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「PKO撤収『治安悪化』なぜ認めぬ」と問うのは「朝日」(12日付社説)。「南スーダンの治安情勢は悪化し、事実上の内戦状態にある。憲法9条との整合性を保つために設けられた『PKO参加5原則』に適合しているのか、強い疑問がぬぐえない」と憲法の視点から批判します。
「毎日」(13日付)も指摘します。「政府はジュバ周辺は『比較的安定している』として野党の撤退要求を拒んできた。今回の撤収判断の理由に治安情勢を含めると、これまでの説明とそごを来す恐れがある」
地方紙もきびしく批判します。
「治安情勢の悪化を認識しながら派遣を継続したのは、強い反対があった 安保法を既成事実化する狙い から」(「東京」14日付)
「黒を白と言いくるめるような国会答弁は自衛隊員の生命にかかわる問題だけに、看過できない」(沖縄タイムス14日付)
「政府の説明は破綻している。憲法9条に違反する可能性を放置したまま、部隊を現地に置き続けた責任を問わねばならない」(琉球新報12日付)
憲法の視点が全く欠落しているのは「読売」「産経」です。
「読売」13日付は「妥当な政治判断」だとして、ジュバの治安は「比較的平穏」、PKO参加5原則は「守られている」・・・政府答弁のようです。安保法に基づく新任務付与も「国際標準の行動が可能になったのは特筆すべきだ」と礼賛します。
「産経」(14日付)も同様。「新任務を付与する前進もあった」とし、派遣部隊の「日報」をめぐる議論は「神学論争」「不毛な論争」と言い放ちます。
南スーダンの派遣部隊の撤収をどう見るかは、命と憲法という政治の根底に関わる問題。これらの視点が抜け落ちた一部大手紙の異常さが際立ちます。
(しらが・ゆりこ=弁護士)
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