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2013.01.27
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カテゴリ: 社会・政治・時事

 だが、ズバッと核心を突いている記述が目白押し。
 しかし、そのあまりに攻撃的な姿勢には、思わず「大丈夫か?」と心配になる。
 それでも、的を射た記述なので、読んでいて気分は悪くない。

 と言うか、誰もが表明し辛いような部分についてまで、
 遠慮容赦なく、平然とズバズバ書き放ってくれているので、
 日頃溜まったモヤモヤが、スカッと晴れ渡る気分にさえなってくる。
 まぁ、こんなブログを書いてる私自身もB層で、非難されている対象なのだが。

まず、著者の「大衆」というものの捉え方は、次のガセットさんに近いと考えられる。

  スペインの哲学者オルテガ・イ・ガセット(1883~1955年)は、
  大衆を「凡庸であることを自覚しつつ、凡庸たることの権利を主張し、
  圧倒的な自信の下、浅はかな価値観を社会に押し付けようとする存在」
  と規定しました。(p.41)

大多数の人たちが「自分は一般大衆」だと思っているであろう現在の日本において、
このスタンスは、相当数の人たちから反発を受ける可能性がある。
それでもなお、著者は、現在大衆から大いに人気を博している
(大阪という地域限定かも知れないが)橋下さんに対しても、かなり攻撃的に批判する。

  ロベスピエールは、代々弁護士の家系に生まれた弁護士でした。
  彼は「ひとの話を聞き」、「ひとの利益を考え」、それを実行するための
  「法律的手段を考える」ために、弁護士から政治家に転身します。
  「市民のための政治」を唱えたロベスピエールは、過去のしがらみを断ち切り、
  社会正義を実現させるための抜本的改革を唱えるようになる。
  いわば「グレート・リセット」です。
  1789年7月、バスティーユ襲撃を契機としてフランス革命が発生します。(p.112)

ロベスピエールは、革命後の1793年、ジャコバン派の領袖となって公安委員会を掌握、
反革命容疑者法を制定して、政府に都合の悪い人間を監視委員会に告発、
次々に革命裁判所へ送りこんで、ギロチンで処刑していくことになる。
彼のこの行為について、著者は次のように述べている。

  ロベスピエールは暴走したのではありません。
  彼らは社会正義と人権の名の下に理性的に大量殺戮を行ったのです。(中略)
  理念をかかげれば、人間はどこまでも落ちぶれることができる。
  それを示したのがフランス革命という蛮行でした。(p.114)

著者は橋下さんに、ロベスピエールの影を見、その政治手法に危うさを感じているのであろう。
そして、橋下さんについて、さらに次のようにも述べている。

  言っていることが論理的でないので、なかなか論理では批判できない。(p.142)

「なるほど、そう来ましたか」と唸らされた一文。
続いては、著者による、現在の国の有り様についての指摘。

  司法、立法、行政すべてにおいて大事なことは、
  専門家、プロ、職人の技術を尊重することです。
  そして、お互いの領域を浸食しないことです。(中略)
  法律を扱うのは法律家であるべきだし、歴史を扱うのは歴史家であるべきです。
  同様に、政治を扱うのは政治のプロでなければならない。
  B層社会はこうした「当たり前のこと」を許容しません。
  そして、あらゆるプロ、職人の領域に、《素人の意見》を押し付けようとする。  
  そろそろ目を覚ますべきでしょう。
  今求められているのは理念を語る革命家でも閉塞感を打ち破るリーダーでもありません。
  それは、過去と未来に責任を持つ人間、正気を保っているプロ、職人です。(p.177)

この一文について考えるとき、真っ先に思い浮かぶのが「裁判員制度」だが、
この制度について、実際のところ、現時点で、国民はどう感じているのだろうか?
私自身は、未だに違和感を拭いきれないままでいるのだが……
「市民に開く」の合い言葉の下、専門家を軽視する制度が拡大し過ぎるのは気になる。

  リップマンは民意の危険性について次のように分析しています。
  「なぜなら、あらゆる種類の複雑な問題について一般大衆に訴えるという行為は、
   知る機会を持ったことのない大多数の人たちをまきこむことによって、
   知っている人たちからの批判をかわしたいという気持が出ているからである。
   このような状況下で下される判断は、誰がもっとも大きな声をしているか、
   あるいはもっともうっとりするような声をしているか(中略)によって決まる。」(p.192)

先にも述べたが、国民の大多数が「自分は一般大衆」と考えているであろう現在の日本において、
著者の主張は、すんなりと快く受け入れてもらうことが出来ないものかも知れない。
しかし、それでも、本著を読むことは、
「民主主義」という名のシステムの危うさについて考える、良い機会になると思う。





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Last updated  2013.01.27 10:57:12
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