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沖縄・辺野古の工事現場の警備費 に、日当が1人当たり4万~6万円近くも出ているという。ところが警備員本人には1万円しか渡されていない。2年間で77億円も使われている計算になる。入札は1社応札で、しかも業者の言い値だったとも伝えられている。政府が「税金は湯水のように自由に使わせてもらえる金だ」と思っていることの結果だろう。
遠く離れて、 東京電力福島第1原発の事故による被ばくの除染をする作業員 にも同じようなことが行われていた。作業が始まってからも汚染の解消は遅々として進まないが、除染会社の利益率は8年間、5割を常に超えている。
新型コロナウイルス対策の 持続化給付金の事務委託団体「サービスデザイン推進協議会」 は、事務費を落札率99%の約769億円で受注したことについても、同じような意識が通底している。電通、パソナ、トランスコスモスの3社で設立したこの会社から、ほぼ丸投げで電通に再委託している。一体何のための迂回なのか。もちろん、多くの人が想像する通りなのだろうけれども、こんなばかげた金の使い方に、国民は是認・看過しているかのようなのんきさだ。この団体の所在地には機能の実態はない。一般人は給付金などについて、必死の思いで申請しているというのに、どういう神経の逆なでか。
また、 マイナポイント事業の事務委託では、事務費140億円を、一般社団法人「環境共創イニシアチブ」(SII) から、そのまま電通に再委託され、そこから電通の子会社に再々委託され、トランスコスモスや大日本印刷に再々々委託している。これも持続化給付金と全く同じ構図だ。
このたび、会計検査院が官庁や政府出資法人による税金の無駄遣いを指摘したり、制度の改善を求めたりしたのは 248件で、総額297億円 だと報告した。
一見仕事をしているかのように見えるが、 アベノマスクだけで当初466億円を計上、実際の経費は260億円の見込み となったが、あれだけわかりやすい無駄遣いに関して指摘できないのなら、ガス抜き、アリバイのために297億円の報告書を出しただけ、ということになる。あまりにもばかにした話ではないか。
菅政権発足前から騒がれている、菅義偉氏が官房長官の期間に使った宣房機密費78億円の使途は何なのか。用途を明かす義務はないというが、だからといってなぜ明かせないのか。これほどさまざまな隠蔽が問題視されているときに、義務がないという理由だけで 隠し続ける理由は何なのか。
そして、まだまだ忘れてはならない加計学園への支援440億円も、会計検査院の勘定には入らない金額のようだ。
さらに、学園理事長の「腹心の友」、安倍晋三前首相には、辞任してから2ヵ月もたっているのに、東京都渋谷区の私邸の警備が異例の継続状態になっている。首相経験者には通例として1人SPが付くこともあるけれど、細川護煕氏や村山富市氏は煩わしいからと断っていた。私邸の警備には年間2億円かかる計算だが、それくらいの「はした金」(と思っているのだろうけれども)を浪費することについて、関係者は何とも思わないのだろうか。それとも、 来年の自民党総裁選に出て「再々登板」を狙っていることが決まっている(?)ので、警視庁も忖度しているのだろうか。
かたや、日本学術会議の「年間10億円」である。全体の予算で、それも半分は人件費だ。菅首相がそれについて「国民の納得が」と難癖をつけていることとの整合性はどれくらいあるのか。これは、令和の怪談ではないか。
(放送タレント)
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