フリーページ

2022年12月19日
XML
テーマ: ニュース(100336)
カテゴリ: ニュース
防衛予算を倍増すれば国防力も倍になるという岸田政権の幼稚な発想について、流通経済大教授の植村秀樹氏は10日の東京新聞で次のように批判している;




 自衛隊の歴史を振り返ると、日米安保条約の改定を巡る安保闘争があった1960年から米ソ冷戦が終結する90年ごろまで、防衛問題に関して国民が非常に反発するので、防衛政策にほとんど進展はなかった。

 それが90年代以降、自衛隊のカンボジアへの国連平和維持活動(PKO)派遣、2003年のイラク戦争における復興支援と称した自衛隊の現地派遣など、海外での任務や活動範囲が広がり、変質してきた。

安保法制も含め変化の根底にあるのは、米国にとって軍事行動を共にする使い勝手の良い同盟国にすることだ。 今回の敵基地攻撃能力の保有も、 打撃力を持つ「真の独立国家」になりたい自民党と、米国の利害が一致した産物で、政府が合理的に冷静に必要性を検討したのか疑問だ。 米国次第で次の戦争に日本が加担しないか危惧している。

 日本は先の敗戦を受け、政治学者も憲法学者も一般国民も戦争体験があり、志のもとで平和憲法を持ち平和国家を目指していく方針を選んだが、各分野で戦争を知らない世代が大幅に増えた。国民も含めて「もうあんな思いをしたくない。戦争は嫌だ」との意識が希薄になってしまった。

日本が敵基地攻撃能力を持てば、中国がおののき抑止力となるというのは楽観的すぎる。中国は経済力も資源もあり、日本が軍拡してもすぐ上回ってくる。 むしろ「北京に`ミサイルを撃ち込む準備をしているのか」と中国のナショナリズムを非常に刺激する。 相手を刺激してなぜ抑止力なのか。 米国と一緒に戦えば怖くないから、いざとなったら米国と戦うという属国としてのあり方でいいのか。日本は別の生き方があるはずだ。
(聞き手・川田篤志)


2022年12月10日 東京新聞朝刊 12版 2ページ 「私はこう考える-抑止力期待は楽観的すぎる」から引用

 2015年に安倍政権が強行採決で可決成立したとする安全保障関連法は、十分な国会審議をしておらず強行採決に当たっては内閣法制局長官を無理やり安倍首相(当時)のイエスマンにすげ替えるという暴挙の果てに無理やり成立させた憲法違反の法律であり、これは無効な法律である。そのようなデタラメな法律に基づいた「次の段階、実践段階に入る」などと言っても、それは子どもの火遊びのようなナンセンスな言説であり、そのようなものに国家予算を充てることは許されません。仮に岸田政権が目論むように数年後に防衛予算を倍増してトマホーク・ミサイルを500基そろえてみたところで、中国は同じクラスのミサイルを2000発保有していると言われ、軍備の競争では中国をしのぐことは不可能です。そんなことよりも、日本の少なからぬ企業が中国に進出して現地で生産活動をしているからには、日中間に武力紛争を持ち込むことは、これらの企業に多大な損害をもたらすことになるわけで、中国を意識した軍備拡大は「百害あって一利なし」と考えるべきでしょう。そのような現実認識の上で、冷静に考えれば、わが国の「繁栄」は「軍備拡大」の先にあるのではなく、「平和外交」の先に存在するものであることを、政府も国民もしっかり認識する必要があります。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2022年12月19日 01時00分06秒


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

佐原

佐原

コメント新着

捨てハン @ 潰れそうな新聞なら東京、朝日、毎日が挙がるかなぁ >全国紙は世論のありかを明らかにし、国…

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: