2003年01月06日
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【らせんの煙り】

あの人の頭の上に煙草の煙が昇ってゆく・・・
私は,煙草をやめたが,他人の煙草の煙を見ていると
思い出す昔話がある.
それは雪国での私も煙草を吸っていた昔の事である.
らせんに空に昇る,私の煙草の煙を
見詰めてボソっと呟(つぶや)いた人がいた.
溜め息のように・・・
「私の父も妹が生まれるまでは,煙草を吸っていたのョ
でもパタッと止めて・・・そんなお父さんが何十年ぶりで
煙草を吸っているのを私は見たの・・・お爺ちゃんが
亡くなった日の晩(ばん)に・・・暗がりでお爺ちゃんの
残した畑(はたけ)の方をぼんやりと背中を丸めて見詰めて
いたワ・・・頭の上には煙草の煙が天に向って頭の上から
昇っていて,その背中の方では,酔っぱらった親戚達が
大騒ぎをしていたワ・・・父を覗き込んだ時の,とっても
ぎこちない煙草を持った仕草が今も脳裏に焼きついている.」
と言っていた.
煙草を吸っていたときには忘れていた話しを思い出した.
あの人は,あの時に何を思って私にこの話しを聞かせたの
だろうか ? ? ?
雪明りの中に空は暗く一筋の煙草の煙がらせんを描いて
白く昇っていく.
冷たい空気が流れて,らせんが凍えて消えていく.
溜め息だけがそこに止まり温もりを求める.
サラサラと雪が煌く・・・

『主に依り頼み,その偉大な力によって強くなりなさい.
悪魔の策略に対抗して立つことが出来るように,神の
武具を身につけなさい.』

(エフェソ6・10-11) エーメン





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最終更新日  2003年01月09日 07時32分20秒
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