音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2020年11月19日
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テーマ: 洋楽(3407)
聴き続けたい、地味な好盤


 マイク・フィニガン(Mike Finnigan)は、1945年オハイオ州出身のキーボード(主にハモンド・オルガン)奏者、ヴォーカリスト。デイヴ・メイスン・バンドの一員として活躍したほか、ジミ・ヘンドリクス、CSN&Y、タジ・マハール、マリア・マルダー、リンゴ・スター、レナード・コーエンなど様々な大物ミュージシャンのレコーディングやツアーへの参加経験を持つ。

 ジェリー・ウッドとの共作を先に残していたとはいえ、彼にとって初めてのソロ作品となったのが、1976年リリースのセルフ・タイトル作『マイク・フィニガン(Mike Finnigan)』であった。いわば“隠れた名手”的なセッション・ミュージシャンが、三十路にして出したソロ作品といったわけだったが、特にヒットというわけでもなく、日本でもこの作品は発売もされなかったという。だからといって聴く価値のない盤かというと、まったくもってそんなことはない。“こういう地味な好盤こそ聴き継がれてほしい”思う作品の典型例の一つと言っていいように思う。

 ジャケットのイメージからは、カントリーか何かのアルバムと思ってしまう人もいるかもしれないが、実際には米国ルーツ音楽に根ざした泥臭さとソウルフルさが同居する楽曲を軸とし、さらにはジャズの影響も窺い知れる作品に仕上がっている。全体的には、様々な曲のカバーが中心だが、その選曲にもセンスが感じられる。以下、個人的好みを元に、注目曲をいくつか挙げてみたい。

 冒頭の1.「グレイス・オブ・ユア・ラヴ」や2.「パフォーマンス」を聴くとすぐにわかるように、いくつもの曲でそのヴォーカリストとしての素質が発揮されている。さらには4.「ザ・ルーム・ノーバディ・リヴズ・イン」なんかも併せて聴くにつけ、ふとしたきっかけで ボズ・スキャッグス のようなAORヒット・メイカーになれたのではなかろうかと想像してしまう(実際、彼は後にAOR風なアルバムを制作している)。5.「ニューヨークの想い」は、言わずと知れた ビリー・ジョエル の名ナンバー。7.「サザン・レイディ」は、リタ・クーリッジで知られる曲だが、ここでは マリア・マルダー がコーラスに参加している。8.「エヴリシング・ウィル・ワーク・アウト・ライト」は、演奏面でもヴォーカルに関しても、本盤の中で特に筆者の一押しのナンバー。ついでながら、ギターにエイモス・ギャレットが参加しているのも目を引くが、上記5.や8.のギタープレイもなかなかカッコいい。上にも記したとおり、こういう“地味な好盤”こそ、長く聴き続けられるべきと思う。もちろん、自分でもまだまだ聴き続けたい。 



[収録曲]

1. Saved by the Grace of Your Love
2. Performance
3. Baby, I Found Out
4. The Room Nobody Lives in
5. New York State of Mind
6. Ace in the Hole
7. Southern Lady
8. Everything Will Work Out
9. Misery Loves Company
10. Holy Cow
11. Mississippi on My Mind

1976年リリース。




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Last updated  2020年11月19日 05時04分51秒
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