水野文博の『日々の思考』

水野文博の『日々の思考』

2004/09/05
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 中部イタリア・トスカーナでアグリツーリスモを満喫しました。

■日程

 8月9日:ローマ→オルヴィエート→途中、アグリツーリスモで昼食→アッシジ(泊)

■行動、感想

 アッシジまでは日本語ガイドつき観光バスツアー(アッシジ日帰りコース)を利用した。

 ローマを朝7時半に出発。緩やかな丘陵に広がるオリーブ畑やヒマワリ畑の中を約1時間北上し、オルヴィエートに到着。何百年も前の戦時にローマ教皇が疎開していた建物、キリストの血痕がついた布(!)などを見学した。ガイドにキリストの血液型を聞いたが分からなかった。

 昼食はアグリツーリスモで、トスカーナの農園にある家族経営のレストランにて。料理の素材はその農園でとれた農産物である。オリーブの木々に囲まれたオープンエアの食卓で、収穫や調理を行った、ホスピタリティ溢れる農家家族にサーブされながらの料理は格別であった。

 アッシジでツアーバスを途中下車してホテルUmbraにチェックイン。赤ミシュランで夕食のレストラン候補をマークし、一休みしようとベッドに横になったら、そのまま寝こんでしまった!(この機会損失は大きい!)

 なお、欧州では初めて日本語観光バスツアーを利用した。理由は下記である。

 1.個人では手配が面倒な観光プログラムが組まれている
 2.日本語ガイドから現地情報をヒヤリングできる

 1は達成、2はまるでダメだった。ガイドの質が非常に低い。その日本人女性ガイドはイタリア人と結婚してローマに住み着き、バイトとして観光ガイドを始めたと言っていたが、観光に関する知識が少なく、また日本人観光客そっちのけでイタリア人ガイドや運転手とおしゃべりをしていた。

 同じバスで英語ツアーも実施されていた。日本語ガイドツアーの2/3の料金なのにガイドの質ははるかに上。英語ガイドを職業として選んだイタリア人がやっているだけあって、ホスピタリティなどにプロ意識がうかがえる。プレゼンテーションも上手い(余談だが以前出席したプレゼンセミナーで講師が「イタリア人のようにプレゼンしなさい」と言っていたことを思い出だした)。結局、旅の現地情報も英語ガイドから聞き出して、結果的に2も達成!

■思索の断片

~アグリツーリスモ:レストラン差別化の新展開~

 トスカーナは有名なキャンティワインの産地で、料理のレベルも高い。食文化の最先端を行くトスカーナで新しい試みとして注目を集めているのがアグリツーリスモである。

 アグリツーリスモとは文字通り農業観光のことで、農園の中で民宿やレストランを営み収益を上げるビジネスモデル。

 レストラン業の視点で分析すると、バリューチェーンの上流である農家や農園にお客様を共感させ愛着を持たせたところがミソです。

 レストラン業界において戦略実施の場(戦場)の拡大を時間的に追うと下記となる。

  料理の味、盛り付け→部屋の雰囲気→ウェイターの質、ホスピタリティ→厨房、シェフ→流通→農家、農園

トスカーナでは、いち早く「農家、農場」まで行ってしまった。

 ひるがえって日本での食のバリューチェーン上流への関心を見ると、もっぱらO-157や生産地偽装問題に対する食の安全性確保を目的としたトレーサビリティに向けられている。バーコードとかRFIDなどの技術論に走りすぎる。トスカーナのように、レストラン差別化の新次元としての活用も可能ではないかと思う。





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Last updated  2012/04/07 10:42:00 AM
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