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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2008.12.13
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カテゴリ: 経済・ビジネス

 そこには、「ソニーの業績も上向き始めている」ので、
 「ソニーにまつわるビジネス書刊行タイミングとしては、
 ベストな時期を逃してしまったかも知れない」と記されている。

 しかし、それから約1年経った今年の12月9日、
 ソニーは、全世界で正社員も含め1万6千人の従業員の削減を決めた。
 相次ぐリストラで“ソニーらしさ”をそぎ落とす懸念も広がっている。
 期せずして、本著の価値が上昇してしまう事態となった。

   ***

さて、私が本著の中で「なるほど」と思ったのは、次の部分。

  成果を数字化しやすい営業職や研究開発職の場合でさえ、
  チームワークの側面を排除できない以上、
  誰が誰をどれだけ助けたかをまともに数字化できるはずもなく、
  そこは結局コジツケるしかない。
  成果を数字化しづらい経理職や総務職などでは、
  そもそもコジツケ成果の山にならざるを得ない。(p.57)

このあたりの記述には、成果主義の怪しさが、的確に表現されており、
まさに「言い得て妙」である。

  そしてお局さんは、駄目な上司も容赦しない。
  「下ネゴ」などという姑息なマネなんぞ絶対しないし、されもしないから、
  上司が会議でお局さんからの厳しい追及を受けてメンツ丸潰れ、
  といった場面も日常的にあった。(p.92)

これも、確かにである。
肩書きには表れない、こういう存在が、職場に睨みをきかせ、
上下問わず、社員全体を鍛え、駄目な社員を淘汰していたのは間違いない。
現在の職場は、言わばブレーキを失い、暴走したらしっぱなしの状態である。

  そこもまた例によって顧客主義を標榜していたが、
  営業の現場では、いかに顧客のいいなりになるかに
  全力をあげているような状態であった。(p.140)

そう、社員が「顧客の言いなり」になってしまうようではいけない。
また、顧客は「社員は言いなりになるのが当然」と思うのもおかしい。

  つまり、自分と机を並べる上司の言葉に、
  それがどんなに素晴らしいものであっても、
  部下はモチベートされなくなってくる。
  これは、上司にも部下にも不幸なことである。
  もちろん、会社にとっても経営者にとってもだ。
  管理職が部下の隣に座っていては駄目なのだ。
  経営者に社員が通勤電車出会えるようではもっと駄目だ。(p.152)

最近、なかなかこういう論調は見られないのだが、
私も、著者の主張に賛同する。

  経費節減キャンペーンは、その始まりと終わりで二度、
  社員のモチベーションを落とすものである。
  まだある。実はこうした実のないキャンペーンは、
  「形だけやっているふりをする」企業体質を生むものである。(p.157)

世間で「エコ」を論じる時、このあたりの部分で著者が述べていることと
相通じるものがあるのではないかと、私は感じた。

また、これら以外の部分でも、
わりとあっさりとコンパクトにまとめた文章の中に、
他の書物ではあまり見られない、「!」というところが、随所に見られた。
押しは強くないが、キレはある一冊といったところか。





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Last updated  2008.12.13 21:32:55
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