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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.11.28
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カテゴリ: 文芸

 しばらくの間、本を閉じることが出来なかった。
 呆然と思考停止したまま、心のやり場を見つけきれず、
 身体も感情もそこで留まっているしかなかった……

 もちろん、これまで読んだ作品においても、
 こんなふうに、エンディングで行き場を失ってしまうことは多々あった。
 それこそが、村上作品の真骨頂と言えるかもしれない。
 しかし、今回はこれまでとは比べものにならないほどに茫然自失……

エンターテイメントの面から言うと、
これまでのどの作品よりも 『1Q84』 は面白かった。
スリルとサスペンスに満ち溢れ、テンポよく展開する活劇に、
次から次へとページを捲る手を止めることができない。

青豆のお話しには『必殺仕事人』的色合いを持たせつつ、
そこに純愛、ラブ・ストーリーがしっかりと埋め込まれている。
一方、天吾のお話しでは、文学賞への危険な挑戦を描きつつ、
村上さん定番の「書く」ことや「父と子」についても描いている。

そんな二人の接点として「さきがけ」という宗教法人が登場。
そこには 『アンダーグラウンド』 を執筆したことの影響が、とても色濃く感じられる。
そして、その執筆経験が、これまでの村上ワールドと相まって、
この作品で、見事なまでの新しい世界を構築させたのである。

その新しい世界を象徴するのが「リトル・ピープル」という存在。
もちろん、それが何ものであるかは判然としない。
そして、もうひとつの象徴が「空気さなぎ」。
天吾が、最後に空気さなぎの中に見たものは……

このお話しでも、たくさんの人が次々に死んでいく。
その理由は様々だが、お話しの展開の中で、とにかく色んなものが失われていく。
そしてエンディング直前、作者は予想外の流れを用意し、
実にあっけなく、読者からも奪ってしまうのである……それ故の茫然自失……

   ***

しかし、読者には朗報が。
『1Q84』の第3部を村上さんが執筆中だという

『ねじまき鳥クロニクル』 は、第1部と 第2部 が執筆された後、間を置いて 第3部 が書き下ろされた。
『ねじまき鳥クロニクル』では、村上さんは第1部・第2部を発表する前から、
実は、第3部を書くことを決めていたようだが、
とりあえず、第1部・第2部を一つの完成した作品として先に刊行したという経緯がある。

『1Q84』については、どのように考えていたのか明らかでないが、
とにかく『1Q84 BOOK2』を読んで、茫然自失状態になってしまった読者にとっては、
その心のやり場を見つけられる可能性が出てきたことに、ホッと胸をなで下ろしたことだろう。
もちろん、私もその中の一人である。





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Last updated  2009.11.28 16:11:50
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