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2016年04月24日
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テーマ: ニュース(100344)
カテゴリ: 政治問題
 メディアが騒ぎ出すような暴言を吐いても大統領候補者選びのレースから脱落することがないという異常なアメリカの大統領後者選びについて、ジャーナリストの木村太郎氏は、3日の東京新聞コラムに大変興味深い記事を書いている;




 直訳すれば「政治的正当性」。もともとは「黒人」を「アフリカ系米国人」と言い換えるように差別用語を否定することだった。それが差別や偏見を是正する活動を指すようになり、今では政治的な建前論という意味でも使われている。

■「過激派に勝てない」

 ブリュッセルの爆弾テロをめぐり、ヒラリー・クリントン候補がイスラム教徒との協力こそが根本的な解決策だと言うと、共和党のテッド・クルーズ候補がこう反論した。

 「過激派イスラム教徒という表現を(宗教的偏見になると)避けて通るクリントン候補やオバマ大統領の『ポリティカル・コレクトネス』は政治を誤らせる。それではイスラム過激派に打ち勝つことはできない」

 クルーズ候補はすべてのイスラム教徒を監視すべきだと言い、トランプ候補に至ってばイスラム教徒の米国入国を禁止すべきだとまで主張している。

 今回の大統領選では特にこの2人の 「ポリティカル・コレクトネス」に対する「本音」の挑戦 が目立つ。

 「大学が、人種に基づいて入学者を選別するのは間違いだ」(クルーズ候補)

 「人種差別の解消」という「建前」のため大学入学に黒人枠を設ける救済制度が導入されたが、白人側からは不当に排除されていると訴訟も起こされている。

 「私が大統領になれば、デパートに『メリークリスマス』という看板が掲げられるようになる」(トランプ候補)

■日米関係激変も

「信仰の自由」の「建前」から、米国の公共的な施設ではいかなる宗教の行事も禁止されクリスマスを祝うことも自粛 されるようになってしまった。

 「同性婚を認めた最高裁の判断は、基本的に違法であり有効性はない」(クルーズ候補)

 LGBT(性同一性障害者など性的少数者)に対する配慮から、同性婚を承認する動きが広がっていることに対し、宗教的な見地や保守的な立場からの拒否反応が根強い。

 両候補が共和党主流派から疎まれながらも、当初17人もいた同党の候補者候補の中で生き残り、最後の指名を争っている事実は、 今の米国社会に「ポリティカル・コレクトネス」疲れのようなものが広がっている表れ のように思える。

 「片務的な日米安保は再検討する」というトランプ候補の主張も、単なる選挙用のスローガンではなく「米国は世界の民主主義の守護者」というある種の「ポリティカル・コレクトネス」に対する同候補の本音ではなかろうか。

 もしそうだとすると、日本側も米大統領選の行方によっては米国との関係が激変するようなことがあり得ることを覚悟しなければならないだろう。
(木村太郎、ジャーナリスト)2016・4・3


2016年4月3日 東京新聞朝刊 11版S 5ページ「太郎の国際通信-『本音』で押す共和党の2人」から引用

 アメリカでは宗教的マイノリティ救済のために、デパートのクリスマス商戦においても「メリークリスマス」の看板の使用は控えられるというのは、人権尊重のアメリカらしい一面であると思います。アメリカの社会がこのような神経の使い方をするのは、当然人々の意識に依存するのであって、これが日本人の社会ともなると、正月は神社にお参りし、人が死んだときはお寺で葬式を上げて、結婚式はキリスト教会という調子で暮らしていると、暮れになって町中に「メリークリスマス」の看板やらメロディーやらが氾濫しても一向に誰も気にしないで過ごしていけるわけです。
 また、共和党のクルーズ候補の本音は「大学が、人種に基づいて入学者を選別するのは間違いだ」というものだそうですが、この主張は日本の在特会の物の言い方とよく似ていると思います。両者ともに、行政がマイノリティ救済のために実施している政策を「不当な特権だ」と主張しているわけで、こういうことを主張する人間というのは、おそらく競争社会の敗者で、自分の将来の希望を絶たれた腹いせに自分よりも弱い立場の者を攻撃しているのではないか、と思います。









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最終更新日  2016年04月24日 19時30分35秒


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