CAPTAINの航海日記

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2011.06.21
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カテゴリ: 東日本大震災
昨日の日記の続きになりますが、小佐古敏荘氏の発言は、やはりおかしい部分が多いと思います。再掲しますと、

今回、福島県の小学校等の校庭利用の線量基準が年間20mSvの被曝を基礎として導出、誘導され、毎時3.8μSvと決定され、文部科学省から通達が出されている。これらの学校では、通常の授業を行おうとしているわけで、その状態は、通常の放射線防護基準に近いもの(年間1mSv、特殊な例でも年間5mSv)で運用すべきで、警戒期ではあるにしても、緊急時(2、3日あるいはせいぜい1、2週間くらい)に運用すべき数値をこの時期に使用するのは、全くの間違いであります。警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば、数カ月間は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、通常は避けるべきと考えます。年間20mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、極めて少ないのです。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです。年間10mSvの数値も、ウラン鉱山の残土処分場の中の覆土上でも中々見ることのできない数値で(せいぜい年間数mSvです)、この数値の使用は慎重であるべきであります。
小学校等の校庭の利用基準に対して、この年間20mSvの数値の使用には強く抗議するとともに、再度の見直しを求めます。

となるのですが、とりあえず、前段の部分は概ね正しいことをおっしゃっていると思います。事故直後の警戒期には高い数値を容認するとしても、最終的には年間1mSv未満に抑えなければならない点では、私も異論はありません。
やはり問題は後段「20mSv近い被ばくをする人は…極めて少ない」と主張しているところ。昨日の日記でも 世界の高自然放射線地域 のことを説明しましたが、その他にも宇宙飛行士が1日あたり約1mSvという極めて高い放射線量を浴びていることが知られています( 参考 )。となると、20日間飛べば20mSvの放射線量を受けてしまう訳で、そのぐらいの経験を積んだ宇宙飛行士は数百人単位でいるんじゃないでしょうか? 
こういった方々の病歴等を詳細に調査することによって、年間20mSvの被曝量を受けた人間が身体に受ける影響が部分的にではあるにせよ明らかになってくるはず。90年代前半に宇宙へと飛び立った毛利衛氏や向井千秋氏が今なおご健在であることを考えると、結果は大体わかりそうなものですけどね(笑)そう言えば、日本初の宇宙飛行士だった秋山豊寛氏は、まだ田村市にいらっしゃるのでしょうか? 気になるところです… 閑話休題
そんな訳で主張にボロが出ている小佐古氏ですが、その後ダメを押すかのように、
「私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです」
と発言していらっしゃる。記者会見で涙ながらに語ったので印象に残っている方も多いかと思いますが、彼のヒューマニズムもまた、正直怪しいもの。年間20mSvルールの設定にあたっては こちらの経緯 (中川秀直氏のブログから引用したのは、ちょっとしたイヤミです・笑)であることが知られています。この決定に小佐古氏がどの程度関わっていたのかは明らかにされていませんが、各種情報で確認すると、どうやら内閣や原子力安全委員会の行動に対し助言、指導する立場にいたようです。
となれば、年間20mSvルールが設定された4月19日から内閣参与辞任を表明した4月29日まで、原子力安全委員会や文部科学省を説得する時間はいくらでもあったはず。また、仮にこれらの機関が説得しても説得しても動いてくれなかったとしても、どうして辞表を叩きつけてしまったのでしょう? 内閣参与を辞任してしまえば、自らのヒューマニズムに沿った形で福島県の子供達を守る機会がほぼ潰えてしまうのは自明のはずなのに…
結局、いくら美辞麗句を並べ立てたところで、辞任してしまえば犬の遠吠え。説得力も何もあったものではありません。信念を持っているのであれば、辞めずに中から改革すれば良いだけのこと。如何にグズグズな政府、内閣であっても、この組織がきちんと回転しなければ、国そのものが前に進むことすらできません。結局「国も福島県もどうなってもいい」ということなのでしょうか? 小佐古氏は原発事故に対する政府の対応を「場当たり的」と批判しましたが、自らの辞任もまた無責任のそしりを免れないと考えます。

その点、ある意味小佐古氏と真逆の道を歩んでいるのが、福島県放射線健康リスクアドバイザーの山下俊一氏です。就任した原発事故当初より「年間100mSvまでは安全」と主張し県民の支持を得てきた山下氏ですが、年間20mSvルールの登場と軌を一にして強烈な批判に晒されることになります。
そのバッシングぶりは空白の一日事件当時の江川卓にも匹敵し並の人間なら精神的に参ってしまうところですが、実は山下氏は今もって上述の主張を変えておらず、アドバイザーも辞任していません(解任を求める署名活動が行われていますが)。
山下氏が「年間100mSvまでは安全」と主張する根拠はただ一つ、「年間100mSv以下の被曝の発ガンリスクは、科学的には証明されていないから」。厳密に言えば瞬時の被曝の場合のみこの論理は有効であり長期間にわたって低線量の放射線を受け続けることによるリスクについては要検討事項になる訳ですが、だからこそ、政府が年間20mSvルールを設定したことは、十分な余裕をとった措置であるとも言い得るのです。小佐古氏は何故このルールに猛反対し、内閣参与を辞任しただろう? 当初の疑問が、ふと頭をよぎります。
山下氏についていって果たして大丈夫なのだろうか? との不安は、正直私にもあります。しかし、山下氏は、被曝のリスクを抱えながらこの3ヶ月間福島県を拠点に活動してきた実績がある訳で、ずっと東京にいた小佐古氏とは立場が違います。ずっと「現場」にいて、かつ自らの理論も殆ど軸がぶれていないのだから、大した精神力だと思います。
その一点で、私は、小佐古氏よりも山下氏の主張を、支持したいと考えています。自分の主張が通らないからと駄々をこねて逃げ出す人物と、自分の主張がなかなか受け入れられないにも関わらず与えられた場に残り自らを「福島の応援団」(6月20日付福島民友のインタビューより)と主張する人物。理論はともかくとして、信頼に値するのは、断然後者です。





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Last updated  2011.06.22 16:52:08
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Re:小佐古敏荘氏と山下俊一氏(06/21)  
K市民 さん
あえて別の視点から問題を提起されることもたしかに大事ですね。私の理解ですと、健康問題は個人差が大きいので(インフルエンザで死亡する人もいればそうでない人もいるように)個々人に対してどのレベルの放射線量が安全かを示すことは非常に難しいと思われますが、20ミリの場合だと癌のリスクは千人に一人に高まるという説もありありますから可能な限り数値を低く抑えるべきだという専門家の考えにも頷けます(特に影響が大きい子どもの場合は)。涙の記者会見はそれなりのインパクトを社会に与えたという点で悪くなかったのかもしれないと私個人は考えています。もちろん責任の取り方としてベストだったかどうかはわかりませんが… (2011.06.22 06:52:24)

Re[1]:小佐古敏荘氏と山下俊一氏(06/21)  
>K市民さんへ
ここで問題視されるのは、責任の取り方もそうですが、小佐古氏の主張が「科学的ではない」ことなんですよね。
内閣参与の辞任と前後して「小佐古氏は飲料水の暫定規制値を1リットルあたり3,000ベクレルに引き上げることを要請していた」と枝野官房長官に暴露されていますが、彼の教え子でもある空本誠喜氏が「国際基準に沿ったものだ」と言い訳している訳ですよ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110514/stt11051423450007-n2.htm

20mSvルールも一応国際基準に則ったものです。ここで、飲料水が国際基準でOKなのに校庭はなぜダメなのか? との疑問が湧いてきます。小佐古氏はその辺も「ヒューマニズム」の一言で済まそうとするのでしょうが、科学者、専門家として信用できないですね。これでは。
涙にだまされてはいけません。 (2011.06.22 07:23:20)

山下氏に対する考え  
おばかんの  さん
私のブログのほうに展開してみました。

http://plaza.rakuten.co.jp/obakanno/diary/201106220000/ (2011.06.22 09:36:33)

Re:山下氏に対する考え(06/21)  
>おばかんのさんへ
わざわざありがとうございます。後ほど拝見いたします。 (2011.06.22 09:59:34)

Re:小佐古敏荘氏と山下俊一氏(06/21)  
ELBE14 さん
試合はリングの上でやるものなのに、リング外に逃げてそこから泣いて訴えられてもねえ・・・
やめてからほざくな!と言いたくなりませんか?
また県民から一部であるにせよ不信感を得てしまったアドバイザーは県知事が解任すべきです。学歴コンの知事にできるかどうかわかりませんが・・。

混乱を生んでいる原因はもうひとつ、アドバイザーが県民と直接対話しているからです。県の被曝責任者とアドバイザーが話し合って物差しを決めて県民には被爆責任者が説明をすればいい話です。県民は県に対してクレームを出すべきで、南の果ての大学のセンセエなどと直接話すべきではありません。

いま現在の県庁のトップは知能指数が著しく足りない連中が占めています。最悪の人事のときに最悪の天災、人災が起こったのです。アドバイザーに県民に対する説明責任を転嫁、平気な顔なのです。この連中に放射能のことなどチンプンカンプンです。猫に小判、豚に真珠、馬の耳に念仏です。
ただちに県民とアドバイザーの直接対話はやめさせたほうがいいです。 (2011.06.23 21:10:34)

Re[1]:小佐古敏荘氏と山下俊一氏(06/21)  
>ELBE14さんへ

>試合はリングの上でやるものなのに、リング外に逃げてそこから泣いて訴えられてもねえ・・・
>やめてからほざくな!と言いたくなりませんか?

吹いちゃいました(笑)
それで「ヒューマニズム」と言われても、説得力はないですね。

>また県民から一部であるにせよ不信感を得てしまったアドバイザーは県知事が解任すべきです。学歴コンの知事にできるかどうかわかりませんが・・。

実はこれには反対です。
というのも、我が国において活動しているまともな原子力の専門家(小佐古氏や小出裕章氏、武田邦彦氏は、まともとは言えません)は、原発賛成反対いかんに関わらず、山下氏と似たり寄ったりの考えだからです。つまり解任を決断すると「我が国の原子力研究者をことごとく敵に回す」ことになる訳。理論で対抗が不可能ならば素人は無駄な抵抗をせず専門家の言うことに大人しく従った方が賢明だと思います。山下氏の解任運動など愚の骨頂もいいところです。
ただし、

>混乱を生んでいる原因はもうひとつ、アドバイザーが県民と直接対話しているからです。県の被曝責任者とアドバイザーが話し合って物差しを決めて県民には被爆責任者が説明をすればいい話です。県民は県に対してクレームを出すべきで、南の果ての大学のセンセエなどと直接話すべきではありません。

には完全同感です。
山下氏は県から委嘱されたアドバイザーなのに、ELBE14さんがご指摘されたように「直接対話」が「直接抗議」に繋がっている感じがします。
ある意味、県庁の無能ぶりが露呈されているような気もしますが…

話は全然変わりますが、 ↓ のブログ、福島市在住の方にしてはなかなかさばけていて、面白いですよ(笑)

http://kohichi.iza.ne.jp/blog/ (2011.06.23 22:15:31)

Re[2]:小佐古敏荘氏と山下俊一氏(06/21)  
ELBE14 さん
CAPTAINさん
ご紹介いただいたブログ拝見しました。当郡山も似たようなものですが、避難所と繁華街をタクシーで往来しているかたがたも増えているようです。
避難している方々はパブの女の子に取り囲まれ、一種の体験談で彼女らの商売上の同情を集めてはお茶を濁しています。

気持ちわかりますよ・・・つらいでしょうね。そうでもないかも・・・いいかもしれません。しかし間違いなく、彼らはいま飲食店の救いの神になっています。

アドバイザーを解任すると、研究機関の人間たちを敵に回すとのご指摘ですが、昨日の報道で総県民203万人、被爆のモルモット、研究材料になるとのこと、敵に回すなら大いに結構、県民のデータを安売りはしないよ!という態度を福島県民はアドバイザー解任で示したいと思います。

われわれはモルモットでもない、研究材料でもない、被害者です。こんな反作用を理解できる県の首脳、いないでしょうね。だからこそわたしは憂います。線量計を県税で子供たちに配り、それで責任逃れをする連中ですから・・。 (2011.06.25 04:57:36)

Re[3]:小佐古敏荘氏と山下俊一氏(06/21)  
>ELBE14さんへ

>敵に回すなら大いに結構、県民のデータを安売りはしないよ!という態度を福島県民はアドバイザー解任で示したいと思います。

え~!? それは非常にまずいと思いますよ(笑)
これは脅しでも何でもないのですが、山下氏がアドバイザーを引き受けていなければ、ELBE14さんは病状を更に悪化させた可能性があるのですが…
詳しくは、今日の日記で書きますね。 (2011.06.25 06:10:37)

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