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2年前、日朝交渉を担当する外務省幹部の自宅で爆発物を模した不審物が見つかった。その際に、石原慎太郎東京都知事は「爆弾を仕掛けられて当たり前」と述べた。私たちはこの発言を「テロ容認そのものだ」と批判した。
個性的な政治家が口を滑らせただけのことだ。いちいち目くじらを立てるのは大人げない。そんな見方もあるだろう。しかし、テロを認めるような言動は、どんなささいなものであれ、見過ごしてはならないと考える。
武力や暴力による言論の否定は、民主主義社会を破壊することだ。乱暴な言葉に慣れっこになり、そうした危うさへの感度が鈍ることを恐れる。
それにしても解せないのは、西村氏が民主党にいることだ。小沢一郎氏の率いた旧自由党に属し、後に合流した経緯はわかる。しかし、民主党はアジア重視の外交を唱え、岡田代表は首相の靖国神社参拝に反対している。
一方の西村氏は靖国参拝に賛成したうえ、日本の過去の戦争は自存自衛のためであり、侵略戦争ではないと断言する。
97年には中国と領有権を争っている東シナ海の尖閣諸島に上陸した。このときは石原氏が船で同行している。99年には雑誌の対談のなかで日本の核武装の検討を唱え、暴政政務次官を辞任した前歴もある。あまりにも考えが違いすぎる。
それだけにとどまらない。03年に「建国義勇軍」や「国賊征伐隊」を名乗って広島県教組などに銃弾を撃ち込んだ刀剣愛好家団体の最高顧問と務めたことがある。その団体の会長が役員である会社から政治献金を受け取っていた。
「狙撃してもいい」という西村氏の発言に、その場で何人かの民主党の議員が声をあげて撤回を求めた。適切な判断だったと思う。しかし、解党的出直しを言うなら、こうした資質の政治家を抱え続けることの当否についても、真剣に考える必要がある。
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