音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2024年06月27日
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テーマ: 洋楽(3407)
ギター・ヒーローの道へ、ゲイリー・ムーアの魅力


 ゲイリー・ムーア(Gary Moore)がヴァージン・レコードに移籍して1982年にリリースしたのが、『大いなる野望(Corridors of Power)』(現在では邦題も『コリドーズ・オブ・パワー』となっている)である。バンド形式を含めてムーア自身の名義盤としては4枚目のスタジオ作であった。

 自らがヴォーカリストとして前面に出て、ギターも披露する。楽曲は、ハードというよりはポップでキャッチーな方向を向く。こうした傾向は、本来のハード志向の音楽を好む向きからはメロディアス・ハードや産業ロックなどといった言葉で揶揄される。けれども、時代の潮流も含め、1980年代のムーアは明らかにこういう方向に向かい、“ギター・ヒーロー”として結果的に成功を収めた。ムーアのキャリアの中でこの時期を嫌いでない人には、その先駆けとなった1982年の本盤も聴き逃がせない1枚ということになるように思う。

 オープニング曲の1.「ドント・テイク・ミー・フォー・ア・ルーザー」はストレートかつパワフルなロック・ナンバーに徹しているのがいい。続く2.「オールウェイズ・ゴナ・ラヴ・ユー」は、絵にかいたようなキャッチーで哀愁あるスロー・テンポのナンバー。3.「ウィッシング・ウェル」はフリーのカバーだが、フリーらしい曲調の楽曲をうまくゲイリー・ムーア風に料理していると思う。5.「フォーリング・イン・ラヴ・ウィズ・ユー」は、本盤収録曲の中では、上記の2.と並ぶバラード曲。

 アルバム後半には、本来のギタリストらしさもより強調され、ギター・プレイの面で出色は、6.「エンド・オブ・ザ・ワールド」の冒頭から繰り広げられるギター・ソロである。また、7.「ロッキン・エヴリ・ナイト」は、キャッチーな方向を向く一方で、ハード・ロック的精神を忘れていないことを示す1曲となっている。作品を締めくくる9.「アイ・キャント・ウェイト・アンティル・トゥモロー」は、哀愁感が凝縮されたようなナンバー。上記の7.に代表されるようなムーアを求める人には好評とはならないかもしれないが、本作全体の方向性を考慮すると、この盤を象徴する曲と言ってもいいのかもしれない(そして、筆者は案外これが好きだったりする)。


[収録曲]

1. Don't Take Me for a Loser
2. Always Gonna Love You
3. Wishing Well
4. Gonna Break My Heart Again
5. Falling in Love with You
6. End of the World
7. Rockin' Every Night
8. Cold Hearted
9. I Can't Wait Until Tomorrow

1982年リリース。




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コリドーズ・オブ・パワー [ ゲイリー・ムーア ]




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Last updated  2024年06月27日 06時21分54秒
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