Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2013年01月23日
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カテゴリ: 夢有無有
「オリエントの神々」序章22・ギルガメシュ叙事詩・第六の書板(前半)
 彼は体の汚れを洗い、武器を磨いた。彼は束ねた髪を背中へ向けて振りかけた。彼は汚れた服を投げ捨て、上着を着て腰帯を締めた。ギルガメシュが被り物を身に着けると、ギルガメシュの美しさに大女神イシュタルは目を見張った。「私の所に来てください、ギルガメシュよ。私の夫になってください。貴方の股間の果実を私に贈呈してください。貴方が私の夫に、私が貴方の妻になりますように。貴方の為にラピス・ラズリと黄金で飾った二輪車の手綱を張らせましょう。その車輪は黄金で、その笛は真鍮。貴方は風神たちを偉大な騾馬としてそれに繋ぐのです。香伯の木の香りのする私たちの神殿へ入るのです。私たちの神殿へ貴方が入るならば、敷居も足台も貴方の両足に接吻するでしょう。王侯貴族たちも貴方の足もとにひれ伏すでしょう。山のルルブ人たちと国民たちは産物を貴方に貢ぎ物として持参するでしょう。貴方のヤギは三つ子を、貴方の羊は双子を生むでしょう。貴方の荷を負ったロバは騾馬にも勝るでしょう。二輪車の馬たちは燃えるように立派になるでしょう。くびきをつけられた貴方の牛に並ぶものはないでしょう。」ギルガメシュは大女神イシュタルに向かって言った。「貴女をめとる為に私は何を差し上げましょうか。体に塗る油と衣装を差し上げましょうか。パンや料理を差し上げましょうか。神に相応しい食物を差し上げましょうか。王に相応しい飲み物を差し上げましょうか。私はもう上着を着てしまっているのです。それなのに、どうして貴女を娶ることができましょう。貴女は冷たくなった釜戸でしかない。風を嵐を防げない壊れた扉だ。英雄を傷つける宮殿、その覆いを潰す象、それを担ぐ人を濡らす皮袋、石の城壁を壊す石灰石、敵国ではなく自国の城壁を打ち砕くラピス・ラズリ。持ち主に靴擦れをさせる履き物です。貴女が愛したどの人が長続きしているでしょう。貴女のアラル鳥の誰が天に昇ったでしょう。さあ、私は貴女の恋人の末路を暴露してあげましょう。貴女は囚われた者の腕を掴んだのです。貴女の若い頃の恋人タンムズ(ドゥムジ)の為に、貴女は年ごとに泣くことを定めました。貴女は色鮮やかなアラル鳥を愛したが、彼を打ち叩き、その翼を引き裂きました。彼は茂みの中に座り、カッピー(私の翼よ)と叫びました。貴女は力溢れるライオンを愛したが、彼の為に七つ、また七つと落とし穴を掘りました。それから貴女は、戦いで活躍した馬を愛したが、貴女は鞭と拍車と殴打をあてることを定めて、七ベール駆け抜くことを彼に命じ、泥水を飲むことを彼に命じもしました。貴女はその母である神シリリには、泣くことを命じました。それから貴女は若い牧人の長を愛しました。彼は絶えず貴女にパン菓子を積み上げました。そして日ごとに貴女の為に子羊たちを屠りました。だが貴女は彼を打ち叩き、狼に変えてしまいました。彼の羊の群れの牧童たちは彼を追い払いました。そして彼の犬でさえ、彼のももに噛みつきました。貴女はまた、貴女の父の庭番イシュラヌを愛しました。彼は貴女にナツメヤシの葉で編んだカゴを絶えず運び込みました。そして日ごとに貴女の食卓を輝かせていました。そこで貴女は彼に目をかけ、彼の元へ行きました。私のイシュラヌよ、貴女の精力を共に味わいましょう。貴女の手を伸ばし、私の股間に触れてちょうだい。貴女は私に何をお望みなのですか。わが母よ。貴女は私の為にパンを焼かず、私も食べなかったのです。貴女が食べようとしているのは悪臭と腐敗のパン、防寒の役に立たない葦細工で作った上着です。貴女はこの彼の言葉を耳にすると怒り狂い、彼を打ち叩き、モグラに変えてしまった。貴女は彼を苦しみの中に置いた。彼は上がることも下ることもできない。そんな貴女が私を愛するならば、私を彼らのように扱うでしょう。」イシュタルはこれを聞いて怒り狂い、天に昇った。
 ウルクに帰還したギルガメシュは、髪を濯ぎ、身を清め、王の衣装を纏い、冠を戴いた。それはまことに堂々たる美丈夫で、これを見た女神イシュタルは彼の前に顕われ、言った。御身は私の夫になるべきお方、ギルガメシュに富と権力を与えることを約束し、熱烈に求婚するが、ギルガメシュはこれに全く心を動かすことはなかった。そして彼は、イシュタルの愛したものがその後どのような末路をたどったかを暴いてゆく。「あなたは解けた氷、埃や風を遮れない壊れた扉、英雄をつぶす宮殿、あなたの連れ合いの誰がながく続いたろう。あなたの勇者の誰が天に上ったろう」と。戦いに勝利したギルガメシュは、妖艶だが怒らせると怖いウルクの守護女神・イシュタルの求愛を拒む。愛欲と極楽な生活を保証されたのにそれを拒んだ理由は、彼女の口車に乗った男たちはみな、骨抜きにされ、エキスを吸われて捨てられるのを知っていたからだ。美と戦いの女神イシュタルの顔が青ざめた。「ああ、ギルガメシュ。わたしが愛を与えるにふさわしい男に、やっと出会えたと思うたに、わたしの前世まで持ち出して責めるというのか。「ギルガメシュこそ男の中の男、わたしがこれぞと見込んだ男。わたしは過去をも未来をも見通す力を持っている。そのわたしが言ったことだ。ギルガメシュこそ夫となるべき男だ」と。なのにこの男はわたしの心を踏みにじった。この恥辱、許しておけようか。」イシュタルはわが身をかきむしり、嵐のように怒り、天に駆け上る。
 イシュタル(Ishtar)はアッカドの豊穣、愛、戦の女神です。また、バビロニア時代には金星を司る天体神ともされました。父神はアン、母神はアントゥム。あるいは父神はシンともいわれます。配偶神はタンムーズですが、シャムシュとされることもあったようです。また、兄弟・姉妹はシャムシュ、エレシュ・キ・ガル、或いはアダト、エンリル、ニサバなど。崇拝の中心地はウルクで、とりわけ女性達の篤い尊崇を受けたそうです。また、ウルク以外の地にも信仰の中心地があり、アルバイル(アルベラ)のイシュタル、ニネヴェのイシュタル等その地名を冠した呼称で区別されました。マッサト[王女様]、テリトゥ[並外れた強さ]、イシュタル・アヌニトゥム[女戦士イシュタル]など多くの称号を持ち、随獣は獅子です。シュメールの愛の女神イナンナと同一視されました。

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最終更新日  2013年01月23日 10時09分26秒
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