Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2021年11月23日
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カテゴリ: 絶対存在論
神の存否-238
 第二部定理一八でスピノザは、人間身体への複数の物体からの同時刺激からのちの、精神のその中の一つを表象する場合のほぼ同時の他者・他物の想起に触れます。スピノザは知性の観念の連結を解析してみせます。異なった人間が同一の事物から異なったものを想起するという現象をペテロとパウロを定理一七の備考で述べ、各々の人間の表象像の連結のあり方に注目します。
 定理一八 もし仮に人間身体がかって(現在時以前に)二つ若しくは多数の物体から同時に刺激されたとしたら、精神は後でその中の一つを表象する場合ただちに他のものをも想起するであろう。
 証明 精神がある物体を表象するのは(前の定理一七系 人間身体をかつて刺激した外部の物体がもはや存在しなくても、あるいはそれが現在しなくても、精神はそれをあたかも現在するかのように観想しうるであろう。)により、人間身体のいくつかの部分がかつて外部の物体自身から刺激されたのと同様の刺激・同様の影響を人間身体が外部の物体の残した痕跡から受けることに基づくのである。ところが、仮定によれば、身体はかつて、精神が同時に二つの物体を表象するようなそうした状態に置かれていた。ゆえに精神は、今もまた、同時に二つのものを表象するであろう。そしてその一つを表象する場合、ただちに他のものを想起するであろう。Q・E・D・=此れが一番証明すべきことであった。
 備考 このことから我々は、記憶(メモリア)の何たるかを明瞭に理解する。すなわちそれは、人間身体の外部に在る物の本性を含む観念のある連結にほかならない。そしてこの連結は精神の中に、人間身体の変状(刺激状態/アフェクティオ)の秩序および連結に相応して生ずる。
 私は第一に、それは単に人間身体の外部に在る物の本性を含む観念の連結であって、それらの物の本性を説明する観念の連結ではないと言う。なぜなら、それは実は人間身体の変状(刺激状態)の観念にほかならぬのであり、そしてこの観念は人間身体の本性と外部の物体の本性とを含んでいるからである(この部の定理一六 人間身体が外部の物体から刺激(アフィキトゥル)されるおのおのの様式の観念は、人間身体の本性と同時に、外部の物体の本性を含まなければならぬ。)により。私は第二に、この連結は人間身体の変状(刺激状態〕)の秩序および連結に相応して生ずると言う。そのわけはこれを知性の秩序に相応して生ずる観念の連結と区別するためである。この知性の観念の連結においては精神はその第一原因によって知覚する。そしてこの知性の観念の連結はすべての人間にあって同一なのである。
 さらにこれから我々は、なにゆえに精神が一つの物の思いからただちにそれとは少しも類似性のない他の物の思いへ移るかを明瞭に理解する。例えばローマ人はポームム(くだもの〕)という言葉の思いからただちにある果実の思いへ移るであろう。この果実はあの発音された音声とは何の類似性もなくまた何の共通点もない。ただ同じ人間の身体がこの両者からしばしば刺激されただけにすぎない。言いかえれば、人間がその果実自体を目にしながら同時に幾度もポームムという言葉を聞いたというにすぎない。このようにして各人は、自分の習慣が事物の表象像を身体の中で秩序づけているのに応じて一つの思いから他の思いへ移るであろう。例えば軍人は、砂の中に残された馬の足跡を見て、ただちに馬の思いから騎士の思いへ、また騎士の思いから戦争その他の思いへ移るであろう。ところが農夫は、馬の思いから鋤や畑その他の思いへ移るであろう。このようにして各人は、自分が事物の表象像をこのあるいはかの仕方で結合し、連結するように習慣づけられているのに応じて一つの思いからこのあるいはかの思いへ移るであろう。



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最終更新日  2021年11月24日 03時47分57秒
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