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理事は、性暴力や性搾取被害の弁護に長く携わっていらした角田由紀子升護士、人身取引や女性の移住労働を専門とする大東文化大学特任教授の齊藤百合子さん、そして、婦人保護施設・慈愛寮の元施設長、細金和子さんである。最強のチームだ。私は昨年の5月から、このチームの一員になった。
その時知ったのだが、長く続いた男性たちによるColab攻撃、特にバスカフェを傷つけ、押しかけて脅迫するなどの事件が続いた時には、たくさんの女性たちが「女の壁」を作ってColaboと少女たちを守ったという。その壁の女性たちの志と団結は今でも続いている。
この日の報告集会では、八つの裁判の勝訴報告のほかに、暇空茜と仮称する人物が弁護団の神原元弁護士を訴えた事件の判決についても報告があった。それも含めこの裁判では裁判所が、 暇空茜による「デマ」11個を認定した のである。 デマ発信の動機が「女性差別」に基づくこと、そして、情報開示請求及び住民監査請求がColaboに対する嫌がらせ目的であることも認められた。 領収書の情報開示が、Colaboに身を寄せる女性たちの個人情報の開示となり、極めて危険なことを分かっていないか、分かっていての嫌がらせかなのである。
ネット上で誹謗中傷し、現場での暴力の映像を流すことで、女性たちはColaboに近づきにくくなる。性搾取を仕事にしている人々や女性たちに性的な存在でいてほしい人たちは、自分も数々の可能性と守られるべき人権をもった「人間」であると、女性たちに気がついてほしくないのである。
女性たちがそれに気づいたら、差別する対象がいなくなってしまう。差別によってしか自分を肯定できない人々は、全力で差別構造を保とうとするものだ。
多くの差別が意識化され、克服されてきた。女性の問題はまっさきに解決したかのように見えるが、実はもっとも後まで残る。それは人格全体から「性」だけを取り出して消費できる、と信じている人がいるからである。「トー横」や「ホスト問題」など、そういう人々の作り出している状況は悪化するばかりだ。
◆性の売買とは人間の支配
Colaboの活動が封じられたことで、助かるはずの女性たちが、過酷な状況に陥ったかもしれない。それでも少女たちを支える活動は継続している。それを支えてきたのは市民の方々からの寄付だった。
裁判は、それらの攻撃が首謀者によって他の理由(女性差別など興味がない、などの言説)で語られたとしても多くの男性たちのミソジニーを利用したものであることを明らかにした。さらに、東京都庁に書類の開示を求めて不正を暴くがごとくふるまうという、市民の権利を濫用したものであるということも認定された。
理事の中から角田さんと私が報告会に列席した。角田さんは買春問題をさまざまなところで発信している。
たとえばスウェーデンの事例では、「性的奉仕購入の罪」という法律があって、買う方を罰金もしくは1年以下の懲役に処する。業者には「性的奉仕周旋の罪」が科せられ、さらに土地や建物の賃貸や提供も周旋行為を促進した者として罰せられる。性的奉仕にはいわゆる性交のみならずあらゆる性的奉仕が含まれる。そして買われる側には刑罰の適用がなく、むしろ社会的援助と自立支援プログラムを受ける権利がある。この刑罰化によって、街頭の性売買は約50%減少したという。
女性たちが組織で出世するようになれば平等、ということにならない。もっとも大きな問題は金銭による性の売買なのだ。それは人間による人間の支配そのものである。ジェンダー問題の解決には、買春の処罰化か必須だ。女性たちのこれからが開けてくるかどうかは、そこにかかっている
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