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2020年12月19日
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カテゴリ: 国内旅行365

こんにちは。

本日は、新刊 「​​​ おもしろ歴史ウォーキング 相模・伊豆国 ​編​​​​​ 」からのネタです。



今回、ご紹介するのは、第5章の『 三島駅前の観光スポット・楽寿園は、装飾絵画で彩られた建物と絶景の溶岩庭園が素晴らしい 静岡県三島市 』。

三島といえば、日本百名城にもなっている、お城ファン必見の名城・山中城がありますね。

詳しくご紹介するのは次回ですが、今回は、山中城の一部である岱崎出丸(だいさきでまる)にも少し触れます。

諸事情があって、冒頭の部分だけですが…。

すべての記事は、 ​​ こちら ​​ですよ。

是非、本書もご覧いただければ幸いです。

ちなみに記事は、 2018 4 月に行った時のもの。取材した頃のように、何の心配もなく出歩ける日が返ってくることを祈っています。

1.かつて伊豆国の国府が置かれた三島市

 今回は、前から行きたかった場所・静岡県三島市を歩きます。

 三島市は、静岡県東部にある人口約 10 万人の都市。伊豆半島の北端部に位置し、かつては伊豆国の国府が置かれていたところです。

 ただ現在は、東海道新幹線の停車駅があり、東海の一都市というイメージかも。伊豆国だったと言われると、少し戸惑ってしまいますな。

 歴史ウォーキングの見どころといえば、やはり伊豆国一の宮である三嶋大社ははずせないでしょう。市の中心部にも、楽寿園という一押しの観光スポットがあるらしい。

 ただ私が、もっとも三島に来たかった理由は、ほかにあるのですよ。

 それは、山中城。

 北条流築造術の粋を集めた城郭で、豊臣秀吉の小田原征伐の際は、激闘が行われた場所でもあります。

 山中城の魅力は、壮大な畝堀や障子堀などのビジュアル面でしょうか。見た目が良いなどと言うと、城好きとしては修業が足りないと言われそうですが…。

 しかし、関東は土の城が多く、写真を撮ると、イマイチその迫力や美しさが伝わらないのが悩みの種でした。

 ところが山中城は、土の城には珍しくインスタ映えする城郭なのですよ。

2.三島駅徒歩 3 分で、観光客のさまざまなニーズに対応できる楽寿園

よし、バシバシ山中城の写真を撮りまくるぞ、と三島駅に降り立ちました。

 ただ、せっかく三島まで来たのだから、山中城だけの見学ではもったいない。山中城へ向かうバスの時間を確認し、それまで市内観光をすることにしました。

 まず向かったのは、先ほども触れた楽寿園。


 なんと、駅前に入り口があるのですね。時間が限られた忙しい旅人には最適の観光スポットかも。

 楽寿園は、三島市立の公園で、広さは約 75,000 平方メートル。園内には、小浜池という特徴的な景観の池があるらしい。

 ここは 1890 年に、小松宮彰仁親王の別邸が造営された場所です。その後、大韓帝国の皇太子の別邸となり、さらに資産家の所有を経て、 1952 年から三島市が管理運営するようになったのですか。

 かつては風光明媚な郊外に別邸を構える有力者は多かったそうですが、駅前に別邸を設けるとはすごいと思いました。

 もっとも、豆相鉄道(現在の伊豆箱根鉄道)が開業したのが 1898 年。丹那トンネルが開通し、東海道本線三島駅が開業したのが 1934 年だから、別邸のほうが先輩なのですね。

 別邸の目の前に駅を作らせたとすれば、もっとすごいですが…。

 楽寿園には、特徴的な景観の庭のほか、小規模の遊園地や動物園も併設されているのですね。子供からお年寄りまで、さまざまな観光客のニーズに対応してくれるのがうれしい。入園料も大人 300 円とリーズナブルで、お得感も最高でした。

遊園地や動物園のニーズは今のところないのでパスして、まず向かったのは、小松宮彰仁親王の別邸として建てられた 楽寿館





もらったパンフによれば、京都風の高床式数寄屋造りの建物だとか。 館内には、野口幽谷や滝和亭など帝室技芸員(現在の人間国宝にあたる) 6 人を含む、明治時代を代表する画家の作品が展示されていると書かれていました。

内部は、ガイド付きツアーという形で見学できるのですな。ただ、建物内は写真撮影が禁止なのは少し残念。

ガイドさんの案内に従って建物内を巡ると、さまざまな部屋に描かれた装飾絵画を見ることができます。さながら、美術館の中を歩いているような気分。

特に、主室と次の間からなる楽寿の間は、襖や杉戸、天井に、当時の一級の日本画家達による 210 枚もの 装飾絵画 が素晴らしかったです。

楽寿の間の廊下から見る小浜池の眺めも印象深かったですね。ここに別邸を作った理由が納得できました。

3.国の天然記念物および名勝に指定されている絶景の庭園

 楽寿館を出て、さきほど楽寿の間から見た絶景の庭園を歩きます。まず目に留まったのは、いこいの松。


枝ぶりが見事で、ネーミング通り心が和みますな。

 それにしても、庭園の中は、岩の量が半端ない。これは、溶岩ですかね。



 私はいろいろな場所で日本庭園を見学していますが、これほど岩の多い庭園は初めてかも。

 富士山の溶岩を置き、池や木と対比させて、面白い景観を作っている庭園はいくつか見た記憶があります。しかし、この溶岩の量は、岩を後から設置したというより、地面から湧き上がってきたような感じ。

 それもそのはずで、これらは約 1 万年前の富士山の噴火で流れ出したもの。三島市は、溶岩流の上にできた街みたい。事実、地質学上貴重な場所として、 2012 年には、「伊豆半島ジオパーク」のジオサイトとして認定されたのですね。


 小浜池と呼ばれるエリアは、水が完全に干上がって、独特の奇観を呈していました。


 池が作られた当初は、富士山の雪解け水が湧き出して満々と水を湛える池だったそうなのですよ。ところが、 1962 年頃から湧水の枯渇が続き、このような状態になってしまったとのこと。


 これでは池と呼べないのではないか。…と思ったら、数年に一度、池が満水を迎えるときもあるらしい。


 水辺に張り出した楽寿館を見たかったけれど、水のまったくない池泉回遊式庭園も珍しくて興味の泉が湧いてきます。

 ただ、楽寿園の池が全部干上がっているわけではなく、水がたまっている池もあるのですよ。




 それぞれの池の地下は、どんな構造になっているのだろうかと想像を膨らませるのでした。

 ほかにも、楽寿園には、無料で見学できる三島市郷土資料館がありました。本来ならじっくり見学したいところですが、山中城へ向かうバスの時間が迫っています。後ろ髪をひかれる思いで、楽寿園を後にするのでした。

4.旧東海道を両側から扼するために作られた山中城

 三島駅前に戻り、元箱根港行きのバスで山中城跡に向かいます。 1 時間に 1 本ほどのペースで運行していて、乗車時間も 30 分くらいですか。

 山城へ行くと考えたら、アクセスは悪くないでしょうね。ただ、山中城跡で食べる兵糧をコンビニで調達していたら、バス停にものすごい行列ができていました。

(以下、 「​ おもしろ歴史ウォーキング 相模・伊豆国編 ​​ に続く)

 その後、コロナ禍の現在では信じられない程すし詰めのバスに揺られて、山中城へ。

最近は、お城の御朱印なるものができるほど、城めぐりが人気らしいですね。半世紀も前から城めぐりをしている私としてはうれしい限り…。

 …と思ったら、山中城の手前で、ほとんどの観光客が降りてしまったのでした。山中城へ行く旅人は、たった 2 人ですか。

 皆が降りた場所には、確かに、人気の観光スポットがあります。城ヲタクとしては、山中城をスルーするほどの魅力がありますかね。

 …と、多少いじけた気持ちになりました。

山中城は、旧東海道を両側から押さえるために、「本城」の部分と「岱崎出丸(だいさきでまる)」の部分に分かれています。



まず向かったのは、岱崎出丸。

ここには、落ちたらダブルボギー確実の巨大な畝堀を見ることかできました。


小田原征伐の際、進軍してくる豊臣の大軍を迎え撃つために、これだけの規模の堀が必要だったのでしょうね。

 山中城は、富士の絶景も素晴らしい。


ほかにも、すり鉢曲輪や出丸御馬場、堀構築途中の曲輪跡など、出丸だけでも一つの城以上の見どころが目白押し!

ご興味のある方は、是非、​​こちら​​をご覧いただければ幸いです。

​​​ おもしろ歴史ウォーキング  ​​ 相模・伊豆国編 ​​



(参考)

目次より

第1章 和泉川沿いに点在する鎌倉時代の武将・泉小次郎の遺跡と横浜市内で唯一残る製糸場を歩く 神奈川県横浜市

1.泉区の名に恥じない、駅前に広がる地蔵原の水辺風景

2.執権北条氏の打倒を図った泉小次郎ゆかりの須賀神社と長福寺

3.鎌倉時代の館か、南北朝時代の城かで迷う中和田城

4.「手づくり郷土賞」受賞の和泉川親水広場と心癒される神社仏閣めぐり

5.横浜市内で唯一残る製糸関連の遺構と 森と泉に~囲まれた天王森泉公園

6.境川における東泉寺・琴平神社の深い関係と富士塚城跡の謎

第2章 源頼朝の蛭ヶ小島、北条早雲の韮山城、江川太郎左衛門の江川邸がセットで楽しめる韮山を歩く 静岡県伊豆の国市

1.源頼朝と鎌倉北条氏、後北条氏発展の舞台になった韮山

2.源頼朝が配流された場所と伝わる蛭ヶ小島

3. 3 6 百の兵力で、 4 4 千の豊臣方の攻撃に約 100 日間持ちこたえる

4.戦国時代とともに生き、その終わりとともに終焉を迎えた韮山城

5.戦国の城の迫力を今に伝える土塁と急斜面

6.富士山の絶景を独り占めできる韮山城の本丸

7.お台場の築造に大きな役割を果たした江川太郎左衛門

8.大河ドラマ「篤姫」「西郷どん」や「JIN-仁」などのロケに使われた江川邸

第3章 世界文化遺産・韮山反射炉とそれに匹敵する観光スポットに育つことを期待したい伝堀越御所、北条氏邸 静岡県伊豆の国市

1.頭を空っぽにしながらでも楽しめる担庵公思索の道

2.「世界文化遺産・明治日本の産業革命遺産」として東日本で貴重な韮山反射炉

3.実際に鋳鉄の溶解が行われた反射炉としては、世界で唯一現存する遺構

4.北条時政建立の願成就院は、運慶作の国宝仏を所蔵

5.「箱根の坂」や「里見八犬伝」に登場する堀越公方の御所があったとされる場所

6.意味深な溝や石が点在する北条氏邸跡

7.北条氏邸の跡に建つ、北条一族の菩提を弔う寺院・円成寺の跡

第4章 古代から近世の歴史スポットが満載! 歴史散歩の王道が満喫できるウォーキングコース 神奈川県川崎市

1.古代と中世の歴史スポットがいっぱいのウォーキングコース

2.7世紀末に創建されたと推定される関東の正倉院・影向寺

3.古代橘樹郡の役所跡に作られた眺望の良い古代の丘緑地

4.弟橘媛伝説と古事記との関連が興味深い子母口富士見台古墳

5.川崎の内陸部まで海が広がっていたことを示す子母口貝塚

6.思わず血圧が上がる江戸時代の領主の暴挙と癒しの「農の景色」

7.土塁か、古墳か、人によって見え方が違う井田城跡

第5章 三島駅前の観光スポット・楽寿園は、装飾絵画で彩られた建物と絶景の溶岩庭園が素晴らしい 静岡県三島市

1.かつて伊豆国の国府が置かれた三島市

2.三島駅徒歩 3 分で、観光客のさまざまなニーズに対応できる楽寿園

3.国の天然記念物および名勝に指定されている絶景の庭園

4.旧東海道を両側から扼するために作られた山中城

5.城が未完成のまま豊臣の大軍を迎え、多くの武将が壮絶な戦死を遂げる

6.ダブルボギー確実の岱崎出丸の巨大な畝堀

第6章 ビジュアルでは、石垣の城に負けない土の城・山中城と伊豆国の一宮・三嶋大社を歩く 静岡県三島市

1.豊臣の大軍と激闘が行われた日本百名城・山中城

2.ビジュアルで石垣の城に負けない、山中城の畝堀と障子堀

3.豊臣軍との攻防戦時の様子が気になる西の丸

4.傾斜地にある二の丸と二段構造になっている本丸

5.厳重に守られ、本丸より標高の高い場所にある北の丸

6.半日で落城した山中城と百日持ちこたえた韮山城の要害度に関する一考察

7.伊豆国一宮・三嶋大社と水辺の景観が美しい白滝公園

第7章 歴史スポットは相模国分寺跡だけじゃない! 巨大古墳に中世の武士の館跡がてんこ盛りの海老名を歩く 神奈川県海老名市

1.七重塔がそびえたつ海老名中央公園

2.船つなぎ用の杭が育った伝説がある海老名の大ケヤキ

3.歴史好きがスルーするのはもったいない、ひさご塚古墳と浜田歴史公園

4.全国的に珍しい建物の配置があったという相模国分寺跡

5.京都の東寺の五重塔より高い七重塔があった

6.大正 7 年に作られた村役場庁舎を活かした郷土資料館がある

7.パンダとネギでも注目を集めた相模国最古級の有鹿神社

第8章 戦国の城ファン必見の深見城と緑深い水源地を中心に広がる泉の森公園をめぐる旅 神奈川県大和市

1.大和市のネーミングと銀行合併の意外な関係

2.明確な遺構が残るものの、資料が少ない謎の城・深見城

3.当時の縄張りをイメージできる戦国ファンにとって貴重な城

4.日本の原風景とエキゾチックな橋のコラボが魅力の泉の森公園

5.古民家の間取りの変化が理解できる大和市郷土民家園

第9章 戦国関東のスーパースター太田道灌、北条早雲にかかわる大城郭・大庭城を歩く 神奈川県藤沢市

1.ゴージャスなススキの群落に出会える引地川親水公園

2.後北条氏の城の特徴?が気になる裏門公園

3.縄文時代から、人々の生活の舞台であった大庭城

4.いったい誰が、こんな大城郭を作ったのか

5.大庭城にまつわる悲しい伝説が残る舟地蔵

6.もうひとつの大庭神社と裏山に大庭景親の居館があったと伝わる宗賢院

7.はるか彼方に江ノ島の絶景が見える伊勢山公園






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最終更新日  2020年12月19日 13時10分52秒
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