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ぶっく1026

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2006.01.16
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カテゴリ: 面白かった!

本日の一言-----------------------
「過去に数多くの社会が崩壊もしくは消滅し、大規模な古蹟を後代に遺
してきた。・・当の施主たちは、はなはだしい労苦の末に築いた偉大なる
建造物を打ち捨て、次代の闇に消え去った。ひとたび栄華をきわめた社
会が、どうやって崩壊の憂き目を見るに至ったのか?個々の住民はどう
いう運命をたどったのか。 (中略)

 私たちの属するこの豊かな社会にも、いずれそういう運命が降りかか
るのだろうか?今日のわたしたちが鬱蒼たる樹林に覆われたマヤ文明
諸都市の古蹟を眺めるように、いつか後世の旅人が、ニューヨークの
摩天楼の朽ちゆく巨姿に見とれる日が来るのだろうか?」

 -ジャレド・ダイアモンド
----------------------------
 またもや興味をひくタイトル「文明崩壊」です。SF小説のようなタイトル
ですが、過去のいくつかの文明の持続・衰退の原因を調査することによ
りその要因の法則性をあぶりだしたノンフィクションです。

 人類の活動が大規模化して「文明」が成立する時、同時に自然には
大きな環境負荷がかかります。それにどのように対応するかはその
社会・文明の価値観の差となり、それによって文明が持続するか衰退
するかが決まるようです。

 過去の対応の成功例・失敗例(失敗のほうが圧倒的に多い)を教訓
にして、現代の全地球規模での環境負荷について論じています。

 上下で900ページを超える字がびっしりつまった本です。仮説を裏付
ける科学的根拠なども提示できる範囲で詳細に文明崩壊について語ら
れています。
 それでも興味深いテーマと、仮説の論証もある程度あるため面白く読
み進められます。

 上巻では、現代のアメリカ(著者のなじみ深い土地)の問題から説き起
こして、過去のいくつかの文明崩壊(イースター島、マヤ文明など)の例
が語られています。
 下巻では、幸いにして生き残った例が、ニューギニア高地と日本の江
戸時代の森林保護政策が優れた対応の例として紹介されています。

 私にとって興味深かったのは、 長年謎とされていたイースター島文明
の滅亡についてもおおむね推定できたようです。完全に閉鎖された環境
での繁栄と人口爆発。そこから起こる環境変動が絶頂期の文明を奈落
の底に突き落とす。-人間が必要とする環境(食物・燃料など)を自然が
持続的に供給(再生)不可能となってしまう。

 その時、人々はどのような行動をとったのでしょうか?

 本書によると、過去の社会が自らの環境を害することによって弱体化
していく要因は主として以下の8つだそうです。
 1.森林乱伐と植生破壊
 2.土壌問題(侵食、塩性化、地力の劣化など)
 3.水資源管理問題
 4.鳥獣の乱獲
 5.魚介類の乱獲
 6.外来種による在来種の駆逐・圧迫
 7.人口増大
 8.ひとり当たり環境侵害量の増加

 上記に加えて現代の私たちが直面している環境問題が4つ。
 1.人為的に生み出された気候変動
 2.環境に蓄積された有毒化学物質
 3.エネルギー不足
 4.地球の光合成能力の限界

 何とかできるのでしょうか?

目次

プロローグ ふたつの農場の物語
第1部 現代のモンタナ
 第1章 モンタナの大空の下
第2部 過去の社会
 第2章 イースターに黄昏が訪れるとき
 第3章 最後に生き残った人-ピトケアン島とヘンダーソン島
 第4章 古の人-アナサジ族とその隣人たち
 第5章 マヤの崩壊
 第6章 ヴァイキングの序曲と遁走曲
 第7章 ノルウェー領グリーンランドの開花
 第8章 ノルウェー領グリーンランドの終焉

●for Chain Reading

・「銃・病原菌・鉄」(上・下)ジャレド・ダイアモンド(草思社)
 -西洋(欧米)文明がなぜ現代で成功しているかを、歴史的に俯瞰
   した著作。この本でピューリッツア賞を受賞。

 *この本もとても読みたくなりました。

・「セックスはなぜ楽しいか」同上(同上)





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Last updated  2006.01.16 19:07:18
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