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植民地下での文化財の略奪と流出、返還と公開について32枚のパネルで紹介した。韓国文化財庁の発表では、日本に流出した朝鮮半島の文化財は6万点以上。帝大教授らが王家の墓を発掘し研究のため日本に持ち帰った土器や青磁、壁画模写は、東京国立博物館や東大などで収蔵、展示されている。 文化財の持ち込みには国が深くかかわった ことが分かる。
不法持ち出し の象徴は、韓国の国宝、敬天寺十層石塔(高さ13・5メートル)。1907年に宮内大臣が解体して日本へ運ばせたが、組み立てられずに放置され、ソウルに戻された後も放置が続き、60年に復元された。その後修理され、2005年にオープンしたソウルの国立中央博物館に展示されている。
日本に持ち込まれた文化財の一部は日韓条約(1965年)に伴い返還されたが、民間からの韓国側への寄贈も相次いでいる。朝鮮王朝時代の文人秋史(チュサ)の研究者だった藤塚鄰(ちかし)氏は戦前に現在韓国の国宝になっている秋史の水墨画「歳寒図」を返還。後年、息子の明直氏は、秋史が晩年を過ごした果川市に、父が残した秋史関連資料を研究費とともに寄贈した。日本では知られていないが、韓国では大きく報道され、日韓の受け止め方の違いがうかがえる。
調査に当たったNPO法人高麗博物館の李素玲(イソリョン)理事は「文化財を元あった場所に返すのが究極の目的だが、まずは なぜ日本に多くの朝鮮半島の文化財があるのか知ってほしい。 ソウルの国立中央博物館は日本人もよく訪れる観光地なので、敬天寺十層石塔を見たら受難の歴史にも思いをはせてほしい」と話す。
11月14日まで。月、火曜休館。入館料は400円、中高生200円。問い合わせは高麗博物館=電03(5272)3510=へ。
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