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欧米のメディアでは シリア・アレッポの人道危機が連日、報道されている。民間人の殺戮(さつりく)はシリア政府軍の仕業であり、背後にロシアが存在する ことは常識である。
シリア危機のさなかに行われた日口首脳会談をめぐる報道は、極めて異様だった。 領土交渉で前進が期待できないことは、大統領の訪日前のインタビューなどで明らかだったが、日本国内のニュースは大統領歓迎のムード を報じ、交渉本体とは関係ないエピソードの類が満載だった。
首脳会談後、一部ニュースはロシアのラブロフ外相が シリアやウクライナ東部の情勢について、日口首脳が認識を共有したと述べた と報じた。これが事実だとしたら、日本を除くG7各国がシリアの平和的解決を求めているさなか、世界的なセンセーションである。
両首脳が世界情勢についてどう認識しているのか、日本は領土問題優先で、欧米と異なる態度でロシアに対するのか など重要な問題がたくさんある。 こうした問題に踏み込めないのなら、日本の新聞、テレビはジャーナリズムとは言えない。
日本の政治家もメディアも、井の中の蛙(かわず)になっていることを痛感させられた首脳会談だった。
(法政大教授)
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