の中で呻く信者たちを前にしてなお口を開かぬ神の沈黙に、私は次第にイラ立ってきた。『早く救ってやれよ』とお腹の中で叫んだ。ロドリゴはついに棄教を決心し、踏絵に足をかけた時彼の耳にはイエスの声が聞こえた。イエスは背神者の足で踏まれつつ、それを許していたのである。この声を通して、この時初めてロドリゴの内にイエスが具体化されたのではないか。結局、ロドリゴの背教は神への裏切りではなかったといえるだろう。限界を超えた苦難にあえぐ信者たちを救うために踏絵をすることは信仰者の立場から見た時、本当に正しいことなのか?神は本当に存在するのか?最近ボーッとしながら考えることがある科学の力だけでは証明できないことがいっぱいあるんじゃないかなと。私は特定の宗教を信じている訳ではないけど自分の力だけでは解決できないような時には自然に祈っている。それって、神様を信じているのとは違うんだろうけど。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2021/10/14
コメント(0)
商品を見る→泣いた赤鬼 1540円『泣いた赤鬼』は日本の童話の中で一番好きなお話です。鬼が出てくるお話は、桃太郎の鬼のイメージが強くて悪い鬼と思ってしまいますね。でも、このお話の赤鬼は優しくそして青鬼はもっともっと優しいのです。じんわりと心に染み入る良いお話です。赤鬼は人間と仲良くなりたくて家の前に貼り紙をしました。『心の優しい赤鬼の家です。お茶とお菓子を用意しています。どうぞ遊びに来て下さい。 赤鬼』しかし、村人は鬼を怖がって誰も赤鬼のところに遊びにいきません。悲しむ赤鬼をみて、青鬼が一計を案じたのが青鬼が暴れて村人を困らせそれを赤鬼が退治するという芝居でした。その作戦は大成功しそのおかげで村人が赤鬼の家に遊びにくるようになり赤鬼は村人と一緒にお茶を飲んだり、子供と遊んだりして楽しく暮らせるようになったのです。しかし、それ以来、青鬼が姿を見せないので心配になって青鬼の家にいくと家の入り口に貼り紙があったのです。『赤鬼君へ 村人と仲良くなれて良かったね。僕と君が仲良くしていると村人が君を疑うようになるので僕はこの村を離れます。さようなら、いつまでも君の友達 青鬼』貼り紙を読んだ赤鬼は大声でワンワン泣いた。青鬼のおかげで村人と友達になれたけど失った友情は、それよりもはるかに大きかったのだ。この物語を読んでから鬼に対するイメージがガラリと変わった。青鬼の強い優しさと男らしさに私は惚れたね。こんなに余韻のあるラストシーンの『泣いた赤鬼』は名作中の名作童話大人にもお奨めの一冊です。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2021/06/21
コメント(0)
商品を見る→九十歳。何がめでたい 佐藤愛子 1320円叔母の家に行って、本のリストの数冊をもらってきた。3枚目の画像の佐藤愛子の『九十歳。何がめでたい』は愛子先生の毒舌が心地よく元気なおばあちゃんの毒舌日記という感じのエッセー集です。納得したり、唸ったりしながら読み面白くて思わずニンマリしちゃったりしながらあっという間に読み終わりました。一番面白かったのは『思い出のドロボー』です。行くあても仕事もない15歳の少女が佐藤家を訪ねてくる。愛子先生はその少女を家に泊め数日後探しにきた担任と広島に帰る少女に餞別を与えて送り出した。しかし数日後愛子先生の通帳の残高がゼロになっていることが発覚。少女は愛子先生の預金通帳と印鑑を盗み出して全財産の30万円を引き出したドロボーだったのだ。この話には後日談があり、その話にもホロリとさせられる。ドロボー少女は警察に捕まり漁師をしている少女の両親は『佐藤さんの親切を裏切るようなことをして申し訳ない』と言って、警察に30万円を預けた。新聞紙にくるまれたヨレヨレの百円札やら十円札、一円札、小銭を見た愛子先生は正直者の両親があちこち駆けずり回って頭を下げて借りて回ったお金だろう。そんなお金をどうして受け取れよう・・・と盗まれた30万円が我が家の全財産だったことを忘れ受けとらなかったのである。大正12年生まれといえば、亡くなった祖父と同い年です。頑固だった祖父が生きていたら『いちいちうるせえ』とか『ナニがめでてえ!』とかのしゃがれた声が聞こえてきそうです。たとえ後悔し苦悩する日が来たとしてもそれに負けずにめげずに生きていく覚悟があれば何があっても怖くない。愛子先生の言葉は小さなことで悩んでいる時にはこころに深く浸みてくると思います。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2021/05/24
コメント(0)
商品を見る→塩狩峠 三浦綾子 825円本は感動や喜びを与えてくれる。自分の生き方そのものに影響を与える本に出会えることもある。三浦綾子の『塩狩峠』もそんな一冊だ主人公の純粋さ誠実さには素直に心を打たれた。この本を読むと自分の魂は汚れてしまったなあという思いが強くなる。主人公は牽引車からはずれ暴走した客車を止めるために自らの身体をレールの上に投げ出して列車を止めた。そのおかげで大惨事は避けられ恐怖に怯える大勢の乗客の命を救った。主人公は永年想い続けたふじ子との結納に向かう途中この事故に遭い瞼に花嫁姿のふじ子が映るなか合掌したままデッキから身を翻えして列車を止めるために犠牲となった。商品を見る→塩狩峠 三浦綾子 825円車両に関する犠牲死というと新大久保事故が頭に浮かぶ。線路に落ちた人を救おうとして韓国人学生と日本人カメラマンが命を落とした。電車が向かってくるのが分かっていて線路に下りたのだからものすごい勇気だと思う。一瞬のためらいなどなかったのだろうか。キリスト教の「犠牲」という難しいテーマを扱っているだけにこの小説に対しては作者にはもっと慎重であってほしかったという声もある。『塩狩峠』は最後の場面の『犠牲』の問題ばかりが強調されるのですがそこにいくまでの全てのエピソードがクライマックスであるラストシーンへの伏線になっていて彼の行動に納得させられた。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2021/04/07
コメント(0)
商品を見る→妻が口をきいてくれません野原広子 1210円マイホームを購入し。妻の美咲、娘、息子とごく普通の幸せな家庭だと信じていた夫の誠だがある日突然、妻の美咲が口をきいてくれなくなった。夫の誠には、その理由が分からない。必要最低限のやりとりのみとなってしまった夫婦の姿を描いたコミック野原広子作の『妻が口をきいてくれません』を読んだ。前半は夫の気持ち、中盤は妻の気持ち後半は夫婦の気持ちが描かれている。商品を見る→妻が口をきいてくれません野原広子 1210円妻が口をきいてくれない理由が繊細に表現されていて『分かる、分かる!』私も同じことがあったよと思わず頷いてしまうくシーンが沢山あった。私の場合は仕事から帰ってきて急いで夕飯の準備をしている時に夫が頼んだ風呂掃除もせずにスマホをいじっているとイラッとしてきてわざと大きな音を立てて料理をしたりする。そういう事が少しずつ貯まってくると私だって口を聞きたくなくなるのだ。突然妻の美咲が口をきいてくれなくなり気づけば3日、3ヶ月と時が経過してきたにも拘わらず夫の誠は『離婚よりも、生き地獄』と言う割にどこか楽観的に見えちゃうのです。商品を見る→妻が口をきいてくれません野原広子 1210円『私だって無視するぐらい辛いんだよ』と言葉に出来ない気持ちを『無視』で表現している美咲の苦しみが妻の立場で読んでいる私には分かるんだよね。・・・とココまで夫婦のすれ違う気持ちを書いてきたけど結末はまさかのメデタシメデタシ。こんな事が起きるの?というご近所さんを巻き込んでの仲直りドラマでした。一件落着で良かったじゃんと思ったんですが最後の最後に美咲がパートに行くシーンで通帳を見ながら「まだこれだけ」と呟く。もしかして離婚計画中?・・・ラストは女の恐ろしさを如実に見せていて野原広子さんの作品はシンプルな絵で不穏な空気感を描くのが天才的にウマイなあと唸ってしまいました。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・ #妻が口をきいてくれません #野原広子 #妻=美咲 #夫=誠 #「よみタイ」で累計3000万P #家に帰りたくない #離婚よりも、生き地獄 #集英社コミック
2021/02/18
コメント(0)
商品を見る→こども六法山崎聡一郎著 1320円山崎聡一郎著『こども六法』がテレビで紹介されていたので興味が湧き読んでみた。いじめ防止のために法律を知ろうという著者の熱い気持ちからクラウドファンディングにて資金を集め出版された本だそうです。著者自身がいじめの被害者にも加害者にもなった経験がありいじめで苦しむ子どもを守るための手段として法律を知ろうということがこの本を作るきっかけになったということです。法律がいじめ問題解決の『武器』になりうるのかが解説されています。いじめられているときの具体的な証拠集めの指南も参考になります。私は六法全書など読んだこともないし六法って何?くらい法律にはまったく疎くて憲法、刑法、民法、商法、刑事訴訟法、民事訴訟法の6つの法律ということもそういえば習ったような気がする程度の知識です。『子どもにも分かる』ことを目的にしているので難しい用語は簡単でわかりやすい言葉へと差し替えられ大人でも難解な法律を、イラストと平易な文で法律とは簡単に言うとこういうことなんだよと解説しています。商品を見る→こども六法山崎聡一郎著 1320円この本のターゲットは主にいじめられている子ども。いざという時に自分で自分の身を守る手段として法律という強い味方がいることを知っていたら助けを求めることができ、救われるかもしれません。いじめで苦しむ子どもを守るべき大人が法律を学ぶことはこどもを守るための大きな武器になるので多くの方にお奨めできる一冊だと思います。今日の読売新聞に【第25回 読売出版広告賞】の発表があり『こども六法』が大賞を受賞したことを知り大変嬉しく思いました。選考委員長の北村薫氏の【この本を必要としている人がいるのだそういう「きみ」の手にこの本を届けたいのだ・・・という願いが真っすぐに響いてくる】という選評が胸に響きました。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・ #こども六法 #山崎聡一郎著 #いじめ問題解決 #第25回 読売出版広告賞 #読売新聞 #北村薫 #いじめ防止対策推進法 #六法全書
2021/01/29
コメント(0)
商品を見る→藤沢周平 驟り雨 693円10月27日は読書の日であり10月27日から11月9日の2週間は『読書週間』でもある。次男の海斗が通う小学校ではこの期間に沢山の本を読むようにと読んだ本のタイトルと一言感想を書くよう指導があった。夕飯とお風呂を済ませてから親子でじっくり読書タイムをとっている。秋の夜長、虫の声を聞きながら好きな本のページをめくるのは贅沢な時間だ。本を読まない大学生が話題になって久しいが私の周りにも全く本を読まないという人がいる。読書なんてメンドクサイとかツマンナイという人にお奨めしたいのは藤沢周平の短編です。藤沢の作品は『蝉しぐれ』のような長編の名作も多いが私が好きなのは市井ものの短編です。彼の色調が滲み出るように思えるからです。藤沢の小説には駄作がないのでお奨めしたい作品は山ほどありますが人情話風の『驟り雨:はしりあめ』が大好きです。神社の軒下に潜んで向かいの商家に忍び入るつもりの泥棒の前に病身の女と幼い娘が雨宿りに現れる。母娘の辛すぎる境遇を漏れ聞いた泥棒は・・・小雨になって神社の軒下から出ていくふたりだが小さな娘に手を引かれた母親は力つきたように膝をついて倒れてしまう。思わず飛び出した泥棒は病身の女を背負い幼い娘の手を引いて歩き出すのです。このラストのシーンは読む度に胸が熱くなり幸せを予感させてくれます。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・ #驟り雨:はしりあめ #藤沢周平 #読書の日 読書週間 #蝉しぐれ #藤沢周平短編小説
2020/10/28
コメント(0)
商品を見る→佐藤愛子『気がつけば、終着駅』 1320円3年程前に佐藤愛子さんの『90歳。何がめでたい』を読んで元気なおばあちゃんの毒舌エッセーが面白かったので『気がつけば、終着駅』を本屋でみつけて買ってきた。この本を出された時、愛子先生は96歳。最近の世の中の流れに気が滅入ることも多々だったけど相変わらずの歯切れの良い物言いに笑ったり、スカッとしたりでした。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・全部失ってごらんなさい。どうってことありませんよ。どんな境遇になっても平気でいられるそういう人間になることが一番の幸せじゃないですか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ホントにそうだなあと思う。元気が沸いてきて仕事の悩みも子どもの進学の悩みも『それが何じゃい!!』と思えるから不思議。愛子先生の意見が全て正しいとは思わないけど一緒に話をしたら、とても面白そう。でも一緒に暮らしたら、すごくメンドくさそう。まず、文字が大きくて読みやすいです。そして、もっと楽に生きてもいいんだと思わせてくれます。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・ #佐藤愛子 #気がつけば、終着駅 #婦人公論セッセー #クサンチッペ党宣言 #文芸書ベストセラー
2020/10/09
コメント(0)
★商品を見る→又吉直樹 人間 1540円又吉直樹の3作目の長編小説『人間』を読んだ。昨年9月から今年5月にかけて毎日新聞夕刊で連載していた作品を加筆修正したもの。漫画家の夢が破れた主人公 永山が東京の共同住宅で同世代の仲間たちと一緒に暮らした過去を振り返る物語。主人公は現在イラストレーター兼コラムニストだ。38歳の誕生日に古い知人からメールが届き20年前の回想へと至る。漫画家志望の永山は大阪から上京して『ハウス』と呼ばれる共同住居に暮らす。そこには、イラストレーター、ミュージシャン、作家お笑い芸人が集い、日々議論を交わし、確執がある。どこか懐かしい青春群像劇だ。新聞連載だったためか話全体のバランスに違和感を感じたのは私だけでしょうか?又吉が太宰治の大ファンというのは有名ですが作中の端々にそれを感じ太宰の『人間失格』を意識してるなあと思えたのは前半の回想での主人公が痛々しかったからだと思う。でも、『人間失格』の葉蔵の切実さは感じることはできません。又吉直樹の『人間』を読みおえた時太宰治の『人間失格』が読みたくなってしまいました。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2019/10/18
コメント(0)
★宇江佐真理 卵のふわふ 660円宇江佐真理さんの『卵のふわふわ』は時代小説でありながら美味しそうな食べ物や不思議な料理が登場するので物語と料理の2倍楽しむことができる小説だ。この作者はタイトルをつけるのがウマイですね『卵のふわふわ』も優しくてタイトルだけで中身を彷彿することが出来る。主人公の「のぶちゃん」が初々しくて可愛い。でも夫とは心の交流がなく離婚の危機を迎えている。食い道楽で優しい舅、口は悪いが心根は暖かい姑に助けられて椙田家の嫁としてここまでやってこれらたけれど肝心の夫との心の交流がなく、のぶにはつらい生活だ。食い道楽で「のぶちゃん、わし、腹が減ったよう」が口癖の心優しい舅がすごく魅力的。優しくて、食い意地が張っていて頭は抜群なのに剣術はからきしという舅。愛嬌のあるとぼけた感じは、こういう舅だったらいいなあと思わせる人物設定で巧い。舅がのぶを呼ぶ時の「のぶちゃん」という言い方に暖かさがあってのぶに対する舅の愛情が、読者に伝わってくる。こういう微妙な言い回しで読み手は幸福感を抱いてしまうものだ。このあたり、宇江佐真理はつくづくうまいなあと思う。姑のふでは口が悪くて言いたい放題だけど意地が悪い訳じゃなくてカラッとしていて私の好きなタイプの女だ。太鼓持ちの桜川今助が舅を訪ねてきて舅と『黄身返し卵』の話しをしているのを聞きのぶは興味を持つ。『黄身返し卵』とは、白身が中で外側が黄身になっているゆで卵のことらしい。でも、舅は今助のもってきた情報は眉唾だと思っているようだ。さ~て、黄身返し卵をネットで検索したら20万件もヒットしました。実際に挑戦して作ってみた方が沢山いて周りが黄身、中が白身のゆでたまごの画像も沢山ありました。興味のある方は是非とも『黄身返し卵』にトライしてみてください。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2019/09/29
コメント(0)
★商品を見る→中島義道 私の嫌いな10の人びと 496円中島義道が『私の嫌いな10の人びと』の著作の中で嫌っている10の人とは1・笑顔の絶えない人 .2・常に感謝の気持ちを忘れない人 .3・みんなの喜ぶ顔が見たい人 .4・いつも前向きに生きている人 .5・自分の仕事に「誇り」をもっている人.6・けじめを大切にする人 .7・喧嘩が起こるとすぐ止めようとする人.8・物事をはっきり言わない人 .9・おれ、バカだからと言う人 .10・わが人生に悔いはないと思っている人.この10項目は、理想とされる人物像で世間一般では『善い人』と言われている人びとである。著者はそういう人達の打算と鈍感に切り込んでいる。『ひとに迷惑になることだけはするなよ!』と言い続ける人に対し筆者は『思考の脳死状態』と断じている。子供の教育や躾に人様に迷惑をかけるなと教える事は大切だけど迷惑を掛けないと生きられないと教えることも大事だと思う。かなり面白い本です。普段あまり本を読まない亭主に薦めたら『へえ~』とか『ウ~ンッ!』とか言いながら読んでました。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村育児・3人兄弟/姉妹ランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2019/08/29
コメント(0)
★商品を見る→岡田淳 びりっかすの神さま 1296円小三の次男の夏休みの読書感想文を書くために借りたのですが、大人の私が読んでも面白かったので中3の長女にも奨め、長女も面白いと言って読んでいます。始が転校してきたクラスでは成績順に席が決まっていて始は一番後ろの机に座らされた。クラスのみんなに笑われるが最初は理由が分からない。しかし、隣のみゆきだけは笑っていなかった。テストの時間になるとみゆきのまわりをなにかが飛んでいるのが見える。良く見ると背中に翼の生えた男がパタパタと飛んでいるのだが他の人には見えていないようだ。どうやらテストでびりを取った人のところに出没する様子に面白くなった始は、算数の計算テストから漢字のテスト本当は速いかけっこまで、びりを目指すことになった。そんな『びりっかすの神さま』 と会うためにわざとビリばかりとるようになる始だったがある日、劣等生のみゆきがその存在に気づいた。本物のびりだったみゆきとその神様を共有するうちクラス内にはだんだん『びりっかすの神さま』が見たいためにびりを目指す子が増えクラス総出の『びりっかす作戦』が始まった。ネガティブなイメージの『びり』を楽しくそして友情を育むカギとして使ったストーリーの面白さは秀逸。びりを目指すためにクラスのみんなが少しずつレベルアップしていくという逆説的なお話に読者はどんどん引き込まれていく。子どもを成績で決めつける担任はクラスの異変に精神的に追いつめられて一時休職となった。その担任が復職し、眼鏡を外したら『びりっかすの神さま』にそっくりだったというオチだったのですがそれは担任の心境の変化を表していたんだなあと唸ってしまいました。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村人気ブログランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2019/08/07
コメント(0)
★商品を見る→中川李枝子 子どもはみんな問題児 1080円『子どもはみんな問題児。』は友達に教えてもらって読んだのですが、読み進むうちに自然に涙がこみ上げてきました。著者の中川李枝子さんは17年間保育士をされ『ぐりとぐら』や『いやいやえん』など絵本の作者としても有名です。自分の子育てはこれでいいんだろうか?と迷っているママに絶対読んでほしい1冊です。中川さんの言葉に共感したり、反省したりしながら子供達に対する温かい眼差しに感動しました。『子どもはみんな問題児』と言われるとなんで? どうして? こんなことをするの?という困った場面で『でも大丈夫だよね』と思わせてくれママたちを勇気づけてくれる素晴らしい言葉と思います。子育てに自信がなくなったり子育てが辛いなあと思うことがあったらぜひ読んでほしい1冊です。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村人気ブログランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2019/07/26
コメント(0)
★商品を見る→あしたのジョー 全巻新品 9930円★商品を見る→あしたのジョー 全巻中古 3875円何故か突然に『あしたのジョー』が読みたくなって我が家の宝物であるあしたのジョー 1~12巻完結の文庫を昨夜から今朝まで一晩かけて読破してしまった。劇画とはいえ、『あしたのジョー』は素晴らしい作品で何度読んでも感動する。まさしく男の世界を描いた物語なのだけれど女の私にも思わず胸の奥底にずしーんと突き刺さってくるシーンやセリフがいっぱいある。ボクシングという世界にのめり込んでいく時燃えて、燃えて、燃え尽きて真っ白な灰になるまで戦うしかないんだと彼は言う。そして、最後まで戦い抜いて彼は負けた。その時、燃えたよ・・・真っ白に燃え尽きた・・・真っ白な灰に・・・とリングの片隅でつぶやく。真っ白な灰になった後ジョーがどうなったかは誰も知らない。物語はそこで終わっている。でも、人生は物語じゃない。真っ黒の炭のまま生き残っていく人間。燃える前にその火を自らの手で消してしまう人間。そして、真っ白な灰になるまで燃え尽きてしまう人間。おりこうな人は真っ白な灰になる生き方はしないんだろうな。読み終わった時にはすっかり外は明るくなり野鳥の声が聞こえてきて隣では海斗がスヤスヤ眠っていてあぁ、私は平凡だけど幸せだなと実感した。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村人気ブログランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2019/07/21
コメント(0)
今村夏子 【むらさきのスカートの女】 1404円大島真寿美 【渦 妹背山婦女庭訓 魂結び】 1998円第161回芥川賞・直木賞の選考会が開かれ芥川賞は今村夏子さんの『むらさきのスカートの女』直木賞は大島真寿美さんの『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』に決まった。今回の直木賞候補6人が全員女性だったことで話題になったが女性作家の実力がそれだけ高かったということは三浦綾子や宇江佐真理の作品が好きな私としてはそれも嬉しかった。★商品を見る→今村夏子 むらさきのスカートの女 1404円私は年に2回は多すぎると思う。これは他の人も思っているんじゃないかな。芥川賞を受賞しても本が売れない現実からして年に1回にしたほうが話題性は高まると思う。それでも芥川賞の価値が下がっているのは否めないですね。★商品を見る→大島真寿美渦 妹背山婦女庭訓 魂結び 1998円直木賞の候補は原田マハや柚木麻子など既に実績がある人が候補に上がっている。芥川賞よりも読みやすいけど最近は本屋大賞の方が話題性が高くて書店でも力を入れてるので売れてる印象がありますね。又吉直樹さんの『火花』が芥川賞を受賞した時に芥川賞がビジネス化したように思った。こういう賞に出版社の意図が透けて見えると賞の品格は落ちてしまいますよね。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村人気ブログランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2019/07/18
コメント(0)
★商品を見る→横山秀夫 クライマーズ・ハイ 820円1985年、御巣鷹山に未曾有の航空機事故が発生した。御巣鷹山の航空機事故から、もうすぐ34年になる。著者は墜落事故発生当時群馬にある地方紙「上毛新聞」の記者だったこともあって当時の内情が非常に生々しくリアルに描かれていてとても興味深い。地元紙の記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。テレビドラマとして放映されたときは熱血漢に描かれたが原作では必ずしもそうではない。報道の現場が抱える矛盾や会社の上層部との軋轢や部下の突き上げに悩みながら紙面を作っていく過程などその記事を載せるか載せないか迷い強さと弱さを合わせもつひとりの男として描かれている。【地元紙なら、事故のことが一番詳しく載っていると思った】と新聞を直接買いにきた遺族に悠木和雅が力づけられたくだりは著者が本当に経験したことなのだろうか?『クライマーズ・ハイ』はフィクションであるがこのリアリティは地元新聞の記者だった横山秀夫さんが現場を経験しているからこそ表現できたのだと思う。 ランキングに参加しているので応援クリックしてくれたら嬉しいです♪にほんブログ村人気ブログランキング・ + ・ + ・ + ・ 暇があったらあんずの本館にも寄って下さい ・ + ・ + ・ + ・
2019/07/16
コメント(0)
全97件 (97件中 1-50件目)