音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2020年11月22日
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バンド力が発揮されたライヴ演奏盤


 トラフィック(Traffic)は、スペンサー・デイヴィス・グループで頭角を現したスティーヴ・ウィンウッド(Steve Winwood)が1967年に結成したバンドだった。当初は彼のワンマン・バンドのような色合いが濃かったが、1969年にブラインド・フェイス(エリック・クラプトンらと合流したいわゆる“スーパー・グループ”で、この年のうちにあえなく解散)に参加した後、様子が少し変わった。トラフィックの活動は、これを境に第一期(結成から1969年の解散まで)と第二期(1971年の再結成から1974年の解散まで)に分けられる。本盤はちょうど後者の時期にあたるライヴ盤で、バンドとしてのまとまりやアンサンブルが存分に発揮されている。

 もう少し細かな事情を見ておくと、本盤ではデイヴ・メイスン(Dave Mason)の参加が鍵になっている。メイスンは、1968年に一時期的にバンドを抜けているが、その際は数か月後に復帰、そして最初のバンド解散時にはバンドを再び脱退していた。要するに、彼はウィンウッドとは折り合いが悪かった(2000年代の殿堂入りに至っても、そのステージを巡って仲たがいしていた)のだろうけれど、1971年の再結成時にもこの人物の姿はなかった。しかし、ほんの一時期だけ(たった6公演だけだったらしい)、彼はこの第二期に合流した。本盤にはその時の演奏が収められている。

 この盤のジャケットには、バンド名ではなく、メンバー名が列記されている。上記のようなわけで、スティーヴ・ウィンウッド(ヴォーカル、ピアノ、ギター)とデイヴ・メイスン(ヴォーカル、ギター)に加え、ジム・キャパルディ(パーカッション)、クリス・ウッド(サックス、フルート、ピアノ、オルガン)、リック・グレッチ(ベース)、リーバップ・クワク・バー(コンガ、ティンバル、ボンゴ)、ジム・ゴードン(ドラム)という全員の名が記されている。収録内容は、全6曲のうち、4曲がLP時代のA面、残る2曲がB面となっている。つまりは、最初の4曲は通常の尺(といっても6分超の演奏も含まれるのだけれど)で、アルバム後半は長尺の演奏(約11分と約9分)の2曲という配分になっている。

 聴きどころは、やはり後半の長尺の2曲。5.「ディア・ミスター・ファンタジー」は、トラフィックのデビュー盤( 『ミスター・ファンタジー』 )に収録のナンバー。6.「ギミー・サム・ラヴィン」は、トラフィック結成前にウィンウッドが属していたスペンサー・デイヴィス・グループの代表曲。どちらも元の尺よりも大幅に長く、ライヴ演奏向けの長尺構成の意図が明確で、緊張感と盛り上がりが存分に楽しめる。他に注目したい曲としては、4.「欲ばりすぎたネ(シュドゥント・ハヴ・トゥック・モア・ザン・ユー・ゲイヴ)」で、2.「サッド・アンド・ディープ・アズ・ユー」と並んで、デイヴ・メイスンのアルバムからの曲で、メイスン自身がヴォーカルを担当している。


[収録曲]

1. Medicated Goo
2. Sad and Deep as You
3. Forty Thousand Headmen
4. Shouldn't Have Took More Than You Gave
5. Dear Mr. Fantasy
6. Gimme Some Lovin'

1971年リリース。




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Last updated  2020年11月22日 22時06分16秒
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