やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

2018年11月25日
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カテゴリ: 読書メモ

​​2001年、911アメリカ同時多発テロの衝撃の後、イスラム教ユダヤ教キリスト教についての本を少しばかり読んだ。読んだけれどもよくわからないというのが本音である。

その当時集めた中で今までなぜか読まず最後に残ったのがこの 『イエスの生涯』 もうすぐ クリスマスだが、この本はイエス様が厩で生まれたとは書き始まっていない。ところがこれがわかりやすかった。遠藤周作氏の人柄と作家の力量だからだろう。

西洋画に書かれた神々しい像は、後の時代の想像力によってなされたので、容貌も平凡な中東人がどうしてイエスキリストなのか?

イエスはユダヤ人で大工さんであった。ナザレというところで30~40代まで近親者と働いて暮らしていたが貧しかった。そんな普通の人が思うところあったのか、困る身内の反対を押し切り、捨てて家出してしまう。そして放浪の生活。原始キリスト教に出合のだが、原点は貧困にあえぐ人々への同情。奇跡を起こすでもなく、救済者メシアでもなく、何にもできない無力者のイエスが政治的陰謀にはめられて、ゴルゴタの丘で十字架にかけられてむごたらしく殺される。その処刑されたということにキリスト教の意味があるという、遠藤氏の直観力が開示される。

おおざっぱに言ってしまったが、遠藤氏が思索なさったことに妙に納得してしまった。
この後編に 『キリストの誕生』 をお書きになったが。




ちなみに
2001年、当時読んだ関連本を(まだブログをしていなかったので)挙げておく。

『イスラーム 』蒲生礼一
『釈迦とイエス 』ひろさちや
『ユダヤの民と宗教』 A.ジークフリード
『ユダヤ人 』J.P.サルトル
『エクソダス 1 2 』レオン.ユリス(犬養道子訳)
『キリスト教がよくわかる本 』井上洋治(『イエスの生涯』の解説も書ていらした)
『ビンラディンのイスラム教とユダヤ教キリスト教 』神辺四郎
『イスラム過激原理主義 なぜテロに走るのか』 藤原和彦 ​​

『旧約聖書を知っていますか』阿刀田高
『新約聖書を知っていますか』阿刀田高

中東やイスラエルについてはまだまだ進行中で奥が深い。










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最終更新日  2018年11月25日 15時05分26秒
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Re:『イエスの生涯』遠藤周作(11/25)  
七詩  さん
これは書こうかどうか迷ったのですが…私もこの小説は読んだことがあります。正直言って「それはないだろう」というのが感想です。
かぎりなく他人の苦しみ哀しみによりそい、そして誰を恨むことなく惨殺されていった人物がイエスキリストだったら、それは今日の人々を感動させることはできるだろうけど、2000年の昔だったらどうだったのだろうか。
金とも権力とも無縁で、政治の中心からも外れたところにいた人物がいかに周囲の人を感動させたとしても、それはそれでうたかたのように消えていったのではないだろうか。ましてや今日のようなマスコミもなかった時代です。
遠藤周作はキリスト教作家ということになっていますが、「イエスの生涯」、「沈黙」を読むと、むしろテーマはキリスト教に対する違和感のような気がします。自らの意思で受洗した三浦綾子とは異なり、遠藤周作は親がもともとクリスチャンだった。 (2018年12月22日 08時43分51秒)

Re[1]:『イエスの生涯』遠藤周作(11/25)  
ばあチャル  さん
七詩さんへ

>正直言って「それはないだろう」というのが感想です。


たぶん七詩さんはキリスト教が隆盛したのはイエスの影響じゃないとおっしゃるのでしょうね。


>金とも権力とも無縁で、政治の中心からも外れたところにいた人物がいかに周囲の人を感動させたとしても、それはそれでうたかたのように消えていったのではないだろうか。


わたくしはそこに遠藤氏の小説で納得したのです。次編『キリストの誕生』に裏切った弟子たちがあろうことか苦しい思いをしてイエスの教えを広めたということが小説になっているということです。(読んでいないのでいい加減なんですが、ぜひよみますけども 汗)


話は飛びますが日本人の生活の中に当たり前のようにある仏教も長年わたしは違和感がありましたが、司馬遼太郎さんの『空海の風景』を読みまして、目からうろこの経験をしました。

たとえ信心しなくても宗教ということについて考えるだけでも人間の幅が広がる思いがするものです。一生はは短い期間です、一時でも哲学的と言っては大げさですが、あらゆる方面から思索にふけるのも生きている甲斐があるというものじゃないですか。

(2018年12月22日 09時22分51秒)

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