遊心六中記

遊心六中記

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

茲愉有人

茲愉有人

Calendar

Comments

Jobim@ Re:観照  庭の花 オーシャンブルーが再び & ゼフィランサス(09/26) New! オーシャンブルー、猛暑日になると咲かな…
ヒフミヨは天岩戸の祝詞かな(「アマテラスの暗号」)@ Re:探訪 [再録] 京都・大原の天台寺院を巡る -1 大原女の小径・大原陵・勝林院(10/16) ≪…「念仏により極楽往生ができるかどうか…
Jobim@ Re:観照 インターネットで【龍/Dragon】探しの旅へ -35 中国の龍 (6)(09/18) 中国の彫り物はさすがに手がかかっていて…

Favorite Blog

まだ登録されていません
2016.06.08
XML
カテゴリ: 探訪

IMG_9051 (400x300).JPG

この写真は 「宜陽殿」 を2014年春に撮ったもの。清涼殿の東面から紫宸殿の北面に沿って、真っ直ぐ東に通り抜けて来て、北から南方向を眺めたところです。既に触れていますが、「天皇受禅のさい、諸臣に饗宴を賜ったところ」 (資料1) といいます。

IMG_9985 (400x300).JPG

今春は、この建物の戸が外され、展示の場として使われていました。

この展示場所を、宮内庁の今春の一般公開案内ページでは 「大臣宿所」 と説明しています。 (資料2)

IMG_9987 (400x300).JPG

展示品に向かって右側には、 「帷 (とばり) について」 の説明板が置かれ、帷が展示されています。

IMG_9988 (395x300).JPGIMG_9986 (227x300).JPG

「帷は、御帳台 (みちょうだい) や几帳 (きちょう) 、壁代( かべしろ 、柱間に掛け、壁の代わりなどとして用いる)などに用いられる布帛です。紫宸殿や清涼殿のような寝殿造の建物では、帷を必要に応じて用いることにより、空間がゆるやかに間仕切られました。また、帷は、ころもがえによって、空間に季節の趣を添える重要な調度でもありました。 

 帷の生地は正絹(きぎぬ・すずし、夏)・平絹(冬)で、夏用には胡粉で蘆鶴紋が描かれ、冬用には朽木形が摺られます。 

 また、帷には、幅7.5cmの野筋(のすじ)が垂れ、野筋には夏冬どちらも蝶鳥紋が描かれます。 

 御帳台に見立てた展示物は、向かって左側に夏用の帷、右側に冬用の帷を掛けています。」 (説明板を転記)

IMG_9989 (400x295).JPG

中央に 「十二単」と「装束の更衣について」の説明板 が置かれています。

「装束には、束帯や十二単(五衣・唐衣・裳)など、様々な形式のものがあり、御帳台や几帳などと同様に、旧暦四月と十月にころもがえをおこないました。 

 装束は、生地の違い(裏地の有無など)に加えて、色目によって夏と冬を区別します。色目は、基本的に使用できる時季が決まっており、色目の名前は四季折々の植物や情景などを表しています。装束は瑞々しい季節を身にまとう、日本ならではの衣服といえるでしょう。 

 今回展示している十二単は「花橘」という襲(かさね)色目で、4,5月に使用される色目です。花橘は、五衣(写真赤枠)の色が上から濃山吹・薄山吹・白・濃青・薄青(伝統的に青は緑系の色を表す)となる配色をいいます。」 (説明板を転記)

IMG_9992 (368x300).JPG

左側に 「かさね色目について」の説明板と展示品 です。染司よしおかの制作によるものです。

四季の代表的な色目が展示されています。

秋:菊の襲   夏:杜若の襲   春:桜の襲        

          冬:紅梅の襲

IMG_9993 (214x300).JPGIMG_9991_p (387x300).JPG

かさね色目については、

「右に展示している十二単のような古式の装束は、季節に応じて様々な色目が用いられます。色目には、衣の裏と表の配色による『重色目(かさなりいろめ)』と、衣が何枚か重なり合う配色による『襲色目』などがあります。
 こちらの作品は、十二単の袖の襲を表現しています。
 ~略~花の色を濃淡で表したり、下の衣の色が淡く浮き出るような配色とするなど、花・木・草の彩りが見事に表現されています。
 生地の色は、すべて植物染料によるものですが、色目の名称そのものの花樹から抽出されているのではありません。染織方法を記した文献を参考にして、古来の材料によって花樹本来の色味が再現されています。」 (説明板を転記)

余談ですが、「染司 よしおか」は、宮本武蔵の話に出てくる吉岡道場の吉岡がルーツです。室町時代に足利家の剣術指南役「吉岡流一門」です。宮本武蔵の道場破りの後、剣術から染物へと転向し、以来京都で200年続く老舗の工房です。その五代目が吉岡幸雄氏で、娘・更紗さんが六代目で活躍されています。 (資料3,4)

IMG_5058 (400x300).JPGIMG_5057 (386x300).JPG

また、 2012年春 には、 「馬具」に関連した品々 が展示されていました。

IMG_5059 (400x300).JPG 唐鞍  唐の時代の鞍に習ったもの
祭礼の勅使が用い、行幸の供奉などにももちいられたそうです。 (説明板より)

IMG_5061 (400x300).JPG IMG_5064 (224x300).JPG

和鞍  公家が晴れの儀に用いた鞍
装飾が多く、鞍の下に置く切付 (きりつけ) には虎・豹の毛皮を用いたといいます。 (説明板より)

IMG_5062 (400x300).JPG 鞍の装備

IMG_5065 (386x300).JPGIMG_5063 (224x300).JPG

              (くつわ)                                   (あぶみ)

IMG_5066 (400x235).JPGIMG_5060 (400x300).JPG

尻懸 (しりがい) 面懸 (おもがい)
馬の面 (つら) 、胸、尻に綱がかけられます。それぞれを面懸・胸懸 (むながい) ・尻懸といい、総称して 馬の三懸 (さんがい) と呼ばれます。

IMG_5067 (373x300).JPG 馬具を装着した馬の姿


IMG_5068 (224x300).JPG 宜陽殿の扉 の一つ

IMG_5069 (224x300).JPGIMG_5070 (224x300).JPG


IMG_5071 (224x300).JPGIMG_5072 (224x300).JPG

IMG_9997 (400x236).JPG

宜陽殿の東には広場があります。宜陽殿の東には、 「春興殿」 があります。今春は、南面する春興殿の前に、 舞楽台 が設えてありました。今春はこの舞台で雅楽が催されたようです。訪れた時刻には、催しが終了したという告示が出ていました。

IMG_9996 (399x300).JPG

IMG_9998 (400x300).JPG

IMG_5073 (400x300).JPG

春興殿は、大正天皇即位のときに、三種の神器のうち、御鏡を安置するために臨時に建てられたものだそうです。 賢所にあたる建物 です。入母屋造り、銅板葺で六間三間の建物。内部は外陣・内陣・内々陣の3つからなっているといいます。 (資料1)

IMG_9994 (400x300).JPG

舞舞台越しに建春門を眺めた広場の景色

この広場で、今春は4月9日に雅楽が、4月10日に蹴鞠が催し物として披露されています。
雅楽は平安雅楽会、蹴鞠は蹴鞠保存会の人々による実演です。(資料2)

それでは、小御所、御池庭の方に進みましょう。

つづく

参照資料
1) 『昭和京都名所圖會 洛中』 竹村俊則著 駸々堂  p17,18
2) 平成28年京都御所春季一般公開について   :「宮内庁」
3) 宮本武蔵と決闘した吉岡一門は、潰されていなかった!今も続く染物屋に!!
               :「NAVER まとめ」
4) 吉岡更紗(38) 京都で200年続く“染司よしおか”6代目 :「モーニングショー」

補遺
染司 よしおか   ホームページ
紫のゆかり 吉岡幸雄の世界  ホームページ
日本の色の再現に半生をかけてきた吉岡幸雄   :「美術図書出版 紫紅社」

雅楽   :「宮内庁」
蹴鞠   :「宮内庁」
蹴鞠  (蹴鞠保存会) ホームページ
京都御所一般公開 2016/4/10 蹴鞠 Kyoto Gosyo "kemari" (Japanese traditional ball lifting game)  :YouTube
京都御所 蹴鞠   :YouTube
平安雅楽会   :「京都千年の心得」
雅楽とは   :「いちひめ雅楽会」

和式馬具   :「Marvellous Wings」
祭礼用馬具(和鞍)  :「徳島県立博物館」
古代イランの青銅文化/馬具   :「岡山市立オリエント美術館」
馬の和鞍制作  :「池川よっと工房」

   ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)


探訪 京都御所細見 -1 宜秋門・御車寄・諸大夫の間 へ
探訪 京都御所細見 -2 新御車寄、回廊の日華・承明・月華門、建礼門と建春門 へ
探訪 京都御所細見 -3 日華門・紫宸殿と南庭・清涼殿 へ

探訪 京都御所細見 -5 御池庭・小御所・蹴鞠の庭 へ
探訪 京都御所細見 -6 御学問所、御池庭の北岸畔 へ
探訪 京都御所細見 -7 御常御殿・御内庭ほか へ
探訪 京都御所細見 -8 御三間・御学問所・井戸のある空間(御台所跡)へ






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2016.06.16 13:40:56
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: