音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2019年06月29日
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テーマ: 洋楽(3407)
ニューオーリンズの音楽の深みに嵌る必聴盤(後編)


前編 ではドクター・ジョン(Dr. John)のこの時期やアルバム『ガンボ』の位置づけについて私見を述べてみた。後編となる今回は、アルバム所収の曲について個人的に聴きどころと思う部分を中心にいくらか見ていきたい。

 収録曲は主にニューオーリンズの伝統的R&B系の楽曲で、中にはトラディショナルとしてクレジットされている曲もある。唯一4.はマック・レベナック(つまりはドクター・ジョン)の名義であるが、基本的にはほぼ全編がカバーで占められている。

 シングル・カットされた1. 「アイコ・アイコ」 は、元は1950年代のジェイムズ・"シュガー・ボーイ"・クロフォードの曲で、現題は「ジャカモ(Jock-A-Mo)」というが、さらに元をたどると、マルディグラ・インディアンのチャントに基づいてできた曲とのこと。トラディショナル曲である8.「スタッカ・リー」は、後述の2.と並んで筆者の推しナンバー。「アイコ・アイコ」にしても、「スタッカ・リー」にしても、きっとニューオーリンズの街のあちらこちらで演奏されていたであろう楽曲を、本盤の演奏でうまく自分色に染めて提示している。

 ヒューイ・"ピアノ"・スミスのナンバーである2.「ブロウ・ウィンド・ブロウ」は、個人的には本盤を象徴する演奏という印象を抱いている。なお、このヒューイ・スミスはドクター・ジョンへの影響が大きいようで、11.のメドレー(「ハイ・ブラッド・プレッシャー~ドント・ユー・ジャスト・ノウ・イット~ジョン・ブラウン」)が彼のカバーのメドレーであるほか、12.「リトル・ライザ・ジェーン」でもこの人のカバーを披露している。

 他に注目したい曲としてぜひ挙げておきたいのは、5.「メス・アラウンド」。アトランティック・レコードを立ち上げたアーメット・アーティガンのペンにより、レイ・チャールズで知られる曲。さらに、ニューオーリンズと言えば外せないプロフェッサー・ロングヘアによる9.「ティピティーナ」、アール・キングの6.「レット・ザ・グッド・タイムズ・ロール」(ジミ・ヘンドリックスのカバーでも知られる)も聴き逃がせない。…というわけで、結局は過半の曲を挙げることになってしまったが、ニューオーリンズ音楽への入口としても好適なアルバムで、なおかつ、ドクター・ジョンの代表盤の一つとしてこれからも聴き継がれていくに違いない、そんな作品と言えるだろう。


[収録曲]

1. Iko Iko
2. Blow Wind Blow
3. Big Chief
4. Somebody Changed The Lock
5. Mess Around
6. Let The Good Times Roll
7. Junko Partner
8. Stack-A-Lee
9. Tipitina
10. Those Lonely Lonely Nights
11. Huey Smith Medley: High Blood Pressure~Don't You Just Know It~Well I'll Be John Brown
12. Little Liza Jane

1972年リリース。




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Last updated  2019年06月29日 17時34分03秒
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