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2010年07月31日
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テーマ: ニュース(100342)
カテゴリ: 政治問題
 民間団体の情報公開請求を拒んだ防衛省の体質を批判する有識者の発言を、7月15日の東京新聞は次のように紹介している;


「所蔵」はするが、行政文書として「所有」していないという意味不明な理由 だった。情報公開審査会も同省の体質に「隠ペいを疑われても仕方ない」と苦言を呈した。 (出田阿生、田原牧、1面参照)

 防衛省が「念入りに書棚やキャビネットなどを探したが、保有していないと確認された」と説明していたのは内部向けの軍事研究誌。一昨年来、外部からの公開請求に対し、同省は存在していないことを理由に一貫して不開示としていた。

 しかし「自衛隊における『戦前』と『戦後』」と題された外部の学術論文に当の部内誌が多数引用されていたうえ、「防衛大学校の図書室に所蔵されている」と紹介されていたことが見つかり、事態は一変した。

 この『動かぬ証拠』を前にしても、防衛省は「(部内誌は)物品として管理している。しかし、行政文書としては所有はしていない」と意味不明な釈明を繰り返した。

 業を煮やした情報公開審査会は先月、「(部内誌は)行政文書」と一刀両断。答申書で不開示決定を取り消すよう同省に求めたうえ、「防衛省の説明は事実を隠ペいしようとしたと外部から疑われても仕方のない不適切な」「詭弁(きべん)に近い」「(情報公開法が)骨抜きになる」「極めて遺憾」なものと、 異例に強い調子で同省を批判した。

 全国市民オンブズマン連絡会議の代表幹事児嶋研二弁護士は「地方自治体に比べ、国の情報公開は遅れている。文書の存在自体が分かりにくく、なかなか開示されない。そうした中で、審査会が不開示決定を取り消すのは珍しい」と話す。

 同じく代表幹事の畠田健治弁護士は「文書の存在を請求する側が証明しなければいけない。それが最も難しい」と指摘する。開示を求められた側が「存在しない」と回答すれば、通常はそこで終わってしまうからだ。

 今年4月9日には、東京地裁で沖縄返還をめぐる密約文書の開示を命じる判決が出た(国が控訴中)。文書は「存在しない」と主張し続けた国に対し、判決は米国側の公文書や元外務省局長の法廷証言などを基に「国が保有していないとは認められない」と断じた。

 今回も文書の存在を証明する外部の論文が見つかったからこそ、請求側が逆転勝ちできた。畠田弁護士は「役所側が存在しないと簡単に言い逃れられないような情報公開のシステムを作る必要がある」と提起する。

 それにしても、防衛省が開示を拒んだ今回の文書はそれほど機密性が高いのか。上智大の田島泰彦教授(メディア学)は「この部内誌は国会図書館にも置いてある。個人情報でも、軍事機密でもない。その程度の文書すら出さないとはとんでもない役所だ」と憤る。

 審査会の答申を受け、部内誌は近く公開される見通しだが、請求した同研究会の桜井宏之代表は「『所蔵はしているが、所有はしていない』という論理で開示を拒んでいるケースは、他の省庁でもあると思う。今回の答申で、文書の不存在を理由とする不開示決定はすべて見直す必要が出てきた」と語っている。


2010年7月15日 東京新聞朝刊 11版S 22ページ「防衛省の部内研究誌隠ぺい問題」から引用

 大して重要な機密でもない情報を、とにかく公表したくないという姿勢は、官尊民卑の昔風の意識を引きずっているような印象を受けます。現在は国民主権の民主主義社会になっていることを、よく自覚してほしいと思います。






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最終更新日  2010年07月31日 19時56分58秒


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