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一方、石油製品の供給は、石油企業が経営効率化のなかで設備投資を抑えており、精製能力は不足気味。アメリカではここ30年間、製油所の新設はなく、古い精製設備の稼働率を上げて需要に対応してきました。
最近の原油および石油製品の需要は、中国やインドの経済発展やアメリカの需要増加などを背景におう盛になっています。アメリカの石油需要は2040万バレル/日ですが、精製能力は1600万バレル/日しかなく、不足分は輸入に頼らざるを得ません。自動車社会のアメリカでは需要の中心はガソリンですが、夏の需要期にハリケーンの被害が重なって、通常であれば1ドル/ガロン程度のガソリンが、3ドルを超える史上最高になりました。つまり、原油価格の高騰は、原油の開発部門の投資不足、精製部門における投資不足による柔軟性を欠いた需給構造に、自然災害が加わり、その混乱に付け込んで投機資金が動いたことが原因です。
しかし、石油価格高騰の本当の原因は、設備投資を抑え、石油製品の品薄状態を作り出し、国民生活の充実や経済の安定よりも、自らの利益のみを追及する石油会社の企業行動にあることは明らかです。
今回の原油値上がりでも、石油会社はどこでも史上最高といわれる利益を上げています。日本の石油会社も例外ではありません。コスモ石油、新日石など、日本の大手石油会社の利益は前年同期の2倍から3倍に上っています。
原油価格が高騰しているからやむを得ないなどとはいえません。石油会社のボロもうけは、ユーザー・消費者へ還元させるとともに、便乗値上げは許さない対策が必要です。
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