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こちらの時間の都合上、週1回しか指導することができない。
したがって課題の宿題が出るのは当たり前でそれをしなくてはこちらの考え
どうりに進まない。初日の夜、猛特訓をしょうとしていたが、彼女はまったく
デッサンと言うものがまったく理解できていないのだ。鉛筆のそろえ方から使う紙まで
こちらから用意する。まず理論から教え、鉛筆の特性、紙の性質などまるで安い肉を
30回噛むがごとく丁寧に教える。頭の線がいく度か切れる危機に陥る・・・。
まだ絵を描くどころではない。えらいこと引き受けたなぁ・・・。と頭の中をコダマのように
繰り返し響いている・・・。今日はどうも母親は来ていない。来ない日の方が多いと
知ったのは後日のことだが実家は車で2時間ほどかかるらしい。
母親がいないのか今日の彼女はよく喋る。「先生・・・彼女いてるん・・・」「お酒は好き・・?」
まったく筋違いの質問をしてきた。「忙しいねん・・・わたし・・」「毎晩三宮でバイトしてんねん」
「・・・・毎晩バイト・・・おい!それ水商売か!」「うん、そうや・・」彼女はニコッと笑いながら
涼しげな視線を差向けてきた。当然の事ながら親も知らないらしい。
学校が終わった後や授業を途中で抜けたり、最悪なことに学校をサボルこともあるのだ。
「バイトはやめろ。」「やめんと課題できんやろ。」怒っているわけではないが口調が
強くなってきた。彼女にはまったく危機感がないし、やる気がふせている。どうも彼女には
寂しそうな影がある様にみえて仕方がない。私の気のせいかも知れないが・・・。
絵もまともに描けない者がなぜ芸大を受験しなければいけないのか?
どうして親があれほど熱心に受けさしたがるのか?謎である。
親との確執か学校とのトラブル、それとも友達との関係?今の時点では想像も
出来ない。宝塚を車で出たのはもう午後11時をまわっていた・・・・・。