時間の陥穽26 欧州オーストリアのJ・C・ドップラー(Christian Andreas Doppler)が1842年に着想を得たのち、音波や光波の分野でこの効果について数多くの研究が行われ、この効果はさまざまの方面に応用されてきた、光や音などの波の振動数波を発生している波源とそれを観測している者の何方かの一方、若しくは両方が動いていると波の振動数がずれて観測されるドップラー効果( Doppler effect or Doppler shift))とは、波(音波や電磁波など)の発生源(音源・光源など)と観測者との相対的な速度の存在によって、音と動く物体の波の周波数が異なって観測される現象をいいます。気体の原子は走りながら光を放つ。気体原子の速度はマクスウェル分布に従っていろいろの値をとるので、ドップラー効果により、原子スペクトルの振動数は気体の温度に比例する幅にわたって分布します。銀河系外の星雲の放つ光の連続スペクトルには数本の暗線(吸収線)が観察されるのです。この暗線の振動数は、実験室内で観察される原子スペクトルの対応する線の振動数に比べると赤方偏移します。ハッブルはこの赤方偏移がドップラー効果によって生ずると考えて、銀河系外の星雲は、遠方の星雲ほど大きな速度で遠ざかっているとし、宇宙は膨張しているという解釈に到達したのです。メスバウアー効果の実験では、無反跳γ(ガンマ)線の線源を一定速度で動かしたときにおこるγ線のドップラー効果が用いられています。通常世界でも、路上を走行する自動車の速度の計測には、ドップラーレーダーが用いられ、センチメートル波の電波が車で反射したときのドップラー効果が利用されています。光子速度に限りなく近付いた速度を保つ宇宙船内ではどの様な状況になるかと云えば、貴方から遠ざかる物体はスペクトルの低い赤方偏移、あなたに向かってくる物体はスペクトルの高い菫色に近い青方変異へとシフトします。光子速度に限りなく近付いたときには可視スペクトルを逸脱し見えなくなるでしょう。此の現象は音についても当て嵌まり音源が近づくときは音が高くなり、遠ざかるときには低くなるのが通常世界の体験を超えたものになります。